国公立大の後期試験、新型コロナの影響は?――試験中止はごく一部、感染者に追試験の大学も

2020年3月12日から、国公立大学への入学者を選抜する後期日程試験が開催される。新型コロナウイルスの影響から、一部には後期日程試験の中止を発表する大学もあらわれてきた。各大学はどのように対応するのだろうか。

横浜国立大学は3月6日、受験生に向けて後期日程試験当日の対応について情報を発信。マスク着用を推奨し、咳をする際にはマスクやティッシュ・ハンカチで口・鼻を覆うなどのエチケットを守るように呼び掛けた。

東北大学は3月5日に公開した文書で、試験室内では受験者の座席間に十分な間隔を設け、休み時間ごとに換気すると発表。試験当日はできる限りマスクを着用するように求めつつ、本人確認のための写真照合の際などには、マスクを一時外してもらうこともあると注意した。一橋大学も同様に、マスクの持参・着用は可能だが、写真照合のために一時的に外すよう指示することもあると説明している。

また東京工業大学は、新型コロナウイルス感染者は後期日程試験を受験できないが、希望者には追試験を行うので入試課へ連絡するように促した。ただし、2月28日以降に「中国本土から又は中国本土を経由して日本へ帰国,来日した者」については、後期日程試験を受験できず、追試験の対象にもならないとしている。

後期日程試験を中止する大学もあるとはいえ、北海道大学、旭川医科大学、帯広畜産大学、北見工業大学、北海道教育大学、高知大学、山形県立米沢栄養大学、埼玉県立大学の8大学にとどまっている(3月9日時点)。北海道など、新型コロナウイルスの感染が広まっている地域の大学がほとんどだ。

さらに中止とは言っても、例えば北海道大学や旭川医科大学は、大学入試センター試験の成績によって後期日程分の合否を判定する。後期日程の合格者数がゼロになるわけではない。

「後期日程試験が中止」というニュースに踊らされて焦る必要はない。後期日程を受ける受験生はそれぞれ受験する大学のWebサイトへアクセスし、試験当日にどのような対応がとられるのか確認しておいてもらいたい。

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[関連リンク]

【受験生の皆さんへ】新型コロナウイルス感染症:一般入試(後期日程)の試験当日について|横浜国立大学
一般選抜入学試験「後期日程」を受験する皆さんへ |東北大学
新型コロナウイルス感染症等への対応について(学部入試)|一橋大学(PDF)
令和2年度一般選抜(後期日程)受験者 各位|東京工業大学 (PDF)