早稲田大学に強い塾・予備校は?入試傾向と対策、予備校選びのポイントも解説

早稲田大学は、慶應義塾大学とともに「私学の雄」と称されている、国内屈指の難関私立大学です。創立は、1882年。日本初の政党内閣を組織し、二度も内閣総理大臣を務めた大隈重信によって創立されて以来、国内外で活躍する優秀な人材を多く輩出してきました。

イギリスの大学評価機関が毎年公表している「QS世界大学ランキング」の2025年度版では、世界181位にランクイン。特に、卒業生の活躍度を測る「Employer Reputation(雇用者による評価)」では、世界24位の高評価を受けています。

このように早稲田大学は、国内はもちろん、世界的にも一目置かれており、日本中の受験生にとって憧れの大学です。そのため、早稲田大学合格を目指すのであれば、塾・予備校の力を借りてライバルたちに差をつけることをおすすめします。

今回は、早稲田大学の入試制度や偏差値・難易度、入試傾向と必要な対策を詳しく解説。また、早稲田大学合格に向けた塾・予備校選びのポイントや早稲田大学を目指す人におすすめの塾・予備校もご紹介します。

早稲田大学の入試制度

早稲田大学のおもな入試制度としては、「一般選抜」「大学入学共通テスト利用入試」「総合型選抜」の3つが挙げられます。

一般選抜

一般選抜は、早稲田大学の試験場で試験を受ける必要がある選抜方法です。

おもな試験方式としては、早稲田大学独自の試験のみの方式、英語4技能テストを利用する方式、大学入学共通テストを利用する方式の3つがあります。

一般選抜を実施する学部は、以下のとおりです。

  • 政治経済学部
  • 法学部
  • 教育学部
  • 商学部
  • 社会科学部
  • 国際教養学部
  • 文化構想学部
  • 文学部
  • 基幹理工学部
  • 創造理工学部
  • 先進理工学部
  • 人間科学部
  • スポーツ科学部

基本的には、学部間および同一学部内の各入試制度の併願は可能です。ただし、同一学部で複数の受験方式を利用したり、試験日が同一の学部を併願したりできないなど例外もあるため、必ず入学試験要項を確認してください。

大学入学共通テスト利用入試

大学入学共通テスト利用入試は、大学入学共通テストの成績のみ、もしくは、大学入学共通テストの成績と早稲田大学独自の書類選考で合否を判定する選抜方法です。早稲田大学に足を運ばなくても、試験に挑戦できます。

大学入学共通テスト利用入試を実施する学部は、以下のとおりです。

  • 政治経済学部
  • 法学部
  • 社会科学部
  • 人間科学部
  • スポーツ科学部

併願に関するルールは、一般選抜と同様です。入学試験要項をしっかりと確認しておきましょう。

総合型選抜

早稲田大学の総合型選抜には、下表のようにさまざまなものがあります。

基本的には、同学部・学科や同一年度中の試験の複数受験、他プログラムとの併願はできません。詳しくは、各試験の入学試験要項を確認してください。

選抜方法概要実施学部
地域探求・貢献入試地域の課題解決や発展に関心を持ち、グローバルな視野で主体的に学ぶ意欲がある学生を対象とした選抜方法。・法学部
・教育学部
(一部学科)
・文化構想学部
・文学部
・人間科学部
・スポーツ科学部
全国自己推薦入試出身校からの推薦を必要とせず、自らの活動歴や経験をもとに自己推薦できる入試。・社会科学部
早稲田建築AO入試創造理工学部の建築学科を対象に、創造性が豊かでリーダーシップを発揮できる学生、チームを率いてまとめるコミュニケーション能力に優れた学生を求める入試制度。・創造理工学部
特別選抜入試理工系科目で卓越した能力を持つ学生を募集する入試制度。

数学オリンピックや化学グランプリ、情報オリンピックなど、国内外の学科別コンテストや科学技術チャレンジの成果を活用して選抜が行われる。
・先進理工学部
FACT選抜入試幅広い基礎学力に加え、特に理科と国語の優れた基礎力を有する学生を求める入試制度。・人間科学部
総合型選抜Ⅰ群オリンピックや世界選手権への出場経験、あるいはそれに準ずる国際的レベルの競技大会への出場経験、またはそれと同等レベルの競技能力を持つ学生を求める入試制度。・スポーツ科学部
総合型選抜Ⅱ群高いスポーツ技能を持ち、将来的にスポーツ界のリーダーとなる資質を備えた学生を求める入試制度。

公募制ではなく、本学体育各部と連携して、書類審査や面接によって選考される。
・スポーツ科学部
総合型選抜Ⅲ群一定以上の競技能力を有し、スポーツに対する強い熱意を持つ学生を求める入試制度。

自己推薦をもとに選考され、学業だけでなく、スポーツ活動における主体性や探究心も重視される。
・スポーツ科学部
スポーツサポート歴入試運動部活動やスポーツチームでの課題発見・解決に取り組む「支える」活動経験を有する学生を求める入試制度。・スポーツ科学部
英語による学位取得プログラムへの入学試験英語による授業のみで学位を取得できるコースの入試。書類審査・面接・総合試験などによって評価する。・政治経済学部
・社会科学部
・国際教養学部
・文化構想学部
・基幹理工学部
 (一部学科)
・創造理工学部
 (一部学科)

早稲田大学の偏差値・難易度

東進が発表したデータによると、早稲田大学の偏差値は以下のようになっています。

学部偏差値
政治経済学部71〜72
法学部71
教育学部69~70
商学部71
文化構想学部71
国際教養学部70
社会科学部70
文学部70
スポーツ科学部66
人間科学部66~67
先進理工学部71~72
基幹理工学部71
創造理工学部70~71

参考:【2026年度入試対応】早稲田大学 偏差値一覧・ランキング|大学案内|大学受験の予備校・塾 東進

実質倍率は、学部・学科によってかなり開きがあります。例えば、商学部の地歴・公民型では10倍を超えており、非常に高い競争率となっています。一方、教育学部の一部専攻や理系学部の学科の実質倍率は2〜3倍台です。

合格最低点(共通テスト+個別テスト)も学部・学科ごとに大きく異なります。例えば、政治経済学部では 200点満点 で、合格最低点は 政治学科が156.50点、経済学科が160.50点、国際政治経済学科が157.50点です。

早稲田大学の入試傾向と必要な対策

早稲田大学の入試は、科目ごとに求められる力や出題傾向が異なるため、単純な暗記だけでは対応できません。ここでは、英語・国語・数学の入試傾向と、効率的に得点力を伸ばすポイントを解説します。科目ごとの特性を理解し、戦略的に準備を進めるための道筋をつかみましょう。

英語:膨大な長文を速く正確に処理し部分記述で差をつける

早稲田大学の英語入試では、学部を問わず長文読解の分量が非常に多く、語数は4,000語を超えることもあります。社会・文化・科学など幅広いテーマから出題され、単語や文法の知識に加え、設問の意図を素早く読み取る読解力も必要です。また、学部によっては英作文や要約、和訳などの部分記述が課され、表現力も問われます。

攻略のポイントは、過去問演習を通じて適切な時間配分や解答の流れを体得することです。日々の演習で設問形式に慣れ、長文を速く正確に処理する力を身に付けることが、英語で差をつける鍵となります。

国語:評論系の構造把握と論旨整理で記述を確実に取る

国語は、評論・小説・古文・漢文など幅広い分野から出題されます。抽象的で難解なテーマが多く、筆者の主張や論理の展開を正確に把握する力が必要です。設問は内容説明や要約などが中心で、根拠を明確に示しながら論旨を整理する力が求められます。

過去問演習を通じて文章構造の把握や論理展開の整理力を養い、限られた時間内で記述を確実にまとめる練習を重ねることが、国語で安定して高得点を狙うポイントです。

数学:“気付き”と計算処理の速さで解法を完遂する

数学では、文系・理系を問わず、思考力とスピードを兼ね備えた「完答力」が求められます。文系では標準レベル、理系では数学Ⅲの範囲を含んだ高難度の問題が出されます。一見シンプルな問題でも解法の糸口に気付く洞察力が不可欠です。

発想の転換が得点差につながることも多く、計算処理の速さと正確さも大きなポイントになります。標準~やや難レベルの問題を確実に得点源とし、過去問演習を通じて出題パターンごとの「気付き方」を習得しましょう。日々の演習で時間配分や計算スピードを意識し、効率的に力を伸ばすことが合格への近道です。

早稲田大学合格は予備校・塾なしでは難しい?

早稲田大学の入試を独学だけで突破することは、不可能ではありませんが容易でもありません。膨大な出題傾向の分析や、記述式問題への対応、学部ごとの複雑な科目配点を考慮した体系的な戦略を立てるのは、独学では難しいでしょう。

特に英語や国語の記述問題では、正確な添削や表現力の指導が得点差につながるポイントとなります。塾や予備校に通えば、専門講師による効率的な弱点補強が可能になり、最新の入試動向を踏まえた対策も立てやすくなります。着実に合格力を高めるなら、塾・予備校を活用することが有力な選択肢になるでしょう。

早稲田大学に合格するための塾・予備校を選ぶポイント

早稲田大学合格を目指すうえで、塾・予備校選びは学習成果を大きく左右します。どのような環境で学ぶかによって、効率やモチベーションにも差が出るため、慎重に選ぶことが重要です。ここでは、塾・予備校を選ぶ際に押さえておきたい基本的なポイントをご紹介します。

早稲田対応カリキュラム・難関私大実績が豊富か

早稲田大学の入試は学部ごとに出題傾向や難易度が大きく異なるため、早稲田やほかの難関私大に特化したカリキュラムが用意されている塾・予備校を選ぶことが重要です。過去問の分析や学部別対策講座、併願校との戦略設計のサポートなどがあるところであれば、効率的な学習が可能になります。

また、難関私大への合格実績が豊富な塾には、出題傾向に応じた指導ノウハウが蓄積されています。単なる授業数や講師数よりも、実際に早稲田への合格者をどれだけ輩出しているかが選定のポイントです。豊富な実績と専門性を兼ね備えた環境で学ぶことが、合格への近道となります。

教科別専門講師・記述添削体制・英語4技能対策があるか

早稲田大学の入試では、読解力や論述力、英語4技能など、多方面での学力が求められます。そのため、教科ごとに専門講師が指導にあたり、最新の出題傾向に沿った授業を受けられる環境が必要です。特に国語や英語では、記述添削や要約演習など、答案作成力を高める仕組みが整っているかを確認しましょう。

また、学部によっては英語外部試験の利用があるため、リスニングやスピーキングを含む英語4技能対策が充実している塾を選ぶことも重要なポイントです。質の高い指導体制で、着実に力を伸ばしていきましょう。

自分に合った学習スタイルを選べるか

早稲田大学合格を目指すには、自分に合った学習スタイルを見極めることも重要です。集団授業で競い合うことで伸びる人もいれば、映像授業で自分のペースを重視した方が力を発揮できる人もいます。

また、オンライン指導を活用すれば通学時間が不要となり、効率的に学習時間を確保することも可能です。講師との距離感や質問のしやすさ、学習管理のサポート体制なども比較し、自分が最も集中して取り組める環境を選びましょう。

早稲田大学を目指す学生におすすめの塾・予備校

早稲田大学の受験に向けて、塾・予備校に通おうと考えている方もいるでしょう。その場合は、早稲田大学の合格実績が豊富で、早稲田大学の受験に関するデータを多く蓄えている塾・予備校を選ぶのがおすすめです。

早稲田大学の入試はクセが強く、一般的な受験対策では通用しない点も多くあります。そのため、早稲田大学の受験に特化した対策ができる塾・予備校を選ぶことが大切です。

早稲田大学を目指す学生に特におすすめしたい塾・予備校としては、以下の5つが挙げられます。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

東進ハイスクール・東進衛星予備校は、早稲田大学に現役で合格したいと考えている方に最もおすすめの塾・予備校です。2025年度には、3467人を現役合格に導いています(講習生含まず)。

東進ハイスクール・東進衛星予備校がこれほど多くの早稲田大学現役合格者を輩出できる秘訣は、「通期講座」や「過去問演習講座」など、国内最大級の予備校である東進ならではのメソッドが詰まった多様な講座にあります。

通期講座は、一流講師陣による多様な授業が用意されているのが特徴。自分の現時点の学力や、志望校のレベルに合わせた授業を選んで受講できます。なかでも、早稲田大学合格を目指す受験生向けの「私大現代文読解」「ハイレベル私大現代文トレーニング」「難関古文」「トップレベル私大古文」「早慶大対策日本史」などは要チェックです。

過去問演習講座では、志望大学合格に必要な実践力を身に付けられます。10年分相当の大学入学共通テストの演習や、早稲田大学も含めた100以上の大学の過去問演習が可能。加えて、各問題3回にわたる粘り強い添削指導と、実力講師陣による徹底解説授業も受けられます。

東進が持つ膨大なビッグデータとAIによって、最適な志望校対策を実現する「志望校別単元ジャンル演習講座」も必見。受験直前期には「第一志望校対策演習講座」を受講すれば、志望大学の出題傾向をつかむことができ、求められる解答力を培えます。

さらに、定期的に実施される「共通テスト本番レベル模試」や、年5回実施される「早慶上理・難関国公立大模試」にも挑戦しましょう。場数を踏んで弱点の克服に努めれば、より一層合格力を高められるでしょう。

河合塾

河合塾も、早稲田大学の受験に強い塾・予備校の一つです。2025年度大学入試では、現役・浪人合わせて5947人の早稲田大学合格者を輩出しています(河合塾グループ関連法人の在籍者および講習受講生の集計)。

河合塾には、現役生対象の「高校グリーンコース」と、浪人生対象の「大学受験科」があります。

高校グリーンコースでは、早稲田大学の受験対策に特化した講座を受けられます。例えば、「早慶大英語」「早慶大理工数学」「早大現代文」「早大古文」「早慶大日本史」「早慶大世界史」などがラインアップされています。

大学受験科には「スーパー早慶大文系コース」「早慶大文系アドバンストコース」「早慶大文系コース」「早慶大理系コース」などを用意。早稲田大学合格に向けて1年間じっくりと、着実に実力を伸ばせます。

また、過去の早稲田大学・慶應義塾大学の入試問題の出題傾向や難易度、形式などを分析して作られた、河合塾オリジナルの「早慶レベル模試」も実施しています。

早稲田塾

総合型選抜で早稲田大学に合格したいなら、早稲田塾に通うとよいでしょう。

2025年度には、50人の現役合格者を輩出しています(通期講座1講座以上にあたる教育サービスを受けた生徒のみを対象とした実績)。内訳を見ると、さまざまな学部・選抜方式で合格者が出ており、どの学部を志望する場合も頼れる存在だといえます。

早稲田塾の強みは、独創的なカリキュラムにあります。例えば、面接や志望理由書に欠かせない表現力を磨く「総合型・学校推薦型選抜(AO・推薦入試)特別指導」や小論文の質を高める「論文系講座」、大学教授や有識者を招いてフィールドワークを行なう「未来発見プログラム」などです。

特に、総合型・学校推薦型選抜(AO・推薦入試)特別指導では、早稲田大学の総合型選抜対策に特化した講座もあります。「早稲田大学(国際教養学部)AO入試〈Critical Writing〉対策講座」、論文系講座では「ハイレベル実戦小論文」といったように、各カリキュラムで早稲田大学志望者向けの内容が用意されているのです。
 
また、早稲田塾に入ると、東進の講座も受講できます。一般選抜への備えを万全にできる点も、特筆に値するでしょう。

駿台予備学校

駿台予備学校は、難関国公立・私立大学への高い合格実績を誇り、早稲田大学受験においても強みを持つ伝統ある予備校です。文系・理系の両方に対応した対策コースでは、学部ごとの出題傾向を徹底分析し、記述や論述問題に対応できる実戦力を養えます。

早慶入試に精通した講師陣による答案添削指導で、独学では気付きにくい弱点や解法のコツを効率良く補強可能です。さらに、自習室や質問対応の体制が充実しており、学習リズムを安定させながら着実に力を伸ばせます。

志望学部に合わせた柔軟な講座選択や、定期的な学習サポートも魅力で、早稲田合格を目指す学生にとっては非常に心強い予備校です。

四谷学院

四谷学院は、「科目別能力別授業」と「55段階個別指導」の二本柱で、早稲田大学をはじめとする難関私大への合格者を多数輩出している予備校です。

集団授業では英語・国語・日本史などの科目を、学力レベルに応じて受講でき、理解度に応じた指導で着実に力を伸ばせます。55段階個別指導では、一人ひとりの弱点を細かく分析することで、早稲田の記述・論述問題にも対応可能な答案作成力を養います。

また、英語の長文読解や国語の要約演習など、思考力や表現力を鍛えるカリキュラムも充実しており、学習リズムや理解度に合わせて柔軟に学習を進められます。志望校に合わせた丁寧な指導で、効率的に合格力を伸ばせる点は大きな魅力です。

まとめ

早稲田大学の入試は、学部ごとに出題傾向や配点が異なり、独学だけで突破するのは簡単ではありません。塾や予備校を活用すれば、専門講師による教科別指導や記述添削、英語4技能対策など、効率的に得点力を伸ばせるサポートが受けられます。

また、自分に合った学習スタイルや環境を選ぶことで、通学や自宅学習を無理なく継続可能です。計画的に塾を活用して実力を着実に伸ばし、早稲田合格を目指しましょう。