給付型奨学金など多子世帯や理工農系学生への修学支援を拡充 文科省有識者会議で決定

大学や専門学校などに通う低所得世帯の学生に対する修学支援制度の見直しについて議論している文部科学省の有識者会議は2022年12月14日、給付型奨学金などの支給先を中間層に拡大するとの報告書を公表した。扶養する子供が3人以上の多子世帯や理工農系の学生を対象とし、2024年度導入を目指して検討を進める。

文科省は高等教育の修学支援新制度の見直しを行うため、2022年8月に福原紀彦日本私立学校振興・共済事業団理事長を座長とする有識者会議を設置。現在対象となっていない中間所得層への支援のあり方について検討を進めてきた。

この結果、中間所得層の中でも、「子供3人以上を扶養する多子世帯」と「理学・工学・農学系の学生」を対象とする方針を報告書に明記。支援方法については、返済不要の給付型奨学金と授業料減免措置とした。理工農学系の学生支援では、授業料などの負担が多い私立大を優先する。

理工農学系が対象となったのは、政府が今後の成長分野として挙げている「デジタル・グリーン」分野で人材育成を図るためだとしている。

今後、文科省では報告書の内容をもとに、具体的な所得基準や支給額を検討する。なお、多子世帯については少子化対策の観点から、所得制限の緩和や撤廃が必要だとの意見も出ている。

2024年度導入を目指す修学支援新制度について紹介したが、予備校にかかる平均的な費用や安く抑えるための方法も取り入れていただきたい。

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文部科学省 高等教育の修学支援新制度の在り方検討会議