弘前大学は2023年1月4日、前年に実施された第55回細胞検査士資格認定試験で同大学医学部保健学科検査技術科学専攻から受験した4年生8人が全員合格したと発表した。弘前大は北東北・北海道で細胞検査士養成課程を置く唯一の大学。新型コロナ禍の影響で思うような実習ができなかったが、実習方法を工夫するなどして全員合格を果たした。
細胞検査士は、人体から採取された細胞の中からがん細胞を顕微鏡で見つけ出したり、特定の細胞ががん細胞かどうかを判断したりする専門職で、がんの早期発見や診断には欠かせない。しかし、細胞検査士教育課程のある4年制大学は全国に14校しかなく、細胞検査士の養成や確保が課題となっている。
弘前大学では2009年度に細胞検査士養成課程を設置。養成課程を修了すると、4学年在学中に細胞検査士資格認定試験の受験資格が得られる。細胞検査士資格認定試験の合格率は例年30％前後となっているが、同大学の学生は2012年度以降、計74人が合格。平均合格率は88％となっている。
今年度受験した学生は新型コロナ感染予防対策のため、通常行われる15人用のディスカッション顕微鏡を用いた対面実習ができなくなり、オンラインや数人ずつのチームによる実習で対応。十分な実習ができない中、努力を重ねてきた。
合格した学生らは今後、全国の医療機関などで臨床現場や教育、研究のリーダーとしての活躍が期待される。
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