医学部予備校の費用はいくらかかる?予備校別に学費を比較!

医学部を目指すのであれば、医学部の受験に強い予備校、いわゆる「医学部予備校」に通いたいものです。しかし、医学部予備校に通うには費用がいくらかかるのか、少し不安に思う人もいるでしょう。

そこで、今回は医学部予備校の費用相場について解説した上で、医学部予備校の費用を安くする方法と大手・医学部専門の主要な予備校の授業料を紹介します。医学部予備校の費用の目安を知りたい人はぜひ参考にしてください。

医学部予備校の費用の相場はいくら?

医学部予備校の費用は、予備校の種類によって異なります。また、現役生であるか浪人生であるかによっても、かかる費用は前後します。

ここでは、医学部予備校の種類を紹介した上で、現役生の場合と浪人生の場合のそれぞれの医学部予備校の費用の相場について解説します。具体例は本記事の後半にまとめましたのでそちらを参照してください。

どんな種類があるのか

医学部予備校は、主に以下の3つの視点で分類できます。とはいえあくまで大まかな分類ですので、必ずしもすべてがこれらの視点で分けられるというわけではありません。具体的な指導方法やコース分けなどについては、個々に確認する必要があります。

  • 医学部専門かオールラウンドか
    医学部受験に特化した優秀な講師を集めている医学部専門の予備校は、大学受験全般に対応しているオールラウンドな予備校と比べて授業料が高い傾向にあります。
  • 個別指導か集団授業か
    1~3人の生徒が個々の状況に応じて指導を受ける個別指導は、大勢の生徒が同じ授業を受ける集団授業と比べると人件費がかさむため、集団授業よりも授業料が高くなります。ただし、例えば東進ハイスクール・東進衛星予備校のように、学習ペースは個人に合わせ、グループミーティングで集団指導の良さも取り入れるような、複合的な予備校もあります。
  • 国公立コースか私立コースか
    国公立コースは受験科目が多い分、私立コースよりも授業料がかさみがちです。ただ、私立医学部の対策の方が国公立医学部の対策よりも手間がかかるという理由から、国公立コースよりも私立コースの授業料を高く設定している予備校も少なくありません。

現役の場合の費用の相場

現役の場合の各種医学部予備校の費用の相場は、下表のとおりです。なお、授業料は教材費やサポート料金、講習費などの諸費用を含めた1年間の料金相場です。

医学部専門入学金:3万~30万円
授業料:100万~300万円
オールラウンド入学金:3万円~8万円
授業料:50万~100万円
個別指導入学金:3万~5万円
授業料:100万~600万円
集団授業入学金:3万~30万円
授業料:50万~300万円
国公立コース入学金:3万~30万円
授業料:100万~500万円
私立コース入学金:3万~30万円
授業料:50万~300万円

医学部受験のために予備校に通う場合には、面接や小論文など、医学部ならではの受験科目の対策が必要になります。そのため、医学部以外の学部の受験対策のために予備校に通う場合と比べると、医学部予備校に通うための費用はかさむことが一般的です。

浪人生の場合の費用の相場

浪人生の場合の各医学部予備校の費用の相場は、下表のとおりです。なお、授業料は教材費やサポート料金、講習費などの諸費用を含めた1年間の料金相場です。

医学部専門入学金:5万~30万円
授業料:150万~700万円
オールラウンド入学金:10万円程度
授業料:100万~200万円
個別指導入学金:5万~15万円
授業料:150万~700万円
集団授業入学金:5万~30万円
授業料:100万~500万円
国公立コース入学金:5万~30万円
授業料:100万~500万円
私立コース入学金:5万~30万円
授業料:150万~500万円

多くの医学部予備校は、現役生よりも浪人生の学費を高く設定しています。

また、寮を利用する場合、上表の料金に加えて200万~300万円の寮費がかかります。そのため、現役生の場合と比べると、浪人生の場合の方が多くの費用が必要になることが一般的です。

医学部予備校の費用を安くする3つの方法

医学部予備校の費用を安くする手っ取り早い方法は、授業料が安い予備校を選ぶことです。

しかし、質や相性を吟味せず、やみくもに授業料が安い予備校を選ぶことは、決しておすすめできません。

ここでは、質も相性も妥協せずに医学部予備校の費用を安くする方法を3つ紹介します。

特待生制度を利用する

医学部予備校には、「特待生制度」を設けられていることが少なくありません。

特待生制度とは、予備校が提示する条件を満たし、成績優秀と認められた場合、授業料の減免を受けられる制度です。

多くの医学部予備校が提示している特待生制度の適用条件としては、以下の3つが挙げられます。

  • 特待生試験に合格する
  • 模試で好成績を収める
  • 前年度の医学部受験で一次試験に合格している

なお、特待生制度による授業料の一般的な減免率は10~30%ほどですが、中には50%以上の減免率を掲げている医学部予備校もあります。

単科クラスを利用する

多くの医学部予備校は、本科クラスと単科クラスを設けています。

本科クラスとは、学校と同じように予備校が組んだスケジュールに従って受験に必要な複数の科目の授業を受けられるクラスです。

一方、単科クラスとは、自分が受けたい科目だけを選んで受けられるクラスです。

本科クラスは授業が多い分、学費がかさんでしまいます。しかし、苦手科目だけを単科クラスで受講すれば、医学部予備校に通う費用を抑えられます。

教育ローンを利用する

教育ローンを利用すれば、医学部予備校に通うための学費を工面できます。

主な教育ローンとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)
    年1.65%という低金利で、お金を350万円まで借りられます。ただし、利用条件として、世帯年収の上限額が定められています。
  • 民間金融機関の教育ローン
    継続安定した収入があり、十分な返済能力があるのであれば、銀行や信用金庫などの民間金融機関の教育ローンを利用できます。借入限度額は500万~1,000万円、金利は実質年率3~5%のものが多いです。
  • 予備校と提携している信販会社の教育ローン
    予備校と提携している信販会社の教育ローンを利用するのも、1つの手段です。金利は実質年率3~4%で、審査の通りやすさも民間金融機関の教育ローンと大差はありません。

なお、住んでいる自治体によっては、教育ローンの利子を補助する「利子補給制度」を設けている場合があります。教育ローンの利用を検討している人は、自治体の利子補給制度についても調べてみてください。

予備校の授業料まとめました!大手・医学部専門・家庭教師

ひとえに医学部予備校と言っても、さまざまな予備校があり、授業料もそれぞれ異なっています。

ここでは、大手予備校と医学部専門予備校について、それぞれの主要な予備校の授業料をまとめて紹介します。

大手予備校の授業料まとめ

主な大手予備校の授業料は、下表のとおりです。

ただし、下表の料金はあくまで基本的な授業料であり、夏期講習・冬期講習や志望校対策講座などのオプション講座を受ける場合には、別途料金がかかります。

東進ハイスクール〈現役生〉
・入学金:33,000円
・担任指導費:33,000円(高3生が4講座以上申し込む場合は77,000円)
・通期講座受講料(単科):77,000円(「高等学校対応 理科基礎」の受講料は57,750円)
・模試費:高3生 29,700円/高2生 14,850円/高1・高0生 12,650円

〈高卒生〉
・入学金:101,200円
・授業料:特訓本科コース 682,000円(新宿校大学受験本科(東大・国公立医学部・難関国立) 763,400円/新宿校大学受験本科(私立医学部・早慶) 742,500円)
東進衛星予備校〈現役生〉
・入学金:33,000円
・担任指導費:高3生 55,000円/高2生以下 33,000円
・通期講座受講料(単科):77,000円(「高等学校対応 理科基礎」の受講料は57,750円)
・模試費:高3生 29,700円/高2生 14,850円/高1・高0生 12,650円

〈高卒生〉
・入学金:33,000円
・担任指導料:44,000円
・通期講座受講料(単科):77,000円
・模試費: 29,700円
河合塾高校グリーンコース(現役生)
・入塾金:33,000円
・塾生サポート料:高1・高2生 3,300円/月、高3生 6,050円/月 
・医学部受験対応講座受講料(単科):高1・高2生 169,650円~/年、高3生 164,400円~/年

大学受験科(高卒生)
・入塾金:100,000円
・授業料:国公立大コース 730,000円~/私立大コース 1,955,000円~(現役生・高卒生ともに麹町校〈医進専門特化校舎〉の例)
駿台予備校高校生クラス(現役フロンティア)
・入学金:30,000円
・医学部受験対応講座受講料(単科):高1生 19,750円/月~、高2生 19,250円/月~、高3生 22,750円/月~

高卒クラス
・入学金:100,000円
・授業料:国公立大コース 860,000円~/私立大コース 790,000円~

※料金はすべて税込表示で、2021年10月時点のものです。特記がないものは、1年間の料金です。

医学部専門予備校の学費まとめ

下記のような医学部専門をうたう予備校もあり、多くの医学部合格者を輩出しています。

・アガルートメディカル
・α学習塾
・池袋医学館
・ウインダム
・ACE Academy
・MC医専アカデミー大阪
・KGS
・進学塾ビッグバン
・TMPS医学館
・東京メディカル学院
・野田クルゼ
・PMD医学部専門予備校
・富士学院
・プロメディカス
・メディカルラボ
・メデュカパス
・メビオ
・メルリックス学院
・横浜予備校
・レアル大阪

数ある医学部予備校の中でも高い実績を誇っている「野田クルゼ」「メビオ」「メルリックス学院」の授業料は、下表のとおりです。

ただし、下表の料金はあくまで基本的な授業料であり、オプション講座を受ける場合には、別途料金がかかります。

野田クルゼ現役生〈基本コース(クラス授業)〉
・入学金:30,000円
・教材費(1講座):2,650円
・授業料(1講座): 15,760円/月

〈個別指導コース〉
・入学金:30,000円
・授業料(1時間):7,560円

高卒生〈国立医進コース〉
・入学金:20,000円
・教材費:110,000円
・施設費:60,000円
・授業料:428,000円

〈スーパー選抜コース〉
・入学金:20,000円
・教材費:110,000円
・施設費:210,000円
・授業料:750,000円

〈総合コース〉
・入学金:20,000円
・教材費:110,000円~
・施設費:210,000円
・授業料:1,550,000円~

〈個別指導コース〉
・入学金:100,000円
・授業料(1時間):9,980円
メビオ・入学金:330,000円
・授業料(1時間):高1・2生 3,850円/高3生 4,290円/高卒生 4,620円
メルリックス学院現役完全個別コース(現役生)
・入学金:55,000円
・授業料:1,069,200円

個別指導コース(現役生・高卒生)
・入学金:55,000円
・授業料(1コマ):22,000円

私立医学部選抜コース(高卒生)
・入学金:330,000円
・授業料:2,244,000円

私立医学部受験コース(高卒生)
・入学金:330,000円
・授業料:4,263,600円

私立医学部オンラインコース(高卒生)
・入学金:165,000円
・授業料:4,263,600円

完全個別コース(高卒生)
・入学金:165,000円
・授業料:5,385,600円

全力集中プラン(高卒生)
・入学金:0円
・授業料:163,350円

※料金はすべて税込表示で、2021年10月時点のものです。特記がないものは、1年間の料金です。

まとめ

医学部予備校に通う場合には、現役生で50万~600万円、浪人生で100万~700万円ほどの費用が必要です。寮を利用する場合には、さらに200万~300万円の寮費もかかります。

しかし、特待生制度や単科クラス、教育ローンを利用すれば、医学部予備校に通う費用を安くすることが可能です。

また、医学部予備校を選ぶ際には、授業料の高い低いよりも、質と相性を見ることが大切です。間違いなく自分に合う医学部予備校を選びたいのであれば、体験授業や説明会に参加しましょう。