コロナ渦の大学入試、 過去問着手はまだ半数――9割超が冬期講習は「今まで以上に重要」

サマリー

  • 現役受験生の約8割、第1志望を絞り込む
  • 志望校の過去問、着手したのは約半数
  • 得意不得意分野の把握、約2割は「十分できている」
  • 3人に1人が冬期講習を受講予定
  • 冬期講習は今まで以上に重要(91.5%)

調査概要

2021年度大学入試もいよいよ終盤に入ってきました。コロナ渦で思うように受験勉強が進まなかった春夏の遅れは、秋冬で取り返せるのでしょうか。

21年度入試に臨む受験生は、志望校の過去問対策など、今どこまで学習を進められているのでしょうか? また塾や予備校の冬期講習を活用して、ラストスパートをかけたいと思っている受験生はどのくらいいるのでしょうか? 塾・予備校比較ナビでは現役受験生299名に、現在の学習進捗や冬期講習について、調査を実施しました。その結果をご紹介していきます。

調査結果

現役受験生の約8割、第1志望を絞り込む

21年度入試も、9月から総合型選抜(旧AO入試)の出願受付が始まりました。すでに志望校をある程度絞り込んでいる受験生も多いことでしょう。

今回の調査では、79.6%がすでに第1志望の大学を決めたと答えています。反対に20.4%はまだ絞り切れていないようです。

21年度入試は新型コロナウイルスの影響を受け、各大学の方針発表が遅れました。受験方法や科目の変更などもあり、受験生の計画に大きな影響を与えているのでしょう。

Q1.あなたはすでに、第一志望の大学を決めましたか?(n=299)

志望校の過去問、着手したのは約半数

調査を実施した9月時点で、志望校の過去問演習に着手できている受験生はどのくらいいるのでしょうか?

質問してみたところ、受験する大学の過去問に着手していると回答したのは53.5%と約半数にとどまりました。志望校は絞り込めているものの、過去問にまでは手が回っていないというのが現状のようです。

通常ならば夏休み期間中を利用して、塾や予備校の夏期講習で過去問演習を行うことも多いと思います。それが夏休みの短縮などによって、思うように学習を進められていない受験生も、少なからずいるのかもしれません。

Q2.あなたはすでに、受験する大学の過去問に着手しはじめましたか?(n=299)

得意不得意分野の把握、約2割は「十分できている」

自分の得意分野や不得意分野を「十分把握できている」という受験生は21.4%でした。「まあまあ把握できている」という受験生は57.2%でしたから、概ね自分自身の傾向と対策はつかめているようです。

しかし「あまり把握できていない」(15.7%)、「把握できていない」(5.7%)を足した21.4%の受験生は、自己分析に時間がかかっているようです。過去問演習への着手の遅れなども、影響しているのかもしれません。

Q3.あなたは現時点で自分の学習の得意分野や不得意分野を、どの程度把握できていますか?(n=299)

3人に1人が冬期講習を受講予定

塾や予備校では、冬期講習や直前講習の受付がスタートしています。冬期・直前講習が遅れを取り戻し、学力を大きく伸ばすラストチャンスになるかもしれません。

塾や予備校の冬期講習を受ける予定がある受験生はどのくらいいるのか、調べてみたところ、受験生の31.4%、およそ3人に1人だと分かりました。

Q4.あなたは塾や予備校の冬期講習を受ける予定はありますか?(n=299)

冬期講習は今まで以上に重要(91.5%)

冬期講習を受講する予定の受験生に、21年度入試において冬期講習はどの程度重要になるかと聞いてみました。すると、91.5%※が今まで以上に重要だと思うと回答しました。

※「そう思う」「ややそう思う」の合計。

休校による学校の授業の遅れや夏休みの短縮など、学習環境の変化が受験生の学習計画に与えた影響は小さくありません。また各大学の方針変更なども大きなインパクトがありました。直前で学習計画や志望校を変えた受験生もいることでしょう。

短期間で集中して学力を伸ばせる塾や予備校の冬期講習は、21年度入試の合否を左右するカギになると言えそうです。

Q5.今年の受験において、塾や予備校の冬期講習は今まで以上に重要だと思いますか?(n=94)

調査手法

  • 調査期間:2020年9月11日~18日
  • 調査対象:2021年度に大学受験をする高校3年生
  • 調査方法:インターネット調査

まとめ

今回の調査では、21年度入試に向けて追い込みの時期に入った現役受験生の学習の進捗状況が明らかになりました。志望校は決めたものの、過去問演習には取り組めていない受験生がまだ多いようです。自分の得意科目や苦手科目も十分把握できている受験生は少数派でした。もちろん学習進捗は人によって違うと思いますが、ひとつの参考情報になったのではないでしょうか。

この冬をどう過ごすかは、例年以上に重要になりそうです。塾・予備校の冬期講習を利用するなど、残された期間の学習計画を早めに固めておいてください。