コロナ禍が大学生のメンタルヘルスに与えた影響を明らかに 岐阜大が調査

岐阜大学は2022年1月14日、同大保健管理センターの堀田亮助教授が、新型コロナウイルスの感染拡大が、大学生のメンタルヘルスに与えた影響を実証的に明らかにしたと発表した。研究成果は1月13日、Public Library of Science社発行の『PLOSONE』誌(オンライン版)に掲載された。

堀田助教授は、感染拡大前の2019年と感染拡大直後の2020年、翌2021年のそれぞれ 4月から5月にかけて、同大学の新入生を対象にメンタルヘルスに関するアンケートを実施した。調査には CCAPS(大学生のための心理・精神症状評価尺度)という国際標準の指標の日本語版を用いた。

回答結果を分析した結果、感染拡大直後の2020年の新入生の抑うつ・不安症状は、拡大前の2019年より低い結果となったものの、拡大1年後の2021年に再び高くなり2019年の水準に戻った。しかし、希死念慮を強く抱える学生の割合は年々増加傾向にあることが分かった。

また、学業に関するストレスは、2020年の新入生が最も高く、2021年には2019年の水準に戻った。

この結果について堀田助教授は、「2020年の学生は現実感のなさを他の年度よりも強く感じていたことを示しており、急激な環境の変化によって『何が起きたかわからない』まま時間が過ぎ去っていると感じていたのかもしれない」と分析。希死念慮を抱えるなど重篤な精神的不調を訴える学生の割合は年々増加傾向にあることから、こうした学生を早期に発見し、支援する体制の拡充が求められるとした。

また、学業に関するストレスが感染拡大直後に最も高くなったのは、「オンライン授業への適応の難しさを示すものだと考えられる」としている。

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