史上最年少の芦屋市長、大学受験は高3の1月からだった? 合格体験記を紹介

2023年4月23日、兵庫県芦屋市の市長選挙で26歳の高島崚輔氏が当選し、史上最年少の市長が誕生した。さまざまなメディアが高島氏の「東大を経てハーバード大卒」といった経歴や人となりなどを報じているが、塾・予備校比較ナビ編集部はそうした報道の中から、高島氏が東京大学を受験した際の合格体験記があることを発見した。高島氏がどのような大学受験を経験したのか、ご紹介していきたい。

以下、東進ハイスクール 東大特進コース 合格体験記2015より転載


人事を尽くして、天命を待つ。

受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください

 実は、本格的に「受験のための」勉強を始めたのは、高3 の1 月からでした。やむをえない事情がありこんなバタバタになってしまったのですが、みなさんは真似しないようにしましょう。ただ逆に言えば、そこからでもやり方次第で未来は変えられるということ。もう間に合わないんじゃないか、そう思ったときに参考にして頂けると嬉しいです。

時期ごとの勉強

中1~高1:とにかく学校の授業を丁寧に理解し、定期考査で満点を取りに行くことを心がけました。英数国の3科目に関しては、小学校の頃に高校レベルまで学んだことも大きなアドバンテージとなったと思います。

高2:文理選択の時期。将来やりたいことが文系寄りの仕事だったものの、敢えて理系を選択。また、学校で高3 用の全国模試を受け始めました。英数国はある程度できるという自信に。

高3 春~秋:当初からの予定通り、文転。社会に不安があったものの、英数国で逃げ切ることが計算上可能だったので迷うことなく決断しました。生徒会や部活動も終盤に差し掛かり毎日大忙しでしたが、定期考査前は勉強するようにしました。
 夏の模試は全て予定が入り不受験。秋も結局東大実戦しか受験できませんでした。そんな中、東進の東大本番レベル模試が良いペースメーカーとなったと思います。ただ、いずれの回も英数国で逃げ切る展開通りでまさかの好成績。これでいけると思ってしまったのが最後のバタバタに繋がった気もします……。

高3 1 月:センター対策。社会ができないことはわかっていたので、世界史を0 から完成させることを目指し、最初に『大学受験 ココが出る! ! 世界史B ノート 三訂版』を書き込みながら1 周して流れをつかみました。本番2 日前には総仕上げのつもりで東進のセンター試験本番レベル模試を解いてみたところ、まさかの大不振。100 点up を目指して社会と理科を中心に過去問をやり込みました。前日には地理3 つ、世界史9 つを解き出陣。

高3 2 月:センター後、いよいよ本格的な二次対策。まずは東大特進の直前テストゼミに参加しました。東大特進の授業では先生方の解説授業を直接受けられたことが良い確認となっただけでなく、答案を実際に添削して頂けたことが最高の調整になりました。一流の講師の方々に採点して頂ける機会は本当に貴重です。その後は東大プレ模試を受験したのですが、ここで頼みの綱の英数が大ブレーキ。世界史も10 点を下回り、初めて「不合格」の3 文字が脳裏をよぎりました。
 それでも前を向くしかない。総仕上げは過去問演習。数学・地理を2 日ずつで10 年分こなし、前日に古漢を7 年分演習して、いざ出陣。

教科ごとの勉強とアドバイス

英語:学校の授業がベース。TOEFL の勉強などもしていたことがwriting, listening 力の向上に役立ったのかもしれません。ただ、idiom暗記を全くしなかったことがセンターに響いたのは確か。早めに語句だけはしておこう。

国語:学校の授業がベース。まずは古漢の語句や句法を固め、古漢を完成させることが点数安定の近道でしょう。

理科基礎:3科目勉強しておくことを強く、強くおすすめします。その上で、当日簡単な2つを選べば良いのだから。僕の場合は学校では物理・生物を選択していましたが、生物の暗記に不安を感じて試験2日前に化学の勉強を開始。当日は、問題を一見したところ生物基礎の暗記問題が難しすぎたため化学基礎に切り替えました。

世界史:最も苦手な教科。というより勉強時間の確保が困難だったため、本試験や模試の過去問の大論述を読んで時代の流れを掴むという荒療治に。そんな中でも、『荒巻の新世界史の見取り図』は一読するだけでセンター模試の成績が20 点上昇するほどおすすめです。

地理:これまた勉強を始めたのはセンター前。ただ、センターは本試験や模試の過去問をしっかりやればある程度は取れるようになります。二次に関してもセンターの延長線上にあるので、基本的には過去問をしっかり押さえよう。時事問題が得意だったことがアドバンテージに働いた面はあると思います。

つまり。

 英数国がしっかりしている人は合格します。社会の論述も基本的には「国語」。知識さえ入れられれば何とかなります。僕のように、英数国で逃げ切ることは十分可能です。高2 まではとにかく英数国を固めることを心がけ、高3の1 年間で総仕上げと社会。合格には6 割でいいのですから、このプロセスさえ踏めば東大に合格することは十分可能です。
 ただ、後悔はなかったとは言えません。東大受験のプロセスを経ることで培われる力は想像以上にたくさんあるんだ、と後期の勉強をしていて思いました。「論理的分析力」だったり、「科学的思考力」だったり、「世の中の事象を自分の視点で捉え直す力」だったり。受験勉強は最低限で済ませ課外活動をギリギリまでやって合格するのも1 つではありますが、意外と受験勉強をきっちりやることも大事なんだな、と今更ながら感じています。

◎東進ハイスクール東大特進コースについて

東大本番レベル模試
 夏の東大模試や、秋の東大模試が受けられなかったため、東大本番レベル模試が良いペースメーカーになりました。
国語
 林修先生の現代文を受講していました。東大特進と過去問演習講座を受講したことで頭が整理されたことは良かったように思います。ただ、こだわりすぎるが故の試験時間の使いすぎには要注意!

◎後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと

 「人事を尽くして天命を待つ」。僕の好きな言葉です。でもこれは「試験終了まで全力を出し切れ」という意味ではなく、「結果が出るその瞬間までやれることをやり切る」という意味。前期が終わっても後期の勉強をやるだとか、「学ぶ」ことに真摯な姿勢を見せ続けることが受験の女神を振り向かせる秘訣。東大合格は、ゴールでは決してない。皆さんが、さらに広く素敵なステージで活躍するための切符を手にできることを祈り、応援しています。


高島氏自身が述べているように、あまりまねをしない方がいい東大受験のやり方だったようだが、節々から東大受験に役立つ情報が得られるかもしれない。今年度に大学受験を迎えるとしても受験本番まで半年以上は残されているので、こうした東大合格者の合格体験記なども参考にしつつ、本番までの時間を有意義に活用して悔いの無い受験生活を送っていただきたい。

[関連リンク]

東進ハイスクール 東大特進コース 合格体験記