駿台予備校の授業や教材は優秀? 料金についての解説とアンケート調査結果!

駿台予備学校は、数ある塾・予備校の中で最も多くの東大合格者を輩出している最大手の予備校です。駿台予備学校が実施する全国模試は、難関大学を目指す多くの高校生・浪人生が受けています。そのため、「難関大学を目指すならば、駿台模試を受けた方がよい」という話を聞いたことがある人は多いでしょう。今回は、そんな駿台予備校の評価・評判を紹介します。

駿台予備校は「第一志望は、ゆずれない。」をキャッチコピーとし、校舎での集団授業を中心とした学習サービスを提供しています。しかし、集団授業と言っても、20~30人の少人数制の双方向授業です。そのため、生徒は講師とコミュニケーションを取りながら、理解を深めていくことができます。

なお、駿台予備校は、集団授業のみならず、映像授業も提供しています。駿台予備校の映像授業は、以前は校舎の個別視聴ブースで視聴する必要がありました。しかし、今ではパソコンやスマートフォンから、いつでもどこでも視聴できるようになっています。

駿台予備学校  公式サイト

また、駿台予備校は、タブレットAI教材「atama+」をリリースするなど、ICT学習環境の強化にも力を入れています。atama+を利用すれば、最先端AIの「アタマ先生」が生徒一人一人の弱点を分析し、学力に応じた問題を提示してくれるため、効率的に学習を進められます。

しかし、実際のところ、駿台予備校に通った経験がある人は、駿台予備校についてどのような感想を抱いているのでしょうか。以下より、アンケート調査によって得られた評価・評判と口コミ・体験談をご紹介します。

駿台予備校の授業や教材、自習室の情報まで解説

授業や教材は高評価! 志望校対策はやや弱いかも

駿台予備校の授業や学習テキストなどに対する評価・評判はどのようになっているのでしょうか。塾・予備校比較ナビがアンケート調査で満足度を5段階評価で聞いてみたところ、次のような結果となりました。

駿台予備校の【授業の質】と【教材の質】の満足度は、他の学習サービスよりも高い評価・評判を得ていました。一方、【授業の種類・レベル】【志望校対策】の満足度は、他の学習サービスよりも低くなっていました。

数々の合格実績に裏打ちされた質の高い授業と教材が魅力

駿台予備校は、2023年度の大学入試において、1409人の東大合格者、1372人の京大合格者、3484人の早稲田合格者、2647人の慶應合格者、3672人の医学部医学科合格者を輩出している華々しい実績を持つ予備校です(駿台グループ関連法人の在籍生および各講習受講生の実績、現役・浪人の両者含む)。

これほどの素晴らしい合格実績を誇る駿台予備校の授業や教材ですが、実は不必要に難解なものはありません。駿台予備校の【授業の質】と【教材の質】の満足度が高いのは、このような点が評価されてのことだと考えられます。

確かに、駿台予備校の授業はハイレベルで、予習が欠かせないと言う人もいます。しかし、駿台予備校の授業は、教科の「原理・原則」、すなわち、基礎を重視しているものが多く、経験豊富で実力のあるプロ講師による説明が大変分かりやすいと評判です。

テキストをはじめとする教材も要点を絞ったものが多く、効率良く確かな学力を身につけられると高い評価を得ています。このように、難関大学合格までの最端ルートを描く駿台予備校の授業や教材は、駿台予備校が誇る数々の合格実績の結晶であると言えるでしょう。

しかし、駿台予備校の授業は、校舎や学年によって受けられない教科があり、網羅性が低いと言わざるを得ません。また、駿台予備校は合格目標とする大学を難関国公立大・難関私立大・国公立私立大医学部に絞っているため、難易度別の授業のバリエーションも豊富であるとは言い難いものになっています。

生徒のレベルを事細かに分け、全ての教科のあらゆるレベルの授業を志望校別に提供している塾・予備校があることに照らしてみれば、駿台予備校の【授業の種類・レベル】【志望校対策】への満足度は低くならざるを得ないでしょう。

とはいえ、駿台予備校は先述の通り、一人ひとりの生徒の学力を分析し、適切な授業や教材を提供するAI教材「atama+」の提供を開始しています。今後、AI教材の利用者が増えていけば、駿台予備校の【授業の種類・レベル】【志望校対策】への満足度は徐々に高まっていくかもしれません。

授業・教材・講師の特徴

ここでは、駿台予備学校の授業・教材・講師の特徴をそれぞれ紹介します。

●授業

駿台予備学校の授業時間は1コマ50分と、他の大手予備校と比べても短く設定されています。これは、長年にわたって大学受験生の指導に取り組んできた駿台予備学校が導き出した、生徒の集中力が持続し、学習効果が最大化する時間なのだそうです。先述のとおり、授業形態もコミュニケーションを重視した少人数制の対面授業であるため、より効率的かつ着実に学力を高めることができます。

●教材

先述のAI教材「atama+」をはじめ、自宅や寮、図書館などでわからない箇所を質問できるアプリ「manabo」や、志望校に合わせた難易度・出題分野の問題が解き放題の「過去問・分野別演習システム」などのICT教材を多数活用し、生徒の学習を絶え間なくサポートしています。

●講師

『大学への数学 解法の突破口』の著者である森茂樹先生・雲幸一郎先生、『新理系の化学』をはじめ、化学の参考書を多数手がける石川正明先生、東京大学の「青本(大学入学完全対策シリーズ)」の物理を担当する森下寛之先生など、名だたる講師陣が教鞭を執っています。

自習室はどんな感じ?

駿台予備学校には、個別ブース型と開放教室型の2種類の自習室があります。

個別ブース型の自習室では、前方と左右の3面に仕切りがある座席で人目を気にせず自分のペースで学習に励むことができます。

一方、開放教室型の自習室には、頑張るライバルたちの姿が見えるためモチベーションを高く維持しやすいというメリットがあります。

いずれのタイプの自習室も、授業日以外にも利用可能です。開放時間は校舎によって異なります。

駿台予備校の授業、教材への口コミと体験談

医学部志望であったため、センター試験、二次試験、面接や小論文など対策するべき項目が幅広く、要求されるレベルも高かったのですが、駿台予備校では過去の実績やデータ分析がしっかりとされており、これをやっていれば大丈夫だと感じ、安心して取り組むことができました。

自分の志望校に対して専門のクラスがあり、その大学の入試の傾向に合わせたテキスト、対策を熟知した先生のもとで指導してもらえた。クラスは同じ志望校を持つ生徒の中で細かくクラス分けされており、そのクラスにあった指導をしてもらえた。

特に前半期のテキストは基礎的なものが多かったですが、本質を突いており、志望校対策などに応用の効く、地力がついたと思います。授業もそうした点を意識して進める講師が多かったです。

過去問をもとに作られたテキストが多く、試験に合わせた解き方を教えてくれたため、試験で直接役に立ちよかった。

個性ある先生方が、印象に残る授業をしてくださいました。テキストは、シンプルで余計な情報が含まれておらず、またメモスペースが多かったので板書が写しやすかったです。

授業はかなりレベルが高いが、分かりやすいとは思う。教材の質もいい。高いけど。レベルはかなり高い。予習復習をしないとほとんどついていけなかった。志望校に応じてはやってくれないが、学部向けの授業はあると思う。

様々な非常に優秀な講師の方々が在籍していて授業がとてもわかりやすかった。また、授業中に理解できなかったところや自習していてわからなかった部分について講師の方に気軽に質問できる環境が整えられていたのでとても良かった。

テキストも見やすく使いやすかった。授業も講師によってまちまちではあるがわかりやすく、マイクを使用するため後ろの席でも聞き取りやすかった。規模の小さい校舎だったため、教室がぎゅうぎゅう詰めだったのは少し息が詰まる感じがした。担任はよく相談に乗ってくれて、第二志望以降の大学もちゃんと選べた。

特に数学と化学の先生の授業がよく、数学の先生は頭の良さと授業のわかりやすさに尊敬していたのでそれがまた自分のやる気のアップなどにもつながった。化学の先生は質問にも丁寧に対応してくれ、やや苦手だった教科を得意教科にしてくれた。

授業はかなりレベルが高く自分で素早く理解する力が求められていると思いました。

テキストがとても良かった。一番難しいクラスだったが講師が良かったので難しい問題も解けるようになった。

テキストは教科や講師によって違うので、一概には言えないが、基本的によくまとまっていたと思う。志望する分野(医学科コース)や大学(東大 京大 その他の旧帝大)などで学力の差に合わせたクラス分けがなされていた。

要点のまとまったテキストで先生も分かりやすい授業をしてくださり勉強しやすかった。

駿台予備校の学習環境への評価・評判は? 学費についても解説

学習環境は平均的、学費や立地などは平均より低い結果に

塾・予備校を選ぶ際には、授業や教材の質のみならず、クラスの人数やレベル分け、教室や自習室などの学習環境、講師やスタッフの質、フォローやアドバイス、学費・料金などのチェックも大切です。そこで今回は、これらについての利用経験者の評価・評判も調査しました。

駿台予備校の利用経験者に満足度を5段階評価してもらったところ、以下のような結果になりました。

【学習環境】の評価・評判は全体の平均と同じでした。しかし、それ以外の【クラス】【校舎の立地】【講師】【スタッフ】【学習サポート体制】【進路相談】【学費・料金】といった項目では、駿台予備校の評価・評判は平均を下回る結果となりました。

学費・料金は高くて不評。スタッフ、学習サポート体制、進路相談には良い口コミもあり

授業や教材の評価・評判は高かった駿台予備校ですが、それ以外の点についての評価・評判は全体的にあまり良くありません。

塾・予備校比較ナビに寄せられた口コミ・体験談では【クラス】については「教室がぎゅうぎゅうで辛かった」という不満の声が上がっていました。いくら少人数制といえども、教室が狭い校舎を選べば息苦しいようです。

また【校舎の立地】については「全国にたくさんあるわけではないので、片道1時間かかった」との声が寄せられました。確かに、駿台予備校は都心部と大都市を中心に展開しているため、大都市に住んでいない人にとっては通いづらいという欠点があります。自宅から遠い浪人生の場合は、指定寮を利用するといった選択肢も検討するとよいでしょう。

他の塾・予備校と比べて高いと言われている【学費・料金】については、このあと詳しく解説します。

以上のように、駿台予備校は授業・教材以外の評価・評判があまり高くありません。ただし、【スタッフ】【学習サポート体制】【進路相談】の3つについては、「受付スタッフがいるも優しく話しかけてくれた」「チューターの方が親身に対応してくれた」「担任との面談も頻繁にあったため、しっかりと志望校選びができた」など、良い口コミも多数寄せられています。

駿台予備校のサポート体制に対する口コミと体験談

毎回の模試の成績上位を教室の前に貼り付けてくれたので非常にモチベーションになった。

チューターの方は相談しやすく、親身に対応してくれて、最後まで安心できた。

チューターさんがクラスで1~2人ついてくださって、定期的に面談をしてくださいました。また、受付スタッフの方もいつも優しく話しかけてくださったので安心して勉強することができました。

周りの人たちも講師陣も担任もかなりレベルが高くて、モチベーション維持に繋がった。学習環境もよかった。ただただ色々レベルが高くて、クラス選びや夏季教習のレベル選びは気をつけるべき。

料金は安くはなかったが、立地は駅から非常に近くてよかった。また、スタッフの方が勉強につまずいた時や精神的に不安定な時期に相談に乗ってくれたことで受験勉強乗り越えられたと思う。

教室がぎゅうぎゅうで辛かった。自習室は空気が悪いような、息が詰まる感じがしたので好きではなかった。担任との面談も頻繁にあったためしっかりと志望校選びができたと思う。

先生だけでなく、大学生のクラスリーダーの方にもとてもお世話になった。自分の志望校に在学していたクラスリーダーの方には、志望校対策や併願校のことなどを相談したり使っていた古い赤本を貸してもらったりしてとても助かった。

自習室は夜遅くまで利用可能だったので高校で勉強し、下校時刻になってから利用することで勉強時間をきっちりとることができました。

駅に近く通いやすかった。自習室も種類があり選べるので良かった。

受験までのスケジュール管理を徹底して行ってくれた。駅の近くで通いやすかったが、全国にたくさんあるわけではないので、片道1時間かかった。

校舎が学校からと家から共に通いやすい位置にあった。また講師の先生の説明が非常に分かりやすかった。

駿台予備校の費用は1年間でどれくらい? アンケート調査結果も

料金はどうなっている?

駿台予備学校の2023年度の基本的な料金(4月から年度末まで)は、以下のようになっています。

※料金はすべて税込表示です。

●高校生クラス

入学金3万円
年間授業料〈50分授業×3コマ(週1回)〉高校3年生〈難関・英語/首都圏〉20万円
高校2年生〈難関・英語/首都圏〉22万5500円
高校1年生〈難関・数学ⅠAⅡ/首都圏〉22万5500円
年間システム・サポート料5万2800円

●高卒(浪人生)クラス

入学金10万円
年間授業料84万円~120万円
※校舎・コースによって異なります。

高卒クラスは無料のWEB会員登録をすると、入学金が半額になります。

料金の詳細やオプションなどについては、駿台予備学校に直接お問い合わせください。

アンケート調査結果を見てみよう

実際に駿台予備学校に通っていた人はどのくらいの費用をかけていたでしょうか。塾・予備校 比較ナビで2023年3月にWebアンケートを実施して調査してみました。

Q. 大学受験を迎えた年に、塾・予備校(駿台予備学校)に支払った金額はいくらくらいでしたか。

■調査について
調査期間:2023年3月
調査対象:「大学生・大学院生」か「社会人(大学卒)」の子どもを持つ50代の男女720人
調査方法:インターネット調査

今回の調査では、年間の学費の平均は76.8万円という結果となりました。内訳を見てみると、「100万円以上~120万円未満」が20.5%で最多となっており、以下、「20万円未満」と「40万円以上~60万円未満」がそれぞれ17.9%、「80万円以上~100万円未満」が15.4%と続いています。

駿台予備学校の学費の平均値は他の大手予備校と比べても高めとなっており、不満の声が上がるのも頷けます。しかし、駿台予備校が公式Webサイトなどで提示している料金との乖離はほとんどなく、信用できる予備校であると評価することもできます。また、学費を平均値以下に抑えられている人が約半数に上っている点から、割引制度を活用したり、受講する講座を絞ったりすれば、学費を低く抑えられることがうかがえます。

駿台予備学校で実際に使った料金についての口コミ

子どもの塾・予備校向けに、親として学費を支払った人に、どの程度満足しているか、評価・感想を尋ねました。

〜20万円未満

8点    進路に対して真剣に向き合ってくれたところが良かった(50代・男性)

8点    分かり易いと言っていた。(50代・男性)

6点    通った効果、意味はあったかどうか疑問(50代・男性)

20万円以上~40万円未満

8点    理系に強い予備校だった(50代・男性)

40万円以上~60万円未満

10点  子供が目標とした大学に合格し入学できた(50代・男性)

8点    志望校に合格した(50代・男性)

7点    自立している子には良いと思うがそうでない子には向かないと思うから(50代・女性)

7点    結果、合格したので。(50代・男性)

4点    あまりチューターさんのフォローがなかった。(50代・女性)

60万円以上~80万円未満

10点  結果がすべてなので、非常に満足した。(50代・女性)

9点    講師陣が充実していたし、勉強環境の配慮も感じられた。(50代・女性)

8点    海外から帰国してすぐに予備校でしたがフォローをしてくれる先生方が多かったので良かったと思います。(50代・女性)

80万円以上~100万円未満

8点    カリキュラムやノウハウが豊富(50代・女性)

7点    大手なので情報は多いと思う(50代・女性)

100万円以上~120万円未満

9点    結果が出たので満足している(50代・女性)

9点    通学に時間がかかり、ロスのためマイナス。(50代・男性)

8点    入った時には無理だと思っていた希望の国立大学に無事合格できたので満足している。(50代・女性)

8点    本人が満足して通っていたから(50代・女性)

7点    高いけど講師がいい(50代・女性)

6点    とても親切な対応とは言えない(50代・女性)

140万円以上~160万円未満

8点    本人の希望に合わせて指導してくれたと思う。(50代・女性)

180万円以上~200万円未満

6点    現状維持で終わった(50代・女性)

200万円以上

9点    合格したから(50代・女性)