~部活をしながら第一志望に受かる秘訣は「得意/苦手を効率的に伸ばすこと」「自分に合った講義・教材」~
サマリー
- 受験生の約半数が高3の春~夏まで部活、秋冬まで継続は1割強
- 3年冬に部活を引退しても、約7割が「第一志望」に合格
- 塾・予備校を活用した人ほど、想定より上位ランクの大学へ進学していた
- 部活に打ち込んでも合格できた秘訣は「得意/苦手を効率的に伸ばすこと」と「自分に合った講義・教材」
調査背景
高校生活は人生で1度限り。第一志望の大学に合格しようと受験勉強に全力を注ぐ人もいれば、部活動や学校行事へ積極的に参加して、高校生活を目いっぱい楽しむ人もいることでしょう。
特に高校生活の中心に、部活を据える人は多いと思います。「小学校から本気で打ち込んできたスポーツが、いよいよ高校最後の大会でひと区切りつく。それまでは受験勉強より部活に時間を使いたい」。「気の合う仲間と本気で取り組んできた部活だから、できれば最後までやめたくない」。部活をできるだけ長く続けたいという思い、あなたにも身に覚えがあるのではないでしょうか。
それでも、多くの高校生には大学受験が控えています。「いつ部活を引退して受験勉強に専念するべきだろうか」と、引退のタイミングを悩む人も少なくないはずです。
そこで塾・予備校比較ナビは今回、高校生が部活を引退した時期と第一志望の大学に合格した確率を調査してみました。あわせて高校3年生まで部活動を続けていた先輩たちに、大学合格の秘訣も聞いています。
調査結果
受験生の約半数が高3の春~夏まで部活、秋冬まで継続は1割強
最終学歴が大学生以上で高校時代に部活をしていた人に、部活を引退した時期を聞いてみました。
すると、28.7%が「高校3年の夏(7~9月)」と回答しました。次に多かったのが「高校3年の春(4~6月)」で21.7%。合計すると50.4%となりました。
また、「高校3年の秋(10~12月)」は6.5%、「高校3年の冬(1~3月)」は7.1%。合計すると13.6%となっています。※スクリーニング調査の結果
Q1-大学受験の際、あなたはどの時期に部活動を引退しましたか。(n=1140)
3年冬に部活を引退しても、約7割が「第一志望」に合格
大学受験のことを考えると、できるだけ早く部活をやめて勉強に専念した方が、第一志望の大学への合格率が上がるように感じます。部活の引退時期と、第一志望の大学への合格率とは関係があるのでしょうか。
第一志望の大学に合格できた確率を部活の引退時期ごとに算出してみたところ、高校1年に引退した人は57.1%、高校2年の春に引退した人は54.8%と半数以上の人が第一志望の大学に合格していました。ただ、高校3年の秋に引退した人の51.4%、高校3年の冬に引退した人の67.9%が第一志望の大学に合格できたと答えています。
できるだけ早いうちに部活をやめれば、第一志望の大学に入学できるとも限らないようです。
Q2-あなたが入学した大学は、何番目に希望していた大学でしたか。(n=1140)
塾・予備校を活用した人ほど、想定より上位ランクの大学へ進学していた
続いて、高校3年まで部活をやっていた人が利用した勉強法を調べてみました。
「学校の授業・教材」が60.5%と最多で、次が「市販の問題集・参考書」で43.5%でした※1。
Q3-あなたが大学受験の勉強をしていたときに、利用した勉強法は何ですか。(n=301)
さらに、利用していた勉強法と入学した大学のランク(合格難易度)とをクロス集計すると、「想定よりランクの高い大学」で43.3%、「想定していたランクの大学」で33.9%、「想定よりもランクの低い大学」では25.3%※2が塾・予備校を利用していたことが分かりました。
Q4-あなたが入試に合格して入学した大学は、高校3年への進級時に考えていた大学のランク(難易度)と比べて、どうでしたか。(n=301)
部活に打ち込んでも合格できた秘訣は「得意/苦手を効率的に伸ばすこと」と「自分に合った講義・教材
最後に、高校3年まで部活に打ち込んで大学に合格できた秘訣を聞いたところ、「自分の得意/苦手分野を効率的に伸ばすことができたから」が26.9%で最多、次が「自分に合った講義・教材などを使って勉強できたから」で23.9%となりました。※複数回答可
自分に合った勉強法を見つけ、効率的に学習できたことが秘訣といえそうです。
Q5-高校3年まで部活動に打ち込んでいたあなたが大学に合格できたのには、どんな秘訣があったからだと思いますか。(n=301)
調査手法
- 調査期間:2020年4月1日~2日
- 調査対象:最終学歴が大学以上かつ、高校の部活の引退時期が3年になってからだったと回答した20代の男女
- 調査方法:インターネット調査
まとめ
今回の調査結果から、部活の引退時期と第一志望の合格率に明確な相関関係は見られませんでした。部活を早く引退したからといって、第一志望の大学に合格できる確率が上がるとは限らないと考えられます。
高3の冬まで部活に打ち込んでいた生徒のうち、7割近くが第一志望の大学に合格しているということは、部活に打ち込んでいる高校生にとって大きな励みになるはずです。そして部活に打ち込みながらも合格を果たした秘訣は、「自分にあった講義や教材を使うこと」と「得意/苦手分野を効率的に伸ばすこと」でした。勉強のやり方や成果の出し方はそれぞれ違いますが、塾・予備校を利用している人ほど、高3進級時に想定いていたよりもランク(難易度)が上の大学に合格できていたことから、塾・予備校を上手く活用して「自分にあった講義や教材」を見つけることで、「得意/苦手分野を効率的に伸ばすこと」ができるのかもしれません。
なお、塾・予備校の中には、高校生の部活を最大限サポートできるように体制を整えているところもあります。例えば、東進ハイスクールは、部活の終了後にも自宅で受講できる映像授業を取りそろえ、自分のペースで勉強を進められます。毎年、無料で利用できる「部活生特別招待講習」も開催しており、2020年度の春は新型コロナウイルスの影響で開催が見送られましたが、 夏期特別招待講習は開催される見通しです。興味がある人は、1度受講してみてはいかがでしょうか。