「上手な勉強の方法がわからない」という子供が約7割に ベネッセ・東大共同研究

ベネッセ教育総合研究所は2023年4月6日、「上手な勉強の方法がわからない」と悩む小学生から高校生の子供の割合が全体の約7割に達したという調査結果を公表した。学習方法を身に付けた子供は、学習意欲が向上し成績も上昇する傾向にあるといい、同研究所は「学習方法を身に付けることは、課題を乗り越えるための力を獲得することにつながる」としている。

同研究所は東京大学社会科学研究所と共同で2015年から、「子供の生活と学び」の実態を明らかにする共同研究プロジェクトを続けている。調査は全国の小学生から高校生までの児童・生徒とその保護者約2万1000組に調査モニターになってもらい、毎年7月から9月にかけて実施している。

2022年度の調査結果によると、小学4年から高校3年までの児童・生徒で「上手な勉強のしかたがわからない」という子供は67.5%と、前年度(61.5%)より6.0ポイント上昇。2019年度の57.2%と比べると4年間で10.3ポイント上昇した。

学校別に見ると、高校生は73.2%。小4~6年生は61.1%、中学生は68.1%となり、小学生と高校生の間には12.1ポイントの差があった。一方、2019年と比べたときの増加幅は小学生のほうが「わからない」と答えた子供が増えており、小学生で18.5ポイント増。中学生は8.1ポイント、高校生は4.5ポイントの増加だった。

また、学習方法の理解は成績とも高い関連があり、同じ子供を2年間追跡調査したところ、学習方法が理解できると学習意欲も向上し、成績が上がる傾向にあることがわかった。一方で、2年間で「学習法を理解」から「学習方法がわからない」に変わった子供は、成績が下がる傾向にあった。

学習方法の理解は成績だけでなく、論理的に考える力や粘り強さのような多様な資質・能力とも関連が見られたと言い、同研究所は「学校や家庭で学習方法を指導することは、子供の学習意欲や成績向上に効果がある」としている。

上手な勉強の仕方が分からない人が多いことが分かったが、大学の決め方がわからないと悩む受験生も多い。大学の決め方や情報収集の方法を紹介した記事も参考にしていただきたい。

[関連リンク]

東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究
「子どもの生活と学びに関する親子調査2022」

[関連記事]