旺文社教育情報センターは2020年9月1日、私立大学の志願者総数についての調査結果を発表した。それによると、2020年の一般入試では、私立大学の志願者総数が14年ぶりに減少した上、志願者数上位30大学に占める割合が志願者総数の約52%に上ったという。
同社によると、近年は入試方式の多様化やWEB出願の増加、受験料割引制度の導入などにより、学内併願が増加する要素が拡大し、志願者数が増加する傾向にあった。また、入学定員管理の厳格化による合格者の絞り込みの影響で、受験生が併願校数を増やしたことが志願者の延べ数の増加に拍車をかけていた。
しかし、2020年入試は、2021年の入試改革を控え、受験生は安全志向に転換。大都市の難関校ではなく、中堅以下の大学を受験する流れへと変化した。その結果、例年の志願者数上位校を中心に志願者数が減少。志願者総数も約2%減り、私立大学一般入試の志願者総数は14年ぶりに減少した。
志願者数上位100校までの大学を見ると、その顔ぶれは前年とほとんど変化はないが、上位大規模校での志願者の減少が目立った。また、志願者数の割合を見ると、上位30校までで全体の志願者数の約52%、100校までで約81%を占める結果となった。この現状について同社は、「残りの20%程度の志願者を447大学(全大学数の82%)でシェアしている状態だ」と説明している。
一方、エリア別で見ると、関東地区が57.8%、関西地区が24.2%と大都市圏に志願者が集中している。特に関東地区のうち、全国の約3分の1の大学が設置されている首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)で、志願者の半数以上となる56.7%を占めることが分かった。
大学によって志望者数にかなりの差があることが分かった。自分の志望校に合った予備校を選ぶためにも、予備校の選び方を詳しく解説した記事も参考にしていただきたい。