兵庫県の齋藤元彦知事は2023年8月21日、県が設置している兵庫県立大学と芸術文化観光専門職大学について、2024年から段階的に、県内在住者は所得に関わらず入学金と授業料を無償にすると発表した。斎藤知事は国際的にも大学などの高等教育の無償化が潮流となっているとして、国レベルの支援を求める一方で、「県内の若者が学費負担への不安なく、希望する教育を受けることができるよう支援を実施していく」などとした。
県の無償化案によると、対象となるのは、生計維持者（原則として父母）とともに3年以上前から兵庫県に在住している学生。兵庫県立大学と芸術文化観光専門職大学の学部、大学院ともに入学金28万2000円と年間の授業料53万5800円を所得にかかわらず無償とする。また、県外出身の学生の入学金も、現在の42万3000円から、現行の県内出身学生と同じ28万2000円に引き下げる。
2024年度から段階的に実施する予定で、初年度は2021年入学の4年生の授業料を無償とする。その後、毎年3年生、2年生へと対象を拡大し、2026年の新入生から入学金、授業料ともに無償となる。
現在、年収500万円未満の世帯を対象とした県独自の支援は継続する。
県は、少子化・人口減対策として、これから結婚・子育てする若者を3年間程度集中的に支援するとして「若者・Z世代応援パッケージ」と名付けた取り組みを続けている。授業料無償化もパッケージの一環で、「若者が安心して結婚や出産、子育てといった将来設計を描くことができる環境を整える」としている。