愛知県立大学は愛知県長久手市に本部を置く公立大学で、5つの学部があります。学部生は約3,200人ですが、そのうち約半数は外国語学部の学生であり、外国語学習が活発です。外国語や異文化について学ぶなら、ぜひ注目したい大学です。
そんな愛知県立大学に合格するためには、どのような対策が必要なのでしょうか?この記事では、愛知県立大学の入試情報や難易度、出題傾向、合格に必要な対策を解説。また、受験対策のために予備校に通うメリットや予備校選びのポイント、おすすめの塾・予備校もご紹介します。愛知県立大学を目指したい方はぜひ参考にしてください。
愛知県立大学の入試制度や偏差値・難易度

まずは、愛知県立大学の入試の基本情報をお伝えしていきます。
愛知県立大学の入試制度
愛知県立大学の一般選抜には、前期日程・後期日程があります。しかし、後期日程の募集人員は1学科につきわずか1~5人ほどに留まっているため、ここではおもに前期日程について解説します。
まず、公立大学である愛知県立大学では、大学入学共通テストの受験が必須です。いわゆる足切りではなく、二次試験(個別試験)と合わせて総合的に合否が判断されます。
必要な共通テストの科目は、外国語学部と看護学部が6教科・6科目、情報科学部が6教科7科目、ほかの学部が5教科・5科目です。違いは、外国語学部では「地理歴史」1科目・「公民」1科目の合計2科目が必要なのに対し、他学部では「地理歴史」「公民」のいずれか1科目で良い点です。
また、理系である情報科学部では、「数学Ⅰ・数学A」と「数学Ⅱ・数学B・数学C」をそれぞれ受験します。情報科学部以外の数学は、「数学Ⅰ・数学A」「数学Ⅰ」「数学Ⅱ・数学B・数学C」のいずれか1科目のみです。加えて、情報科学部と看護学部には「情報(情報Ⅰ)」が含まれます。
一方で、個別試験のボリュームは少なめ。そのため、共通テストで点数を稼ぐことが、愛知県立大学合格へのカギとなるでしょう。
また愛知県立大学では、一般選抜のほかに学校推薦型選抜を行なっています。共通テストが必要ない形式もあるので、チャレンジしてみてください。
愛知県立大学の偏差値・難易度
予備校大手である東進のデータによると、愛知県立大学の偏差値は59~62です。学部学科による差はそれほどなく、どこも中堅レベルだといえます。学部ごとの偏差値は以下のとおりです。
| 学部 | 偏差値 |
| 外国語学部 | 59〜61 |
| 日本文化学部 | 62 |
| 教育福祉学部 | 60 |
| 看護学部 | 59 |
| 情報科学部 | 61 |
参考:【2026年度入試対応】愛知県立大学 偏差値一覧・ランキング|大学案内|大学受験の予備校・塾 東進
2025年度入試の実質倍率(受験者/合格者)は 、全学部合計で3.1倍 でした。 学部単位ではあまり大きな差はありませんが、外国語学部のフランス語圏専攻(3.9倍)や国際関係学科(3.8倍)など、学科によっては競争率が高くなっています。
愛知県立大学の出題傾向と合格に必要な対策

続いては愛知県立大学の前期日程の個別試験について、出題傾向とその対策方法を解説します。
英語:ボリュームが多く出題範囲も広い!とにかく演習をこなそう
英語は、情報科学部以外の4学部で課されます。長文3問で構成されており、試験時間は90分です。長文はかなりのボリュームなので、速読力が必要とされます。また、大問1・2は4学部で共通ですが、外国語学部のみ大問3の内容が異なります。ほかの3学部とは違い、英作文も増えるので注意してください。
長文読解では「以下の文章は本文中のどの段落に入るか」「本文の内容と合致するものをすべて選べ」など、現代文でよくある出題が見られます。速く読むだけでなく、内容を深く理解しなければ対応できません。加えて、長文のなかに和訳や文法問題などが盛り込まれており、出題範囲は多岐にわたります。
英語の幅広い技能が求められるので、特に英語は力を入れて対策してください。複数の問題集を利用し、さまざまなジャンルの長文や自由英作文の演習をこなしましょう。また、愛知県立大学のホームページでは昨年度の過去問が無料公開されているので、ぜひ活用してください。
国語:現代文は該当ジャンルの演習を中心に。古文・漢文は暗記を固めよう
国語は、外国語学部・日本文化学部・教育福祉学部の3学部で必要です。日本文化学部・教育福祉学部では「現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、古典研究」が必須で、外国語学部では「論理国語、文学国語」のみとなります。
現代文は例年、評論1問のみの出題で、ジャンルは言語・社会・文化論が中心です。国語の演習を行なうときは、こうした内容に近いジャンルを中心に解いていきましょう。
古文・漢文は文章の大筋を問う問題のほか、現代語訳をする問題や、登場人物の心情を答える問題などが頻出します。内容は標準レベルなので、演習を繰り返しておきましょう。
数学:基礎問題は完璧に!計算力を高めよう
個別試験で数学を使用するのは、情報科学部のみです。全体的に標準レベルで、基礎力を試す出題が多くなっています。教科書レベルの解法は完璧にしておきましょう。計算量がやや多いので、日頃からの計算力のトレーニングも必要です。
また、誘導的な小問が多いため、1つ間違うとその先の問題がすべて不正解となってしまう恐れがあります。ケアレスミスのないよう、解答後に見直しを徹底しましょう。
愛知県立大学の受験対策のための予備校を選ぶポイント

愛知県立大学を目指すうえで、どの予備校を選ぶかは非常に重要です。大学ごとの特徴や、自分の得意・不得意を踏まえた最適な環境を見つけることが合格への近道ですが、予備校ごとに強みやサポート体制はさまざまです。何を基準に選べばよいのか迷うことも多いでしょう。
ここでは、愛知県立大学の合格を目指すうえで知っておきたい予備校選びのポイントをご紹介します。
共通テスト・個別試験の両方に対応できるか
愛知県立大学の入試では、共通テストと個別試験の両方で安定して得点できるかが合否を左右します。そのため、予備校を選ぶ際は、どちらにも対応したカリキュラムがあるかをまず確認したいところです。
共通テスト対策では、基礎知識の徹底と解答スピードを鍛える演習が必須となります。一方、個別試験対策には、記述力や思考力を高める授業や添削指導が欠かせません。
特に、国公立大向けの講座を設けている塾なら、愛知県立大学の出題傾向に沿った演習を受けられるため、得点バランスを保ちながら効果的に合格を目指せます。
教科別対策・添削指導は充実しているか
愛知県立大学の入試では、特に英語や国語の記述式の問題が得点差につながりやすい構成になっています。そのため、教科別の対策がどれだけ充実しているかが、予備校選びの重要なポイントになります。
記述問題は、自分では気付きにくい表現の癖や論理の飛躍が評価を下げる原因になりがちです。講師による添削指導があれば、それらを客観的に修正でき、答案の完成度を高められます。
また、教科ごとに授業スタイルが工夫されている塾なら、苦手分野を重点的に強化できるため、入試までの限られた時間でも効率良く得点力を伸ばすことが可能です。
自分に合った学習スタイルか
予備校選びでは、カリキュラムだけでなく「自分に合った学習スタイルかどうか」も重要な判断基準です。
対面授業で講師から直接アドバイスを受けたい人もいれば、映像授業で自分のペースを守りながら学びたい人もいます。近年はオンライン指導を取り入れる塾も増えており、活用すれば通学時間を省いて効率良く学習できます。
また、部活動と通塾の両立を考える場合は、スケジュールを柔軟に調整できる仕組みがあるかも大事なポイントです。自分の生活リズムに合った学習スタイルを選ぶことで、無理なく学習を継続しやすくなります。
愛知県立大学を目指すのに塾・予備校へ通うメリット

愛知県立大学を目指すうえで、塾や予備校を活用することには多くのメリットがあります。ここでご紹介するポイントを参考に、自分に合うサポート体制を見つけましょう。
学習計画とモチベーション維持のサポートになる
愛知県立大学の合格を目指すうえで欠かせない視点が、「入試までの限られた期間で、いかに効率良く学力を伸ばしていけるか」という点です。
塾や予備校では、志望校の出題傾向を踏まえた年間スケジュールを作成してもらえることが多いため、何を・いつまでに・どこまで仕上げるべきかが明確になります。学習内容が見通しやすくなることで無駄な迷いが減り、勉強に集中しやすくなります。
多くの塾・予備校では定期的な面談や進捗チェックなどがあり、独学では崩れがちなペース管理を外部から支えてもらえる点も大きなメリットです。また、モチベーションが落ち込むことがあっても、第三者からの助言や声かけがあることで、安定した学習リズムを維持しながら受験に臨めます。
教科別の専門講師による効率的な指導を受けられる
愛知県立大学の入試を突破するには、共通テストと個別試験の両方で安定して得点できる力をつける必要があります。そのためには、科目ごとの特性に合わせた学習が必要です。
塾や予備校では、一般的に各教科を専門とする講師が指導にあたり、出題傾向や得点のポイントを踏まえた授業が受けられます。独学だと見落としがちな癖や弱点も、専門講師の視点から具体的に指摘してもらえるので効率良く改善可能です。
また、英語の長文読解、国語の記述問題、数学の計算処理など、つまずきやすい分野をピンポイントで補強できるのもメリットです。指導内容の質が安定しているため、限られた時間でも着実に得点力を伸ばしていけます。
最新の入試情報と過去問分析の共有がある
愛知県立大学の合格を目指すには、最新の入試情報や過去問の傾向を正確に把握することが欠かせません。しかし、独学では情報収集に時間がかかるだけでなく、分析の精度にもばらつきが出ます。
塾や予備校を活用すれば、大学公式サイトの情報に加えて「問題形式に変化がおきた分野はあるか」「頻出テーマは何か」といったポイントを、体系的に整理して共有してもらえます。その結果、重点的に取り組むべき単元が明確になり、得点力を効率的に伸ばすことが可能です。
愛知県立大学を目指すためのおすすめの塾・予備校5選

最後に、愛知県立大学を志望する方におすすめの塾・予備校をご紹介します。
東進ハイスクール・東進衛星予備校
全国に多数の校舎を持つ東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)。愛知県内にも各市に校舎があり、どの地域からでも通えるのが魅力的です。実力講師陣による映像授業を中心に、演習や過去問対策もバッチリ行なえます。国公立大受験にも強く、2024年3月時点で愛知県立大学に74人が合格しています。
特におすすめなのは、AIを活用して最適な演習問題を出してくれる「志望校別単元ジャンル演習講座」、大学入試のプロによる採点と添削指導が受けられる「過去問演習講座」です。過去問演習講座は、愛知県立大学の全学部に対応しています。
また、模試も積極的に受けましょう。愛知県立大学志望なら、「共通テスト本番レベル模試」や「共通テスト同日体験受験」でしっかり共通テスト対策を行なうのがおすすめです。
駿台予備学校
駿台予備学校は、授業やテキストの質の高さが受験生から評判の予備校です。各分野の原理・原則からしっかりと理解できるため、基礎力アップにつながります。愛知県内では名古屋校・丸の内校での対面授業のほか、オンラインでの受講も可能です。
講座レベルは「基礎」から「選抜」まで4段階に分かれており、学力や志望校に合わせて受講できます。愛知県立大学の個別試験対策には、基礎~標準レベルがおすすめです。このレベルでは、「高3国公立大英語」「高3国公立大国語」「高3標準・理系数学」などの講座が選択できます。
秀英予備校
秀英予備校は、東海地方を中心に全国展開する予備校です。手厚いサポート体制により、東大・京大・早慶上智をはじめとした難関大学に多くの合格者を輩出しています。2025年度、愛知県立大学には14人が合格しました(秀英予備校グループ全体の実績、無料講習のみ受講した生徒は含まず)。
秀英予備校で使用するテキストは講師が作成し、科目別・単元別・レベル別に分かれているのが特徴です。「予習→講義→演習→復習→課題学習」という学習サイクルが確立されているため、知識が定着しやすくなっています。また、生徒一人ひとりにプロの進学アドバイザーが付くことはもちろん、専任講師と連携して徹底サポートしてくれます。
河合塾
河合塾は、東京大学や京都大学などの難関大学を含め、多くの国公立大学受験での合格実績を持つ大手予備校として知られています。全国の主要都市に校舎を展開しており、愛知県内にも通いやすい拠点が多数あるため、通学の面でも安心です。
授業は対面授業が中心ですが、映像授業「河合塾マナビス」で自分のペースで学習を進めることもできます。いずれの場合も、志望校や学力レベルに応じて複数の講座から選択でき、自分の理解度や進度に合わせた学習が可能です。
さらに、AIが受講者の得意・不得意を分析し、最適な教材を自動提案してくれるe-ラーニング講座「河合塾One」も利用できます。独学では見落としがちな弱点も効率的に補強できるため、共通テストと個別試験の得点バランスを取りながら学力を伸ばせます。
こうした河合塾のサポート体制を活用すれば、愛知県立大学合格に向けた学習を計画的に進めやすいでしょう。
四谷学院
四谷学院は、高校生や浪人生向けに全国で校舎を展開する大学受験予備校です。特徴的なのは、「科目別能力別授業」と「55段階個別指導」を組み合わせた“ダブル教育”です。
「55段階個別指導」では、受験に必要な学習内容を55段階に細かく分けたテキストとテストを使用。プロ講師による個別指導で、解答力を着実に高めていきます。基礎から応用までを段階的に学べるため、自分の学力に合わせて無駄なく学習を進めたい人にとって有効な環境です。
科目別能力別授業では、自分の得意・不得意に応じたクラスで学べるため、苦手分野の克服と得意分野の伸長を効率的に両立できます。
愛知県立大学の合格を目指す受験生にとって、計画的に力を伸ばせるサポート体制が整った塾といえるでしょう。
まとめ
愛知県立大学の受験において、学力や生活リズムに合った塾・予備校を選ぶことが、効率的に力を伸ばすポイントです。学習計画の立て方や専門講師の指導、入試傾向の分析など、独学では得にくいサポートを活用することで、受験準備を確実に進められます。
自分に合った環境で学びを積み重ね、最後まで力を出し切れる体制を整えて、合格を勝ち取りましょう。