東京理科大学を目指すカギは計算力と応用力! 出題傾向と対策からおすすめの塾・予備校まで解説

東京理科大学は1881年に創設された「東京物理学講習所」を前身とし、私立の理系学校としては最も長い歴史を持ちます。7学部の他、大学卒業者向けの夜間学科「理学専攻科」を設けるなど、幅広く学びの門戸を開いている理工系総合大学です。また、唯一の文系学部として「経営学部」もあり、文理の枠を超えたアプローチを学ぶことができます。

また、東京理科大学は「実力主義」を教育方針に掲げています。実際に2015年には、卒業生である大村智博士がノーベル生理学医学賞を受賞しました。こうした実績からも、東京理科大学のレベルの高さがうかがえるでしょう。

そんな東京理科大学に入るためには、どのような対策をすれば良いのでしょうか。この記事では、東京理科大学の入試の仕組みや難易度、入試問題の特徴と対策を解説。東京理科大学志望者に向けておすすめの塾・予備校もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

東京理科大学の入試制度と注意点

まずは、東京理科大学で採用されている入試方法と、受験生が注意すべき点をお伝えします。

東京理科大学は学部・学科の再編成を実施中

東京理科大学を受験するにあたり、まずはアドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)を確認しておきましょう。

東京理科大学では大学全体のアドミッション・ポリシーの他、学部・学科ごとに異なる方針も設けられています。ホームページにアクセスし、自分が志望する学科の方針を把握しておいてください。

ただし、東京理科大学を受験する際は学部・学科選びに注意が必要です。東京理科大学は、2020年度から2025年度にかけて、大規模な学部・学科の再編成を進めています。これに伴い、学科の新設・学部/学科の名称の変更や募集停止・キャンパスの移転などが実施されています。

自分が志望している学部・学科は問題なく受験できるか、ホームページなどをチェックしてください。なお、学部・学科の再編成はまだ構想段階のため、今後の再編成の内容は変更となる可能性もあります。

東京理科大学の一般選抜には5つの方式がある

東京理科大学の一般選抜には、以下の5つの方式があります。

方式内容
A方式大学入学共通テストを利用する
B方式東京理科大学独自の入学試験最も受験者数の多い方式
C方式A方式とB方式を併用する
グローバル方式英語の資格・検定試験のスコアを出願資格とした入学試験
S方式(2023年度から)東京理科大学独自の入学試験創域理工学部(2023年度に理工学部から名称変更)の一部学科が対象

それぞれの方式は、併願も可能です。ただし「C方式」と「グローバル方式」の併願は不可といった縛りもあるので、東京理科大学ホームページの一般選抜についてのページで確認しておきましょう。

最も受験者数の多い「B方式」では、同一試験日で3つの受験科目が同じであれば、2学科まで併願が可能です。通常、1学科あたりの受験料は3万5000円ですが、併願する場合の受験料は2学科合わせて5万5000円となります。

なお、異なる試験日の学科を併願する場合は、「3万5000円×出願学科数」の受験料を納めます。

東京理科大学ではその他にもさまざまな入試方法を採用しており、一般選抜の他には以下のような制度があります。

  • 学校推薦型選抜
  • 帰国生入学者選抜
  • 外国人留学生入学試験
  • 国際バカロレア入学者選抜

それぞれ出願資格や受験方法を確認し、当てはまるものがあれば受験は受験を検討してみましょう。

東京理科大学の難易度・偏差値は?

東京理科大学のボーダー偏差値を調べてみると、学科ごとの違いはそれほどなく、概ね57.5~62.5程度となっています(夜間学部である「理学部第二部」を除く)。

なお、予備校大手である東進のデータによると、合格可能性80%(Aライン)となる偏差値は、以下のように幅があります。

  • 理学部第一学部 応用数学科・物理学科:58
  • 理学部第一学部 応用化学科・工学部 情報工学科・薬学部 薬学科など:71

ボーダー偏差値から、東京理科大学は、難関大学レベルに入るといえます。合格を目指すのであれば、このAライン偏差値を目標にしましょう。

東京理科大学の入試傾向と対策

東京理科大学に合格するためには、入試問題の傾向と対策を知っておきましょう。

前述の通り、東京理科大学には多くの選抜方式があります。今回は、最も受験者数の多い「B方式」をメインに、東京理科大学全体の出題傾向と、英語・数学・理科の科目別の特徴と対策をお伝えします。

東京理科大学の入試問題の特徴&おすすめの対策

東京理科大学「B方式」の受験科目は、「数学・英語・理科(科目選択)」の組み合わせが基本となっています。

しかし、一部異なる学部・学科もあります。例えば、経営学部の一部の学科は国語が必須。薬学部は化学が必須となっており、物理は選択できません。まずは、志望する学部の受験科目をチェックしてみてください。

また東京理科大学の場合、同じ科目であっても学部・学科ごとに異なる問題が出されます。複数の学科を併願する場合は、それぞれの学科別に対策が必要です。

入試問題は、全体的に計算力と思考力を問う問題が多い傾向にあります。計算量が多いため、スピード感と正確な計算力を身につけてください。基礎はもちろん応用力も求められるので、演習を積んでさまざまな問題に対応できるようにしましょう。

英語は長文読解に慣れて論理展開を読み解こう

英語は、長文読解がメインとなります。マーク式解答が多いものの、年度や学部によって記述問題も出されます。また、近年は設問文も英語となっているため、問われている内容を正確につかむ語彙力・読解力が必要でしょう。

長文の内容としては、理系大学だけあって理系の文章が多めです。構造も理論的につかみやすいものが多く、接続詞や文章の展開に注意すると読み解きやすくなります。

まずは単語・熟語・文法の暗記をしっかりと固めた上で、長文読解の演習を増やすと良いでしょう。

数学は微分・積分が頻出 標準問題で得点を!

理系数学は数Ⅲ範囲からの出題が多く、基礎から応用まで幅広く出題されます。中でも、カギとなるのは微分・積分です。膨大な計算量が求められるので、ケアレスミスには特に注意が必要です。

例年、難問が全体の2~3割ほどを占めていますが、難問に気を取られ過ぎないことも重要。標準レベルの問題を落とさず、確実に得点できるようにしましょう。

理科は正確な計算とスピードが重要

理科(化学・物理)も、計算量が多い傾向にあります。数学だけでなく理科科目も意識して、計算の基礎トレーニングをしっかり行いましょう。設問数も多いため、次々と問題を解いていくスピードも必要です。

物理は、どの学部でも力学と熱力学の分野が頻出です。また、高度な知識が問われるため、難関大学レベルの問題集を利用して対策すると良いでしょう。

化学は、理論・無機・有機の各分野から幅広く出題される傾向にあります。どれか1つが得意であっても、不得意分野があると足を引っ張られてしまう可能性があります。早めに学習に取りかかり、バランス良くカバーして苦手を潰しておきましょう。

東京理科大学を目指す人へおすすめの塾・予備校3選

最後に、東京理科大学を目指す人におすすめの塾・予備校を3つピックアップしてご紹介します。講座ラインアップや料金、サポート体制などを総合的に考え、どこに通うか決めましょう。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)は、合格実績を伸ばし続けている注目の予備校です。2022年度の東京理科大学合格者数は2805人(現役生のみ、講習生は含まず)。昨年度プラス364人と大幅に増やして、史上最高の合格者数となりました。

東進では、日本全国から各教科のエース講師が集結し、質の高い授業を提供しています。この授業を生徒それぞれのペースで映像で受講可能。また、映像授業を個人で受けるだけでなく、担任による「熱誠指導」でやる気を引き出す仕組みも備えています。

他にも東進の特徴として、質の高い演習ができることが挙げられます。「志望校別単元ジャンル演習講座」では、AIによる学力診断を基に、10万問以上のデータベースから選び出された問題での演習が可能。また、東京理科大学の工学部・理工学部に関しては「過去問演習講座」が開講されており、プロの採点と解説授業が受けられます。

また、東進では入試本番レベルの模試も実施しているので、ぜひ活用しましょう。東京理科大学志望の方には、「早慶上理・難関国公立大模試」がおすすめです。年5回と実施回数も多いので、こまめに受験してみてください。

駿台予備学校

駿台予備学校(以下、駿台)は、特に理系志望者から人気の高い予備校です。2021年度は東京理科大学に4490人もの合格者を輩出しています(駿台グループ関連法人の在籍生および各講習受講生の実績、現役・浪人の両者含む)。

駿台の講座は細かくレベルが設定されており、自分にピッタリの授業を選べます。各科目の得意・不得意を考えて講座を取り、着実に力を付けましょう。授業時間は1回50分と短いので、集中して受けられます。

また、駿台は細やかなサポート体制にも定評があります。授業で分からなかった部分を講師に質問できることはもちろん、苦手分野はAI教材を活用してカバー可能です。

四谷学院

東京理科大学では基礎の計算力が重要で、特に化学は苦手な分野もしっかりカバーする必要があります。苦手を確実に潰したい人や、自分のレベルに細かく合わせた講座を取りたい人には四谷学院がおすすめです。

四谷学院では「科目別能力別授業」と「55段階個別指導」のダブル指導により、理解力と解答力を高めていきます。「科目別能力別授業」では毎月レベル診断テストを行うため、常に自分に合ったクラスで受講が可能です。

「55段階個別指導」では、プロ講師の個別指導で理解度を細かくチェック。いずれも、東京理科大学に特化した講座などはありませんが、このような指導により、得意科目はさらに得意に、苦手科目はじっくり理解していけます。

[関連記事]

MARCH合格実績ランキング