私大の受験から入学までの家計負担、過去最高額に――自宅外通学者で約220万円

東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)は2020年4月3日、2019年度における「私立大学新入生の家計負担調査」の結果を公表した。

同調査によると、1都5県(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木)にある14の大学・短大の「受験から入学までの費用」は、自宅外通学者が220万633円で前年度比1万6200円(0.7%)増加、自宅通学者が158万3133円で前年度比1万6100円(1.0%)増加した。1983年度の調査開始以降、自宅外通学者・自宅通学者でともに過去最高額となった。

一方、「仕送り額」の平均については、入学直後で出費がかさむ「5月」が9万7700円、前年度比2000円減少で過去最低となった。出費が落ちつく「6月以降」であっても8万5300円と過去2番目に低い金額で、減少傾向が続いているという。

東京私大教連中央執行委員会は「貧困層の増加や収入格差の拡大などにより、経済的理由から私立大学への進学を断念する高校生や退学を余儀なくされる私立大学生が増えています。憲法26条が保障する教育を受ける権利が根底から脅かされている状況が長く続いています。今回の調査結果からも、各家庭の教育費負担がもはや限界に達している状況が読み取れ、経済的負担を軽減することが急務である現状が浮き彫りになっています」と危機感をあらわにしている。

なお、同委員会は今後も私立大学生の学費負担の大幅な軽減などを求める国会請願署名運動に取り組んでいくという。近い将来、東京私大教連、ひいては私大進学希望者の悲願が成就することを切に願う。

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私立大学新入生の家計負担調査 2019年度