予備校選びは講師が超重要! 河合塾や東進などの人気講師を紹介

大学受験に向け、どの予備校に通うかで迷っている人も多いのではないでしょうか。

予備校の選び方はさまざまです。授業形態や費用、進路指導などのサポート内容といった点に着目して予備校を選ぶのもよいでしょう。

しかし、予備校を選ぶ上で、やはり大切なのは講師です。なぜなら、講師の教え方によって講義の質、学習内容への理解は大きく変わるからです。講義の上手い講師ほど、その授業内容は分かりやすく、学習がはかどります。

それでは、どのような予備校講師を選べばいいのでしょうか。多くの場合、予備校には人気講師・有名講師と言われる人がいます。名物講師と言われることもあります。そのような先生方はたいてい、講義が分かりやすくて教えるのが上手いために、予備校生から高い人気を得ています。ですので、予備校の人気講師・有名講師の多さという基準で判断すれば、予備校選びで失敗することはないでしょう。

そこで、今回の記事では主要3教科の人気講師・有名講師を紹介していきます。ぜひ参考にしながら、予備校選びに役立ててください。 

現代文  

まず、勉強法について悩む学生が多い「現代文」の人気講師・有名講師を紹介します。

林 修(東進ハイスクール・東進衛星予備校)

「いつやるの? 今でしょ!」の名ぜりふで有名な、数多くの受験生から人気を得ている名物講師です。テレビ番組やCMへの出演など、タレントとしても多方面で活躍しています。

元々は数学講師でしたが、自身が予備校講師としてトップに立てる科目は現代文だと悟り、現代文講師の道へと進んだとのこと。数学が得意なだけあって、その説明は非常にロジカルで分かりやすいと好評です。

また、林先生の講義は、得点力だけでなく「考える力」も養えると評判で、東大受験生から圧倒的な支持を集めています。

林先生は普段、全国の東進ハイスクール・東進衛星予備校が主催する公開授業や東大特進コースのライブ授業を行っているとのこと。「東大対策国語」や「京大対策国語」をはじめ、難関国公立大二次試験レベルの記述対策が必要な生徒向けの「現代文記述・論述トレーニング」や難関私立大を目指す学生向けの「ハイレベル私大現代文トレーニング」などの講座を受け持っています。

木村 哲也(河合塾)

文系の河合と言われる河合塾で、多くの学生から支持を集める人気講師・有名講師です。早稲田大学に特化した現代文の授業も行っています。

授業では、現代文の解き方のパターンを徹底解説。その他にも、受験生が間違えやすいポイントや、現代文読解に必要な背景知識を教えてくれます。

著書には、現代文読解の入門書「はじめての入試現代文 正解へのアプローチ」があり、現代文に苦手意識がある人や現代文の勉強を始めたばかりの人におすすめです。現代文が得意な人や現代文をさらに学びたい人には、同氏の著書「はじめての[次の]入試現代文 正解へのさらなるアプローチ」をおすすめします。

笹井 厚志(代々木ゼミナール)

東京大学文学部出身で、代ゼミで長年教えているベテラン講師。丁寧で熱にあふれる授業が人気を集め、オリジナルゼミ「現代文《知の現場へ》」は常に満席です。その他、「東大現代文」や「早大・上智大現代文」などトップクラスの授業を受け持っています。

笹井先生の授業では、小手先のテクニックではなく、大学に入った後も生かせる「精読力」を身につけることができます。「何が(主語)、ぐ(具体的に)、なぜ」(S→ぐ→W)という思考の流れを徹底的に教えてくれます。

生徒と丁寧に向き合ってくれることでも評価が高く、記述問題がある授業の前に黒板に解答を書いておけば添削してくれるそうです。なかなか書籍を出版しないので、代ゼミでしかノウハウを知ることができない講師でもあります。

霜 栄(駿台予備学校)

「Mr.現代文」の異名を持つ、駿台予備学校きっての名物現代文講師です。良い意味で駿台予備学校らしくない、ユーモアあふれる授業を行うことで生徒たちの心を鷲掴みにしています。

霜先生は、説明的文章はもちろん、文学的文章であっても、客観性を持って論理的に読み解いていくことが重要であると考えており、文章の要旨を正しく捉える力を育むことに力を入れています。文学的文章に対してセンスが無ければ解けないものだと苦手意識を持つ人も、霜先生の授業を受ければ目から鱗が落ちたように文学的文章を読み解けるようになるでしょう。

霜先生には、「現代文読解力の開発講座」をはじめ、大学受験現代文にまつわる多様な著作があります。大学受験に向けて現代文を正しく読み解く力を身に付けたい人は、ぜひ手に取ってみてください。

古文・漢文

次に、暗記事項が多く苦手な人が多い「古文・漢文」の人気講師・有名講師を紹介します。

三羽 邦美(東進ハイスクール・東進衛星予備校)

受験古典界の重鎮といわれるベテラン名物講師。主に難関大古文や東大漢文、大学入学共通テスト漢文の対策講座を担当しており、学生からは根強い人気があります。

特に漢文の授業への評価が高く、基礎の復習から早慶向けの知識まで広く学べると評判です。非常に博識で、歴史的背景を交えた奥深い授業内容に、「引き込まれる授業」「スラスラと読めるようになった」という声も多く聞かれます。

また、著書「漢文ヤマのヤマ」は、30年近くにわたって改定を重ねてきたベストセラーです。2020年3月には、大学入学共通テストに対応した「漢文ヤマのヤマ 共通テスト対応版」を刊行しています。

漆原 慎太郎(代々木ゼミナール)

代々木ゼミナールの講師で、若手ながらも人気がある有名講師です。テンポが良くユーモアのある授業で、古文に苦手意識がある人も楽しく受講できます。

古文を学ぶ際の工夫として古文の覚え歌も数多く作っており、しばしば「個性的」とも評されます。授業は分かりやすく古文の基礎から応用まで幅広く学べると人気です。

著書の「コブタン 56の例文で効率的に身につく古文単語329」は、その名のとおり効率的に古文単語を身につけられる1冊。単語以外にも、古典世界の基礎知識や文化背景など、受験に役立つ内容が多数掲載されています。

英語

次に紹介するのは、「英語」の人気講師・有名講師です。

安河内 哲也(東進ハイスクール・東進衛星予備校)

「英語なんて言葉なんだ、やれば誰だってできるようになる」という名言を残し、4技能を伸ばすことの必要性を伝え続けているカリスマ・名物講師です。TOEIC990点満点、英検1級、国連英検特A級などを所持するほか、実用英語推進機構の代表理事を務めています。

「話せる英語、使える英語」を教えることを重視し、勉強法としては音読学習を提唱。楽しい授業で英語を身に付けられると、多くの学生から支持を得ています。

また、大学受験やTOEICの参考書、英語勉強法の本など数多くの書籍を執筆。中でも、「安河内の新・英語をはじめからていねいに」シリーズや「英語長文レベル別問題集」シリーズがおすすめです。

東進ハイスクール・東進衛星予備校における安河内先生の講座は、「安河内哲也の有名大突破! 戦略英語解法」「安河内哲也の基礎から偏差値アップ総合英語」「大学入学共通テスト対策 Listening Ⅳ」「難度別システム英語 文法編Ⅳ」などが展開されています。

今井 宏(東進ハイスクール・東進衛星予備校)

河合塾、駿台予備学校、代々木ゼミナール、東進と、名うての予備校で教鞭を執り、多くの生徒を志望大学合格に導いてきた予備校界の大物英語講師です。東進においても実力講師陣の1人として大きな存在感を放っており、CMなどでその姿を目にしたことがあるという人も多いでしょう。

今井先生の魅力は、なんといっても抜群のトーク力にあります。とにかく話題のポケットが広く深く、雑談と呼べる内容も少なくないのにもかかわらず、ただ座って聞いているだけですんなりと英語への理解が深まっていく授業は、まるで魔法のようだと評判です。

著書には「今井の英文法教室(上・下)」「今井の英文読解パラグラフリーディング(Ⅰ・Ⅱ)」などがあり、大学受験はもちろん、英検やTOEIC、TOEFLなどの勉強にも役に立つと高く評価されています。

竹岡 広信(駿台予備校)

大ヒットドラマ「ドラゴン桜」のモデルとなった名物講師で、テレビ番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも特集されたことのある人物です。現在は駿台予備校や自身の父が立ち上げた竹岡塾で教鞭をとっています。

大学時代は工学部から文学部に編入し、再度英語を学びました。自身が英単語を覚えることが嫌いだった経験から、学生には「英語を面白いと思ってもらえるような授業」を心掛けているそうです。

授業ではオリジナルのプリントを多用。「英語の捉え方を変えてくれる授業」「分かりやすくて面白い」と評判です。また、著書「ドラゴン・イングリッシュ基本英文100」は、3年で16万部を超える大ベストセラーの英作文参考書となっています。

しぎょう いつみ(河合塾)

30年以上のキャリアをもつ河合塾の有名講師。「正統派」「王道」と言われる丁寧な授業が、 学生から圧倒的支持を得ています。

英語の長文読解では、一文一文をしっかりと解読していきます。配布プリントには、重要構文や多数の関連単語が詳細に書かれており、復習しやすいのも特徴です。現在は医学部入試英語から難関私立大学対策英語まで、幅広い授業を担当しています。

著書には英単語の語源やエピソードを盛り込んだ「よりみち英単語」があります。

富田 一彦(代々木ゼミナール)

過去にはNHK総合テレビ「英語でしゃべらナイト」への出演経験もある代ゼミ看板講師の1人。自身も東大卒であり、「東大英語」をはじめとしたレベルの高い授業を担当しています。「講師として生徒を教える目的は、いずれ私を越えて、倒す力をつけてもらうこと」と語り、熱心に指導しています。

授業の特徴は、接続詞や動詞の数を数えて問題を解くというスタイルで、ロジカルに英文を読んでいくこと。授業の難易度は高く、説明スピードも速め。ある程度の基礎ができていて、よりハイレベルの英語学力を習得したい人におすすめです。

「入試英文法Ver.2 整序問題」「富田一彦 -長文読解- 基本と演習」「入試英文法Ver.1 解法の基礎」「7日間で基礎から学びなおす カリスマ先生の英文解釈」といった著書からも、独特の解法を学ぶことができます。

数学

最後に、得手不得手が大きく分かれる「数学」の名物講師を紹介します。

志田 晶(東進ハイスクール・東進衛星予備校)

徹底的に「数学的な考え方」を身に付ける授業で、多くの学生を東大・京大をはじめとする難関大学合格に導いてきた東進の看板数学講師です。

授業では板書よりもスライドを多用。アニメーションを交えてグラフや数式を表示させるなど、工夫を凝らした分かりやすい授業と丁寧な解説で人気があります。「論理的に教えてくれる」「数学に対する理解が深まる」という声も多いです。

現在は、東大対策文系数学や大学入学共通テスト対策、難関大対策理系数学演習など、幅広いレベルの授業を担当しています。著書には、「志田晶の数学シリーズ」として、「志田晶の確率が面白いほどわかる本」「志田晶の数列が面白いほどわかる本」などがあります。

長岡 恭史(東進ハイスクール・東進衛星予備校)

東京大学理科三類をはじめとする超難関大学・学部に毎年数多くの合格者を送り出している折り紙付きの超大物数学講師です。エリート講師陣がひしめく東進の中でも異彩を放っており、生徒たちから絶大な信頼を寄せられています。

長岡先生の授業は、トップレベルの学力を持つ生徒であっても予習・復習をしなければついていけなくなってしまうほどハイレベルだそう。しかし、解法について暗記するしかないと突き放すようなことは決してせず、基本から丁寧に説明してくれる上、時間が許す限り別解や補足説明もレクチャーしてくれるため、確実に実力をつけていくことができます。

なお、長岡先生は東京大学志望者にとっての必携本と呼ばれる「大学への数学」シリーズ、いわゆる黒本の共著者としても名を連ねています。

生田 健治(河合塾)

分かりやすい解説で学生から厚い信頼を得ている河合塾の人気講師です。文系・理系問わず、入試必須の問題を丁寧に教えてくれます。また、解き方だけでなく、「考え方のコツ」を教えてくれるため、数学を理解しやすくなると評判です。

さらに、授業内容の分かりやすさだけでなく、学生をやる気にさせる雑談も人気の理由。面倒見が良く、勉強面でも精神面でも助けられたという学生が多いようです。

それゆえ、講習会はすぐに定員になることも。現在は、主に「数学ⅠAⅡB演習[発展]」や「理系数学演習[発展]」など難関大学向けの授業を担当しています。

雲 幸一郎(駿台予備校)

駿台予備校数学科のベテラン名物講師。一度授業を受けると、その問題の本質を捉えた鮮やかな解法に、「数学が好きになる」という学生も。東大理系や医学部など、難関大学を目指す学生からの信頼も厚い講師です。

授業の難易度は高めですが、要点を分かりやすくまとめた説明で理解しやすい授業です。また、板書には解法だけでなく解説や補足事項も多く書かれているため、「復習しやすい」という声も多く聞かれます。

著書には、「大学への数学 解法への突破口」や「雲 幸一郎の数学Ⅱ・B解法攻略講座」などがあります 。いずれもレベルの高い内容であるため、医学部や難関大学理系学部を目指す人にぴったりです。

荻野 暢也(代々木ゼミナール)

印象的な話し方やパフォーマンスが注目を集め、ネット上でもたびたび話題になる有名講師です。高校教諭から予備校講師に転職した経歴を持ち、遅刻や途中退席、居眠りを見つけ次第注意するなど、厳しい指導で知られています。

担当講座は「高3スーパー東大理系数学」「最高峰への理系数学」「天空への理系数学」など。その他にも多くの講座を担当し、代ゼミの数学科におけるトップ講師と呼ぶ人もいます。

また、「荻野の最高峰への理系数学」「荻野の天空への理系数学」など、講座と同じ名前の著書も出版していますが、最難関大学のレベルに対応する書籍が多くなっています。