大阪大学、人文学研究科に複言語・複文化共存社会研究センターを開設 

大阪大学は2023年4月1日、外国にルーツを持つ子供たちの学習を支援するため、大学院人文学研究科のある箕面キャンパスに「複言語・複文化共存社会研究センター(ふくふくセンター)」を開設した。子供たちの支援や研究活動をしている学生や教員への支援や組織化、情報発信などを行い、課題解決に取り組む環境を整備する。

同センターによると、日本の学校現場でも外国にルーツを持つ子供に対する日本語の指導体制は整備されてきたが、ルーツを持つ国や地域の言語、文化を学ぶ機会は少なく、子供たちの「言語や文化の喪失」や「アイデンティティの揺らぎ」といった課題が指摘されているという。

こうした課題に対し、同大学では教員や学生、卒業生らが個別に支援活動や通訳などで課題解決に携わってきたが、組織的対応や人材の育成、情報共有や発信などを行う一元的な窓口の設置を求める声があがり、人文学研究科・外国語学部に同センターを設立することになった。

人文学研究科・外国語学部では、25言語の研究を行っており、外国にルーツを持つ子供たちの母語・母文化を研究する素地や人材が豊富にある。センター設立にあたっては、外国にルーツを持つ子供の教育を主に研究している2人の若手研究者が尽力。今後もこの若手研究者を中心に、従来の日本語・日本文化の学習支援と合わせ、子供たちが自身のルーツに誇りを抱きつつ、より適切な教育が受けられるよう支援していく。

国内では、外国にルーツを持つ子供の数は年々増加しており、出入国在留管理庁によると、2021年末時点で在留外国人は約276万人、このうち18歳以下の子供は約29万人いる。ルーツとなる国や地域、言語の数も増加しており、21年度に日本語指導が必要とされた児童生徒の母国語や家庭内言語の数は23以上にのぼる。

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