日本私立学校振興・共済事業団は2024年9月13日、同年度の「私立大学・短期大学等入学志願動向」を公表した。集計した598校のうち、入学定員充足率100%未満の定員割れ大学数は34校増加して354校となり、大学全体に占める未充足校の割合は59.2％となった。
「私立大学・短期大学等入学志願動向」は、日本私立学校振興・共済事業団が毎年実施している「学校法人基礎調査」から、入学定員、志願者数、入学者数などを集計している。調査基準日は5月1日で、集計の対象となったのは、大学598校、短期大学272校、大学院487校だった。
このうち大学は、志願者数、受験者数、合格者数、入学者数は前年度から減少したが、入学定員は増加した。入学者数は前年度比5869人減の49万4730人。入学定員充足率は98.19%で、前年度から1.40ポイント下がった。
大学の規模別で入学定員充足率をみると、前年度より充足率が上がった大学は「100人未満」「1000人以上1500人未満」「3000人以上」だけだった。「1000人以上1500人未満」「1500人以上3000人未満」「3000人以上」の規模の大学では、入学定員充足率が100％を上回った。「100人未満」の大学で74.93%、「100人以上200人未満」で83.37％になるなど、小規模校を中心に定員割れの傾向が進んでいる。
地域別にみると、入学定員充足率が上がったのは、「関東（埼玉、千葉、東京、神奈川を除く）」「東海（愛知を除く）」「大阪」「兵庫」「福岡」で、関東では4.88ポイント、福岡でも4.67ポイント上昇した。
地方を中心に充足率が落ち込むなか、入学定員充足率が100％を超えた地域は、「関東（埼玉、千葉、東京、神奈川を除く）」102.35%、「東京」102.20％、「大阪」101.46％、「福岡」104.56％の4地域だった。
学部系統別でみると、すべての学部系統で入学定員充足率が下がったが、「医学」「農学系」「社会科学系」「芸術系」では、入学定員充足率が100％を超えた。