旺文社は、「2021年国公私立入試 【学部別&日程別】 志願者最新レポート」を公表した。それによると、国公立大学入試・私立大学一般入試もともに前年から志願者が減少したが、特に私立大学の志願者の減少が著しく、前年からの減少率が10%を上回ったという。
レポートによると、国公立大学の志願者は前年から3%減少した。ただし、公立大学の後期日程の志願者は前年比4%の増加。それに比べて、私立大学の一般入試の志願者は前年より13%も少なかった。
これについて旺文社は、コロナ禍での地元志向の高まりや、経済面の不安による国公立志向の高まりに加え、共通テストの平均点アップが影響したと指摘している。また同時に、志願者数の増減や倍率の変動といった前年の反動も顕著に見られたという。
国公立大学の志願者の増減を地区別で見ると、北海道・東北地区では志願者が9%減少し、全国で最も高い減少率となっている。特に北海道大学は、前年に比べて志願者が12%減少した。
関東・甲信越地区でも、志願者が5%減少。コロナ禍により、首都圏が敬遠されたと考えられる。東京大学では、最難関の文科一類で10%、理科三類で7%減少。東京工業大学は後期日程の募集を停止したため、15%の大幅減となった。
北陸・東海地区の志願者数は前年並み。しかし、金沢大学は全学で後期の募集を停止したことから、前年比23%減となった。一方、名古屋大学は地元志向の高まりから4%増加。特に、前期日程の法学部、情報学部、医学部医学科が大幅増となった。
関西地区の志願者は1%の微減。難関大学では、京都大学が4%、大阪大学が6%と志願者が軒並み大きく減少した一方、神戸大学は後期日程の文学部、法学部などの志願者が増え、10%増大した。
中国・四国地区では、全体で志願者が3%減となった。しかし、前年の反動もあり、岡山大学は10%増だった。
九州地区では、宮崎大学が19%増、鹿児島大学が11%増など大幅増が見られる中、佐賀大学が10%減、大分大学が22%減となっており、両極端な結果となっている。
一方、私立大学の志願者の増減を地区別で見ると、首都圏の大学では、立教大学は7%増、学習院大学は1%増、上智大学は前年並みだったものの、青山学院大学は31%減、早稲田大学は12%減となり、二極化した。
京阪神地区では、関関同立のうち、関西学院大学は2%の微増、関西大学は2%の微減だったものの、同志社大学は11%減、立命館大学は21%減と大幅に減り、明暗が分かれる結果となった。
本記事では、国公私立入試の志願者数について紹介したが、さまざまな大学の合格実績ごとに予備校を比較したページも参考にしていただきたい。