名城大学は「南愛名中」の一校で、理系に強い大学です。就職実績が豊富で、2023年度卒業生の就職率は99.5%と全国トップクラスの数値を記録しています。
そんな名城大学の入試難易度は標準レベルです。ただし、入試の出題範囲が全体的に幅広く、難度が高い学部もあるため、効率的に受験対策したい場合は、塾・予備校の利用がおすすめです。
この記事では名城大学の偏差値や難易度、科目別の勉強法、合格を目指せるおすすめ塾・予備校などを徹底解説。名城大学への受験を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
名城大学の入試の仕組みや偏差値・難易度は?

まずは、名城大学の入試に関する基本情報を知っておきましょう。
入試制度
名城大学の一般選抜には5つの方式があり、それぞれの特徴をまとめると以下のようになります。
3教科型A方式 | ・名城大学のメインの入試方式 ・地方会場で受験可能 ・F・K方式との併願がおすすめ |
共通テストプラス型F方式 | ・A方式と共通テストの点数を合わせて 合否が決まる ・地方会場で受験可能 ・A・K方式との併願がおすすめ |
傾斜配点型K方式 | ・薬学部以外で実施 ・各学科が指定する科目の配点が高く 設定されている ・地方会場で受験可能 ・A・F方式との併願がおすすめ |
2教科型B方式 | ・他大学と被りにくい日程 ・地方会場で受験可能 ・情報工・理工は3教科型、薬は3科目型 |
共通テスト利用型C方式 | 共通テストの点数のみで合否が決まる |
最も募集人数が多いのは「3教科型 A方式」です。名城大学が第一志望の人は、A方式で合格を目指しましょう。
「共通テストプラス型 F方式」と「傾斜配点型 K方式」はA方式の結果を利用するため、A方式の出願が必須です。同じ試験結果を利用できるため、A・F・K方式は併願が推奨されています。
A・F・K方式に加えてC方式(前期)を同日試験日に出願することで、検定料がさらに割引され、合格のチャンスも広がります。
「2教科型 B方式」は、試験時間120分で2教科に解答するという珍しい方式です。2月下旬に実施され、ほかの私大と被りづらい日程なので、名城大学が第一志望ではない人も受けやすくなっています。
「共通テスト利用型 C方式」は前期・後期があり、後期なら他大学の結果を見て出願できます。
併願については、C方式のみ複数の学部・学科に同時併願が可能です。ほかの4つの方式はすべて、1日程につき1学部1学科しか受験できない仕組みになっているので、スケジュール管理の際には注意しましょう。
そのほかにも、名城大学では総合型選抜や学校推薦型選抜など、さまざまな入試を行なっています。条件に当てはまる人は、ぜひチャレンジしてみてください。
偏差値
大手予備校グループである東進のデータをもとに、学部ごとの偏差値をまとめました。
学部 | 偏差値 |
法学部 | 55 |
経営学部 | 58~60 |
経済学部 | 58 |
外国語学部 | 58 |
人間学部 | 56 |
都市情報学部 | 58 |
情報工学部 | 60 |
理工学部 | 59~62 |
農学部 | 59~61 |
薬学部 | 62 |
名城大学の偏差値は文系で55~60、理系で58~62程度となっており、南愛名中のなかではそれほど高くありません。入試方式にもよりますが、本データで最も偏差値が高いのは薬学部または理工学部、最も偏差値が低いのは法学部でした。
名城大学は理系に力を入れているため、偏差値は理系学部のほうが高い傾向にあります。とはいえ、文系学部の倍率も決して低くないので、油断せずに対策をしましょう。
難易度(実質倍率)
大学が公表している2025年度入試のA方式の実質倍率を比較すると、全体で2~5倍程度でした。特に倍率が高いのは経済学部(約5.6倍)や外国語学部(約4.9倍)、都市情報学部(約4.6倍)です。
学部 | 2025年度 一般選抜 3教科A方式の実質倍率(受検者数/合格者数) |
法学部 | 3.0 |
経営学部 | 3.5 |
経済学部 | 5.6 |
外国語学部 | 4.9 |
人間学部 | 2.9 |
都市情報学部 | 4.6 |
情報工学部 | 3.6 |
理工学部 | 2.9 |
農学部 | 3.4 |
薬学部 | 2.4 |
※小数点第二位を四捨五入して計算
名城大学の入試難易度は標準レベルといえますが、学部によって異なります。薬学部や理工学部、外国語学部は比較的難度が高めといえるでしょう。
名城大学の出題傾向と合格するための対策とは?

ここでは、名城大学の出題傾向と、それに合わせた対策をご紹介します。学部によっても出題傾向は異なるため、詳しくは志望学部の過去問などで確認してください。
英語は配点の高い文法・語彙の対策を重点的に
名城大学の英語では、文法・語彙、会話問題、長文読解、図やグラフの読解などが出されます。このうち、文法・語彙の量は多めですが、難易度は標準程度なので、入念に対策すれば満点も狙えるでしょう。基礎~標準レベルの英単語・熟語帳を1冊、しっかり暗記することが重要です。
また、図やグラフの読解については、過去問はもちろん、似た形式の問題をなるべく多く解いて慣れておくことをおすすめします。共通テストの問題集などで対策するとよいでしょう。
国語は文学史や四字熟語などの暗記がカギ
国語は、現代文(評論文・知識問題)と古文という構成で、難易度は標準レベルです。現代文は他大学と比べても、文学史、漢字、四字熟語、慣用句、文法などの知識問題が多いため、入念な対策が必要になります。
ここで取りこぼすともったいないので、知識問題は8割以上を取りたいところです。漢字や文学史の参考書・問題集を、1冊仕上げてください。
古文のボリュームは多くありませんが、複雑な選択肢が交ざっているため、1つずつ注意して読みましょう。そのためにも現代文はスピード重視で解き、古文に25~30分ほど残しておけると理想的です。
範囲が広い数学は苦手分野をなくそう
名城大学の数学は基礎~標準レベルです。問題集などでしっかり演習をしていれば、時間が足りない状態にはならないでしょう。とはいえ、文理ともに幅広い範囲から出題されるため、苦手分野を潰しておくことが重要です。
過去問や演習問題を解くときは、時間を計るようにしましょう。どの単元にどのくらい時間がかかり、どのようなミスが多いのかを分析すると、苦手な単元がわかります。また塾・予備校では、AIなどで苦手分野を分析できるところもあるので、併せて活用しましょう。
物理は公式や基本的な法則を深く理解する
名城大学の物理では、力学、電磁気、波動、熱力学などが出題されます。標準レベルの問題が中心ですが、問題量が多いため、試験時間内に解ききるには時間配分への意識が欠かせません。
また、前の設問の解答を利用して、次の設問を解く形式が多くあります。基本的な問題を間違えると、大きく点数を落とす可能性があるため注意してください。
対策としては、まず教科書・参考書などを用いて、公式や物理法則といった基礎を深く理解することが大切です。基礎固めが十分にできたら、過去問を通して実際の出題形式や時間配分に慣れていきましょう。
化学は幅広い知識が必要
名城大学の化学は理論化学、有機化学、無機化学の分野から幅広く出題されます。難易度は基礎~標準レベルですが、計算問題や化学式・構造式を書く問題も含まれています。
そのため、教科書の問題を確実に解けるよう練習し、そのあとは過去問や問題集を活用しましょう。さまざまなタイプの問題を解くことで、実践力を養えます。
特に理工学部では、計算問題が多く出題される傾向にあります。ケアレスミスのないよう、丁寧に問題を解く意識も必要です。
生物は教科書レベルの内容を網羅的に学習する
名城大学の生物は、遺伝子や植物生理学、細胞生物学などの分野から出題されます。やや難度の高い実験考察の問題も出されますが、全体的な難易度は標準レベルです。
対策としては、教科書の内容を深く理解して基礎を固め、過去問や問題集を用いて応用力を身に付けることが大切です。難しい問題は、専門書や論文を参考にすると細部まで理解しやすくなります。
異なる視点から説明されている複数の資料を確認するのもよいでしょう。
日本史は時間をかけて細部まで理解する意識で
名城大学の日本史では、幅広い時代の問題が出されます。なかでも、歴史的な出来事や重要人物、年号の問題が多い傾向にあります。難易度は標準レベルですが、基礎知識と関連性のある細かい知識も問われるため、しっかりと時間をかけた対策が必要です。
まずは、教科書や資料集の内容を徹底的に理解しましょう。その次に、少し難度の高い問題集を1冊購入し、知識の幅を増やしていきます。
実際の入試問題でスムーズに答えられるように、出来事と人物、時代背景などのつながりを深く理解するのがポイントです。
世界史は情報が混同しないような工夫を
名城大学の世界史も幅広い地域・時代から出題されるため、情報が混同しないような工夫が必要です。例えば、国ごとに情報を整理したり、全体的な流れを把握するための年表を自作したりすることなどが挙げられます。
難易度は標準レベルですが、出題形式にクセがある場合もあるため、過去問を活用して志望大学・学部の傾向に慣れておきましょう。頻出分野の把握にもつながります。
また、カタカナや漢字の指定がある問題も出されます。ケアレスミスを防ぐためにも、問題文にしっか
り目を通すことを心がけてください。
名城大学を目指すならどこがいい?おすすめ塾・予備校6選

ここでは、名城大学への合格を目指す人におすすめの塾・予備校を6校ピックアップしました。それぞれの特長も表にまとめていますので、ぜひ予備校選びの参考にしてください。
塾・予備校名 | 指導スタイル | オンライン対応の有無 | おもな特長 |
東進ハイスクール・東進衛星予備校 | 映像授業 | ○ | • 映像授業を軸にした指導を行なっている • 入試問題と同じ形式の模試が行なわれる |
駿台予備学校 | 集団指導 | ○ | • 最新のAI教材を使用できる • 豊富な実績を持つ講師が在籍している |
河合塾 | 集団指導/映像授業 | ○ | • 多彩な講座を自分仕様にカスタマイズできる • チューターが生徒一人ひとりを手厚くサポート |
個別指導塾WAM | 個別指導 | ○ | • AIを用いた指導を行なっている • 相性の良い講師とマッチングできる |
武田塾 | 自学自習+個別管理 | ○ | • 授業は行なわず、生徒の自学自習をサポートしている • サボれないような工夫がされている |
Z会の教室 | 集団指導/個別指導 | ○ | • オリジナル教材を使用している • 添削付き講座であれば、記述力・論述力を養える |
東進ハイスクール・東進衛星予備校

東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)は、全国的に見ても圧倒的に現役合格に強い予備校です。2025年度は1,972人が名城大学に現役合格しています(現役生のみ、講習生を含まず)。校舎数が多く、愛知県のさまざまな地域に校舎があるため、通いやすいこともおすすめポイントです。
東進では映像授業を軸に、AIを活用した「志望校別単元ジャンル演習講座」、解説授業付きで過去問演習ができる「過去問演習講座」などの幅広い講座を受けられます。
さらに、東進は模試が充実していることでも知られています。名城大学を志望するなら、「大学合格基礎力判定テスト」を受けるとよいでしょう。英・数・国の単元ごとに基礎力を測れるため、基礎的な内容が多く問われる名城大学の受験対策にぴったりです。名城大学の入試は出題範囲が広いので、演習講座や模試を活用して苦手分野をなくしましょう。
駿台予備学校

駿台予備学校は特に理系に強いといわれており、薬学部や理工学部を志望する人におすすめです。2024年度は名城大学全体で518人、そのうち薬学部に82人が合格しています(駿台グループ関連法人の在籍者および講習受講生の集計)。愛知県内には名古屋校・丸の内校の2校舎があります。
駿台の大きな特長は、質の高いテキストや確かな実績を持つ講師陣がいることです。苦手分野はAI教材を併用して克服でき、基礎固めにもぴったりです。
河合塾

河合塾は、2024年度には名城大学に3,856人が合格、うち447人が薬学部という全国トップクラスの合格実績を持ちます(河合塾グループ関連法人の在籍者および講習受講生の集計)。愛知県内で、現役生向けの「高校グリーンコース」があるのは7校舎です。
河合塾の特長は、基礎から発展まで質の高い講座がそろっており、誰でも通いやすいことです。多彩な講座のなかから、自分に最適な組み合わせをカスタマイズできるので無駄がありません。
また、河合塾には数万人もの生徒が通いますが、一人ひとりにチューターがつきます。チューターは生徒それぞれにぴったりの受講プランを立てたり、模試の結果から学習課題を見つけたりしてくれるため、最短距離で現役合格を目指せます。
個別指導塾WAM

個別指導WAMは、全国に300以上の教室を展開する地域密着型個別指導塾です。「人×AI」という次世代の指導を行なっています。
具体的には、AIを用いて生徒の学習データを分析し、苦手分野やつまずきの原因を特定してくれます。さらに、そのデータを使用して、志望大学・学部への合格につながるフルオーダーメイドの学習カリキュラムを作成してくれます。
入試に出やすい部分から学べるため、時間を有効に使いながら志望大学・学部の入試対策が可能です。
また、指導にあたるのは厳しい採用基準をクリアして徹底的に研修を受けた講師陣です。どの講師も丁寧な指導で、名城大学合格までサポートしてくれます。個別指導WAMでは講師との相性を確かめたうえで担当講師を決められるため、「勉強を頑張りたいけれど講師の人が苦手……」という事態に防げるのがうれしいポイントです。
武田塾

武田塾は授業を行なわない独自のスタイルを採用し、生徒の自学自習を徹底的にサポートしている塾です。2021~2025年度まで、名城大学への合格者を毎年輩出しています。
武田塾は、生徒のレベルに合った参考書を教科ごとに選定し、1冊ずつ完璧に理解できるまで次に進みません。1週間ごとに確認テストを行ない、「わかる」が「できる」になるまで繰り返すため、基礎知識の定着が欠かせない名城大学の入試対策に有効といえるでしょう。
「自学自習ではサボってしまいそう」と思うかもしれませんが、武田塾ではサボれないような工夫がされています。例えば、塾で自習する時間とその内容を毎回生徒に確認する、帰宅時には勉強内容を講師に報告してもらう、などです。
このような仕組みが整っているため、自律的な学習習慣を身に付けたい人にも向いているでしょう。
Z会の教室

Z会の教室は、「自立的な学習姿勢を身に付ける」「記述力・論述力を養う」ことを指導方針として掲げる塾です。
各大学の出題傾向や対策を把握したプロの講師がそろっており、わからない点があれば休み時間に直接質問できます。指導の質を維持するため、大学生講師を採用していないのも特長です。
使用する教材は、長年収集したデータをもとに作成されたオリジナル教材です。添削付き講座では、細部まで丁寧に添削してもらえるため、効率的に論述力を鍛えられます。
また、学習ガイダンスや個別面談といったサポート体制も充実しています。受験勉強に関する悩みを解決できる場があるのは、受験生にとって心強いでしょう。
まとめ
名城大学の偏差値は55~62、入試難易度は標準レベルです。各科目で出される問題も標準レベルのものが多くなっていますが、学部によって難易度は異なります。出題範囲が幅広く、記述問題が出されることもあるため、合格率を上げたい場合は塾・予備校の利用がおすすめです。
今回ご紹介した塾・予備校は、それぞれ異なる特長を持っています。気になる塾・予備校がある場合は、体験授業や相談会に参加してみてください。