東進ハイスクール・東進衛星予備校は、毎年多くの受験生から高い人気を集めている大手予備校の一つです。
生徒数が多く、東京大学や国公立大医学部などの難関大にも毎年数多くの合格者を出しているため、塾・予備校選びをしているなかで、東進を選択肢に入れている人も多いのではないでしょうか。
予備校を決定するうえで大事な要素の一つが「費用・料金」です。予備校に通うとなると、1年で数十万円から、目指す大学や学部などによっては100万円以上の費用がかかることもあります。
だからこそ、費用を抑えつつ、合格へ向けて効率的に力をつけられる予備校を選びたいところです。
そこで今回は、東進ハイスクール・東進衛星予備校の費用について解説します。基本的な料金体系を解説したうえで、塾・予備校比較ナビが2023年3月に調査した、「実際に東進に通っていた人がどのくらいの費用を必要としたか」というアンケートの結果もご紹介します。
おすすめの費用シミュレーション、映像授業を主体とするほかの予備校との費用比較も併せてご紹介するので、予備校決めの際にぜひ参考にしてください。
3大予備校の1つ! 東進ハイスクール・東進衛星予備校はどのような予備校?
東進ハイスクール・東進衛星予備校は、河合塾・駿台予備校と並んで「3大予備校」の1つに挙げられる予備校で、毎年名だたる難関大学に多くの合格者を輩出しています。
ここでは、東進ハイスクール・東進衛星予備校の2024年の最新合格実績を紹介するとともに、東進ハイスクール・東進衛星予備校の特徴である3つの強みを見ていきましょう。
東進ハイスクール・東進衛星予備校の最新合格実績
東進ハイスクール・東進衛星予備校における、2024年の難関大学合格実績は以下のとおりです。
2024年難関大学合格実績
東京大学 | 834名 |
国立最難関4大学 (東京大学・京都大学・東京工業大学・一橋大学) | 1,765名 |
国公立大学医学部医学科 | 1,033名 |
旧七帝国大学+東京工業大学+一橋大学 | 4,116名 |
国公立大学 | 1万6,320名 |
早稲田大学+慶應義塾大学 | 5,980名 |
私立大学医学部医学科 | 767名 |
これは現役生のみの人数で、講習を受けただけの講習生は含まれていません。京都大学、東京工業大学、大阪大学、早稲田大学、慶應義塾大学は、過去最高の合格実績を記録するなど、難関大の合格者数が右肩上がりで増えているのもポイントです。
東進の3つの強み
東進ハイスクール・東進衛星予備校が多くの受験生に選ばれているのは、次の3つの強みがあるためです。
志望校に合わせて質の高い映像授業が受けられる
東進では、映像授業を中心に学習を進めていきます。実力講師陣によるレベルの高い授業をいつでもどこでも受けられるのがうれしいポイントです。
特に課外活動が忙しい人や、地方に住む受験生におすすめです。映像授業は約1万種類あり、レベルに合わせて選んだり、苦手な単元をカバーしたりできます。
また、志望校対策が充実しているのも魅力です。「志望校別単元ジャンル演習講座」では、15年以上にわたる東進生の学習履歴と、自分の学習履歴、30万問以上のデータベースから、自分が志望校に合格するために最適な演習をAIが提案してくれます。
無駄なく演習ができる、まさに完全個別対応の合格プログラムといえるでしょう。
「過去問演習講座」では、スペシャリストによる採点や添削、解説授業を受けることができます。
全国の767大学に対応しているので、志望校・志望学部の講座があるか探してみてください。添削指導をしてくれる「記述型答案練習講座」もあり、講師と二人三脚でさまざまな対策ができます。
担任が合格までの道筋をサポートしてくれる
東進では担任制を採用。これまでの東進生のデータを活用し、一人ひとりに合わせたぴったりの「合格設計図」を作ってくれます。部活や課外活動で忙しい場合も、両立できる計画を提案してくれるので安心です。
東進ハイスクールと東進衛星予備校で、受けられる授業や、担任制などの基本的なサポート面に違いはありません。関東圏に住む人なら東進ハイスクール、地方に住む人なら東進衛星予備校がおすすめといえるでしょう。
校舎数が多く全国で受講できる
東進ハイスクールの校舎は関東圏を中心に全96校あり、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県のほかに、茨城県に2校、静岡県・奈良県に1校ずつとなっています。
これらの校舎は、おもに現役生が対象です。高卒生は「本科コース」に通いますが、本科コースは横浜校や北千住校など8校のみとなります。
一方、東進衛星予備校は、東進ハイスクールと同じナガセグループの予備校で、直営の東進ハイスクールとは異なり、フランチャイズ経営となっています。
約1,000校もの校舎があり、北海道から沖縄県まで全国展開しているので、どの地域に住んでいても通いやすいでしょう。
東進ハイスクール・東進衛星予備校の料金システムを解説!
3つの強みを誇る東進ハイスクール・東進衛星予備校ですが、気になる料金はどのようなシステムになっているのでしょうか。
基本的な料金体系のほか、追加としてかかるユニットや演習講座の費用などを詳しく解説します。
なお、東進ハイスクールと東進衛星予備校で料金システムにさほど違いはありません。
東進ハイスクール・東進衛星予備校の基本費用
ここからは東進の基本的な料金体系について解説します(料金はすべて税込み、2024年12月12日時点の情報です)。
東進に通う場合は、まず以下の料金を必ず支払うことになります。
①入学金 | 3万3,000円 |
②担任指導費 | 高3生(受験生)7万7,000円 (東進ハイスクールでは、3講座以下の場合は3万3,000円) 高2生以下4万4,000円 |
③通期講座(単科)受講料 | 7万7,000円 (「高等学校対応 理科基礎」(90分×15回)の受講料は5万7,750円) |
④通年講習講座 単科受講料 | 90分×5回+講座修了判定テスト1回:1万9,250円 90分×10回+講座修了判定テスト1回:3万8,500円 |
⑤模試費 | 高3生(受験生)2万9,700円 高2生1万4,850円 高1生・高0生(※1)1万2,650円 |
※1:高校生のレベルの学力を持つ意欲ある中高一貫校の中学生のこと。
①入学金
「入学金」は入学時に支払う料金で、初年度のみ発生します。
②担任指導費
東進では一人ひとりに担任・担任助手がつき、学習指導を行なうための費用が年度ごとにかかります。東進ハイスクールでは、3講座以下で申し込む高3生(受験生)の場合、担任指導費が3万3,000円となります。
③通期講座(単科)受講料
「通期講座(単科)受講料」は、単科1講座当たりにかかる料金のことです。講座は「90分×20回」のものが多いですが、授業回数は講座によって異なります。
複数の講座を受けたい場合、講座数に応じて料金が加算されます。
東進では、通常の通期講座に加えて、科学的・効率的なアプローチにより短期間で基礎学力を身に付ける「高速マスター基礎力養成講座」も開設されています。
当講座の費用は、英数国の3教科セットで1講座当たり7万7,000円です。
④通年講習講座 単科受講料
通期講座とは別に、90分×5回(もしくは10回)+講座修了判定テスト1回で特定のテーマを修得したり、苦手分野を克服したりする目的で「通年講習講座」も用意されています。いずれも厳選された短期集中講座となっているのが特徴です。
基本的に自由選択の講座ですが、学習状況によっては当講座を利用して学力の補強を行なうケースがあります。
また、通期講座で指定されている受講必須の通年講習講座もあるので注意が必要です。東進では、入試範囲を網羅するために、通年講習講座を受講することが推奨されています。
⑤模試費
「模試費」はその名のとおり、模試の受験料です。
東進では定額の模試費が設定されています。学年ごとに指定された金額を1年に一度支払えば、模試の度に受験料を支払うことなく、必要な模試をすべて受験できるのです。例えば、以下のような東進模試が受けられるので、有効に活用しましょう。
模試名 | 対象 | 実施回数 |
共通テスト本番レベル模試 | 高1生〜受験生 | 年4回 |
東大本番レベル模試 | 受験生 | 年4回 |
早慶上理・難関国公立大模試 | 受験生 | 年5回 |
医学部82大学判定テスト | 受験生 | 年2回 |
セットで授業料がお得になる「志望校通期ユニット」
通期講座や高速マスター基礎力養成講座を1つずつ受講していると、まとまった費用がかかってしまいます。そこでおすすめなのが、複数講座をセットで受講できる「志望校通期ユニット」です。
入学時および継続時に年間講座として申し込む仕組みになっており、講座を1つずつ申し込むよりもお得に受講できることから、東進に在籍する多くの生徒が利用しています。
志望校通期ユニットの受講料に含まれるのは以下の費用です。
- ユニットごとの指定講座数分の受講料
- 高速マスター基礎力養成講座の受講料
- テキスト料金
それぞれ「志望校通期ユニット〇〇(数字)」という名称がつけられており、数字に応じて選択できる講座数が決まっています。
例えば、「志望校通期ユニット8」であれば、通期講座7つ+高速マスター基礎力養成講座1つの、合計8講座を受講可能です。
学年が上がるにしたがって、選択できるユニットの上限も高くなります。高3生の場合、「志望校通期ユニット5」から「志望校通期ユニット12」まで選択できるほか、「志望校通期プレミアムユニット20」も選択できます。
プレミアムユニットだと、13講座を超える分に関しては1講座当たりの費用が低く設定されるため、なるべく多くの講座を受講したいという生徒におすすめです。
高3夏からの「過去問演習講座」にかかる費用
東進では、高3の夏から直前期の仕上げを目的として、大学入学共通テストおよび大学別の「過去問演習講座」が開設されています。
過去問演習講座は、10年分相当の過去問演習と、答案に対する採点、添削指導(一部大学のみ実施)、解説授業(一部大学のみ実施)がセットになっています。大学入学共通テスト、国公立大、私立大、それぞれの受講費用は次のとおりです。
コース | 受講費用 |
大学入学共通テスト | 7万7,000円 |
国公立大学 | 5万8,300円~10万4,500円 |
私立大学 | 3万8,500円~9万2,400円 |
従来の過去問演習講座は101大学610学部が対象でしたが、2023年11月から全767大学に対象が拡大されました。
なお、新たに追加された大学・学部に関しては直近5年分の講座となっており、受講料は1万9,250円と低めに設定されています。
志望校対策講座を追加受講するのもおすすめ!
東進では、基本の通期講座にプラスして、さらに講座を受けることが可能です。特に、「過去問演習講座」や「志望校別単元ジャンル演習講座」といった志望校対策が充実しているので、併せて受講を検討してみてください。
また、これらの志望校対策講座がセットになったコースも用意されています。
・夏期特訓コース
受講期間:5月~8月
必要な知識の抜けをなくし、過去問演習(大学入学共通テスト、二次・私大)を中心に志望校の分析を行ない、対策するコース。
・仕上げ特訓コース
受講期間:9月~入試直前
入試問題に沿った解答力を強化するために、AIを活用した個人別の学習カリキュラムで志望校対策を行なうコース。
例として、東京大学の「仕上げ特訓コース」の内容を見てみましょう。こちらは、東京大学の「過去問演習講座」の受講者が対象となっています。
- 志望校別単元ジャンル演習
- 単元集中受講
- 第一志望校対策演習
- 講習パック(70コマ相当)
上記4つが基本セットですが、①+②、①+②+③、④のみの申し込みも可能です。
ただし、これらの講座やコースの料金は公開されていません。詳しくは各校舎にお問い合わせください。
東進ハイスクール・東進衛星予備校の費用は1年間でどれくらい? 調査結果とシミュレーション
東進ハイスクール・東進衛星予備校の基本的な料金体系や、おもな講習の受講費用について見てきましたが、実際に通っている人はどれくらいの費用をかけているのでしょうか。アンケート調査の結果をもとに、費用をシミュレーションしてみます。
東進の平均年間費用は57.8万円!
塾・予備校比較ナビでは、実際に東進に通っていた人がどれくらいの費用をかけていたのか、2023年3月にWebアンケートを実施して調査しました。
Q.大学受験を迎えた年に、塾・予備校(東進ハイスクール・東進衛星予備校)に支払った金額はいくらくらいでしたか。
調査について
調査期間:2023年3月
調査対象:「大学生・大学院生」か「社会人(大学卒)」の子どもを持つ50代の男女720人
調査方法:インターネット調査
今回の調査では、年間費用の平均は57.8万円という結果となりました。
また、選択した人数が多かった順に3位までを見ると、1位が40万円以上~60万円未満で25.0%、2位が20万円以上~40万円未満で23.5%、3位が~20万円未満で16.2%となっています。
しかし、なかには200万円以上と回答した人も。自分に必要なものを見極めて選択することが大切でしょう。
おすすめ費用シミュレーション
最後に、東進に入学して1年間通った場合、どのくらいの費用がかかるかシミュレーションしてみました。ここでは、私立文系志望・高3生、志望校通期ユニット6(通期講座5講座+高速マスター基礎力養成講座1講座)を利用するケースで試算するものとします。
①入学金 | 3万3,000円 |
②担任指導費 | 7万7,000円 |
③「志望校通期ユニット6」受講料 | 42万2,400円 |
④模試費 | 2万9,700円 |
合計 | 56万2,100円 |
シミュレーションの結果、先ほど紹介したアンケート調査の平均年間費用に近い金額となりました。なお、志望校通期ユニットなどの費用の詳細は、お近くの東進の校舎にお問い合わせください。
東進の費用は高い?映像授業のオンライン予備校で費用を比較
ほかの塾や予備校と比較して、東進の費用は高いのでしょうか。東進と同じように映像授業を展開する、オンライン予備校3校の費用と比較してみましょう。
受講する講座の数やコースによって費用は異なるため、ここでは代表的なコースの1講座当たりの費用で比べるものとします。
塾・予備校 | 1講座当たりの費用 | 備考 |
東進ハイスクール・東進衛星予備校 | 7万7,000円 | 1回90分×20回 |
河合塾マナビス | 7万6,400円 | 1回90分×20回 |
スタディコーチ | 月額7万9,800円 | 逆転合格実現コース(3ヵ月) |
スタディサプリ | 月額1万780円 | 合格特訓コース ※校舎なし |
スタディサプリの費用が安いのは、完全にオンラインのみで実校舎がないためです。担任やコーチがいて、実校舎も利用できる東進、河合塾マナビス、スタディコーチの費用はほぼ横並びであり、費用感はそれほど変わらないといえます。
まとめ
東進ハイスクール・東進衛星予備校は、優秀な講師陣による質の高い映像授業を受けられるのが魅力です。また、首都圏を中心として、全国に多くの教室を展開しており、どこに住んでいても利用しやすくなっています。
ほかの塾や予備校に比べて費用が高いといわれることもありますが、実際に通った人の平均年間費用は57.8万円と、ほかのオンライン予備校と比較してそれほど違いはありません。
東進を含む3大予備校の年間費用相場を確認したい人は、こちらの記事を参考にしてください。