上限800万円超の給付型奨学金を新設、貸付型奨学金は廃止 東京都足立区

東京都足立区は2022年11月22日、現行の貸付型奨学金を廃止し、新たに返済が不要な給付型奨学金制度を創設すると発表した。約826万円を上限に入学金や授業料、施設整備費相当分を年間40人に給付する。区議会の議決を得て、2023年1月から募集を開始する。

新設される給付型奨学金では、上限の範囲内であれば、入学金と4年間の授業料、施設整備費の相当分を全額給付する。上限額は、私立理系学部に進学した場合に4年間で必要とされる約551万円の1.5倍相当とした。

応募資格は大学などに在学または入学予定の学生で、高校時代の成績が4.0以上(5段階評価)、家庭の年収800万円以下(4人世帯の目安)、生計維持者が直近3年以上区内に在住しているなどの条件がある。募集は2023年1月からと、3月からの2期に分けて実施する。

足立区にはこれまで大学生らへの無利子貸付制度があったが、15年間で返還しなければならないうえ、国の奨学金制度の方が使いやすいなどとして、利用者が毎年減少していた。このため、区の育英資金検討委員会などでは「給付型奨学金は活用促進に有効」などの意見も出ていた。

このほか、区は奨学金の借入総額の半額(上限100万円)を助成する区奨学金返済支援助成制度も拡充。これまで対象となっていなかった国の給付型奨学金の併給者も助成対象に追加する。また、奨学金制度に特化したWebサイトを開設し、足立成和信用金庫と連携して相談に応じるなど、教育資金相談体制を強化する。

足立区の奨学金に関する取り組みを紹介したが、予備校でかかる平均的な授業料や学費を抑える方法などを紹介した記事も参考にして、コスパのいい受験生活を送ってほしい。

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足立区長 令和4年11月22日定例記者会見

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