大学中退防止には高校からのキャリア教育が重要 ジェイックの中退者アンケート

中退者専門の就職支援サービス「ジェイック中退就職カレッジ」を運営するジェイックは2024年6月28日、大学や専門学校などの中退者を対象としたアンケート結果を公表し、「中学・高校からキャリア教育を丁寧に行うことが、中退予防につながる」との分析結果を公表した。

調査は2023年4月~2024年3月までに大学などを中退したり、中退を予定したりしている同社サービスの利用者を対象にインターネットを通じて実施。325人から回答があった。

調査結果によると、中退した時期は入学2年目が最も多く24.3%で、次いで3年目の23.1%だった。22年度の調査では4年目の21.3%が最も多く、次いで3年目の20.4%だった。中退理由で最も多かったのは、「授業内容に興味が持てなかったから」が27.9%で最も多く、「留年したから」22.8%、「経済的事情・家庭問題」17.9%が続いた。「授業についていけなったから」も14.8%だった。

大学や専門学校への進学理由について尋ねたところ、「なんとなく/親や先生に言われて/進学するのが当たり前だと思った」が最も多い39.8%で、「資格を取りたかった/就活に有利になると思った/仕事に役立つと思った」が21.7%、「教養を身に着けたい/勉強や研究をしたいと思った」が19.6%、「学歴が欲しかった」が15.2%などだった。

また、「中退前に得られていれば中退しなかった」と考えるサポートについて尋ねたところ、「学習支援(教員や職員等からの)」が最も多く37.8%と4割近かった。次いで「心理相談(教員や職員等との)」が29.9%、「高校でのキャリア教育(大学進学~卒業~就職までを見据えた)」が28.4%と続いた。学習面でのサポートを受けたかったと考える中退者が多い一方、高校からキャリア教育を受けたかったと考えている中退者も多いことがわかった。

同社は今回のアンケート調査について、「なんとなく/親や先生に言われて」といった進学理由が最も多く、中退理由も「授業内容に興味が持てなかったから」が1位になったことから「大学生活や、その先の就職をイメージできていないまま、進路を選択してしまっている高校生が一定数いる」と指摘。「中学・高校生の時から、自分自身の将来について考え、業界や職種について学ぶ機会を作るといった早期のキャリア教育を丁寧に行うことが、中退予防につながると言える」と分析している。

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【調査】「中退(中退検討)前に得られていれば、中退しなかったと思うサポート」 1位:教員からの学習支援