サマリー
- AO・推薦入試のサポート、半数以上が「子どもの相談にのった」
- 最も苦労したのは「志望理由書の作成」、次いで「大学選び」
- 高校から得られたAO・推薦入試の情報、4割以上が十分に満足していない
- AO・推薦入試対策として、2割強が塾や予備校を利用
- AO・推薦入試に塾・予備校を利用の約6割、「対策をしっかり行える」
調査概要
大学受験において、関心が高まってきている総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜(推薦入試)。AO・推薦入試を利用して合格を勝ち取るためには、受験生は自分の将来と向き合い、やりたいことを明確にしていく必要があります。
受験生がそうした受験対策を進める中で、保護者にはどんなサポートができるのでしょうか。塾・予備校比較ナビでは、過去にAO・推薦入試対策を伴走して子どもを合格に導いた保護者に対して調査を実施。AO・推薦入試を受ける子どもをどのようにサポートし、どんなところに苦労したのか、聞いてみました。
調査結果
AO・推薦入試のサポート、半数以上が「子どもの相談にのった」
まずはAO・推薦入試時のサポートとして、家庭でどんなことを行ったかを聞いてみました。すると、「相談に乗る」が52.9%と半数を超えました。他には「受験の情報収集」が36.2%、「志望理由のアドバイス」が31.7%と続いています。「面接の練習相手」も19.5%となっており、社会人の先輩として準備をサポートするケースも少なくないようです。
Q1-AO・推薦入試にあたって、ご家庭で行ったサポートをすべてお選びください。(n=221)
最も苦労したのは「志望理由書の作成」、次いで「大学選び」
AO・推薦入試にあたり、受験生の保護者はどのような点に苦労したのでしょうか。苦労したこととして挙げられたのは、「志望理由書の作成」が25.8%で最も割合が高くなりました。他には「大学選び」が23.1%、「情報収集」が22.2%となりました。
Q2-AO・推薦入試にあたり、どのような点に苦労しましたか? あてはまるものをすべてお選びください。(n=221)
高校から得られたAO・推薦入試の情報、4割以上が十分に満足していない
こうしたAO・推薦入試の対策を進める上で、保護者は高校から必要な情報を十分得られていたのでしょうか。
十分に得られていたという人は55.6%(「そう思う」と「ややそう思う」の合計)。一方、「どちらともいえない」は28.1%、「あまり思わない」は11.8%、「思わない」は4.5%となっており、4割以上が十分に満足していないことが判明しました。
Q3-AO・推薦入試の対策に必要な情報について、当時在学していた高校からは十分な情報を得られましたか?(n=221)
AO・推薦入試対策として、2割強が塾や予備校を利用
高校から得られる情報・サポートに不安が残る場合、塾・予備校を利用してAO・推薦入試の対策をする家庭も増えてきています。
実際、どのくらいの保護者が塾や予備校を利用したかと調べてみたところ、23.5%が利用していたことが分かりました。その中でも、AO・推薦専門塾を利用していた割合は3.2%となっています。
Q4-AO・推薦入試のために、ご家庭で活用したサービスについて、あてはまるものをすべてお選びください。(n=221)
AO・推薦入試に塾・予備校を利用の約6割、「対策をしっかり行える」
AO・推薦入試に塾や予備校を利用した人にそのメリットを聞くと、61.5%が「対策をしっかり行える」、51.9%が「情報収集がしやすい」と回答しました。「経験者からアドバイスをもらえる」は38.5%、「過去の出願資料などが見られる」も34.6%と3割を超えました。
Q5-塾や予備校を利用してよかった点について、あてはまるものをすべてお選びください。(n=52)
調査手法
- 調査期間:2020年7月27~29日
- 調査対象:AO・推薦入試で合格した大学生以上の子どもがいる40~50代の女性
- 調査方法:インターネット調査
まとめ
今回の調査では、総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜(推薦入試)において、保護者がどのようにサポートしてきたのかを調べてみました。
8割以上の保護者が「相談に乗る」などの何らかの形で、受験生をサポートしていたことが分かりました。画一的な正解のないAO・推薦入試だけに、通常の試験よりも、人生経験豊富な保護者のアドバイスが必要とされるのかもしれません。
AO・推薦入試に向けて塾や予備校を利用していた割合は2割にとどまりましたが、対策をしっかりできるなどのメリットを感じていた利用者は多かったです。AO・推薦入試の対策を専門に行う塾・予備校も登場してきていますので、合格の可能性を少しでも引き上げるために、ひとつの選択肢として考えるのもよいかもしれません。