大学受験対策に予備校や個別指導塾の利用を検討しているものの、どちらを選ぶべきか悩んでいる方は多いでしょう。予備校と個別指導塾にはそれぞれ、授業のスタイルやカリキュラムなど異なる特徴があります。
本記事では大学受験に向けて頑張りたい方に向けて、予備校と個別指導のおもな違いやメリット・デメリット、それぞれに向いている方の特徴などを解説します。おすすめの予備校・個別指導塾についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
予備校と個別指導塾の違い

予備校と個別指導塾のどちらを選択すべきかは、その人の目的やタイプによって変わります。ここでは、予備校と個別指導塾のそれぞれの特徴について見ていきます。
予備校の特徴
予備校は集団授業が中心で、あらかじめ決められたカリキュラムに沿う形で授業が進んでいきます。大学受験生が対象で、一般的に志望校のレベルや科目に応じてクラスが分けられているのが特徴です。
予備校の場合、周りに大学受験に取り組む生徒がたくさんおり、勉強への意欲や競争意識を保ちやすいでしょう。ほかの生徒と競い合いながら勉強したい人、決まったカリキュラムに沿って勉強したい人、難関大学を目指す人におすすめです。
個別指導塾の特徴
個別指導塾では、マンツーマンまたは少人数(生徒が1~2名程度)で指導が行なわれます。集団授業のように全員が同じ速度で学習する形ではなく、生徒の理解度や重点的に学びたい内容・志望校などに合わせて、カリキュラムのカスタマイズが可能です。少人数で授業が行なわれるため、疑問に思う点も講師に質問しやすいでしょう。
個別指導塾は、苦手科目だけを重点的に学びたい人、自分のペースで学びたい人、特定科目を強化したい人におすすめです。
予備校と個別指導塾のメリット・デメリット

続いては、予備校と個別指導塾それぞれのメリット・デメリットを解説します。
予備校に通うメリット・デメリット
予備校に通うメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット
受験勉強においては、自身のメンタルに左右されず、コツコツと勉強に取り組み続けることが重要です。予備校には大学受験を目指す生徒が多く通っていて、ライバルと競い合える環境が整っているため、受験勉強のモチベーションを保ちやすいでしょう。
また、予備校には受験情報・合格実績のデータが蓄積されており、そのデータ量は基本的に大手予備校ほど充実しています。大学ごとの出題傾向について情報を得ることで、受験対策を効率的に進められるでしょう。
さらに、体系化されたカリキュラムに基づき、迷いなく学習を進められる点も予備校の強みです。大学の入試傾向をよく知るプロの講師から、質の高い授業を受けられます。
デメリット
予備校の集団授業では、授業のスピードがあらかじめ決まっています。そのため、授業内容を十分に理解できていない状態で、次の分野に進んでしまうこともあるでしょう。理解ができていない状態を放置すると、授業についていけなくなるおそれがあります。
また、大人数授業では講師に質問しづらい環境となりやすい点もデメリットです。カリキュラムが決まっているために、苦手科目にピンポイントで時間を割いたり、復習の時間を確保したりするのが難しいこともあります。
予備校ごとに質問への対応方法やサポート体制は異なるので、学習の進度が遅れている場合には、適切に活用することが大事です。
個別指導塾に通うメリット・デメリット
個別指導塾に通うメリット・デメリットとして、以下の内容が挙げられます。
メリット
個別指導塾では、生徒の学力や苦手科目・単元に合わせて指導が進められます。苦手科目・単元だけを集中的に勉強できる点、個々人の理解度に合わせてペースを調整してもらえる点が、個別指導塾に通う大きなメリットです。
個別指導塾では指導する生徒の人数が少ないため、講師との距離も近くなります。集団授業とは異なり、自分の苦手なポイント、理解が不十分なポイントに時間をかけてもらえるでしょう。わからない部分を講師にその場で質問しやすく、効率的に勉強を進められる点も魅力です。
デメリット
個別指導塾はマンツーマンか、1対2などの少人数での授業であるため、ほかの生徒とかかわる機会が自然と少なくなります。周囲にライバルがいない環境、周りの学習状況が見えにくい状況の場合、競争意識を持ちづらいと感じることがあるかもしれません。
また、個別指導塾の場合、担当する講師の指導力や相性にも学習の能率が左右されがちです。同じ塾のなかでも、講師の指導力に差が見られることがあります。場合によっては、個別指導塾だけで難関大学に合格するのは難しい可能性もあるでしょう。
予備校と個別指導塾はどちらを選ぶべき?向いている人の特徴

ここでは、予備校と個別指導塾のどちらが合っているか、向いている人の特徴をまとめました。
予備校が向いている人
- 集団のなかでライバルたちと切磋琢磨したい人
周囲の生徒と同じ環境で勉強したり、交流しながら学んだりすることで、学習意欲を保ちやすくなります。競争意識があるほうが頑張れる人には予備校がおすすめです。
- 決まったカリキュラムで計画的に学びたい人
予備校では、志望大学に合格するための基本的なカリキュラムが用意されています。実績のある予備校のカリキュラムにしたがって勉強することで、大学合格に近づけるでしょう。
- 受験のプロのサポートを受けながら、難関大学を目指したい人
予備校には、大学受験に関する情報がたくさん蓄積されています。過去問で出題傾向などを知りたい人、プロのサポートを受けたい人には予備校が向いています。
個別指導塾が向いている人
- 授業スピードに不安がある人
学習内容への理解に時間がかかる人は、個別指導塾が向いています。個別指導塾なら、個々人の理解度に合わせて授業を進めてもらえるでしょう。
- 集団授業、大人数での勉強が苦手な人
集団授業についていけない人、集団授業だと集中しづらい人には、個別指導塾がおすすめです。集団授業に合わなかった人でも、少人数での細やかな指導であれば学習しやすくなる場合があります。
予備校と個別指導塾の料金

予備校や個別指導塾を検討する際、費用面が気になる方は多いでしょう。ここでは、予備校と個別指導塾のそれぞれの料金相場について説明します。
予備校の料金相場
予備校に通う場合、入学金として約3万円が必要となります。授業料は1教科当たり年間で10~25万円程度、5教科の受講で70~80万円程度かかります。
入学金と授業料に加えて、模試や季節講習の費用も必要です。5教科分の模試を受ける場合、年間5回で3~4万5,000円程度の費用がかかります。季節講習を受ける場合、上記以外に5~10万円程度(3教科)の負担が必要です。
これらの金額を合わせると、予備校にかかる料金として100万円前後を見積もっておくとよいでしょう。実際にかかった金額、大手予備校の料金については、以下の記事で詳しく解説しています。
個別指導塾の料金相場
高校生が個別指導塾に通う場合、月謝の目安は2~8万円です。1年間で24~96万円かかる計算となり、週のコマ数(通塾回数)が増えるごとに料金も上がります。
個別指導塾の料金については、カリキュラムの内容に大きく左右されます。一人ひとりに合わせてカリキュラムを作り、少人数での授業となるため、集団授業の予備校に比べると料金は高めに設定される傾向です。
大学受験対策におすすめの予備校・個別指導塾5選

ここからは、大学受験向けの予備校、個別指導塾のなかから、代表的な5つの選択肢を紹介します。
東進ハイスクール・東進衛星予備校
東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)は、全国で約1,100校を展開する大手予備校です。映像授業型の予備校で、東京大学の現役合格実績は日本一といわれています。
東進の特徴といえば、実力のあるカリスマ講師の授業をどの校舎からも受講できる点です。映像授業であることから、同じ授業を何度も繰り返し視聴できます。聞き逃した部分、わからない部分を何度も復習できるため、自分のペースで学習が可能です。
また、映像授業以外にも、大学別の過去問演習講座や添削指導が充実している点も魅力です。学力や志望校に応じて、一人ひとりに適したカリキュラムを設計してもらえるため、着実に実力をつけることができるでしょう。
自分のペースで映像授業を受けつつ、伴走サポートも受けたい方におすすめの予備校です。
駿台予備学校
駿台予備学校は、大学受験での圧倒的な実績を持つ大手予備校です。2024年度は、東京大学で1,460名、早稲田大学で3,719名、慶應義塾大学で2,703名の合格者を輩出しています。授業の形式は、双方向授業による集団指導が基本です。
駿台予備学校では、自分の学力や目標に合わせて、4つのレベル(選抜・難関・標準・基礎)から講座を選択できます。基礎的な内容を学べる講座のほか、難関大学・医学部合格を見据えた講座もあるため、自身のレベルに合わせて学びたい方におすすめです。
河合塾
河合塾は1933年創立の歴史の長い予備校で、グループ全体で約11万人の塾生を抱えています。河合塾が実施する「全統模試」は、実力を測る模試として広く活用されており、年間で約273万人が受験しています。
河合塾では現役生向け、高卒生向け、東大対策、医学部向け個別指導など、目的別のコースが用意されています。自分の目的に合わせてコースを選択したい方、老舗予備校の情報力を重視している方に、河合塾はおすすめです。
明光義塾
明光義塾は全国各地に約1,700の教室を展開する、大手の個別指導塾です。明光義塾の2026年度大学合格実績は、国公立大が1,774名、私立大学が1万444名という結果でした。
明光義塾では一般選抜以外に、学校推薦選抜や総合型選抜に向けた受験対策も行なっています。志望校の選抜方法に合わせて受験対策をしたい方、個別指導での細やかな指導を希望する方におすすめです。
武田塾
武田塾は全国に約400の校舎を構える、準大手・中堅の個別指導塾です。授業をしないスタイルの学習塾であり、自学自習を基本とする点で一般的な塾とは形式が異なります。自分のレベルに合った1冊の参考書を完璧に理解することを目標としており、志望校別の個別カリキュラムが用意されます。
具体的な合格者数は公開されていませんが、東京大学・京都大学・早稲田大学などの難関大学への合格者も輩出しています。
予備校・個別指導塾を選ぶときのチェックポイント

予備校や個別指導塾を選ぶ際は、現状の学力や志望校などに合わせて選択することが重要です。比較検討をする際には、以下のチェックポイントを押さえておきましょう。
講師の指導力と相性
予備校や個別指導塾を検討する際、講師がどのような授業をするかという点は非常に重要です。授業の内容やスピード、講師の教え方、生徒の様子などを事前にチェックすることで、入塾・入校後にも安心して学習を進められます。
なお、予備校や個別指導塾に在籍する講師が、プロ講師であるか学生講師であるかによっても、指導の質や実績が変わります。入塾・入校の前に、在籍する講師の構成についても確認しておきましょう。
料金体系のわかりやすさ
基本の授業料以外に、入会金や教材費などの追加費用が発生する場合があります。想定外の出費に慌てないためにも、事前に追加費用の有無を確かめておきましょう。
コマ数や科目数によって料金は変動するため、基本料金の範囲がどこまでなのか、内訳も含めて確認する必要があります。料金体系が明確でわかりやすいところを選ぶことが大事です。
体験授業の有無
事前に体験授業を受けることで、講師や授業との相性の具体的な確認ができます。「思っていた内容と違っていた」というミスマッチを防ぐためにも、体験授業を事前に受けてみたほうがよいでしょう。
なお、授業の無料体験の有無や回数、実施のタイミングは、予備校・個別指導塾によって異なります。予備校や個別指導塾を比較検討する際に、併せてチェックしてみてください。
まとめ
予備校と個別指導塾は、授業の形式や生徒の人数など大きな違いがあります。ほかの生徒と一緒に切磋琢磨できる予備校、少人数制できめ細やかな指導を受けられる個別指導塾、それぞれにメリット・デメリットがあります。
大学受験で効率的に学ぶためには、自分に合っている環境を整えることが大事です。予備校と個別指導塾のそれぞれの特徴を理解したうえで、自分に向いているほうを選択しましょう。