熊本大学は2023年11月1日から、キャンパスミュージアム企画展「恐竜化石コラボ展-熊本大学による調査・発掘と博物館の立ち上げ-」を大学キャンパス内の化学実験場で開催している。大学とゆかりのある九州3カ所の博物館とのコラボ企画で、恐竜の化石の展示のほか、国立科学博物館の真鍋真副館長の講演会も開かれる。12月20日まで。
九州には中生代白亜紀から新生代古第三紀の地層が広く分布し、恐竜の化石が相次いで発掘されている。熊本大学でも地質学分野や古生物学分野のフィールドワークを中心とした調査・研究を進めており、こうした成果は、熊本県内の「御船町恐竜博物館」や「御所浦白亜紀資料館」などの施設で展示されている。
そうした中、2024年3月に御所浦白亜紀資料館が「天草市立御所浦恐竜の島博物館」としてリニューアルオープンするほか、2025年4月に鹿児島県の薩摩川内市でも「甑(こしき)ミュージアム」が開設されることが決まり、熊本大学とゆかりのある自然史系博物館でコラボ展を開催することになった。
御船町恐竜博物館からはティラノサウルス類の歯や獣脚類の四肢骨、御所浦白亜紀資料館からは古第三紀の哺乳類であるコリフォドン類の化石などを展示。甑ミュージアムからは、獣脚類や竜脚類恐竜の歯や日本では初めての報告となった角竜(ケラトプス科)の歯、上甑島の白亜紀末期(マーストリヒチアン期)の地層から発見された獣脚類恐竜の歯のほか、「日本列島最後の恐竜」として注目されている国内最大級の鳥脚類恐竜の大腿骨などが展示される。
会場となる同大学化学実験場は、通常は公開されていない重要文化財の建物となっている。企画展は12月20日まで(火曜休館)で、開館時間は午前10時から午後4時。申し込みは必要なく、誰でも無料で入場できる。
真鍋真副館長の講演は12月2日と3日の予定で、恐竜学の進歩や最新の成果などについて解説する。講演会への参加は、事前の申し込みが必要(先着順)となる。