「大学入学共通テスト」、保護者の半数以上が英語の配点比率を「よく知らない」

~大学入学共通テスト、理解している保護者はどれくらい? 4割以上が問われる能力について「よく知らない」~

サマリー

  • 4割以上が「大学入学共通テスト」で問われる能力について「よく知らない」
  • 「大学入学共通テスト」、英語の出題内容を「よく知っている」は2割未満
  • 新テストにおける英語のリーディングとリスニングの配点比率、半数以上が「よく知らない」
  • 受験生が勉強に集中できる学習環境だと思う――半数以下の46.2%
  • 約9割が、今より勉強に集中できる環境があれば「子供の成績はあがると思う」

調査概要

2021年から実施される 「大学入学共通テスト」。2020年1月末に大学入試センターからその方針が発表されましたが、「どう変わるのかわからない」「どのような対策をしたらよいかわからない」といった声も聞こえてきます。

受験生を支える保護者の方々は日々、情報収集に奔走されていると思いますが、仕事や家事などに追われる中で収集できる情報には限りがあります。「大学入学共通テスト」のことを正確に理解できていないまま、受験生を支え、導こうとしている方も中にはいらっしゃるかもしれません。

そこで、「塾・予備校比較ナビ」では現在高校2年生の子供がいる母親287人に緊急調査を実施。「大学入学共通テスト」への理解度を調査しました。

調査結果

4割以上が「大学入学共通テスト」で問われる能力について「よく知らない」

2020年1月29日に行われた「大学入学共通テスト」の方針発表について、「知っている」と回答した人は52.4%でした。その人たちに、「大学入学共通テスト」で問われる知識、技能などの能力について知っているかどうかを聞くと、「よく知っている」と回答した人は17.3%、「ある程度知っている」と回答した人は39.8%でした。一方「何となくは知っているが、あまりよくわからない」と回答した人は36.8%、「全く知らない」は6.0%で、合計すると42.8%が「知らない」または「よくわからない」という状況であることがわかりました。

Q7 – あなたは「大学入学共通テスト」で問われる能力(知識、技能など)について、ご存知ですか?(n=133)

「大学入学共通テスト」、英語の出題内容を「よく知っている」は2割未満

「大学入学共通テスト」の英語の出題内容(リーディング、リスニングなど)について、「よく知っている」と回答した人は18.0%と2割を切りました。「ある程度知っている」は39.1%、「何となくは知っているが、あまりよくわからない」が36.1%、「全く知らない」は6.8%となっています。

Q8 – あなたは「大学入学共通テスト」で出題される英語の出題内容(リーディング、リスニングなど)について、ご存知ですか?(n=133)

新テストにおける英語のリーディングとリスニングの配点比率、半数以上が「よく知らない」

新しく変更になる英語の「リーディング」と「リスニング」の配点比率については、16.5%が「よく知っている」、27.8%が「ある程度知っている」と回答しました。一方、「何となくは知っているが、あまりよくわからない」は32.3%、「全く知らない」は23.3%。合計すると55.6%が「全く知らない」または「よくわからない」という状況であることがわかりました。

Q9 – あなたは「大学入学共通テスト」における、「リーディング」と「リスニング」の配点比率について、ご存知ですか?(n=133)

受験生が勉強に集中できる学習環境だと思う――半数以下の46.2%

現在の受験生の学習環境について、勉強に集中できる環境かどうかを聞くと「そう思う」(16.6%)、「どちらかというとそう思う」(29.6%)と、ポジティブな回答をした人は46.2%と半数を下回りました。一方、「どちらともいえない」は32.5%、「あまりそう思わない」は14.2%、「そう思わない」は6.5%となりました。

Q10 – あなたは、お子さまの現在の学習環境は勉強に集中できる環境だと思いますか?(n=169)

約9割が、今より勉強に集中できる環境があれば「子供の成績はあがると思う」

受験生の今の学習環境が「集中できる環境だ」と思わない人に、今よりもっと勉強に集中できれば成績があがると思うかを聞くと、「かなりあがると思う」(5.7%)、「あがると思う」(34.3%)、「少しはあがると思う」(48.6%)と合計で88.6%が「あがると思う」と回答しました。

Q11 – あなたは、お子さまが今よりもっと勉強に集中できる環境があれば、お子さまの成績はあがると思いますか?(n=35)

調査手法

  • 調査期間:2020年2月20日~2月22日
  • 調査対象:2020年2月現在、高校2年生の子がいると回答した35~59歳の女性 287人
  • 調査方法:インターネット調査

まとめ

今回の調査では、まず「大学入学共通テスト」に対する保護者の理解度を調べてみました。求められる能力、英語の出題範囲、英語の配点比率について調査しましたが、「よく知っている」と回答した人はいずれも2割を切りました。

この結果から、「大学入学共通テスト」の情報を、保護者が正確に収集できていない現状が見えてきます。今回は保護者を対象にした調査でしたが、同じようなことは受験生本人にも当てはまるかもしれません。

受験生のために何かしてあげたいのなら、まずは保護者も正確な情報を知ることが必要そうですが、それ以外にも受験生のためにできることはあります。

例えば今回の調査では、現在の学習環境が勉強に集中できる環境だと考えている保護者は半数以下にとどまりました。今より勉強に集中できる環境を用意すれば、「成績はあがる」と9割近くの保護者が考えています。

それなら勉強に集中させるため、塾や予備校に通わせる、図書館などを利用させる、勉強部屋の環境を整える――といった行動に移してみてはいかがでしょうか。受験生の今後の人生を左右する大切な期間、親としてできることを1つずつ実行していきましょう。