サマリー
- AO・推薦入試を選んだ理由は「先生に勧められて」「勉強に自信がなかった」
- 合格者の4割、最初は明確なビジョンがなかった
- 約3割がAO・推薦入試の準備を高3春からスタート
- AO・推薦入試は「高校1年から準備すべき」(27.6%)
- AO・推薦入試の情報源は「学校の先生」「インターネット」「塾や予備校」
調査概要
大学入試改革の影響もあってか、大学入試において総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜(推薦入試)に対して、受験生や保護者の関心が高まっています。
そこで塾・予備校比較ナビでは、過去にAO・推薦入試に挑んで合格した受験生の保護者に対して調査を実施。どのような経緯でAO・推薦入試を選んだのか、いつから対策をスタートしたのかなど、その実態に迫りました。
調査結果
AO・推薦入試を選んだ理由は「先生に勧められて」「勉強に自信がなかった」
AO・推薦入試で大学受験に挑もうと思ったのはなぜでしょうか。まずはAO・推薦入試を選んだ理由について聞いてみました。
AO・推薦入試を選んだ理由で最も多かったのは「学校の先生に勧められて」で50.4%でした。続いて「受験勉強にあまり自信がなかった」が20.6%、「部活や課外活動での実績があった」が14.7%でした。
Q1-お子さまが大学入試にAO・推薦入試を選ばれた理由について、あてはまるものをすべてお選びください。(n=848)
合格者の4割、最初は明確なビジョンがなかった
Q1から、AO・推薦入試を選んだ人たちが、必ずしも部活や課外活動の実績がある人ばかりではないことが分かりました。
とはいえ、AO・推薦入試で大学合格した人たちは、面接でどうやってアピールしたらいいか、ある程度は勝算があってAO・推薦入試を選んだのかもしれません。
そこで、AO・推薦入試で受験すると決めたとき、面接で伝えたい「ビジョン」やそれを裏打ちする「バックボーン」があったか聞いてみました。すると、ビジョンやバックボーンが明確にあったという人は57.3%にとどまりました。42.7%は、ビジョンやバックボーンを持たずに受験しても、合格できたというのです。
Q2-AO・推薦入試を選んだ時点で、あなたやお子さまは面接で伝えたい将来のビジョンや、それを裏打ちするバックボーン(具体的活動など)が明確でしたか?(n=848)
約3割がAO・推薦入試の準備を高3春からスタート
AO・推薦入試で合格した人たちは、いつごろから準備をスタートさせたのか、気になる人も多いと思います。
AO・推薦入試の準備をスタートした時期については「高校3年生の春」という回答が33.1%で最も多く、次いで「高校3年生の夏」が26.3%でした。合計すると59.4%が高校3年の春から夏にかけて準備をスタートしたことが分かりました。
Q3-AO・推薦入試の準備をいつからスタートしましたか?(n=848)
AO・推薦入試は「高校1年から準備すべき」(27.6%)
多くの合格者が高校3年の春から夏にかけて準備をスタートさせたことが分かりましたが、より早い時期から準備を始めるべきだったと考えている人もいるかもしれません。
これからAO・推薦入試を受けるのなら、その準備をいつからスタートするべきかと質問してみたところ、「高校1年生」が34.4%で最多、次いで「高校2年生」が27.6%でした。合計で62.0%が高校3年生になる前までにスタートすべきと考えています。
Q4-これからAO・推薦入試をされる方は、いつから準備をスタートすべきだと思いますか?(n=221)
AO・推薦入試の情報源は「学校の先生」「インターネット」「塾や予備校」
AO・推薦入試の準備をするのなら、どんな情報源が頼りになるのでしょうか。
AO・推薦入試の情報源は何だったのかと聞いてみた結果、「学校の先生」が84.2%で最多でした。他には「インターネット」(38.5%)、「塾や予備校の先生」(31.7%)、「友人、知人」(26.2%)、「受験情報アプリやニュースアプリ」(14.5%)となりました。
学校の先生を頼りにしつつも、さまざまな手段で情報を収集している様子がうかがえます。
Q5-AO・推薦入試に関する情報源について、あてはまるものをすべてお選びください。(n=221)
調査手法
- 調査期間:2020年7月27~29日
- 調査対象:AO・推薦入試で合格した大学生以上の子どもがいる40~50代の女性
- 調査方法:インターネット調査
まとめ
今回の調査では、総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜(推薦入試)を受験したきっかけや、そのスタート時期などを調べてみました。
「推薦入試」というと部活動などでめざましい実績を残したり、将来に対して明確なビジョンがある人が選べる受験方法だと思い込んでいる人は少なくありません。しかし今回の調査結果を見る限り、必ずしもそうでなく、多くの人に勝算がある受験方法だということが分かります。
AO・推薦入試に興味があるのなら、その準備は早い方がいいようですが、「AO・推薦入試で合格するのは無理かもしれない」とあきらめる前に、その可能性を探ってみるのもいいでしょう。