旺文社は2021年3月1日、文部科学省発表の「学校基本調査」をもとに、2020年春に卒業した高校生の現役進学率を発表した。それによると、大学・短大への現役進学率は55%を超え、その理由の一つが推薦入試やAO入試での入学者の増加だという。
発表によると、2020年春の高校卒業者は昨年に比べて1万3258人少ない104万2549人だった。にもかかわらず、5万7000人増の53万3140人が現役で大学に進学。そのため、現役短大進学者数が4万4267人と昨年を下回ったものの、大学と短大を合わせた現役進学率は昨年の55.3%を超える55.4%となった。
男女別に見ると、大学進学者の割合は男子の方が大きく、短大進学者の割合は女子の方が大きかった。大学進学率は男子が52.3%で女子が50%とわずかの差しかなかったが、短大進学率は今でも著しく女子が高く、男子が0.9%なのに対して女子が7.7%だった。
大学・短大の志願者については、志願者に占める現役率が2年ぶりに上昇し、90%が現役生となったという。志願者に占める既卒率が1995年に23.9%、2000年に17.1%だったことを踏まえると、大きな変化が生じていることがうかがえる。なお、現役の志願者のうち浪人を選ばずに大学・短大に入学した者の割合は89.7%に上った。
私立大学の入学者に注目すると、年々一般入試での入学者数が減少しており、募集人数に対して入学者が不足することも多くなっている。一方で、推薦入試やAO入試での入学者が増加傾向にあり、特に2020年はその割合が大きかったという。
旺文社は、大学・短大への現役進学率が上昇していることについて、その背景に入試改革の影響を避けることやコロナ禍の影響があるとしつつ、推薦入試やAO入試の採用者数の増加が要因の一つだと指摘している。
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