【2025年1月】予備校の費用は?内訳や実際にかかった額、大手の料金、抑え方を解説

予備校には、多くの学生を合格に導いてきた大学受験のプロ講師がいます。第一志望校に合格するには、予備校へ通学してプロ講師の指導を受けるのが一番の近道でしょう。

このように大学受験に欠かせない予備校ですが、その費用は決して安価ではありません。

本記事では、予備校にかかる費用について、内訳から、実際に通った人が支払った具体的な金額、安く通う方法まで詳しく解説します。

2025年1月時点の大手予備校の料金についても紹介しますので、ぜひ自分に合った予備校選びの参考にしてください。

予備校の費用の内訳

予備校に1年間通う場合の費用は、文系・理系、選択するコース、講座数などによって異なりますが、一般的には約100万円が目安とされています。

具体的な内訳は、「入学金+授業料+模試の費用+季節講習の費用+その他」です。

ここでは、それぞれの費用の内容を紹介します。

入学金

入学金は、予備校に入学する際に必要な費用です。現役生の場合は約3万円、高卒生(浪人生)は5~10万円程度かかるのが一般的です。

入学金については予備校によって大きな差はないものの、一部の予備校では入学金の割引や免除制度が設けられていることがあります。

授業料

授業料は、授業形態、講座のレベル、受講科目数により異なります。授業料の特徴は以下のとおりです。

  • 集団指導より個別指導の授業料のほうが高い
  • 基礎レベルより難関大向け講座の授業料のほうが高い
  • 講座数や受講科目が増えるほど授業料も高くなる

現役生に多い1教科のみ受講するケースでは、授業料は年間10~25万円程度です。国・数・英の3教科受講の場合は50万円程度が目安になるでしょう。

高卒生(浪人生)は、基本的に5教科受講するケースが多く、授業料は70~80万円程度が目安になります。

東進ハイスクールや河合塾、駿台予備学校といった大手3社の平均金額は国公立文系志望、国公立理系志望、ともに、92~94万円ほどです(2025年1月現在)。医学部志望の場合は費用が少し高くなる傾向にあります。

模試の費用

模試の費用は1回当たり6,000~9,300円程度で、年間5回受験すると3万~4万5,000円ほどかかります。

東京大学や京都大学など、志望校に特化した対策模試なら1回9,000円以上かかることもあります。

大手予備校では、模試費用が授業料に含まれている場合もありますが、別途費用が発生することもあるため、事前に確認しておきましょう。

模試は学習成果の確認や志望校合格の可能性を判断する大切な機会なので、計画的な受験がおすすめです。

季節講習の費用

夏休みや冬休みなどの長期休暇中に開かれる季節講習の費用は、一般的に通常の授業料とは別で発生します。

季節講習は講座のレベルや受講科目数により費用が異なりますが、集団指導塾の相場は1講座当たり2万~3万円程度です。高校1・2年生で3講座を受講すれば5~10万円、受験生でより多くの講座を受講すれば7~14万円程度かかります。

その他

自宅から離れた予備校に通う場合は、移動にかかるお金についても考慮する必要があります。

特に高卒生(浪人生)の場合、いつも通っている校舎ではない別の校舎に通わなければならないケースがあり、その場合は別途交通費がかかります。そのため入学前に、季節講習ではおもにどの校舎を使うか確認しておくと安心です。

実際に予備校に通った人に聞く!年間費用や受講内容

では、実際に予備校に通った人は、どのくらい費用がかかったのでしょうか。

塾・予備校比較ナビが独自にアンケート調査をしたところ、全体の29%が「51~100万円」と回答し最多となりました。次いで21.6%の人が「101~150万円」、11.4%の人が「151~200万円」と回答しています。

201万円以上と回答した人もいるものの、51~150万円という100万円前後のゾーンに50%超が含まれていました。個人差はありますが、やはり予備校の費用の相場は100万円程度だといえそうです。

また、予備校で実際に利用した内容について聞いたところ、69.1%が「夏期講習」、58.4%が「冬期講習」と回答しています。

6~7割程度の学生が、「成績に差がつく」といわれている夏休みや冬休みの長期休暇中に、季節講習を受講していることが明らかになりました。模試についても63.6%の人が利用しています。

【2025年1月】大手予備校の料金を紹介

おおむね、予備校にかかる料金の目安は100万円前後になりますが、おもな予備校の料金は具体的にどのくらいなのでしょうか。

以下では、2025年1月時点で確認した大手予備校の料金(税込)を現役生、高卒生に分けて紹介します。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

東進ハイスクール・東進衛星予備校の基本的な料金は以下のとおりです。

現役生向けコース

入学金3万3,000円
担任指導費高3生(受験生):7万7,000円
(3講座以下の場合は3万3,000円)
高2生以下:4万4,000円
通期講座(単科)受講料7万7,000円
(高等学校対応 理科基礎(90分×15回)の受講料:5万7,750円)
模試費高3生(受験生):2万9,700円
高2生:1万4,850円
高1生・高0生(※1):1万2,650円

※1:高0生とは、高校生レベルの学力を持つ、意欲ある中高一貫校の中学生のこと

高卒生向けコース(高卒生総合コース)

入学金16万5,000円
(3月中の早期入学で割引あり)
担任指導費7万7,000円
授業料49万5,000円
(通期講座最大15講座まで追加料金なしで受講可能。季節講習や過去問演習講座、大学対策講座などは含まず)
模試費2万9,700円

河合塾

河合塾の現役生向けコース(高校グリーンコース)の基本的な料金は、以下のとおりです。

現役生向けコース(高校グリーンコース)

入塾金3万3,000円
(入塾金免除対象者に該当する場合は所定の金額を免除)
塾生サポート料高3生:月額7,140円(年額9万2,820円 ※1月~翌年1月)
高2生:月額4,540円(年額5万4,480円※ 1月~12月)
高1生:月額4,540円(年額4万860円※ 4月~12月)
授業料(1講座)高3生(1講座90分×35回):年額22万6,100円
高2生(1講座90分×35回):年額21万1,400円
高1生(1講座90分×26回):年額15万7,040円
※関東地区の料金

河合塾の高卒生向けコース(大学受験科)の基本的な料金は、以下のようになっています。

高卒生向けコース(大学受験科)

入塾金10万円
授業料100万8,000円
※関東地区・東大理類コースの料金

河合塾マナビス

河合塾マナビスは、現役生を対象にした学習塾です。河合塾マナビスの基本的な料金(税込)は、以下のとおりです。

現役生向けコース

入会金無料
事務手数料6,600円
(入会時のみ)
学習サポート料月額6,600円
受講料45分×1講:1,910円
60分×1講:2,550円
90分×1講:3,820円

駿台予備学校

駿台予備学校の現役生向けコース(高校生クラス)の基本的な料金は、以下のとおりです。

現役生向けコース(高校生クラス)

入学金3万3,000円
システム・サポート料月額5,000円
授業料年額17万8000円(週1回、50分×3回)
※高3英語総合/首都圏エリア/4月入学の場合

駿台予備学校の高卒生向けコース(高卒/浪人生クラス)の基本的な料金(税込)は、以下のとおりです。

高卒生向けコース(高卒/浪人生クラス)

入学金10万円
授業料年額87~125万円

代々木ゼミナール

代々木ゼミナールの現役生向けコース(高校生コース)の基本的な料金は、以下のとおりです。

現役生向けコース(高校生コース)

入会金1万6,500円
学期+講習会パック(1講座コース)18万円(90分×40回+第3学期)
フリーセレクトプラン60年額60万円
単科ゼミ受験対策講座(高3生):年額9万6,000円(90分×24回)
第3学期オプション(※2):2万5,000円
レベル別対策講座:年額11万6,000円(90分×29回)

※2:第1学期・第2学期の単科ゼミを受講した高3生のみ申し込み可能。受講講座は、共通テストや国公立大学2次試験・私立大学入試に向けた直前対策講座などから選択できる

代々木ゼミナールの高卒生向けコース(大学受験科)の料金(税込)は、以下のとおりです。

高卒生向けコース(大学受験科)

入学金10万円
授業料年額96万5,000円
※本部校、国公立理系コースの料金

予備校を選ぶ際の注意点

第一志望合格を目指して予備校に通いたいと思っていても、通学には100万円程度かかるため、躊躇してしまう人もいるかもしれません。決して安くない金額であるため、少しでも安く通いたいという人も多いでしょう。

ここでは、安さを重視して予備校を選ぶ際に注意すべき点を紹介します。

「安い」だけで大丈夫?予備校選びに大切なこと

実は、「料金が安い」という理由だけで塾・予備校を選ぶのはおすすめできません。なぜなら、どの塾・予備校を選ぶかによって合格率が大きく違うからです。

例えば、塾の平均料金は約20万円と、予備校の平均料金と比べると非常に安いのが利点です。

ただし、塾の役割はあくまでも「学校で受ける授業の補習」に近い位置付けで、塾によって授業の内容やレベルは大きく異なります。

もちろん、塾に通いながら大学合格を目指すことは可能ですが、レベルの高い大学を目指すのであれば心もとないかもしれません。

一方、予備校は大学受験に特化した教育機関であるため、より高いレベルの授業が受けられます。また、受験勉強のノウハウや入試に関する情報量、合格実績も豊富です。

こういった点からも、第一志望合格を目指すのであれば、安さだけでなく合格率や合格実績を重視しながら予備校を選ぶべきでしょう。

合格実績のしっかりした予備校にできるだけ安く通うには

予備校のなかでも大手予備校は学生数も多く、受験に関する膨大な情報やノウハウを持っています。そのため、成果や実績を重視するなら、東進ハイスクール・東進衛星予備校や河合塾、駿台予備学校といった大手予備校がおすすめです。

では、こうした高い合格実績を誇る予備校に、できるだけ安く通うにはどうしたらよいのでしょうか。

具体的には、次の章で説明します。

予備校の費用を抑えるコツ

ここでは、できるだけ費用を抑えて予備校に通うコツをいくつか紹介します。

複数の予備校を比較検討する

費用は予備校ごとに異なるため、まずは全体の費用を計算して比較検討するのがおすすめです。

予備校選びでは講座の内容や授業の形式、サポート体制などの中身を優先しがちですが、費用面も意識して選ぶことが大切です。

特待生制度や優遇制度を利用する

予備校のなかには、特待生制度や入学金免除制度など、各種割引・授業料補助を行なう優遇制度を用意しているケースがあります。

特待生制度とは、予備校が定めた基準より上位の成績優秀者を対象に、授業料の全額もしくは一部を免除したり一定額を給付したりする制度です。この制度を利用するには、定められた条件より上位の成績をとっていなければなりません。

ただし、トップクラスの成績優秀者のみを対象とした制度だけでなく、成績順位によって入学金や授業料の一部を免除する制度を設けているところもあります。

選考の方法もさまざまで、入学時のテストや模試の成績で決まるものもあれば、学校の成績表や面接で選考されるものもあります。

そのほか、入学後の授業出席率や判定テストなどで選考し、授業料の補助を行なう場合もあるため、気になる人は確認しておきましょう。

次に入学金免除制度とは、予備校が定める条件を満たしている場合に入学金が無料・割引になる制度です。

具体的な条件としては以下などが挙げられます。

  • インターネット経由で入学を申し込んだ場合
  • 入学説明会や体験授業に参加した場合
  • 前年度に同じ予備校に在籍していた場合
  • 兄弟や姉妹が通学している場合
  • 入学金免除のキャンペーンを実施している場合

免除制度の有無や免除額などは予備校ごとに異なります。大手予備校では入学金免除などを実施していることが多いため、検討している予備校のホームページをしっかりと確認しておきましょう。

科目を限定して受講する

予備校では講座数・科目数が増えるほど、毎月の授業料も高額になります。費用を抑えるには、講座・科目を最低限に絞るのがおすすめです。

苦手科目の点数を伸ばす、得意科目でさらに高得点を目指すなど、目的を明確にしたうえで合格のために必要な講座・科目を絞り込むとよいでしょう。

オンライン授業を利用する

多くの予備校ではオンライン授業を提供しており、授業内容は集団授業の録画をそのまま見られるものから編集されたものまでさまざまです。

オンライン授業の費用は集団授業に比べて割安な傾向にあるため、費用を抑えたい人には選択肢となります。

仲間がいる集団授業のほうがモチベーションを保てるという人もいますが、オンライン授業には自分のペースで学べるというメリットもあります。費用に不安がある場合は、予備校にどのような授業形態があるか確認してみるのもおすすめです。

ローンなどで学費を工面する具体的な方法

予備校の学費を工面するために、予備校の奨学金制度を利用したり、教育ローンを活用したりするのも一手です。

ここでは、それぞれの内容を確認していきましょう。

奨学金制度を利用する

予備校のなかには奨学金制度を用意しているところがあります。奨学金制度とは、経済的に厳しい学生に対し、予備校が必要な金額を貸与する制度です。

利用条件は予備校により異なり、多くは学力に関係なく利用できますが、いずれは全額返済しなければならないため、よく考えて決断することが大切です。

学費を分割払いや月払いにする/教育ローンを利用する

予備校のなかには、学費の分割払いや月払いを採用しているところもあります。一括払いにすると家計を圧迫してしまう場合、こういった制度を利用するのもよいでしょう。

また、教育ローンを利用するという手もあります。教育ローンは学校の学費だけでなく、予備校や受験にかかる費用、学業に必要なパソコンの購入費などにも利用できます。

下記の記事では、予備校費用で利用できる教育ローンをいくつか紹介していますので、教育ローンの利用を検討している人はご一読ください。

まとめ

予備校の費用は、入学金や授業料、模試・季節講習の費用などさまざまな要素によって決まります。費用を抑えたい場合は、複数の予備校を比較検討し、自分に合ったプランを選びましょう。

ただし、予備校は安さだけでなく、合格率や合格実績を重視して選ぶことも大切です。第一志望校合格を目指すなら、学生数も多く、受験に関する多くの情報やノウハウを持っている大手予備校がおすすめです。

予備校の費用は、特待生制度や優遇制度を活用する、苦手科目に絞って受講する、割安なオンライン授業を利用するといった方法でも抑えることができます。

これらの方法を検討しながら、自分に最適な予備校を選んでみてください。