2025年10月27日、千葉県は県立保健医療大学の機能強化に向けた基本方針を公表した。
2028年度(令和10年度)をめどに大学を公立大学法人へ移行し、大学院修士課程を新設する。また、幕張と仁戸名の2キャンパスを幕張に統合するほか、定員増や新専攻の設置など、教育・研究体制の充実を図る。
看護学科の定員を現行の1学年80人から100人へ増員し、3年次編入枠(10人)を廃止するとともに、新たに言語聴覚士養成課程を設ける予定だ。さらに、学部教育では多職種連携教育、デジタル教育、国際化対応の強化を進める。
2028年度4月に設置する大学院修士課程には、「看護領域」「栄養領域」「歯科衛生領域」「リハビリテーション領域」を設ける。専門資格を必須としない「ヘルスサイエンス領域」を新設し、保健医療分野のリーダー育成を目指す。また、博士課程の設置や「公衆衛生学修士(MPH)」専攻の開設も検討する予定だ。
さらに、附属機関として「デジタルヘルスサイエンスセンター」「ヘルスイノベーションリサーチセンター」「スキルアップ教育支援センター」(いずれも仮称)を設置し、AI教育、産官学連携、保健医療従事者のリカレント教育を推進する。
老朽化が進む施設の更新を含め、2032年度に新施設の供用開始を予定している。県は基本方針で定めた項目を早期に実現するため、教育内容や施設整備等に関する基本計画の策定や、大学院の設置、公立大学法人の設立についての準備を進める方針だ。