予備校にかかる平均的な料金は? 年間費用の相場・内訳を紹介

大学受験に向けて、予備校に通うべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。文部科学省の「平成30年度子供の学習調査費」によると、実に公立高校の3割の生徒が塾・予備校に通っているというデータがあります。これは就職希望の学生も含めたデータのため、大学進学希望の学生のみを対象とすると、塾・予備校への通学率はさらに高まると考えられます。

しかし、「予備校の料金って平均でどのぐらいかかるの?」「大学受験のためにも通わせたいけど相場が分からないし・・・」という人も多いと思います。

そこで、予備校にかかる平均的な料金とその相場を解説しました。

家計の負担軽減になる特待生制度やおすすめの予備校についても記載していますので、ぜひ参考にしてください。

予備校にかかる年間の平均的な料金は? 内訳とその相場

予備校に1年間通った場合、平均的な料金はいくらぐらいになるのでしょうか。選択するコースや講座数によって変わりますが、平均100万円程度が目安となります。

ここでは、「入学金・授業料」「夏季講習や模試にかかる料金」「交通費などその他にかかる料金」の3つに分けて、その内訳を解説したいと思います。

入学金・授業料

入学金約3万円
授業料
※大手3社平均金額
国公立文系志望:60万~80万円
国公立理系志望:70万~90万円
私立文系志望:70〜80万円
私立理系志望:70〜80万円

まずは、入学金についてです。一般的に予備校の入学金は、平均3万円程度が相場となります。

ただし、予備校によっては、説明会に参加したり、すでに兄弟姉妹が入学したりしている場合、入学金が一部免除になることもあります。

次に、授業料については文系・理系、志望する大学、選択するコースや講座数で大きく変わります。

上記は代表的な大手3社の授業料を比較し、シミュレーションした表です。

例えば、国公立文系志望であれば約60万~80万、国公立理系志望であれば約70万~90万円となります。ただし、上記例はあくまでシミュレーションであり、追加で講座を受講をすると料金は大きく変動します。

季節夏季講習や模試にかかる料金

季節夏季講習や模試にかかる料金約30万円

次に、夏季講習や冬季講習、直前講習 などの季節講習や模試にかかる料金についてです。

夏季講習や冬期講習は、苦手分野を確実になくし、まとまった時間を使って総復習するためにも欠かせないため、多くの受験生が受講することになります。

こういった季節講習は、一般的に通常の授業とは別に申し込みをする必要があります。

各予備校で料金は変わりますが、相場は1講座当たり1万5000円程度です。よって、夏季講習で3講座(例:英・国・社)を受講するのであれば、合計4万5000円程度となります。

また、模試は今の実力を測り、志望校合格へ向けての勉強の道筋を立てるのに非常に役立ちます。模試の結果により、得意科目と苦手科目を把握することで計画的に勉強が進められるということです。そのため、予備校では定期的に模試を受験します。

模試の料金の相場は、1回5000円程度です。高校3年生であれば6~7回受けることもありますので、3~4万円が相場となります。

交通費など その他にかかる料金

最後に、交通費などその他にかかる料金についても考える必要があります。

実際に予備校に通うとなると、週に何度も通うことになると思います。よって、自宅から離れた予備校を選ぶ場合は、交通費も忘れずに考えておきましょう。

予備校にかかる料金でチェックしておくべきポイント

予備校にかかる料金でチェックしておくべきポイントには、どのようなものがあるのでしょうか。

ここからは事前に確認しておくと役立つポイントについて解説していきます。

予備校にかかる料金はコースによって大きく変わる

多くの予備校では、それぞれ多種多様なコースや講座が用意されています。

文系・理系というだけでなく、特定の大学を目指すコースや、医学部・農学部・薬学部への進学を目指す学生向けの特別コースが用意されているところもあります。よって、どのようなコースを選ぶかにより、予備校にかかる料金は大きく変わります。

また、授業形式の違いによっても料金は異なります。予備校によって「個別指導形式」「集団指導形式」「映像授業形式」など、異なる授業形式が用意されています。

それぞれどの授業形式を選択するかにより料金も違うため、事前に確認しておくと良いでしょう。

このほかにも、特定の志望校対策の講座や苦手分野の講座を追加した場合、さらに費用がかかることになります。

年間費用の内訳までチェックしておく

予備校に通うことになれば、年間費用がいくらかかるのか提示されるはずです。その際、ざっくりとした費用だけを確認するのではなく、その内訳まで細かくチェックしておくようにしましょう。

なぜなら、教材費や模試、施設利用費などが含まれた料金でない場合、追加費用が発生する可能性があるからです。上記でも解説したように、志望校の対策などには別途料金がかかり、そうした金額も含んだ年間費用か確認しておく必要があります。

大まかにしか費用を把握していないと、後から想定外のお金がかかってしまい後悔することになりかねません。そのため、費用の内訳までしっかりと確認しておくのがおすすめです。

予備校のコース・講座選びは個別相談や学力診断テストを参考に

予備校に通う場合は、自分に合った適切なコースや講座を選ぶことが大切です。そのためには、早めに受験に取り組み、自分に必要なコースや講座を的確に把握することが必要となります。

入校(塾)時には個別相談が行われるので、初めに志望校を話してどのコースが最適か確認しておくのが良いでしょう。疑問点などは事前に質問しておくことが大切と言えます。

また、予備校によっては学力診断テストが実施されていることも多いです。テストの結果をもとに、どのコースや講座を選ぶべきか検討するようにしましょう。

予備校によっては学費免除や特待生制度がある

予備校の中には、特待生制度を実施しているところがあります。これは、入学時の学力テストや模試で優秀な成績を収めた生徒を対象に、授業料が免除になるというものです。

予備校には平均で年間100万円近くかかることを考えると、こうした特待生制度があるのは助かりますよね。予備校によって成績優秀者の認定基準などは変わりますので、予備校を検討する際には合わせて確認してみてください。

予備校と自宅との距離も要確認

予備校に通う期間が長く、また自宅から遠い予備校に通うことになれば、交通費の負担も大きくなります。さらに、予備校までの通学時間が長いと生徒本人の負担にもなるでしょう。ですから、予備校を選ぶ際は自宅から近い距離にあるかどうかも確認しましょう。

予備校の費用を抑える方法とは?

これから予備校に通うことを検討されている場合、なるべく費用を安くしたいとお考えの方も多いでしょう。ここでは、予備校の費用をなるべく抑える方法をご紹介します。

受講する講義を限定する

まず、受講する講義を限定するという方法です。予備校は基本的に多くの科目の講義を受けるほど、料金が高くなります。

受講生の中には全ての講義を満遍なく受講する方もいますが、なるべく費用を掛けたくないのであれば本当に必要な講義だけ受講するのも選択肢でしょう。

受講する講義の数を増やせば学力も比例して上がっていくというわけではありません。自分の苦手科目や、受験に必要な科目を抜粋して受講すれば、なるべくコストを掛けずに済みます。

割引や特待制度を利用する

大手予備校には割引制度が用意されていることが多いです。例えばネット申し込みによる割引や家族割引、現役時代からの継続による割引など、様々な割引制度があります。

適用される条件は予備校によって異なりますが、事前に自分が当てはまっていないか確認しておくのが良いでしょう。

また、上記でも解説したように、特待生制度を活用することで予備校の費用を抑えることもできます。特待生となるための条件は厳しいことが多いですが、どうしても費用を安くしたいのであれば狙ってみるのがおすすめです。

季節講習や模試を受けない

予備校に通い始めてから季節講習費が思っていたよりも高かったと感じている保護者の方は多いです。上述したように、季節講習や模試などにかかる費用は約30万円ほどであり、この金額を聞くと驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

季節講習や模試は必ずしも受けなければならないわけではありません。そのため、普段のカリキュラムだけ受講しておき、季節講習や模試などは受験しないという選択肢もあります。そうすることで、通常授業料以外の費用を極力抑えることが可能です。

しかし、季節講習などでは日常講義の続きが行われていたり、模試によって実際のテストの空気感が味わえたりと、メリットが多いことは確かでしょう。そのため、本当に受けなくて良いのかどうかはよく検討する必要があります。

おすすめの予備校は?

予備校の平均的な料金や相場を確認したところで、塾・予備校比較ナビがおすすめする予備校を紹介します。

東進ハイスクール/東進衛星予備校

特徴自由度の高いカリキュラム複数講座申し込みでの割引圧倒的校舎数の多さ
授業形式
年間費用(目安)
映像授業

現役生 20万円〜30万円
高卒生 55〜70万円

有名な講師陣が在籍し、”現役”合格者数で圧倒的な実績を持つのが東進ハイスクールです。

【東進ハイスクールの特徴】

①映像授業により、自分に合わせた自由度が高いカリキュラムを組める。

東進ハイスクールでは、映像による授業を行っています。生徒は、必要な講座を組み合わせて、自分で時間割を組むことができます。そのため、学習状況に応じて自分に合ったレベルや先生、必要な授業を自在に選択し、最適なカリキュラムで学習できるのが特徴です。

対面授業と違い、映像授業であれば苦手な内容を見直したり、聞き逃したところを巻き戻して確認したりと、自分に合ったペースで勉強することができます。

また、対面でのサポートも充実しています。生徒と担任が一対一で行う合格指導面談では、受講状況や模試の結果を照らし合わせ、志望校の決定や志望校合格までのカリキュラムを組みます。

合わせて、担任助手という現役大学生の指導の下、週に一度5~6人の生徒が集まってグループミーティングを行います。ここでは、1週間の学習計画をグループで共有し合うことで、お互いに励まし合い切磋琢磨しあうことができます。

さらに、特徴的なのは、東進にはAIを活用した最先端の志望校対策カリキュラムがあることです。東進での学習記録をもとに、自分の苦手単元や克服すべき分野、志望校合格のために取り組むべき最適な演習内容などを提示してくれます。

時間が限られた受験勉強において、学習優先度を順位付けしてくれるのは非常に効率的です。

②複数講座を申し込むと授業料の割引がある

東進ハイスクールの授業は、自分に必要な講座を組み合わせてカリキュラムを組みます。多くの講座が、90分×20回で7万7千円です。生徒の多くは、受験科目の講座と志望校に応じた特別講座を受講することになります。

東進ハイスクールでは、複数の講座をまとめて申し込むことで授業料が軽減される仕組みがあります。予備校の授業料は決して安くはありませんから、金銭的に軽減される制度があると安心ですね。

③圧倒的校舎数の多さ

また、特徴的なのは圧倒的な校舎数の多さです。

直営校の「東進ハイスクール」とフランチャイズの「東進衛星予備校」を合わせると、日本全国で1000校以上を展開しています。

予備校の料金でチェックするポイントでも述べた通り、自宅近くの予備校に通えるかどうかというのも、家庭の経済的負担や生徒本人の身体的負担を考えるととても重要です。

その点、東進ハイスクール・東進衛星予備校は日本全国で圧倒的校舎数を誇り、約12万人の高校生が在学する最大規模の予備校となっています。

河合塾

特徴多彩な目的別コース
高い学習効果を発揮する授業内容
授業形式
年間費用(目安)
対面授業

現役生 12万円〜25万円
高卒生 72〜84万円

【河合塾の特徴】

①多彩なコース

河合塾の特徴は、目的に応じたさまざまなコースが用意されていることです。名門大学を目指すようなコースはもちろん、一部の大学で実施されている英語重視型入学試験に対応するための英語に特化したコースや、海外の大学進学を目指すコースなどもあります。目的に応じて豊富なコースから自分に合ったコースを選択できるのが特徴です。

②演習を組み込んだ授業で高い学習効果を発揮

次に特徴的なのが、河合塾の授業内容です。河合塾では、1回の授業に演習まで組み込んで授業を行います。初めに基本事項を確認し、講師の解説で理解を深め、最後に演習で定着を図るという仕組みです。学んだ内容を実践して使うことで、効率的に知識を深め、実戦力強化につなげます。

駿台予備校

特徴手厚いサポート体制
1授業50分の集中型授業
授業形式
年間費用(目安)
対面授業

現役生 16万円〜28万円
高卒生 72万円〜85万円

【駿台予備校の特徴】

①手厚いサポート

駿台予備校の特徴は、まず手厚いサポートが受けられるということです。生徒1人に対して、「授業を行う講師」「高い英語力をもったバイリンガル・インストラクター」「駿台OB・OGの現役大学生であるクラスリーダー」「進路アドバイザー」という4方面からのサポート制度が整っています。

例えば、クラスリーダーは講師と連携をはかり、クラス担任として受験生を支えます。「どうしてこの大学を志望したのか」「入試直前の過ごし方」など、勉強面以外でも気軽に相談できる体制を整えています。

こうしたサポート制度により、生徒の学習進捗状況や授業の理解度の把握、志望校の決定や受験に向けたスケジュール調整など抜けや漏れがなく、きめ細やかな指導をすることができます。

②1授業50分の集中型授業

予備校の授業は1授業90分が多い中、駿台予備校の授業は1授業50分と短めです。その理由は集中力の持続に最適な時間が平均50分程度であるためです。1回1回の授業内容に集中することで、学習内容の理解を深め、定着させることができます。そうして、受験までの限られた時間の中で、最大効果を発揮するための「無理・無駄」のない効率的なカリキュラムが組まれています。

早稲田塾

特徴自由度の高いカリキュラム複数講座申し込みでの割引圧倒的校舎数の多さ
授業形式
年間費用(目安)
対面授業

高一 10万円〜20万円
高二 38万円〜67万円
高三 47万円〜120万円

早稲田塾の特徴

①生徒一人一人と向き合う指導内容

早稲田塾の指導方法は、基本的に20〜30人ほどの対面授業形式となっています。映像形式ではなく対面での指導を行うため、分からないことがあればすぐに相談することができる点が魅力と言えるでしょう。

また、面接指導や小論文の添削など、授業以外においても充実したカリキュラムが用意されています。生徒一人一人の特性に合わせてしっかりと指導を行うのが特徴です。

②AO・推薦入試に力が入れられている

早稲田塾では、AOや推薦入試の対策に注力しています。2020年度の合格実績としては約1,500人の合格者を輩出。そしてそのうちの232名は早慶の合格者となっており、早稲田大学や慶應義塾大学の受験に強いのが魅力と言えるでしょう。

また、国際系学部のAO・推薦入試対策用の英語書類の作成、建築や芸術学部向けの実技対策なども充実しています。AOや推薦入試で早慶合格を狙っている受験生の方には最適な予備校です。

③進路発見指導に定評がある

早稲田塾では「進路発見指導」が実践されています。これは「大学で何がしたいのか」ということを主軸にして志望校を決めるカリキュラムです。スタッフや講師陣がチームでサポートしてくれるため、塾生は将来のビジョンを描きながら受験に臨むことができます。

受験においてはモチベーションの管理が必須です。こうしたカリキュラムのもと、将来の目標を明確にしながら学習できれば、挫折することなく勉強を進めることができるでしょう。

メディカルラボ

特徴自由度の高いカリキュラム複数講座申し込みでの割引圧倒的校舎数の多さ
授業形式
年間費用(目安)
個別授業

現役生 200万円〜300万円
高卒生 400万円〜500万円

【 メディカルラボの特徴

①医学部受験に特化した学習システム

メディカルラボは、医学部受験に特化した予備校です。基本的にマンツーマンの個別授業となっており、個々に合わせた最適な指導を行ってもらえます。

授業内容にも特徴があり、まず初めに50分の講義を行い、その後に50分間の演習を行います。そして再び50分間の講義を行うという、合計150分が1回の授業時間に設定されているのです。授業の中で演習を実施し、知識の定着まで行うことができます。

ただし、医学部合格のために充実したカリキュラムとなっている反面、授業料が高額に設定されている点には注意が必要です。

②現役医学部生の質問チューターが在籍している

メディカルラボでは日々の疑問点をすぐさま解決できるように質問チューターが在籍しています。そして、チューターは現役の医学部生が担当しているのです。

生徒は分からないことがあればすぐに質問することができ、実力を高めながら学習を進めることができます。現役の医学部生に教えてもらうことでモチベーションの向上も期待できるでしょう。

勉強以外のことも相談することができるため、様々な面でサポートしてもらえます。

まとめ

以上、予備校にかかる平均的な料金や相場を解説しました。料金は、選択するコースや講座数などによって変わりますが、事前に平均的な相場を知っているだけでも予備校選びの参考になるのではないでしょうか。ぜひ、自分の志望大学や学部に合わせて検討してみてください。