文部科学省は、2025年2月7日 に閣議決定した、多子世帯に対する大学授業料等の無償化に関する詳細を発表した。
同制度は、少子化対策の一環である「こども未来戦略」に基づくもの。扶養する子どもが3人以上 、かつ大学などに通う多子世帯に対し、親の所得制限なく大学などの授業料・入学金を一定額まで減額・免除する。
同制度が閣議決定された背景には、高等教育の教育費を理由に子どもの人数を諦めることにある。子ども3人以上を理想とする場合、教育費を理由に子どもを諦める傾向が特に強い。同制度の実施により、国公立は実質負担なし、私立は一定額の負担を減らすことで、希望の人数の子どもが持てる社会を実現する。
制度が適用される条件、減免上限額(年間)は次のとおり。
<対象者の条件>
扶養する子供が3人以上の世帯、かつ3人以上を同時に扶養している間は、第1子か ら支援対象
<学校の要件>
一定の要件を満たした学校が対象(大学・短期大学・高等専門学校(4・5年)・専門学校
<学習意欲・成績に関する要件>
- (採用時)学習意欲等があれば採用
- (採用後)学習意欲と成果を毎年確認
<減免上限額(年間)>
- 国公立大学:入学金28万円・授業料54万円
- 国公立短大:入学金17万円・授業料39万円
- 私立大学:入学金26万円・授業料70万円
- 私立短大:入学金25万円・授業料62万円
- 国公立高専(4・5年):入学金8万円・授業料23万円
- 専門学校(私立):入学金16万円・授業料59万円
なお、初年度となる2025年度は、大学入学後に申し込む「在学採用」をとる。入学金と授業料の全額を学校に納付し、後日に学校から支援額が返還される流れとなる。