【独自調査】予備校の費用は年間いくら?平均額・内訳・費用を抑える方法を解説

大学受験に向けて予備校を検討するとき、まず気になるのが1年間でかかる費用ではないでしょうか。各予備校の公式サイトを見ても、年間の総額を具体的に示しているところはほとんどありません。

「予備校の費用は平均でどのくらいかかるのか」「相場がわからないまま申し込んでよいのか」といった不安から、通う予備校を決められない家庭も少なくないでしょう。

そこで塾・予備校比較ナビでは、実際に予備校へ通った人を対象にインターネットアンケートを実施し、大学受験の1年間に支払った金額を独自に調べました。

本記事では、その調査結果をもとに予備校の費用相場と内訳を整理します。併せて大手予備校5校の年間費用の目安と、費用を抑える方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

予備校に1年間通うのにかかる費用の相場

予備校の費用は、選ぶコースや受講する講座数によって大きく変わります。まずは全体の相場と、実際に支払われている金額を押さえておきましょう。

ここでは3つの切り口に分けて解説します。フル活用した場合の目安、独自調査でわかった実際の平均額、そして現役生と浪人生の違いです。

フル活用した場合の平均額は100万円

予備校に1年間通い、必要な講座やコースをひととおり受講した場合、費用は100万円程度が一つの目安になります。

内訳の中心は入学金と授業料です。これに季節講習や模試の費用、教材費や施設利用料などが加わります。

例えば河合塾の高校グリーンコースは、入塾金が3万3,000円、塾生サポート料が高3生で月額7,140円です。ここに講座ごとの授業料が積み上がるため、受講数を増やすほど総額は100万円に近づいていきます。

高卒生向けのコースは、さらに高額になりがちです。駿台予備学校の高卒クラスは入学金7万円に授業料が加わり、代々木ゼミナールの大学受験科は入学金10万円に授業料と諸経費が上乗せされます。

ただし、これは通期の講座を幅広く受講した場合の金額です。受講する科目を絞り込めば、総額は大きく下がるでしょう。

なお、各予備校の公式サイトに年間の総額が示されていることは、ほとんどありません。入学金と1講座当たりの単価は公開されていても、何講座を受けるかで総額が動くためです。

実際に支払った平均額は51.4万円【独自調査】

塾・予備校比較ナビが独自に調査したところ、大学受験に臨んだ1年間に塾・予備校へ支払った費用の平均額は51.4万円でした。

100万円という目安と比べると、実際の平均額はおよそ半分にとどまっています。

この差は、予備校の使い方が家庭ごとに大きく違うことを示しています。通期の講座をフルに受けるのか、季節講習だけを使うのかで、支払う金額は何倍も変わるためです。

回答を金額帯ごとに分類すると、模試や季節講習のみの利用と考えられる「20万円未満」が29.7%で最多でした。次いで、単科やいくつかの講座に絞って受講する「20万円以上50万円未満」が27.9%と続きます。

必要な講座を絞りながら受講する「50万円以上80万円未満」は18.8%でした。予備校をフル活用する「80万円以上120万円未満」は17.6%、手厚いサポートまで受ける「120万円以上」は6.0%という結果です。

この分布から読み取れるのは、大きな金額を支払ってフルコースで利用する家庭ばかりではないという実態でしょう。夏期講習や冬期講習だけを受ける、模試だけを利用する、苦手科目を単科で受講するといった使い方で、賢く費用を抑えている家庭も多いようです。

予備校別に見ると、支払った金額の平均は東進ハイスクール・東進衛星予備校が57.8万円、河合塾・河合塾マナビスが63.9万円、駿台予備学校が76.8万円でした。

同じ調査では、実際に利用した内容も聞いています。夏期講習を使った人が69.1%、冬期講習が58.4%、模試が63.6%という結果でした。

現役生と浪人生の学費の違いは50万円程度

同じ予備校でも、現役生と浪人生では年間費用の水準が大きく違う点に注意が必要です。
現役生は学校の授業があるため、苦手科目や受験に必要な科目に絞って受講できます。その結果、年間50万~100万円程度に収まるケースが多くなります。

一方の浪人生は、5教科をまとめて受講するコースが中心です。年間100万~150万円程度を見込んでおくとよいでしょう。

入学金にも差があります。東進ハイスクール・東進衛星予備校は単科授業で3万3,000円、浪人生で16万5,000円です。

代々木ゼミナールの大学受験科は8万8,000円、医学部専門のメディカルラボは10万円と、予備校によって幅があります。

さらに浪人生は在籍期間が1年間まるごとになるため、季節講習を受ける回数も自然と増えていきます。授業料だけで比較せず、講習まで含めた総額で見ておくことが大切です。

予備校の費用の内訳

予備校の費用は、大きく「入学金・授業料」「季節講習や模試」「その他」の3つに分かれます。

どこにいくらかかるのかを把握しておくと、見積もりを受け取ったときに過不足を判断しやすくなります。

入学金・授業料

予備校の入学金は、3万~10万円程度が相場です。現役生向けのコースは比較的安く、高卒生向けのコースは高めに設定される傾向があります。

ただし、入学金には免除や減額の制度が広く用意されているのが実情です。駿台予備学校では入学説明会に参加すると入学金が7万円から4万円に下がり、河合塾では個別相談に参加すると3万5,000円が免除されます。

兄弟姉妹の在籍歴や、模試の受験歴、講習の受講歴が免除の条件になっている予備校もあります。申し込む前に対象者の条件を確認しておきましょう。

なお、入学金は初年度のみ発生する費用です。同じ予備校に通い続ける場合、2年目に再度支払う必要はありません。

授業料は、受講する科目数に比例して増えていきます。現役生に多い1教科のみの受講なら年間10万~25万円程度、国語・数学・英語の3教科なら50万円程度が目安です。

また、授業料は文系か理系か、志望する大学、選択するコースや講座数によっても大きく変わります。

大手3社の料金をもとに算出すると、国公立文系志望で60万~80万円、国公立理系志望で70万~90万円が目安です。私立文系志望と私立理系志望は、いずれも70万~80万円程度になります。

これは通期で必要な講座・コースを受講する前提の金額です。志望校対策の講座を追加すれば、料金はさらに増えます。

授業料に何が含まれるのかも、予備校によって差があります。

例えば、河合塾の大学受験科は、教材費と学習指導費、進学指導費を授業料に含む形式です。一方、小論文の添削料やオプション講座の受講料は授業料の対象外になっています。

どこまでが授業料に入るのかを、募集要項で確かめておきましょう。

季節講習や模試にかかる料金

通期の講座とは別に、夏期講習・冬期講習・直前講習といった季節講習や模試を受けると、追加で費用がかかります。

夏期講習や冬期講習は、苦手分野をなくし、休みのまとまった時間で総復習するのに役立つ講座です。多くの受験生が何らかの形で受講しています。

季節講習は、通常の授業とは別に申し込む必要があります。定員が設けられているため、人気の講座は早い時期に埋まることもあるでしょう。

季節講習の相場は、1講座当たり1万5,000~2万円程度です。夏期講習で英語・国語・地歴公民を1つずつ、合計3講座を受講すると4万5,000~6万円程度になります。
模試の料金相場は1回5,000~8,000円程度が一般的です。高3生は年間6~7回受けることも多く、3万~5万円ほどを見込んでおくとよいでしょう。

模試は今の実力を測り、結果は志望校合格へ向けた学習計画を立てる材料になります。得意科目と苦手科目を数字で把握できるため、各予備校とも定期的に実施しています。

なお、模試費を定額で設定している予備校も少なくありません。東進ハイスクール・東進衛星予備校では、高3生が年間2万9,700円を支払えば、共通テスト本番レベル模試や大学別本番レベル模試などを追加料金なしで受験できます。

河合塾の塾生サポート料のように、模試費用が月額の諸経費に含まれているケースもあります。ただし対象となる模試と上限回数が決められており、それを超えた分は別途支払う仕組みです。

季節講習と模試を合わせると、年間30万円前後に達するケースもあります。通期の授業料だけで予算を立てると、あとから足が出るおそれがあるでしょう。

受験直前期には、共通テスト対策や志望校別の直前講習が加わります。冬から入試本番までの短い期間に、まとまった支出が集中する点も頭に入れておきましょう。

その他(交通費など)

入学金・授業料と季節講習のほかにも、見落としやすい費用があります。

代表格が交通費です。予備校には週に何度も通うため、自宅から離れた校舎を選ぶなら往復の運賃を年間で計算しておきましょう。

通う日数が決まったら、定期券と回数券のどちらが安く済むのかを試算しておくと無駄がありません。

高卒生の場合は、通う校舎が季節講習だけ別になることもあります。どの校舎を使うのかを入学前に確認しておくと、想定外の交通費を防げるでしょう。

施設利用料やシステム利用料、学習サポートを受けるための費用が別途かかる予備校もあります。河合塾の塾生サポート料のように、在籍している間は毎月発生する諸経費もあります。

デジタル端末を使う講座では、タブレット端末の機器代や通信費が自己負担です。

自宅から通えない場合は、寮費も必要です。食事の有無や個室か相部屋かによって金額が変わるため、資料請求のときに寮のパンフレットも併せて取り寄せておきましょう。

なお、経済的な支援制度の対象者に対して、入寮費や寮費の一部を補助する予備校もあります。駿台予備学校の指定寮入寮者学習支援制度がその一例です。

おすすめ大手予備校の費用相場

ここからは、大手予備校5校の費用と特徴を紹介します。

授業形式や入学金の目安を横に並べると、自分の志望校や学習スタイルに合う予備校を絞り込みやすくなります。

予備校名授業形式入学金
東進ハイスクール・東進衛星予備校映像授業3万3,000円
河合塾集団授業(対面・映像)高校グリーンコース3万3,000円/大学受験科7万円
駿台予備学校集団授業高卒クラス7万円(入学説明会参加で4万円)
早稲田塾少人数の対面授業公式サイトで非公開
メディカルラボ1対1の個別授業10万円

※料金は税込み

東進ハイスクール・東進衛星予備校

映像授業を中心に学習を進める予備校で、直営の東進ハイスクールとフランチャイズの東進衛星予備校を合わせて全国に展開しています。

料金は「入学金」「担任指導費」「講座受講料」「模試費」の組み合わせで決まります。入学金は3万3,000円、担任指導費は高3生で7万7,000円、通期講座は1講座当たり8万2,500円が基本です。

模試費は学年ごとの定額制です。高3生は年間2万9,700円を支払えば、必要な東進模試を追加料金なしで受験できます。

複数の講座をまとめて申し込む「志望校通期ユニット」を使うと、1講座ずつ申し込むよりも授業料を抑えられます。

映像授業のため、苦手な単元を見直したり、聞き逃した箇所を巻き戻したりできるのが強みです。約1万種類の授業からレベルに合わせて選べます。

課外活動が忙しい人や、近くに校舎の少ない地域に住む受験生にも向いている形式でしょう。

対面のサポートも用意されています。「合格設計図作成システム」が志望校合格までの学習計画を逆算して示し、担任との面談で進み具合を確認する流れです。

週に1度は、担任助手の指導のもとで5~6人のチームミーティングが開かれます。1週間の学習計画を共有し合うことで、学習のペースを保ちやすくなるでしょう。

年間費用の目安は、現役生で20万円~、高卒生で55万円以上です。塾・予備校比較ナビが2023年3月に実施したアンケートでは、東進に通った人が大学受験の1年間に支払った金額の平均は57.8万円でした。

河合塾

河合塾は、対面授業を軸に、映像やオンラインの講座も組み合わせられる予備校です。現役生は「高校グリーンコース」、高卒生は「大学受験科」に分かれます。

高校グリーンコースの学費は、入塾金3万3,000円と塾生サポート料、講座ごとの授業料の合計です。塾生サポート料は高1・高2生が月額4,540円、高3生が月額7,140円で、模試費用や施設利用料が含まれます。

高卒生の大学受験科は、入塾金が7万円です。授業料はコースによって異なり、教材費と学習指導費、進学指導費が含まれています。

入塾金には免除制度も用意されています。個別相談に参加すると3万5,000円が免除されるほか、全統模試の受験歴や講習の受講歴によっても所定の金額が免除の対象となる形です。

コースの選択肢が多いのも河合塾の持ち味です。難関大を目指すコースのほか、英語重視型の入試に対応したコースや、海外大学への進学を目指すコースも設けられています。

また、授業の進め方にも工夫があります。1回の授業のなかで基本事項の確認、講師の解説、演習までを行ない、学んだ内容をその場で定着させやすい構成です。

校舎数も多く、高校グリーンコースは全国に48校、大学受験科は29校あります。大学受験科には健康面や安全面に配慮した寮も用意されています。

年間費用の目安は、現役生で21万円~、高卒生で72万円以上です。受講する講座の内容や数によって差が出るため、申し込み前に見積もりを確認しておきましょう。

駿台予備学校

駿台予備学校は、1授業50分の集中型カリキュラムと、講師やクラスリーダー、進路アドバイザーによる手厚いサポートが持ち味の予備校です。

高卒クラスの学費は、入学金と授業料の合計額です。入学金は7万円で、入学説明会に参加すると4万円に減額されます。

授業料は校舎やコースによって異なり、後期入学の場合で63万~76万円が目安です。
学費の負担を軽くする制度も豊富です。前年度に高3生クラスや高卒クラスへ在籍していた人は、入学金が全額免除になり、授業料も通常より10万円優遇されます。

サポート体制は4方面から組み立てられています。授業を担当する講師、バイリンガル・インストラクター、駿台OB・OGのクラスリーダー、進路アドバイザーがそれぞれの立場でかかわる仕組みです。

クラスリーダーは講師と連携しながら、志望理由や入試直前の過ごし方といった勉強以外の相談にも応じます。学習の進み具合や理解度を把握したうえで指導を受けられるでしょう。

1授業50分という設定にも理由があります。集中力が続く時間は平均50分程度といわれており、1回ごとの内容に集中できるよう区切られているのです。

これらをベースとして、受験までの限られた時間で成果を出せるよう、無駄のないカリキュラムが組まれています。

経済支援奨学制度などを併用すれば、授業料から上限30万円までの支援も可能です。指定寮に入る場合は、入寮費と寮費の一部が補助される制度も別にあります。

年間費用の目安は、現役生で16万円~、高卒生で72万円~です。

早稲田塾

早稲田塾は、総合型選抜と学校推薦型選抜の対策に力を入れている予備校です。20~30人ほどの対面授業が中心で、面接指導や小論文の添削まで対応しています。

2026年度入試では、早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学・国際基督教大学に合計302名が現役合格しました。内訳は慶應義塾大学144名、上智大学93名、早稲田大学48名、国際基督教大学17名です。

慶應義塾大学のSFC(総合政策学部・環境情報学部)夏秋AO入試では84名が現役合格し、占有率は28.4%にのぼります。

なお、この実績は現役生のみを対象としており、講習生や模試生は含みません。通期講座を1講座以上受講した塾生に限って計上する基準を採っています。

映像ではなく対面で指導するため、わからないことをその場で相談できるのが利点です。国際系学部向けの英語書類の作成や、建築・芸術学部向けの実技対策まで用意されています。

「進路発見指導」に定評があるのも特徴です。大学で何をしたいのかを起点に志望校を決めるカリキュラムで、スタッフと講師がチームで支えます。

将来の目標を描きながら学習を進められれば、長い受験期間もモチベーションを保ちやすくなるでしょう。

学費は公式サイトで公開されておらず、受講する講座によって変わります。個別相談や資料請求で見積もりを確認するとよいでしょう。

メディカルラボ

メディカルラボは医学部受験に特化した予備校で、1対1の個別授業を軸にカリキュラムを組み立てます。

医学部専門予備校の費用は、大手予備校と水準が大きく異なります。高卒生の医学部受験コースは、入学金10万円と個別カリキュラム管理費52万8,000円が必要です。

これに授業料453万500円と施設利用費12万1,000円が加わり、合計は527万9,500円です。

高3生向けの医学部総合コースの合計は312万2,400円になります。1科目から受講できる医学部科目選択コースなら、週1コマで89万1,800円です。

授業の組み立てにも特色があります。50分の講義を受けたあとに50分の演習へ進み、再び50分の講義を受ける合計150分が1回の授業です。

日々の疑問をすぐに解消できるよう、質問チューターも在籍しています。現役の医学部生が担当するため、勉強以外の相談にも応じてもらえるでしょう。

いずれも季節講習の費用は含まれていません。授業回数を増やす場合は追加料金がかかるため、受講プランを決めてから総額を確認してください。

予備校の費用で確認しておくべきポイント

予備校の利用にかかる料金でチェックしておくべきポイントには、どのようなものがあるのでしょうか。

ここからは予備校を選ぶときに知っておいてほしいお金にまつわるチェック事項、事前に確認しておくと失敗を減らせるポイントについて解説していきます。

予備校の費用は講座・コースによって大きく変わる

多くの予備校では、それぞれ多種多様な講座・コースが用意されています。

文系向けと理系向けにそれぞれ講座・コースが用意されているだけではなく、特定の大学を目指す講座・コースや、医学部・農学部・薬学部への進学を目指す学生向けの特別講座・コースが用意されているところもあります。一般的に、予備校の授業料は受講する講座・コースの数・種類によって大きく変動しますから、どのような講座・コースをどのくらい選ぶかにより、予備校にかかる料金は大きく変わります。

また、授業形式の違いによっても料金は異なります。通っている塾・予備校によって「個別指導形式」「集団指導形式」「映像授業形式」など、異なる授業形式が用意されています。

それぞれどの授業形式を選択するかにより料金も違うため、事前に確認しておくとよいでしょう。

このほかにも、特定の志望校対策の講座・コースや苦手分野の講座・コースを追加した場合、さらに費用がかかることになります。

年間費用の内訳まで確認しておく

予備校に通うのであれば、入学しようかと相談している段階で年間費用がいくらかかるのか提示されることが多いはずです。その際、ざっくりとした費用だけを確認するのではなく、その内訳まで細かくチェックしておくようにしましょう。

なぜなら、教材費や模試、施設利用費などが含まれた料金でない場合、追加費用が発生する可能性があるからです。上記でも解説したように、模試や志望校の対策などには別途料金がかかる塾・予備校が多く、そうした金額も含んだ年間費用になっているか確認しておく必要があります。

大まかにしか費用を把握していないと、あとから想定外のお金がかかってしまい後悔することになりかねません。そのため、費用の内訳までしっかりと確認しておくのがおすすめです。

講座・コース選びは個別相談や学力診断テストを参考にする

予備校に通う場合は、自分に合った適切な講座・コースを選ぶことが大切です。そのためには、早めに大学受験対策を進め、自分に必要な講座・コースを的確に把握することが必要となります。

入校(塾)時には個別相談が行なわれるでしょうから、志望校を伝えてどの講座・コースを受講するといいか、確認しておくのがよいでしょう。疑問点などは事前に質問しておくことが大切です。

また、予備校によっては学力診断テストが実施されていることも多いです。テストの結果をもとに、どの講座・コースを選ぶか、検討するようにしましょう。

最低限、受講しておくべき講座・コースにはどの程度の料金がかかるのか。合格判定の評価が芳しくないとき、追い込みで受講できる講座・コースを追加すると、どのくらい金額が増えるのか。これらの点に関し、いくつかのシナリオを想定しておいて、必要な費用を事前にシミュレーションしておいたほうがよいでしょう。

学費免除や特待生制度があるかどうかも確認する

予備校のなかには、特待生制度を設けているところがあります。入学時の学力テストや模試で優秀な成績を収めた生徒を対象に、授業料が減額される仕組みです。

成績以外の条件で支援を受けられる制度も一般的です。駿台予備学校の経済支援奨学制度は、生計維持者の所得が一定額以下の場合に、入学金の全額免除と授業料の減額を受けられます。

河合塾にも被災者特別奨学制度や奨学基金制度があり、条件に応じて学費の負担が軽くなります。

認定の基準や申請の期限は予備校ごとにばらばらです。検討している予備校の制度を、早めに調べておくとよいでしょう。

申請には収入証明や住民票の写しといった書類を要することもあります。締め切りが入学手続きの前に設定されている制度もあるため、早めに問い合わせておくと安心です。

予備校と自宅との距離も確認しておく

通う期間が長く、自宅から遠い予備校を選ぶと、交通費の負担も大きくなりがちです。通学時間が長いと、生徒本人の体力も消耗するでしょう。

保護者が駅まで送迎する場合は、その時間の確保も考えておく必要があります。

予備校を選ぶ際には、授業料だけでなく、通学にかかる交通費や送迎の負担まで含めて判断してください。

近くに条件の合う予備校がない場合は、オンライン授業に対応した予備校を選ぶという手もあります。移動時間をそのまま学習にあてられるでしょう。

通学と併用できる予備校もあります。平日はオンライン、土日は校舎という組み合わせなら、通学の負担と学習環境の両立を図れるでしょう。

予備校の費用を抑える方法

ここからは、予備校の費用をなるべく抑える方法を紹介します。前述のとおり、比較的安価に予備校を活用している家庭も多くあります。

受講する講座を限定する

最も取り組みやすいのが、受講する講座を限定する方法です。予備校は受ける講座が増えるほど料金が高くなる仕組みになっています。

受験に必要なすべての科目をまんべんなく受講する人もいますが、費用を抑えたいなら本当に必要な講座だけに絞るのも賢い選択でしょう。

やみくもに講座を増やしても、学力が比例して伸びるわけではありません。苦手科目と受験に必要な科目を吟味して選べば、費用を最小限に抑えられます。

優先順位を付けるなら、模試の成績表で偏差値が低い科目から選ぶのが基本です。得意科目は参考書での自習に切り替えるという判断もあります。

また、配点の高い科目を優先する考え方もあります。志望校の配点表を見て、点数を伸ばしたときの効果が大きい科目を選びましょう。

割引や特待生制度を利用する

大手予備校には、割引制度が用意されていることが多くあります。説明会や個別相談への参加による入学金の減額、現役時代からの継続による優遇などがその例です。

例えば、駿台予備学校では、前年度に在籍していた生徒を対象に、入学金の全額免除と授業料10万円の優遇を実施しています。

適用される条件は予備校によって異なります。自分が該当しないか、申し込み前に確認しておきましょう。

申し込み方法によって免除の扱いが変わるケースもあります。河合塾では一部のグループ予備校の在籍生について、校舎窓口で塾生証を提示しないと入塾金が免除されません。

季節講習や模試の受講数を絞る

季節講習や模試にかかる費用は、年間30万円前後に達することもあります。この金額を聞いて驚いた方もいるのではないでしょうか。

季節講習と模試は、必ずしもすべて受けなければならないものではありません。受講数を絞り、空いた時間は自習室を使って復習にあてる選択肢もあります。

一方で、季節講習は弱点となっている単元をピンポイントで学べる機会です。模試も本番の時間配分を経験できるという利点があります。

受けない判断をするのではなく、優先順位を付けて数を絞る方向で検討してみてください。

季節講習を減らした時間は、予備校の自習室で過去問演習にあてるという使い方もできます。自習室の利用条件は予備校ごとに違うため、あらかじめ調べておきましょう。

分割払いや教育ローンで負担を分散する

まとまった金額を一度に用意するのが難しい場合は、支払い方法を工夫する手もあります。

多くの予備校が分割払いや月払いに対応済みです。例えば、河合塾の高校グリーンコースでは、月払いと一括払いを申し込みのたびに選べます。

ただし、分割払いにしても支払総額そのものは変わりません。河合塾も月払いと一括払いの学費の総額は同額だと明記しています。あくまでも1回当たりの負担を軽くする方法だと理解しておきましょう。

日本政策金融公庫の教育一般貸付、いわゆる国の教育ローンも選択肢の一つです。上限350万円まで借り入れでき、金利は固定で年4.05%です。一定の要件に該当する場合は、子ども1人につき上限450万円まで借り入れできます。

予備校が提携する信販会社の学費サポートプランを用意しているケースもあります。駿台予備学校のように、国の教育ローンの利息相当額を補助する制度を設けている予備校も見られました。

申し込みから融資まで時間がかかるため、必要な時期の2~3ヵ月前には手続きを始めておくと安心です。

これらのほか、奨学金制度を設けている予備校もあります。ただし貸与型の場合はいずれ全額を返す必要があるため、返済の見通しを立ててから判断しましょう。

予備校の費用に関するよくある質問

最後に、予備校の費用について寄せられることの多い質問に回答します。

Q.予備校の費用を支払うタイミングはいつですか?

入学手続きの際に入学金と初回の授業料を支払い、季節講習や模試は受講のたびに支払うのが一般的です。

例えば、河合塾の高校グリーンコースでは、初回に入塾金と初月分の授業料、塾生サポート料をまとめて支払います。2回目以降は、受講した講数分の授業料と当月分の塾生サポート料を毎月支払う仕組みです。

一括払いを選べる予備校も多く、支払い方法は申し込み時に選択できます。決済手段もクレジットカードや口座振替から選べるのが一般的です。

入学後に講座を追加した場合は、通常は登録した決済手段からその都度請求されます。追加のたびに支払いが発生する点も知っておくとよいでしょう。

Q.費用が安い予備校はどこですか?

映像授業型やオンライン専門の予備校は、対面の集団授業に比べて費用を抑えやすい傾向があります。

校舎を持たない分、施設利用料や交通費がかからない点も負担の軽減に効いてきます。

ただし、特定の予備校を「最も安い」と断定するのは難しいでしょう。受講する講座数や学年、地域によって総額が変わるためです。

比較するときは、入学金・授業料・季節講習・模試費・諸経費を同じ条件でそろえたうえで、年間の総額を並べてみてください。

Q.第一志望への合格実績が高い予備校はどこですか?

塾・予備校比較ナビの独自調査では、「第一志望に合格できた」と回答した割合が最も高かったのは東進ハイスクール・東進衛星予備校で38.5%でした。

2位は代々木ゼミナールの32.0%、3位は河合塾・河合塾マナビスの30.6%と続きます。
都道府県別の調査でも傾向は近く、東京都では河合塾、東進、駿台の3校が利用者数の上位を占めていました。

Q.医学部予備校の費用相場はいくらですか?

医学部専門予備校は少人数指導や個別指導が中心のため、年間400万~700万円程度かかるケースもあります。

前述のメディカルラボは、高卒生の医学部受験コースが年間527万9,500円です。寮を利用する場合は、さらに100万~250万円ほどの寮費が加わります。

他方、大手予備校の医学部コースであれば、一般的なコースに数十万円程度を上乗せした水準で通えることもあるでしょう。

医学部専門予備校は少人数指導が中心で、講師1人が受け持つ生徒数の少なさが学費に反映されます。金額だけで判断せず、合格実績や指導体制と併せて比べてみてください。

Q.塾と予備校では費用にどのくらい差がありますか?

塾の年間平均料金は約20万円(高3・私立の場合)といわれています。年間50万~80万円程度とされる予備校の学費と比べると、金額の差は小さくありません。

ただし、両者は目的が異なります。塾は学校の授業の補習や定期テスト対策に近い位置付けで、予備校は大学受験に特化した教育機関です。

費用の差だけで判断せず、志望校や現在の学力に合っているかどうかで選びましょう。

Q.オンライン予備校・映像授業の目安費用はいくらですか?

映像授業を主体とする予備校の場合、現役生で年間20万~30万円程度が一つの目安になります。

校舎に通わない分だけ交通費がかからず、通学にあてていた時間をそのまま学習時間に回せるのが利点です。

一方で、学習の進み具合を自分で管理しなければなりません。担任やチューターのサポートをどこまで受けられるのかを確認したうえで選ぶとよいでしょう。

質問への対応方法も予備校ごとに違います。チャットで質問できるのか、担当者との面談があるのかを、無料体験や資料請求で確かめておくと安心です。

まとめ

予備校の費用は、フル活用すれば年間100万円程度に達します。一方、塾・予備校比較ナビの独自調査では、実際に支払われた金額の平均は51.4万円でした。

受講する講座を絞る、割引や特待生制度を使う、季節講習の数を調整するといった工夫で、総額は大きく変わります。分割払いや教育ローンで、1回当たりの負担を分散する方法もあります。

ただし、安さだけで選ぶと志望校対策が手薄になりかねません。また、入学金・授業料・季節講習・模試費・諸経費を同じ条件でそろえ、年間の総額で比較することが大切です。

気になる予備校が見つかったら、個別相談や資料請求で見積もりを取り寄せてみてください。自分に合った学びの場を見つけて、志望校合格への一歩を踏み出しましょう。