2025年2月21日、国土交通省は操縦士・航空整備士の人材不足の解消を目的に、女性の活躍を推進する「操縦士・航空整備士の女性活躍推進WGとりまとめ」を公表した。
航空機の操縦を学ぶ「航空大学校」において、2027年入試を目処に「女性枠」の設置を導入する予定だ。暫定的に女性専用の試験枠を設け、女性枠の定員は20名とする。上記のとりまとめにおいて、「10年後に世界トップレベルの10%の女性比率を実現」、および「航空大学校の女性比率を約5%に向上」させることを目標とする。
航空大学校の女性活躍を推進するため、入学要件の見直しも同時に行なう。158cm未満の身長要件を撤廃し、入学試験科目から数Ⅲなどの高度な理系専門科目を削除する。さらに、学生が安心かつ快適に過ごせるよう、男子学生との相部屋やシャワールームの共用など、設備面の改善も順次対応する予定だ。
航空業界は操縦士の高齢化に加え、航空専門学校の入学者がピークから半減するなど、今後の航空需要において喫緊の課題を抱えている。
航空業界における女性の仕事といえば、客室乗務員や空港のカウンター業務がメインで、操縦士や整備士に対する関心は圧倒的に低い。航空機のパイロットは「男性の仕事」というイメージが強く、パイロットを女性の仕事と認識していないことも女性比率の低さを後押ししている。
航空大学校で女性活躍を推進することで、女性操縦士と整備士の拡大だけでなく、働き安い環境を整備することで職員の定着を図る。
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「操縦士・航空整備士の女性活躍推進WG」とりまとめの公表~世界トップレベルの女性活躍分野の実現に向けて~