東京都品川区は、大学入学を予定する区内の住民を対象に、所得制限のない給付型奨学金制度を実施することを発表した。
同制度の実施は、2026年以降の大学入学者、および理系学部への進学を希望する大学生を対象とする。対象となる学部は、医療系(医学・歯学・薬学・看護学)、理工農系(理学・工学・農学)で、1人あたり年額54万円を補助する。
奨学生の人数に関して、事業の初年度である令和7年度は、大学入学を予定する区内在住者のうち100人を対象とする。令和8年度以降は、前年度の給付者と新規入学者を対象に、200人まで給付を拡大する予定だ。
保護者の所得制限を設けない給付型奨学金制度は、東京都内では初の試みとなる。医学部など理系学部は学費が高額なことから、経済的な事情で諦めざるを得ないケースも多い。同制度の実施を通して、親の経済状況にかかわらず希望の大学への進学を促すことで、社会に貢献できる人材の育成を図る。
同制度の募集は2025年中に実施し、2026年度からの授業料を補助の対象とする。なお、同制度の選考は、学業成績、地域貢献を目的としたボランティア活動、面接での志望の強さなどで判断、決定する予定だ。