国内最大級の奨学金プラットフォーム「ガクシー」などを運営するガクシーは、2023年11月7日、全国の学生と保護者を対象とした「奨学金に関する実態調査2023年」の結果を発表した。それによると、全体の半分が奨学金について「借金なので怖い」と回答。返済が不要な給付奨学金への理解も進んでいないことが分かった。
調査は2023年8月29日から9月5日にかけて18歳以上の学生500人と、学生の保護者500人を対象にインターネットで実施した。
調査結果によると、奨学金に対する印象については、「借金なので怖い」が48.6%で最も多く、次に「制度が複雑で理解が難しい」が28.2%とネガティブな回答が続いた。次いで「家計の負担を軽減できてうれしい」の27.8%、「進学できる可能性が生まれうれしい」18.0%とポジティブな意見が続いた。また、奨学金を受け取っていない学生だけを見ると「借金なので怖い」という回答が7割を超え、返済義務が奨学金を利用しない大きな理由となっていることがうかがわれた。
返済義務のない給付奨学金についての質問では、「給付奨学金が多数あることを知っていた」との回答は29.1%に留まり、給付奨学金についての知識が広まっていないことが分かった。最も多かったのが、「給付奨学金自体は知っていたが、その種類が多数あることは知らなかった」の32.8%で、「自分や自分の子供は対象にならないと思っていた」が21.4%。「奨学金は借りるものだと思っていた」との回答も16.5%だった。
同社は「多くの学生やその保護者で、奨学金に対する理解が不足していることがわかった。これらも奨学金受給・活用に対するハードルになっている可能性がある」などとしている。