「夏休みに思うように勉強できなかった」「受験生なのにちょっとサボってしまった」と、焦りを感じていないでしょうか。しかし、心配はいりません。大学受験では秋からの行動次第で十分に巻き返しが可能です。
この記事では、サボってしまった原因の振り返り方から、巻き返しのための4ステップ、状況別にやるべきことまでを解説します。秋から避けたいNG行動やよくある質問も紹介するので、今日からの行動を決める参考にしてください。
大学受験は秋からでも間に合う

「気付けば夏が終わっていた」「思うように勉強できなかった」という焦りは、多くの受験生が経験するものです。しかし、秋以降は、インプット中心の学習からアウトプット中心の学習へと移る時期にあたります。覚えた知識を問題演習で使う段階に入るため、限られた期間でも得点力を伸ばしやすいのです。
実際に、出遅れを自覚した時点で行動を変え、逆転合格をつかむ受験生は珍しくありません。夏までに勉強できなかったことを悔やむより、残りの期間で何をするかに意識を向けましょう。
ただし、秋から勉強を始めさえすれば必ず間に合う、というわけではありません。すぐにでも動き出して効率的な学習を始めることが、巻き返しの前提です。
まずは「サボってしまった原因」を振り返る

秋からの巻き返しに入る前に、なぜ夏までに勉強が進まなかったのかを振り返っておきましょう。サボってしまった原因は、大きく2パターンに分けられます。
勉強時間を確保できなかったパターン
1つ目は、部活動や友人との時間を優先し、机に向かう時間自体が少なかったケースです。スマートフォンやゲームなどの誘惑に負けて、気付けば一日が終わっていたという人もいるでしょう。このパターンに当てはまる人は、勉強の中身よりも、まず時間をどう確保するかを見直す必要があります。
一方で、部活動に打ち込むために勉強時間を確保できなかった受験生のなかには、引退後に危機感を持って一気に追い上げるケースも少なくありません。時間さえ確保できれば伸びしろは十分にあるので、悲観しすぎないでください。
勉強はしていたが身に付いていなかったパターン
2つ目は、勉強時間はそれなりに確保していたものの、知識や解答力が身に付いていなかったケースです。例えば、いろいろな参考書に手を出した結果、志望校対策につながらない勉強をしていた人もいるでしょう。
また、復習が不十分で忘れてしまうことも知識が定着しない原因の一つです。間違えた問題だけでなく、正解した問題を含めて復習する必要があります。特に、「自信はなかったのに正解できた問題」を放置していた場合、本番で似た問題が出たときに解ける保証はありません。
学力が高まらない原因を明確にしないまま秋を迎えると、これまでと同じ勉強法を繰り返してしまいます。自分の勉強のどこに無駄があったのかを、一度書き出してみましょう。
秋になって成績が下がってきたと感じる人は、次の記事も併せて確認してください。
秋からでも間に合う!大学受験の巻き返し4ステップ

原因を振り返ったら、次は反省を具体的な行動に変える段階です。ここで紹介する4つのステップを順に進めれば、残りの期間でやるべきことがはっきりするでしょう。各ステップの内容を見ていきます。
1.現在地を把握する
巻き返しの第一歩は、自分の現在地を知ることです。直近の模試結果や過去問の得点を確認し、志望校合格に向けた課題を把握しましょう。
苦手科目では、どの分野や単元で失点しているのかを具体的に洗い出すことがポイントです。失点の多い単元がわかれば、優先して復習すべき範囲を絞り込めます。
併せて、得意科目も確認しておきましょう。さらに得点を伸ばせる科目を把握しておくと、苦手科目の失点をどこで補うかを考えるときの判断材料になります。
2.優先順位を決めて計画を立て直す
現在地がわかったら、優先順位を決めて計画を立て直します。国公立大学の二次試験で使う科目や配点の高い科目など、得点に直結する科目に絞って対策しましょう。時間が限られている以上、優先度の低い分野は思い切って捨てる判断も必要です。
学習計画は、1ヵ月分の大まかな予定を立てたあと、1週間単位、1日単位まで細かく分けてください。1日にこなす量まで落とし込むと、本当に実行できる計画かどうかを判断しやすくなります。無理のある計画は途中で崩れやすいため、少し余裕を持たせておくと安心です。
3.過去問演習を軸にアウトプットする
秋からは、基礎を復習しつつ、できるところから過去問演習を取り入れましょう。ただし、過去問が難しいと感じた場合は、無理をせず基礎固めを優先してください。
入試前までに、第一志望校の過去問は10年分を目安に解くと、出題傾向や頻出分野を深くつかめるでしょう。併願校の過去問は2~3年分を目安にするなど、志望順位に応じて取り組む量を変えるのが効率的です。
過去問を解くなかで知識不足に気付いたら、その場で参考書や教科書に戻ってインプットし直してください。問題を解き、足りない知識を補い、もう一度解くという流れを繰り返すことで、弱点を効率良く埋められます。
4.予備校や塾の力を借りて立て直す
遅れを取り戻すための学習計画を一人で管理するのが難しいと感じたら、塾や予備校を活用するのも有効な選択肢です。大手予備校の映像授業なら、自分の理解度に合わせて基礎から復習できます。
例えば、東進ハイスクール・東進衛星予備校では、AIを活用した「志望校別単元ジャンル演習講座」や「第一志望校対策演習講座」など、演習中心の講座を受講できるのが特徴です。こうした講座で実践的な問題に数多く取り組めば、問題を解く力を効率的に身に付けられるでしょう。
高校3年生向けのコースは、9月頃には受付を終了している場合があるため、夏頃までに申し込みを済ませておくと安心です。資料請求や体験授業を活用し、秋から通い始めても自分に合った受験対策を受けられるかどうか確認しておきましょう。
予備校と塾のどちらを選ぶか迷っている人は、次の記事も参考にしてください。
【状況別】大学受験生が秋からやるべきこと

ここでは、出遅れてしまった人を3つのタイプに分け、それぞれが秋から取り組みたいことを紹介します。自分に近いタイプを探して読んでみてください。
秋からの学習計画を月別に立てたい人は、こちらの記事も参考になります。
ほとんど手つかずだった人
夏までほとんど勉強が手つかずだった人は、単語や文法、公式といった基礎知識の総復習から始めましょう。抜け漏れなく完璧に仕上げるつもりで取り組むことが大切です。ただし、全科目を一気に始めようとせず、志望校の入試で配点の高い科目から手を付けてください。
不安から応用レベルの参考書に手を伸ばしたくなるかもしれませんが、まずは基礎固めに専念しましょう。何から手を付ければ良いか判断できない場合は、塾や予備校で学習の優先順位について相談するのも有効です。
計画が続かず中だるみしていた人
計画を立てても続かなかった人は、まず計画が崩れた原因を特定しましょう。「目標が現実的でなかった」「進捗を管理できていなかった」など、原因によって立て直し方は変わります。
例えば、「1ヵ月でこの問題集を終わらせる」という大まかな目標だけを立てていたなら、1日に何ページ進めるかまで計画を細かく分割し、実行できる形に落とし込んでください。小さな目標を1つずつ達成すると、計画どおりに進められたという成功体験が生まれます。
一人でスケジュールを管理するのが難しいなら、塾や予備校に学習計画の管理を任せるのも一つの方法です。
部活動・学校行事で時間が取れなかった人
部活動や学校行事で忙しかった人は、通学時間や休み時間などのスキマ時間を暗記科目にあてましょう。部活動で培った集中力や体力は、引退後の受験勉強にも活きます。勉強以外を頑張ってきた後発組ほど、危機感を持って勉強に集中し、一気に成績を伸ばすケースもあります。
限られた時間で効率的に学習を進めたい場合は、塾や予備校の個別指導で、取り組む内容に優先順位を付けてもらうとよいでしょう。
学習環境と模試との向き合い方

受験勉強の遅れを取り戻すには、学習内容だけでなく、勉強に集中できる環境づくりと、模試結果の受け止め方の見直しも欠かせません。ここでは、出遅れを感じている人が意識したい2つのポイントを解説します。
誘惑を断ち、スキマ時間を得点に変える
学習環境を整えるには、サボりのきっかけになる誘惑を断つことが重要です。スマートフォンの通知をオフにしたり、自習室や図書館に行ったりして、勉強に集中できる環境を整えましょう。
通学中や休み時間には、短時間でも取り組みやすい単語帳や一問一答アプリを活用してください。コツコツ覚えた内容が点数につながると実感できれば、勉強を続ける意欲も湧いてきます。
出遅れている自覚がある人ほど、机に向かう時間の長さだけでなく、スキマ時間の使い方も重要です。短い時間でも積み重ねれば、1日の学習量は確実に増えていくでしょう。
秋の模試結果に焦って志望校を下げない
秋の模試では、判定だけでなく、どの分野で失点したかという得点の内訳にも注目しましょう。出遅れを理由に慌てて志望校を下げるのではなく、秋以降の伸びしろを踏まえて判断することが大切です。得点を伸ばせそうな分野が見つかれば、志望校を変えずに受験勉強を続ける判断もしやすくなるでしょう。
模試の志望校欄には難易度の異なる複数の大学を記入し、自分の客観的な位置を把握しておきましょう。判定の推移を大学ごとに比べられるため、志望校を最終的に決める際の判断材料にもなります。
大学受験生が秋からの巻き返しで避けたいNG行動

出遅れを取り戻そうと焦るほど、かえって遠回りになる行動を取ってしまいがちです。ここでは、秋からの巻き返しを図るときに陥りやすい失敗パターンを3つ紹介します。
複数の参考書に同時に手を出す
不安になると、評判の良い参考書を次々に買いたくなるかもしれません。しかし、あれこれ手を広げると、どれも中途半端になり、時間だけが過ぎてしまいます。1冊を完璧に仕上げてから次に進むほうが、結果としては効率的です。
新しい参考書に手を伸ばす前に、今使っている教材をやり切れているかを振り返ってください。同じ問題集を繰り返し解き、間違える問題がなくなるまで取り組むことで、知識が確実に定着していきます。
睡眠時間を削って詰め込む
遅れを取り戻そうとして睡眠時間を削るのは逆効果です。睡眠不足は記憶の定着を妨げ、翌日の学習効率も下げてしまいます。短期間で追い込みをかける時期でも、6~7時間以上の睡眠時間は確保しましょう。
質の良い睡眠は学習効率に影響するため、勉強時間を少し削ってでも優先する価値があります。就寝と起床の時刻を決めて、毎日同じリズムで過ごすことも意識してください。眠気が残った状態で机に向かっても、内容が頭に入りにくくなります。
情報収集ばかりで手が止まる
不安から参考書ルートや合格体験談を延々と調べ、肝心の勉強が進まないケースも少なくありません。焦りや不安を一人で抱え込んでいると、勉強への意欲がかえって落ちてしまいます。
迷ったときは、塾の講師や家族に現状を共有し、客観的なアドバイスをもらいましょう。そのうえで、まずはできることを1つ行動に移すことが大切です。調べる時間を勉強の時間に置き換えるだけでも、毎日の学習量は確実に増えていきます。
予備校の講師やサポートを上手に活用する方法については、こちらの記事も参考にしてください。
秋から受験勉強を本格化させたい学生のよくある質問

ここでは、秋から受験勉強を本格化させたい受験生が抱きやすい疑問に答えます。疑問を解消し、迷わず勉強に取り組めるようにしましょう。
Q. 一度サボり癖が付いてしまったら、もう取り戻せない?
サボってしまうのは性格の問題とは限らないため、行動を見直すことで改善が期待できます。
サボり癖の背景には、「問題が解けない→周りと比べて不安になり勉強をやめる(感情回避)」「勉強をしたくない→今日は疲れているなどと理由を付けてサボる(自己正当化)」といった心理や行動パターンが関係している場合があります。こうした自分の傾向を認めたうえで行動を変えれば、サボり癖は少しずつ改善できるでしょう。
例えば、やる気が出るのを待ってから始めるのではなく、5秒数えたらすぐ机に向かうなど、先に行動を起こしてみてください。動き出してしまえば、やる気はあとから付いてくるものです。
小さな目標を1つずつ達成して成功体験を重ねることで、勉強への抵抗感が減り、机に向かう習慣が付きやすくなります。
Q. 模試の判定が絶望的でも逆転できる?
E判定やD判定は、本番の合否を確定するものではなく、模試を受けた時点での目安に過ぎません。サボっていた自覚がある人でも、秋から過去問演習中心の学習に切り替えて、短期間で成績を伸ばすケースがあります。
判定だけでなく、模試ごとの得点や偏差値の推移も確認しましょう。前回より伸びている科目があれば、今の学習法が成果につながっていると判断できます。伸びている部分を確認できれば、自信を持って学習を続けられるはずです。
Q. 何から手を付ければいいかわからないときは?
まずは志望校の過去問を1年分だけ解いてみて、現在の実力と合格ラインとの差を確かめましょう。そのうえで、差が大きい分野から優先して基礎の総復習に取り組みます。
実際に問題を解くと、参考書を眺めているだけでは気付けなかった弱点が見えてくるはずです。一人で判断するのが難しい場合は、塾の講師や学校の先生に学習計画を相談してください。解いた過去問は、秋以降の学習の進み具合を測るものさしにもなります。
まとめ
大学受験は、秋からでも行動を変えれば十分に巻き返しを図れます。まずはサボってしまった原因を振り返り、現在の学力の把握、計画の立て直し、過去問を軸にしたアウトプットという順に取り組んでいきましょう。状況に合わせて優先すべきことを決め、次々と新しい参考書に手を出す、睡眠を削るといったNG行動は避けてください。
一人で計画を管理するのが難しいなら、予備校や塾の力を借りるのも有効です。夏までの遅れを悔やむより、今日の1問を解くことから始めましょう。