日本の大学の中で、最難関の大学として知られているのが東京大学(以下、東大)です。長い歴史を持ち、研究・教育機関として国内最高峰のレベルを誇る大学であり、日本各地から優秀な学生が集まってきます。
そんな東大ですが、なにも生まれ持った知能だけで合格できるわけではありません。東大合格者に話を聞くと、多くの学生が授業以外で平日5時間、休日は10時間を勉強に充てています。
また、見過ごせないのが、多くの合格者は独学ではなく、塾・予備校に通っているということです。東大合格者の通塾率は約8割だと伝えるアンケート調査もあります。
これらのことから、東大に合格するためには塾・予備校に通って人一倍勉強することが近道であることが明らかです。
しかし、塾・予備校に通うと言っても、どこでもいいわけではありません。最難関の大学ですから、全ての塾・予備校が対応できるというわけではないのです。東大に合格するために塾・予備校に通うなら、塾選び・予備校選びについて真剣に考える必要があるでしょう。
そこで本記事では、東大を目指す人が塾・予備校に通うべき具体的な理由を解説した後、そこから東大受験を目指す人の塾選び・予備校選びのポイントを読み解き、実際に有名な予備校がどのような東大対策を講じているかを紹介します。東大志望の学生は、ぜひ参考にして塾・予備校選びに役立ててください。
東大合格はなぜ難しい? 塾・予備校に通うべき理由
東大受験の塾選び・予備校選びのポイントは、東大合格を目指す人が塾・予備校に通うべき理由を踏まえるとわかってきます。そこでここでは、東大を目指す人が塾・予備校に通うべき理由について四つご紹介します。
入試科目数が非常に多いから
まず、入試科目数が非常に多いということが挙げられます。例えば、文系の場合、大学入学共通テストで5教科8科目または6教科8科目を受験する必要があります。それに加えて、二次試験では4教科の試験を受けなければなりません。
また、大学入学共通テストと二次試験では問題の形式や解答方法も異なります。よって、同じ「国語」でも、大学入学共通テスト用の対策と二次試験用の対策が必要です。
そのため、限られた時間の中でいかに効率的に多くの科目を仕上げるかが重要になります。このような観点からも、受験のプロである予備校で、フォローやサポートをしてもらいながら勉強を進めるのが良いでしょう。
基礎を疎かにしていると解けない問題が多いから
受験生の多くは基礎をおろそかにし、難しい問題の対策ばかりをしがちです。しかし、東大の入試問題は、出題される問題の全てが高難易度というわけではありません。意外にも、基礎をもとに考えさせるものが多く出題されています。そのため、難易度の高い問題ばかり対策していると、盲点ともいえる基礎的な問題が出されたとき、解法に困ってしまうことがあります。
このような事態を避けるためには、徹底した基礎の習得が必要です。塾や予備校では、東大入試の傾向に基づいた授業を受けられるため、受験生が見落としがちな基礎的な問題もしっかりと勉強できます。基礎力に不安があるという人は特に、塾や予備校に通って基礎固めをしましょう。
ライバルのレベルが高く、合格には偏差値70以上が必要だから
東大は、国内最難関の大学です。入学するには、どの科類であっても偏差値70以上が必要だと言われています。そのため、東大を目指す人は名門中高一貫校の学生や有名進学校の学生などが多く、レベルが非常に高いのが特徴です。東大に行けるようにと、幼いころから英才教育を受けてきたライバルだっているのです。
そのような状況で合格を勝ち取るためには、やはり高度な学力を身に付ける必要があります。とはいえ、がむしゃらに勉強しても学力が上がるとは限りません。むしろ、限られた時間の中で質の良い学習をし、効率的に学力を伸ばす必要があります。
塾や予備校の講師は、受験指導のプロです。各大学合格のために、どのような勉強をすれば良いかを熟知しています。東大対策講座を受け持っている講師は、東大の過去問を徹底的に研究し、東大に合格するために必要な知識や問題の解き方について精通しているのです。ですから、効率良く学習してライバルに打ち勝つためには、塾・予備校でそのような講師に学ぶのが最善の選択となります。
時間内で正確に回答する力が必要だから
東大入試の特徴の一つに、回答時間が圧倒的に短いということが挙げられます。例えば、東大の英語は試験時間120分、120点満点の試験です。その時間内で解かなければならない問題は、要約、英作文、リスニング、文法問題、英文和訳、長文読解など多岐にわたります。出題形式もさまざまで問題の量が多く、時間配分を考えながら解答する必要があります。
このような観点から、東大に合格するためには、短時間で正確な答えを導き出す訓練が必要です。その点、塾・予備校では、東大入試に特化した対策講義あり、時間配分の仕方や注意点などを教えてくれます。独学ではなかなか対策がしにくい点ですから、このことからも塾や予備校で学ぶのが良いと考えられます。
東大合格に強い塾選び・予備校選びのポイント
以上で述べたことをまとめると、東大に合格するためには、5教科8科目または6教科8科目の多くの教科・科目について、基礎から徹底的に学習しなければなりません。しかも、単に基礎を押さえればいいというのではなく、東大で出題される「基礎から考えさせる問題」の解き方も身に付けなくてはなりません。ライバルのレベルも高いので1日当たりの勉強時間を増やして人一倍勉強しなければなりませんが、現役合格しようと思うと時間も限られているので効率良く勉強することも求められます。
このように考えると、東大合格を目指す人が塾選び・予備校選びをする際に最も気にしなければならないのは、東大受験に精通した一流講師が所属しているかどうかだと言えます。そして、そのような講師が「東大コース」や「東大対策講座」を受け持っていることです。このようなコースや講座では通常、東大受験に必要な知識や問題の解き方を基礎から応用までポイントを押さえて講義しています。ですので、偏差値70以上クラスのライバルに太刀打ちできる学力を効率良く習得することが可能です。
東大コースや東大対策講座がある塾・予備校は?
それでは、どのような塾や予備校を選ぶべきでしょうか。ここからは、先述した「東大に強い塾選び・予備校選びのポイント」を押さえ、東大コースや東大入試対策講座を設置している塾・予備校を紹介します。
東進ハイスクール・東進衛星予備校
東進ハイスクール・東進衛星予備校は、現役東大合格者数No.1の実績を持つ大手予備校です。テレビでもおなじみの林修先生をはじめ、有名な実力派講師が多数在籍していることでも知られています。
東進の強みは、質・量ともに最高峰の講座がそろっていること。東大志望者向けには「東大対策英語」「東大対策数学」「東大対策文系数学」「東大対策理系数学」「東大対策国語」「東大古文」「東大対策物理」「東大対策化学」……といった具合に、科目ごとに東進の誇る実力派講師が担当する講座が用意されていて、必要な講座を選んで受講できます。どれも東大合格に必要な基礎知識から高いレベルの内容まで、幅広くカバーしています。
東進の授業は映像授業なので、何度も見返しながら復習することができます。自分のペースで勉強できるのも大きなメリットです。
また東進は、年4回も「東大本番レベル模試」を実施。出題範囲は東大二次試験本番と同じで、解答用紙も本番と同じような用紙を使用します。東大本番レベル模試を受けると、合格に必要な学力と現在の学力との差を具体的な点数で示してくれて、「共通テスト本番レベル模試」も受けていれば、本番同様に両者の総合評価によって東大合格の可能性を総合的に判定してくれます。
現役東大合格を目指す人には、最適な予備校だと思います。ぜひ公式サイトをチェックしてみましょう。
河合塾
全国で30校を展開する河合塾は、難関大学合格者を多数輩出している大手予備校の一つです。豊富なカリキュラムや独自のテキストで、現役生から浪人生まで広くサポートしています。
河合塾には現役合格を目指す「高校グリーンコース」が設置されています。同コースでは、「ONE WEX東大英語」や「ONE WEX東大理系数学」など、東大を受験する学生向けに多数コースを展開しています。また、共通テスト対策講座なども用意しています。
加えて、浪人生向けとして「大学受験科」を設置しています。こちらでは、「ハイパー東大理類数理演習コース」や「東大文類アドバンスコース」といった東大受験に特化したコースを受けることができます。
四谷学院
四谷学院は、40年以上にわたって大学受験の指導をしてきた予備校です。「科目別能力別授業」や「55段階個別指導」といった「ダブル教育」を取り入れており、多くの学生を合格に導いてきました。
四谷学院には、高校3年生を対象に「東大特選Vクラス」があります。1クラス10人以下の徹底した少人数体制で、東大合格のために必要な「戦略的思考法」を身に付けられるクラスです。また、少人数であるため講師との距離が近いのもポイント。生徒一人一人の学力や特性などをもとに、「東大合格のために必要なこと」を講師が提示してくれます。
また、高卒生の場合、「東大文系コース」や「東大理系コース」が設置されています。ダブル授業に加えて、志望校別のコースを受講することで、効率良く東大対策ができるのが特徴です。
まとめ
東大合格に向けて、塾・予備校で学ぶ必要性や、東大に特化したコースや講座がある予備校について紹介しました。
日本最難関の大学ですから、早めに受験の準備をしておくに越したことはありません。東大受験を少しでも考えているのであれば、ぜひこの記事を参考に自分に合った塾・予備校を選んでください。そして、なるべく早くスタートを切ってライバルに差をつけましょう。