関東の難関私立大学群「GMARCH」の一角を担う明治大学。10の学部と12の研究科があり、3万人以上の学生が通う大規模な大学です(2025年5月現在)。
知名度や就職率の高さから長年人気を集めており、合格するためには高倍率の入試で勝ち抜かなくてはなりません。明治大学合格に向けて対策のポイントを知り、限られた受験期の時間を有効活用するとよいでしょう。
この記事では、明治大学入試の基本情報から出題傾向と対策、おすすめの塾・予備校まで徹底解説します。明治大学を目指す受験生の方は、ぜひ参考にしてください。
明治大学の入試の仕組みや偏差値・難易度

まずは明治大学入試の基本情報を押さえておきましょう。
主な入試方法として一般選抜・総合型選抜が挙げられますが、今回は一般選抜について解説します。
明治大学の入試の仕組み
明治大学の一般選抜には、学部別・全学部統一・大学入学共通テスト利用の3種類があります。違いは以下のとおりです。
| 学部別入試 | ・学部独自の入試問題 ・受験会場は明治大学のキャンパスのみ ・商学部・経営学部・国際日本学部では英語4技能資格・検定試験のスコアを活用できる |
| 全学部統一入試 | ・全10学部で共通の入試問題 ・最大9学部まで併願可能 ・全国8都市の会場で受験可能 ・農学部・経営学部・国際日本学部・総合数理学部では英語4技能資格・検定試験のスコアを活用できる |
| 大学入学共通テスト利用入試 | ・共通テストの成績のみで合否が決まる ・全ての学部間で併願が可能 ・英語4技能資格・検定試験のスコアは活用できない |
これら3種類の入試は全て併願可能です。最も募集人数が多いのは「学部別入試」です。特定の学部を志望している人は、学部別入試の合格を目指しましょう。
学部にこだわりがなく「とにかく明治大学に入りたい」という人は、「全学部統一入試」で複数の学部を併願する方法もあります。また、「共通テスト利用入試」のみ前期・後期の2回チャンスがあり、前期の結果を見てから後期の出願をすることも可能です。
また、明治大学では自己推薦特別入試や公募制特別入試などさまざまな方法で入試を行っています。ただし実施している学部が限られるため、条件に当てはまるかどうかチェックしてみてください。
明治大学の偏差値・難易度
明治大学の志願者数は、16年連続で10万人を超えています(2007~2022年度、一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜など全ての入試形態の延べ志願者数)。毎年7000〜8000人ほど入学していますが、受験者数もかなり多いため全体的に倍率は高くなります。
例えば、2025年度の学部別入試では法学部の実質倍率が4.6倍、情報コミュニケーション学部の実質倍率が4.3倍でした。最も高いところでは、総合数理学部のネットワークデザイン学科の実質倍率が14.5倍となっています。
東進のデータによると、明治大学の偏差値は60~70程度で学部ごとの差はあまりありません。また、共通テスト利用入試で必要となる得点率は、おおむね75~85%程度。どの学部も高レベルです。
2025年度の学部別入試における合格最低得点率は、法学部が63.1%、文学部が71.7~78.0%でした。全学部統一入試の場合、全ての学部で合格最低得点率が70%を上回っています。
参考: 明治大学 偏差値一覧・ランキング|大学案内|大学受験の予備校・塾 東進
明治大学の出題傾向と必要な対策

続いて、明治大学入試の出題傾向と、その対策方法をお伝えします。この後の「おすすめ塾・予備校3選」と併せて参考にしてください。
なおここでは主に、全国8都市で受験ができる「全学部統一入試」の問題について解説します。
英語は標準レベルだが出題形式と時間配分への慣れが必要
英語は長文読解2題が基本となっていますが、年度によっては出題内容が異なるケースも見られます。語彙を問う知識問題や、文章全体の論旨や適切なタイトルを選択するなど内容理解に関する問題が出題される傾向です。特に知識問題がやや多いため、単語・熟語などを徹底的に定着させましょう。
問題自体は標準レベルですが、限られた時間のなかで2000語程度の長文を読み解く必要があるため、読解スピードを身につけることが求められます。さまざまな出題形式が織り交ぜられているため、過去問や数冊の問題集を解き、形式に慣れておくことも必要です。ボリュームも多めなので、時間配分にも注意しましょう。
国語は評論文に慣れておき、古文の有名作品の復習を
国語は現代文2題・古文1題の構成で、現代文では評論文が中心です。文章量がやや多いため速読力が求められます。読解に付随して文学史も出題される傾向があるため、忘れずに履修しておいてください。日ごろから論説文・評論文、新聞などを読み、硬めの文章に慣れておきましょう。知識の土台を作るために、時事問題キーワード集などもおすすめです。
古文は標準レベルで、有名な作品からの出題が多め。教科書に載っているような作品を読み込んでおくとよいでしょう。
数学は基礎固めが重要!学部別の過去問は数年分をやり込もう
数学の出題範囲は「数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学B(数列・統計的な推測)・数学C(ベクトル)」です。理工学部機械工学科、機械情報工学科のみ数学Cで「平面上の曲線と複素数平面」も範囲に加わります。難易度は標準的ですが、問題のバリエーションが多岐にわたるため時間配分に気を付けましょう。
対策としては、基礎を徹底的に固めることです。前述のように、学部によって出題範囲が異なるケースもあるため、必ず志望する学部の出題範囲や難易度を確認しましょう。そして、教科書に載っている公式や定理を理解した上で、複数年分の過去問などの問題集を完璧に解き、解法を説明できるレベルになることが理想的です。
明治大学を目指す人が塾・予備校に通うメリット

明治大学は日本の私立大学のなかでトップクラスの人気を誇っており、倍率も高い難関校です。合格の可能性を上げるためには、大学受験のプロが学習や進路選択の指導をしてくれる塾や予備校を利用するのが賢明だといえます。
塾や予備校に通うことで効率的に入試対策を進められ、受験に必要な情報なども簡単に収集できるようになります。また、同じ明治大学を目指す仲間と切磋琢磨できることもメリットの一つです。先輩やチューターから合格体験談を聞くなど、モチベーションが高まる場面も多く、意欲を持って受験に取り組めるでしょう。
塾や予備校を利用する場合は、なるべく早い時期から通い始め、余裕を持って入試対策を進めていくのがおすすめです。早くから塾や予備校を利用すれば、基礎固めから段階的に始めることができ、受験直前に焦る心配がありません。
明治大学対策で塾・予備校を選ぶときのチェックポイント

倍率の高い明治大学に最短距離で合格するためには、合格実績や指導形式、講師の質などをよく確かめ、自分に適した塾・予備校を選ぶことが重要です。ここからは、明治大学合格のために塾・予備校を選ぶときの5つのポイントを紹介します。
大学別の入試対策
各大学の入試では出題傾向がある程度決まっているため、過去問などの分析が効果を発揮します。傾向を把握した上で受験勉強を進めることで、効率の良い学習が実現します。
塾や予備校を選ぶ際も、明治大学に特化した入試対策を提供しているかどうかを事前に確認することが大切です。特に私立大学の場合は受験科目が限られるため、大学別・学部別に対策を講じないと、無駄な勉強が多くなる傾向があります。
明治大学に最短距離で合格するための、特別なカリキュラムを用意してくれる塾や予備校を見極めるとよいでしょう。
合格実績
多くの塾・予備校では、前年度などの各大学の合格実績を発表しています。過去の合格実績は、塾や予備校の指導力を客観的に判断できる指標の一つです。これまでに明治大学の合格者をどれくらい輩出しているか確かめることで、塾・予備校の信用度を簡単にチェックできるでしょう。
合格者数は塾・予備校の規模にも左右されるため、信用度を正確に測りたい場合は合格率などの指標が参考になります。そのほか、明治大学合格者の口コミや体験談を読むと、塾・予備校の長所や雰囲気が汲み取りやすいでしょう。
指導形式
塾・予備校の指導形式には「個別指導」「集団指導」「オンライン指導」などの種類があります。
個別指導は生徒1人に対して講師が1人つき、学力や理解度に応じて指導してくれる形式です。集団指導はクラス単位の授業形式で、オンライン指導では自宅などで授業が受けられます。
どの指導形式にもメリット・デメリットがあるため、自分に合った指導形式を選ぶことが重要です。例えば、自分のペースに合わせて勉強したいなら個別指導、モチベーションを高めたいなら集団指導が向いているでしょう。料金を安くしたい、移動時間の無駄を省きたいといった考えがあるならオンライン指導がおすすめです。
講師の質
塾・予備校の講師には、社会人プロ講師や学生アルバイト講師といった種類があります。講師の質によって学習効率なども変わってくるため、塾・予備校を比較する際の尺度にするとよいでしょう。
プロ講師の場合は豊富な経験に基づく高い指導力が期待できますが、料金は高くなりやすいのが難点です。学生アルバイト講師は指導力に劣る面はあるものの、料金が安く、自身の受験体験に基づくアドバイスをしてもらえます。
体験授業などで講師の熱意や指導のわかりやすさを確認し、塾・予備校選びの判断材料にすることをおすすめします。
料金
塾・予備校によってかかる料金も変わってくるため、事前の確認が必要なポイントです。授業料を大きく左右するのが指導形式で、個別指導が高く、オンライン指導は安い傾向があります。
ただし、料金の安さで塾や予備校を決めると、指導が不十分で結局合格できず、本末転倒ということになりかねません。授業料も考慮に入れつつ、講師の質や指導体制などをよく確認し、明治大学合格により近づけそうな塾や予備校を選ぶことが大切です。
明治大学の受験対策におすすめの塾・予備校8選

ここでは、明治大学合格を目指す受験生におすすめの塾・予備校を3つピックアップしました。特に、東進ハイスクール・東進衛星予備校や河合塾のような大手予備校では必ずGMARCH対策を行っているため、通いやすさや予算で選んでもよいでしょう。
東進ハイスクール・東進衛星予備校
東進は、明治大学現役合格に強いことでも知られる大手の予備校です。確かな合格実績もあり、2025年度は4,937人が明治大学に現役合格しました(講習生含まず)。
東進の特徴は、実力派講師による約1万種の映像授業の他、さまざまな角度から受験生をサポートしてくれることです。授業は細かくレベルが分けられているため、自分に適したレベルを選びましょう。11まであるレベルのうち、明治大学は「5」に当たります。
東進が保有するビッグデータとAIが融合した学習システムの「志望校別単元ジャンル演習講座」もチェックしてみてください。志望校合格へ向けて優先的に取り組むべき学習課題を個々人に合わせて提案してくれます。
また、過去問対策や模試も充実しています。「過去問演習講座」では、志望大学・学部のピンポイントな過去問対策が可能。明治大学の10学部全てに対応しており、受験のプロによる採点と解説授業も受けられます。
模試は、「上理・明青立法中レベル模試」の受験がおすすめ。また共通テスト利用を考えている人は、高1・高2のうちから「共通テスト本番レベル模試」や「共通テスト同日体験受験」を受験し、対策しておきましょう。
河合塾
日本有数の大手予備校である河合塾。2025年度は、明治大学に9,783人の合格者を出しています(河合塾グループ関連法人の在籍者および講習受講生の集計、現役・浪人の両者含む)。
老舗予備校ならではの安定感があり、レベルの高い授業を受けられます。授業では、最新の入試傾向に合わせて改訂を重ねたオリジナルテキストを使用。講座は1~6のレベルに分かれています。なお、明治大学レベルに対応しているのは「GMARCH英語」「早大現代文」「標準数学ⅠAⅡBC」などです。
また、生徒数は多いものの、一人ひとりへのサポートが手厚いのも河合塾の特徴。チューターが一緒に合格戦略を立ててくれる他、オンラインで気軽に講師やフェロー(質問対応専門の学習指導員)へ質問できます。
早稲田アカデミー
早稲田アカデミーは、学力別・志望校別にクラスが設定されている予備校。難関大への高い合格率を誇り、GMARCHはもちろん東大や早慶にも強いことで有名です。
明治大学志望なら「難関大必勝コース」を受講しましょう。週1回程度、主に日曜に朝から夜までのタイムスケジュールで授業が組まれ、明治大学合格に向けて集中特訓ができるコースになっています。
また、進路ガイダンスや保護者会の他、保護者も交えた個別面談を定期的に行い、講師から直接説明を受けられます。受験生に伴走する立場として、保護者も安心して受験に臨めるでしょう。
駿台予備学校
駿台予備学校は確かな実績を誇る大手の予備校で、2025年度は3,826名の明治大学合格者を輩出しています。
駿台予備学校最大の特徴は、これまでに難関大学へ多くの合格者を輩出した講師が行う質の高い集団授業です。講師の熱量やほかの生徒が学習する様子に刺激を受けられるため、受験のモチベーションを高く保ちたい場合はうってつけです。
志望大学に合わせて講座のレベルを選択でき、明治大学を含むGMARCHは標準レベルに該当します。授業はオンラインでも配信しており、進路アドバイザーやAI教材などのサポート体制も充実しています。
明治大学合格に向けて、老舗予備校ならではの盤石の指導が受けたい方には駿台予備学校がおすすめです。
臨海セミナー
臨海セミナーは神奈川県および首都圏、大阪府内に校舎を構える予備校で、2025年度における明治大学の合格者数は545名です。日々の研修で指導スキルを磨いた講師が、50年間のノウハウを詰め込んだ「臨海方式」で集団授業を行っています。
明治大学対策としては「MARCH合格プロジェクト」を用意しており、「基本学力を土台にした実践力」を養うための指導に取り組んでいます。特訓講座による苦手科目の克服だけでなく、全国模試を踏まえた学習面談や確認テストによる学習管理など、充実のサポート体制が魅力的です。
神奈川県をはじめとした首都圏で指導力に定評のある塾を探している方は、臨海セミナーを検討してみるとよいでしょう。
坪田塾
「ビリギャル」のモデルとして知られる坪田塾は、教育心理学を活用した個別指導で生徒の学習をサポートしています。
生徒一人ひとりに合わせて個別のカリキュラムを用意してくれるため、無駄なく効率的に学習を進められます。自宅で学んだ知識を講師に説明する「反転学習」など、効果的な学習メソッドを指導に取り入れていることも特徴の一つです。
また、生徒を9つの性格タイプで分類し、それぞれの特性に応じた言葉選びでモチベーションを維持することを目指しています。楽天家タイプには明るい未来を感じさせる声かけ、堅実家タイプには具体的な指示といった具合に、受験生が前を向いて学習できるよう工夫を凝らしています。
学習だけでなく、精神面からも受験を支えてほしいと感じる方には坪田塾がおすすめです。
逆転コーチング
逆転コーチングは日本最大級のオンライン塾で、2025年度はGMARCHの合格者を305名輩出しています。
オンライン指導なので全国で受講できることや、志望校に合格した講師が担当してくれることが逆転コーチングの特徴です。1日単位での勉強計画を作成することで受験生の不安を減らし、集中して学習に取り組める環境を整えています。
設備費や広告費などのコストを抑え料金が安価に設定されていること、オンライン塾でありながら自習室を紹介してくれることなども特徴の一つ。自宅以外の場所で集中して学習に取り組めます。
コストを抑えて明治大学合格を目指したい方には逆転コーチングがおすすめです。
鬼管理専門塾
鬼管理専門塾は、生徒の勉強を徹底的に管理することで志望校合格の可能性を高める特化型の学習塾です。オンライン指導を中心としており、全国どこからでも利用できることが最大の魅力です。
生徒が志望する大学の過去問を15年分研究し、カリキュラムに落とし込む方法を採用。受験勉強の徹底的な管理によって、難関大学の合格率約83%という高い実績を誇っています。
個別のカリキュラムで生徒は毎日の学習内容が明確にわかるため、何を勉強するべきか迷う必要がありません。最大週7回・月28回の個別指導や1万問以上の確認テストなど、最短距離で明治大学に合格するための環境を用意してくれます。
オンライン塾としては高めの料金設定ですが、本気で明治大学合格を目指したい方には鬼管理専門塾がおすすめです。
まとめ
明治大学は全国から入学希望者が集まる人気私大で、高い競争率を誇ります。明治大学を目指す場合は自分に合った塾や予備校に通い、プロの指導を受けながら学習を進めるのが効率的です。
塾・予備校を選ぶ際は、講師の質や指導形式、合格実績などをよく確かめることが重要です。近くに気に入った塾がない場合はオンライン塾も視野に入れるとよいでしょう。
学力を着実に高められるカリキュラムなどを利用しながら、最短距離での明治大学合格をぜひ目指してください。