応用社会心理学研究所は2020年8月7日、全国の大学学部卒業生を対象に、学生視点で見た際の大学教育の価値について調査した結果を発表した。それによると、「大学の教育の質が高い」と評価する人は5割程度にとどまったという。
同社は2020年3月、学生視点による大学教育の価値や大学教育のリアリティーを測るアンケート調査を実施。2020年3月卒業の学部生、1142人の有効回答を得た。
同調査によると、学生生活の満足度を問う質問に対して、「学生生活は楽しかった」「学生生活は充実していた」と答えた人は約8割に上った。また、大学での過ごし方についての質問には、8割近くの学生が「友人との関係は良好だった」と回答した。「時間にゆとりがあった」「課外活動・クラブサークルが充実していた」との回答もともに6割を超え、学生生活を高く評価する学生が多いことが分かった。
大学卒業後の進路の満足度を問う質問にも、約8割の学生が「進路や就職先に満足している」と回答している。
一方で、大学教育の内容の評価を求める質問に対して、「教育の質が高い」と回答した人は5割程度だった。授業の進め方や教え方についても半数近くが納得しておらず、大学の教育に対する評価の低さが明らかになった。
大学に順応できたかについて問う質問には、3人に1人が「雰囲気が自分と合わなかった」、5人に1人が「辞めようと思うことがあった」と回答。 大学不適応を来たした学生が相当数いることが分かった。 応用社会心理学研究所は「教育内容の改善とあわせて今後の対応が求められる」としている。
大学教育の価値に関する調査結果を紹介してきたが、満足のいくキャンパスライフを送るために、予備校の選び方を詳しく解説した記事も参考にして、効率的な受験勉強を進めていただきたい。