予備校を一覧で紹介!大手・中堅・特化型などの特徴と予備校選びのポイント

大学受験のために予備校を選ぼうと考えているものの、どのような予備校があるのか、その全貌をつかめていないために足踏みしている人もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、どのような予備校があるのかを、大手、中堅・準大手、個別指導、総合型選抜・学校推薦型選抜特化、上位校受験特化、オンライン型、医学部受験特化、美術系特化といったカテゴリに分けて紹介します。予備校選びに迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

目次

【タイプ別】おすすめ予備校一覧

本記事で紹介する予備校や塾を、タイプ別にまとめました。

タイプ 校名 特徴
大手予備校 東進ハイスクール・
東進衛星予備校
東大、京大、早慶、医学部の合格者数は予備校のなかでトップクラス
河合塾・河合塾マナビス 海外大学や美術系など、さまざまな受験ニーズに対応
駿台予備学校 少人数制の双方向授業による、きめ細かい指導が特徴
代々木ゼミナール・
代ゼミサテライン予備校
クラス担任、現役大学生チューターなどサポート体制が充実
中堅・準大手予備校 四谷学院 科目別能力別授業と55段階個別指導の「ダブル授業」が特徴
臨海セミナー 早慶、上智、MARCHに多数の合格者を輩出
早稲田アカデミー 現役合格にこだわり、スモールステップ方式に基づく復習型授業を提供
佐鳴予備校 東海地区における、国公立大学合格者数はトップクラス
個別指導塾 明光義塾 マンツーマン指導により、有名私大に多くの合格者を輩出
東京個別指導学院・
関西個別指導学院
ベネッセグループの情報量とノウハウで最短距離の合格を目指す
武田塾 1冊の参考書を完璧に「できる」ことを目指す自主学習が特徴
総合型選抜・学校推薦型選抜特化型 早稲田塾 ディスカッションや論文の講評など、独自のカリキュラムが特徴
栄光ゼミナール大学受験ナビオ 小論文、面接対策はもちろん、定期テスト対策も可能
トフルゼミナール 早慶、上智、ICU、東京外大など、多彩な大学の対策を用意
上位校受験特化型 鉄緑会 東大理三、国公立医学部、慶應医学部など合格実績多数
Z会の教室 難関大学に不可欠な、記述力・論述力を鍛える添削指導が特徴
研伸館 カウンセリング、VOD授業システムなどサポートが充実
オンライン型 大手・中堅予備校のオンライン授業 ライブ授業、映像授業、個別指導など指導方法が多彩
キミノスクール 全科目が定額で個別指導が追加料金なしで受け放題
トライのオンライン個別指導塾 担任制により進路相談などトータルにサポート
医学部受験特化型 メディカルラボ 完全個別カリキュラムと1対1の個別授業で医学部合格に導く
野田クルゼ 高3生のみならず、高1生から本格的な医学部対策が可能
TOMAS プロ講師による1対1の個別指導を提供
美術系大学受験特化型 すいどーばた美術学院 日本画と彫刻に強い、海外美術大学の対策も可能
ena新美(新宿美術学院) 東京藝術大の合格者数はトップクラス
湘南美術学院 1971年創立、東京藝術大や多摩美などの合格実績あり
コーチング塾 STRUX 専属コーチによる学習管理で、勉強に集中して取り組める
現論会 難関大学の専門塾、全科目でコーチングを実施し合格を目指す
アガルート学習コーチング 成績が上がらない原因を分析、能動的に学習できる

勉強する目的や指導方法など、予備校ごとに特徴が異なります。タイプの違いを把握しておくことで、自分に合った予備校を効率良く探せます。

大手予備校4校の特徴

誰もが一度は名前を聞いたことがあるような大手予備校は、他のタイプの予備校と比べても桁違いの合格実績を誇っています。その華々しい実績は百戦錬磨の実力派講師陣によるハイレベルな授業によって生み出されたものです。大手予備校の授業は、講師が大人数に対して一方通行で行なうライブ授業や動画授業がほとんどですが、レベル分けがされているのでどのような学力の人でも安心して受けられます。

また、全国規模の模試を実施している大手予備校は、多くの生徒のデータや問題を所有しているため、難関大学はもちろん、全国各地のあらゆるレベルの大学受験に対応しています。さらに、蓄積された膨大なデータに基づいて生徒一人ひとりにピッタリなカリキュラムや教材を用意し、的確なサポートをしてくれます。

このような大手予備校にはどのような特徴があるのでしょうか。以下より、東進ハイスクール・東進衛星予備校、河合塾・河合塾マナビス、駿台予備学校、代々木ゼミナール・代ゼミサテライン予備校といった4つの大手予備校の特徴について解説します。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

東進ハイスクール東進衛星予備校は、日本全国に1,000以上の校舎を構える大手予備校です。2025年度には815人の東京大学現役合格者、488人の京都大学現役合格者、1,593人の医学部医学科現役合格者、3,472人の早稲田大学現役合格者、2,161人の慶應義塾大学現役合格者を輩出しています。これほど多くの現役生を難関大学現役合格に導いている予備校は、東進ハイスクール・東進衛星予備校をおいてほかにありません。

東進ハイスクール・東進衛星予備校の何よりの特徴は、膨大な指導経験と膨大なデータ分析によって導き出された「勝利の方程式」に基づく独自の合格システムにあります。大学受験のプロフェッショナルによる12段階ものレベル別の豊富な授業、モチベーションを高める担任指導、最先端の学習システムなどにより、合格までの道のりを徹底的にサポートします。

河合塾・河合塾マナビス

河合塾河合塾マナビスは、グループ合計で全国各地に約500の校舎を構える老舗の大手予備校です。2024年度には、現役生・浪人生を合わせて1,311人の東京大学合格者、1,318人の京都大学合格者、4,377人の医学部医学科合格者、5,638人の早稲田大学合格者、3,577人の慶應義塾大学合格者を輩出しています。これらの数字は、数ある予備校のなかでもトップクラスです。

河合塾・河合塾マナビスの強みは、あらゆる受験生のニーズに応える多彩なコースを提供している点にあります。河合塾では質の高い対面授業を、河合塾マナビスでは映像授業と個別指導を受けられます。また、難関大学・医学部合格はもちろん、美術系大学や海外大学合格を目指すコースの選択も可能です。

さらに、ホームルーム制度も充実しているため、学習プランを立てたり、学習ペースを管理したりすることに自信がない人も安心して通うことができます。

駿台予備学校

駿台予備学校は、都心部や大都市を中心に32の校舎を構える有名な大手予備校です。2025年度には現役生・浪人生を合わせて1,460人の東京大学合格者、1,388人の京都大学合格者、4,018人の医学部医学科合格者、3,719人の早稲田大学合格者、2,703人の慶應義塾大学合格者を輩出しています。「駿台予備学校は難関大学志望者向け」といわれるだけあって、特に難関国立大学の合格実績は他の予備校の追随を許しません。

駿台予備学校の大きな特徴は、大手予備校にしては珍しく、1クラス8名までの少人数制の双方向授業も行っている点にあります。講師は生徒の反応を確認しながら授業を進めていくため、生徒は授業内容を深く理解できます。
また、クラス担任による手厚いサポートや最先端AIを利用し、効率良く受験勉強に取り組めます。

代々木ゼミナール・代ゼミサテライン予備校

代々木ゼミナールは東京・札幌・新潟・名古屋・大阪・福岡に6つの直営校を、代ゼミサテライン予備校は全国に約550の校舎を構えています。具体的な合格者数は公開していませんが、2024年度には東京大学や京都大学といった難関国立大学や、早稲田大学や慶應義塾大学といった難関私立大学の合格者を多数輩出しています。

代々木ゼミナール・代ゼミサテラインの特筆すべき点は、きめ細やかなサポート体制にあります。大学受験のプロである講師、学習の相談はもちろん、生活に関する相談にも応じるクラス担任、各教科のエキスパートである学習アドバイザー、元代ゼミ生の現役大学生である先輩チューターなど、多くのスタッフが生徒一人ひとりを徹底的にサポートします。そのため、生徒は安心して志望大学合格を目指せます。

中堅・準大手予備校4校の特徴

中堅・準大手予備校は、大手予備校ほどの知名度や実績はないものの、大手予備校よりも比較的リーズナブルに質の高い学習環境を提供していることから、高い注目を集めています。
準大手・中堅予備校の強みは、大手予備校に引けを取らない独自の学習システムや、大手予備校にはない地域密着性にあります。それらの強みを活かし、特定の大学の合格実績において大手予備校以上の成果を上げているところも少なくありません。

志望大学が固まっていたり、地方の大学を受験しようと考えていたり、比較的少人数のクラスで学びながら志望大学合格を目指したいと考えたりしている人は、大手予備校よりも準大手・中堅予備校を選んだ方がよいでしょう。

それでは、以下より、中堅・準大手予備校の代表として、四谷学院、臨海セミナー、早稲田アカデミー、佐鳴予備校について解説します。

四谷学院

四谷学院は、日本全国に31の校舎を構える比較的知名度が高い準大手・中堅予備校です。具体的な人数は明らかにしていませんが、2025年度には理系・文系を問わず、東京大学や京都大学、早稲田大学や慶應義塾大学といった名だたる難関大学の合格者を多数輩出しています。

四谷学院の大きな特徴は、独自の学習システムである「ダブル教育」にあります。科目ごとやレベルごとにクラスを編成する「科目別能力別授業」と、中学1年生レベルから東京大学受験レベルまで55のステップを踏む「55段階個別指導」により、高校生からブランクがある社会人まで、さまざまな生徒の大学受験をサポートします。

臨海セミナー

臨海セミナーは、神奈川を拠点とし、東京・大阪・千葉・埼玉に500以上の教室を構えている準大手・中堅予備校です。2025年度には157人の東京大学合格者、499人の早稲田大学合格者、240人の慶應義塾大学合格者、145人の上智大学合格者、2,761人のMARCH合格者を輩出しており、近年は特に首都圏にある有名私立大学の合格者数を大きく伸ばしています。

臨海セミナーの特筆すべき点は、大学受験にまつわるさまざまなニーズに応えるため、「高3コース」と「個別指導臨海セレクト」の2コースを用意している点にあります。高3コースでは、私立大学受験・国公立大学受験・東大受験といったレベル別の集団授業を実施。個別指導臨海セレクトでは、独自の徹底指導プログラムによって志望大学合格を目指します。

早稲田アカデミー

早稲田アカデミーは、東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城に170以上の校舎を構える準大手・中堅予備校です。2025年度には88人の東京大学現役合格者、154人の医学部医学科現役合格者、185人の早稲田大学現役合格者、147人の慶應義塾大学現役合格者を輩出しており、特に同予備校の東大必勝コース(1組)に在籍した生徒の東京大学進学率は約66.4%に上っています。

早稲田アカデミーの強みは、情熱的な対面ライブ授業と高いサポート力にあります。現役合格にこだわる早稲田アカデミーは、学んだ内容をしっかりと定着させるため、スモールステップの原理に基づく復習型授業を展開。さらに、進路指導や個別面談、進路ガイダンス、保護者会などを定期的に実施し、大学受験に臨む生徒とその保護者を徹底的にサポートします。

佐鳴予備校

佐鳴予備校は、静岡・愛知に約200の校舎を構える地域密着型の準大手・中堅予備校です。2025年度には東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学など、国立・私立ともに多くの難関大学合格者を輩出しています。

注目すべきは東海地区の国公立大学合格者の多さです。なかでも、旧七帝大の一つである名古屋大学に135人の生徒を合格させていることは、特筆に値するでしょう。

佐鳴予備校の何よりの特徴は、教師の質に強くこだわっている点にあります。佐鳴予備校は、毎年数千人の講師志望者のなかから、学力はもちろん、人間性に優れている人や熱意にあふれている人を採用。

採用後は厳しい研修を課し、日本教育士資格の取得を奨励して講師の質を高め続けています。こうして磨き上げられた講師たちが提供する授業が、多くの生徒を志望大学合格に導いているのです。

個別指導塾3校の特徴

個別指導塾はその名のとおり、集団授業ではなく個別指導を受けることで大学合格を目指す塾のことです。講師と生徒が1対1の個別指導塾もあれば、1対2や1対3のところもあります。なかには授業を行なわないとうたう個別指導塾もあり、一口に個別指導塾といっても実にさまざまです。

個別指導塾の大きなメリットは、他の生徒に気兼ねすることなく授業に臨める点にあります。あくまで自分のペースで学習に取り組めるため、授業についていけなくなってしまうことを心配する必要がありません。集団授業に参加する学力が身に付いているか自信がない人や、マイペースで受験勉強を進めたいと考えている人は、個別指導塾を選ぶとよいでしょう。

それでは、以下より、明光義塾、東京個別指導学院・関西個別指導学院、武田塾といった有名な個別指導塾の特徴について解説します。

明光義塾

明光義塾は、全国各地に1700以上の教室を構える大手の個別指導塾です。2025年度には横浜国立大学や近畿大学、首都大学東京、関西学院大学、中央大学、明治大学など、さまざまな国公立大学や私立大学の合格者を輩出しています。

明光義塾の大きな特徴は、英語4技能対策コースを設けるなどし、新大学入試の攻略に力を入れている点にあります。加えて、綿密な学習計画や進捗管理、マンツーマンのきめ細やかな個別指導のほか、受験ノウハウが豊富な講師の授業を受けられる「MEIKO MUSE」という映像学習などにより、さまざまな生徒の大学受験をサポートしています。

東京個別指導学院・関西個別指導学院

東京個別指導学院・関西個別指導学院は、東京・神奈川・埼玉・千葉・京都・大阪・兵庫・愛知・福岡に260以上の教室を構える大手の個別指導塾です。2025年度には、東京大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、早稲田大学、慶應義塾大学などの難関大学をはじめとするさまざまな大学に数多くの合格者を輩出しています。

東京個別指導学院・関西個別指導学院の強みは、教育業界大手のベネッセグループならではの情報力と指導力にあります。膨大なデータに基づいてつくられるオーダーメイドのカリキュラムや、志望大学の入試問題を意識した実戦演習、生徒が自ら選ぶ担当講師による1対1もしくは1対2の個別指導などにより、最短距離で志望大学合格を目指せます。

武田塾

武田塾は、日本全国に400以上の校舎を構える準大手・中堅の個別指導塾です。具体的な合格者数は公開していないものの、2025年度には東京大学、京都大学、大阪大学、一橋大学、早稲田大学、慶應義塾大学など、名だたる大学の合格者を多数輩出しています。

武田塾の何よりの特徴は、授業をしないという点にあります。武田塾は、1冊の参考書を完璧に「できる」ようになることを目指す自主学習こそが最善の方法とし、「授業をしない」「完璧になるまで絶対先に進まない」「参考書を使えば復習が楽になる」「自学自習の徹底管理」といった4つの逆転合格ポイントを守ることで、生徒を志望大学合格に導いています。

総合型選抜・学校推薦型選抜に特化した予備校3選

かつてのAO入試にあたる総合型選抜や、かつての指定校推薦入試や公募推薦入試にあたる学校推薦型選抜に挑戦しようと考えている人には、総合型選抜・学校推薦型選抜に特化した塾・予備校がおすすめです。このような塾・予備校では、志望理由書や小論文の書き方から面接やプレゼンテーションのテクニックまでしっかりと指導してくれます。

大手予備校などでも総合型選抜・学校推薦型選抜の対策講座を提供していますが、総合型選抜・学校推薦型選抜に特化した塾・予備校の合格実績は桁違いです。その秘訣は、総合型選抜・学校推薦型選抜対策に特化しているからこそ蓄えている圧倒的なノウハウと情報量にあります。

総合型選抜・学校推薦型選抜に特化した塾・予備校には、どのような特徴があるのでしょうか。以下より、早稲田塾、栄光ゼミナール大学受験ナビオ、トフルゼミナールといった3つの塾・予備校を挙げ、それぞれの特徴について解説します。

早稲田塾

早稲田塾は、東京・神奈川・千葉に12の校舎を構えています。2025年度には160人の慶應義塾大学合格者、50人の早稲田大学合格者、83人の上智大学合格者、32人の国際基督教大学合格者を輩出しました。総合型選抜・学校推薦型選抜において、これほどの合格実績を誇っている塾・予備校は、早稲田塾をおいてほかにはありません。

早稲田塾の大きな特徴は、独創的で多様なカリキュラムにあります。ディスカッションを通して表現力を育む「総合型・学校推薦型選抜特別指導」、講師による講評に加え、受講生同士の講評と再執筆によって論文執筆の技術を磨く「論文系講座」、一般選抜への備えも万全にする「東進講座」、英語4技能を磨く「英語特訓道場」など、さまざまなカリキュラムによって総合型選抜・学校推薦型選抜を突破する力を養います。

栄光ゼミナール大学受験ナビオ

栄光ゼミナール大学受験ナビオは、東京・埼玉・神奈川・千葉・栃木・宮城に43の教室を構えている塾・予備校です。2025年度にはグループ全体で908人の学校推薦型選抜合格者、635人の総合型選抜合格者を輩出しています。

栄光ゼミナール大学受験ナビオの特筆すべき点は、小論文や面接対策はもちろん、定期テスト対策にも力を入れていることです。総合型選抜・学校推薦型選抜では、従来のAO入試・推薦入試以上に学力が重視されます。そのため、栄光ゼミナール大学受験ナビオは、評定における比重が大きな定期テスト対策に注力し、総合型選抜・学校推薦型選抜の出願資格を獲得するところからサポートしています。また、総合型選抜・学校推薦型選抜に落ちたときのことを想定し、大学入学共通テストや一般入試の対策も実施しています。

トフルゼミナール

トフルゼミナールは、全国各地に22の校舎とオンライン校を構える塾・予備校です。2025年度には54人の早稲田大学国際教養学部合格者、72人の上智大学国際教養学部合格者、87人の国際基督教大学合格者など、多数の大学・学部で総合型選抜・学校推薦型選抜の合格者を輩出しています。

トフルゼミナールの強みは、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、国際基督教大学、国際教養大学、東京外国語大学、東京大学など、あらゆる大学の総合型選抜・学校推薦型選抜対策を用意している点にあります。加えて、トフルゼミナールは英語対策に特化した塾・予備校でもあります。そのため、英語に大きな比重を置いている総合型選抜・学校推薦型選抜を受験しようと考えている人におすすめです。

上位校受験に特化した予備校・学習塾3選

東京大学や京都大学、早稲田大学や慶應義塾大学といった上位校の受験を見据えている人には、上位校の受験ノウハウを十分に蓄え、同じく上位校の受験を目指す生徒だけが多く集まる上位校受験に特化した塾・予備校がおすすめです。

大手予備校をはじめ、上位校の合格実績が豊富な塾・予備校は少なくありません。しかし、上位校受験に特化した塾・予備校の方が上位校合格に注力している分、本気で上位校合格を目指すための環境が整えられています。

ここからは、上位校受験に特化した塾・予備校の代表として、鉄緑会、Z会の教室、研伸館といった3つの塾・予備校を取り上げ、それぞれの特徴について解説します。

鉄緑会

鉄緑会は、東京都渋谷区代々木に校舎を構える上位校受験特化の塾・予備校です。2025年度には540人の東京大学合格者、397人の国公立大学医学部合格者、93人の慶應義塾大学医学部合格者を輩出しています。なかでも、東京大学理科三類の定員に占める鉄緑会生の割合は定員 97 人中43人に上っています。

鉄緑会の大きな特徴は、講師から生徒まで、すべてがトップレベルである点にあります。鉄緑会の講師は、ほぼ全員が東京大学の卒業生や現役生。生徒についても、開成や桜蔭といった中高6年一貫校の東大進学有名校に通う人だけを指定校生徒として受け入れており、ハイレベルな仲間とともに東京大学合格を目指すことができます。

Z会の教室

Z会の教室は、東京・神奈川・埼玉・大阪・兵庫・京都・奈良・静岡・宮城に24の教室を構えた塾・予備校です。2025年度には、76 人の東京大学合格者、65 人の京都大学合格者、45 人の国公立大学医学部医学科合格者、271 人の早稲田大学合格者、174 人の慶應義塾大学合格者を輩出しています。

Z会の教室の何よりの特徴は、難関大学合格に欠かせない記述力・論述力を鍛えられる添削指導にあります。ハイレベルな通信教育を提供しているZ会は、教室においても家庭学習を重視。自立的な学習姿勢が身に付くように促し、自ら思考する力や思考したことを表現する力を養います。

研伸館

研伸館は、兵庫・大阪・京都・奈良に8つの校舎を構える上位校受験に特化した塾・予備校です。2025年度には51人の東京大学合格者、76人の京都大学合格者、151人の大阪大学合格者と神戸大学合格者を輩出しており、特に関西にある難関国立大学の受験に関しては、高い実績を誇っています。

研伸館の強みは、わかりやすい授業ときめ細やかなサポートにあります。その授業では、核となる理論や考え方をとことんかみ砕いて解説し、大学受験本番においてどのような問題が出題されても正解を導き出す真の合格力を養います。また、講師と進学アドバイザーが一丸となって行なうカウンセリングや、出席できなかった授業を映像で視聴できるVOD授業システムなどもあり、生徒は難関大学合格までの道のりをしっかりとサポートしてもらえます。

通学が不要なオンライン予備校3選

最寄りに予備校がない場合や、自宅で勉強したいという場合は、オンラインで授業が受けられる予備校がおすすめです。次に、おすすめのオンライン予備校について解説します。

大手・中堅予備校のオンライン授業

代ゼミ、東進、駿台、四谷学院など、大手や中堅の予備校ではオンライン授業を提供しています。指導方法は、講義の様子を中継するライブ授業、講義の録画を見ながら自主学習する映像授業、マンツーマンの個別指導です。

代々木ゼミナールのオンラインコースは、通学型と同じ時間割で受けるライブ授業が中心です。東進衛星予備校の場合、映像授業で学ぶ在宅受講コースを提供しています。

指導方法は異なりますが、大手予備校の高品質な講義を自宅で受けられるのは大きなメリットといえるでしょう。

個別指導を希望する場合、四谷学院や明光義塾、後述するトライなどで受講できます。対話型のオンライン授業のため、わからないことをその場で聞けるのは個別指導の魅力です。

キミノスクール

キミノスクールは、短期間で成績を上げたい人におすすめのオンライン予備校です。

難関大学出身の講師が、完全マンツーマンによる個別指導を実施します。生徒ごとの学力や志望校に応じた学習計画を提案するため、勉強の習慣がない人でも安心して学習を進められるでしょう。授業がない日も、専用アプリ「キミクロ」を通じて講師に質問できるため、疑問をすぐに解消できる学習環境が整っています。

また、一般選抜だけでなく、総合型選抜や学校推薦型選抜にも対応が可能です。全科目が定額で個別指導の受け放題となっており、追加料金なしで必要な科目を自由に選んで学べます。

費用を気にせずに勉強に打ち込めるのは、キミノスクールならではの魅力といえるでしょう。

トライのオンライン個別指導塾

トライのオンライン個別指導塾は、完全マンツーマンで指導するのが特徴です。

生徒一人ひとりの学力や目標に合わせた、完全オーダーメイドのカリキュラムで勉強を進めます。授業は双方向で実施するため、わからない問題もその場で質問することが可能です。大学受験に精通した講師陣が志望校の出題傾向を踏まえた指導をするため、難関大学や医学部も目指せます。

また、教育プランナーが担任になり、学習計画の立案や進路相談など、教師とは別の視点から生徒を総合的にサポートします。LINE窓口を設置しており、気軽に相談できることもトライの魅力です。

AI学習診断や学習管理システム「DAILY TRY」を活用し、学習進捗を効率的に管理することが可能です。また、「トライ式AI教材」により、授業がない日でも自宅学習をスムーズに進められます。

医学部受験に特化した予備校3選

医学部を受験すると決めている人には、医学部受験を突破するための高い学力はもちろん、志望理由書や小論文の書き方から面接のテクニックまでをしっかりと身に付けられる医学部受験に特化した塾・予備校がおすすめです。

大手予備校をはじめとする一般的な塾・予備校でも医学部合格を目指すことは可能ですが、医学部受験に特化した塾・予備校の方が医学部受験のノウハウや情報をより多く蓄えているため、脇目を振らずに最短距離で医学部合格を目指せます。

それでは、以下より、メディカルラボ、野田クルゼ、TOMASといった3つの医学部受験に特化した塾・予備校の特徴について解説します。

メディカルラボ

メディカルラボは、日本全国に26の校舎を構える医学部受験に特化した塾・予備校です。2024年度には223人の国公立大学医学部合格者、1,003人の私立大学医学部合格者、13人の国公立大学歯学部合格者、163人の私立大学歯学部合格者を輩出しています。

メディカルラボの特徴は、「6つの合格メソッド」にあります。完全個別主義という考え方のもとに編まれる「個別カリキュラム」、わかったつもりやわかったふりを見逃さない「1対1の個別授業」、生徒一人にプロ講師7人+担任の手厚いチーム体制、合格最低点を取ることを目指すなどの「戦略的対策」、全国各地の医学部の「情報収集・分析力」、個別担任や現役医大生による「学びのサポート」により、医学部合格に導きます。

野田クルゼ

野田クルゼは、東京都千代田区神田駿河台のビルディング内に、本校(高卒生対象)と現役校(高校生対象)の2校舎を構える医学部受験専用の塾・予備校です。2025年度には174人の医学部1次試験合格者、102人の医学部2次試験合格者を輩出しています。

野田クルゼの強みは、高校3年生や高卒生はもちろん、高校1年生からでも本格的な医学部対策をできる点にあります。野田クルゼは医学部専門予備校にしては珍しく、高校1年生だけの集団授業を用意。事前の予習を必要としない少人数制の復習型授業や苦手分野を克服できる個別特訓、医学部特化判定のクルゼ模試などにより、多くの生徒の学校生活と医学部受験の両立を支えています。

TOMAS

TOMASは、東京・神奈川・埼玉・千葉に100以上の校舎を構え、医学部受験に特化したコースを設けている塾・予備校です。2025年度には京都大学や東京医科歯科大学をはじめとするさまざまな大学の医学部合格者を249人輩出しています。

TOMASの大きな特徴は、安心して医学部受験に臨める環境が整えられている点にあります。数ある個別指導塾のなかでも、医学部を含む多くの難関大学合格者を輩出してきたTOMASは、医学部合格実績を持つプロ講師による1対1の個別指導を提供しています。

特に、「メディックTOMAS」という本格的な医学部受験専門個別指導コースを提供している校舎は、現役の難関医大生による指導を受けられるオープンスペースや自習室を設け、万全の体制で医学部受験をサポートしています。

美術系の大学受験に特化した予備校3選

美術大学や芸術学部の受験に特化し、有名大学の合格実績がある美術系予備校について解説します。

すいどーばた美術学院

すいどーばた美術学院は、日本画と彫刻に強みを持つ美術系予備校です。

東京藝術大学美術学部の全科に対応した専門コースを設置し、私立美大や地方公立美術大学の受験にも幅広く対応しています。さらに、イギリスやアメリカなど、海外にある美術大学の受験対策も可能です。

高校1・2年生向けの基礎科では、デッサンなどの基礎力と発想力を養いながら、将来の進路選択をサポートしています。また、通学が難しい生徒のために通信教育課程を設けており、地方在住者や社会人でも自宅で実技指導を受けられます。

通信ではなく対面で指導を受けたい方は、学院指定の学生寮を利用することも可能です。

ena新美(新宿美術学院)

ena新美(新宿美術学院)は、創立以来、東京藝術大学に1,947人もの合格者を輩出しており、現役合格者数でも全国トップクラスの実績を誇る予備校です。

油絵、日本画、彫刻、デザイン・工芸、映像、建築、先端芸術表現、芸術学など多様な学科・コースを設置しています。少人数制のクラス編成と個別面談を重視し、生徒一人ひとりの個性や進度に合わせたきめ細やかな指導を実施しています。

無料体験や1日体験講習を実施しているため、美術を目指す方は気軽に参加してみるとよいでしょう。

湘南美術学院

湘南美術学院は、1971年に創立された歴史ある美術系予備校です。東京藝術大学や多摩美術大学、武蔵野美術大学など、有名な美術大学で高い合格実績を誇ります。

油画、日本画、彫刻、工芸、デザイン、建築、先端芸術表現などの専攻があり、名門大学の卒業生が専門的な指導を行なっています。 通信教育科を設けており、地方在住者や通学が難しい生徒もオンラインで実技指導を受けることが可能です。

浪人生に最適なコーチング塾3選

コーチング塾とは、勉強方法だけでなく、学習計画の立案や進捗管理もサポートする塾のことです。パフォーマンスを向上させるコーチングを導入することで、志望校の合格に向けた学習内容が明確になります。

勉強しているのに成果が出ない、勉強のやり方がわからないという方は、コーチング塾が向いています。特に、合格へのプレッシャーがかかる浪人生は、学習計画を立て、進捗を管理してくれるコーチング塾がおすすめです。

次に、浪人生におすすめしたい、コーチング塾を3つご紹介します。

STRUX

STRUXは、大学受験を目指す高校生を対象に、学習計画の立案や進捗管理を専門とするオンラインコーチング塾です。

現状の学力を徹底的に分析することで、各科目ですべきこと、求められる能力との差が明確になります。これにより、志望校の合格に向けて必要な対策を、具体的な対策に落とし込めるのです。

さらに、生徒一人ひとりの学力や志望校に応じて、専属のコーチが学習計画を作成し、日々の学習管理と進捗確認を実施します。詳細な週間計画を立てるため、生徒は目の前の勉強に集中して取り組むことが可能です。

オンラインでの週1回の面談では、学習の進捗や課題を共有し、必要に応じて学習計画の修正を行ないます。自主学習の内容や時間まで含めた学習方法の指導は、STRUXならではの特徴です。

対面の個別指導のほかに、オンラインでも受講できるため、気軽にはじめやすいこともSTRUXのメリットといえるでしょう。

現論会

現論会は、国公立・私立の難関大学の受験を専門とするコーチング塾です。現論会の特徴は、東大や京大などの難関大学に合格した現役大学生や大学院生が、コーチとして指導を行なうことです。

全科目でコーチングを行ない、得意科目と苦手科目のバランスを考慮しながら、合格点の最大化を目指します。各科目のレベルを把握したうえで、入試までの時間を逆算し、目標を踏まえた実践的な合格戦略を立案します。どの時期に何の科目に取り組むかが明確になるため、計画倒れすることなく勉強に打ち込むことが可能です。

1週間ごとの計画を立て、PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)を回しながら勉強の効率化を図ることも現論会の特徴です。また、現論会では健康的な生活も重視するため、勉強以外の食事や睡眠、部活などを含めて勉強日誌を作成します。

徹底した効率化により、限られた時間で最大の結果を得ることが現論会の魅力です。

アガルート学習コーチング

アガルート学習コーチングは、90日間で一定の成果を出すことを目標とするコーチング塾です。

事前に学習性格診断を実施し、生徒一人ひとりの性格や内面を分析し、自分の弱点を見つめ直します。成績が上がらない原因を把握でき、目指すべき方向や行動が明確になります。

カリキュラムだけでなく、指導方法もオーダーメイドにすることがアガルート学習コーチングの特徴です。コーチングによって能動的に行動できるようになり、塾にいるときだけでなく、自宅でも自主的に学習を進められるようになります。

勉強しているのに成績が上がらない、自分に合った勉強方法がわからない人は、アガルート学習コーチングが向いているでしょう。

予備校・学習塾を選ぶポイント

自分に合った予備校や学習塾を選ぶには、以下のポイントを考慮しましょう。

指導方法が自分に合っているか

予備校の指導方法は、集団授業、個別指導、映像授業、オンライン授業に分類されます。

大手予備校は集団授業が基本で、著名な講師の講義を受けることが可能です。予備校ごとに入試のノウハウを持っており、志望校の合格に必要なレベルの学力まで引き上げてくれます。

個別指導の予備校や塾は、個々のレベルや目的に合わせたカリキュラムを作成します。講師と近い距離で指導を受けられるため、理解度を把握しつつ自分のペースで授業を受けることが可能です。

一方、映像授業やオンライン授業は、自宅にいながら本格的な指導を受けられます。

指導方法ごとに特徴が異なるため、人によっては向き不向きがあります。予備校や塾を選ぶときは、目的や自分の性格に合った方法を選びましょう。

指導方法の選び方について、以下の関連記事で詳しく解説しています。

志望校に合ったカリキュラムがあるか

大手予備校の場合、集団授業の形式で講義を進めます。そのため、教材や授業進度などのカリキュラムの内容は、レベルやコースに応じて一律に設定されています。大手予備校の入学を検討する際は、志望校に合うカリキュラムが用意されているか確認が必要です。

また、苦手科目の克服や基礎を固めたい方、自分のペースで勉強を進めたい方には、集団指導の予備校はあまり向いていません。個別対応のカリキュラムを提供し、少人数制できめ細かい指導が受けられる個別指導塾やコーチング塾が適しているでしょう。

自宅や学校からのアクセスが良いか

予備校の校舎に通う場合、アクセスの良さも考慮することが大切です。自宅や学校から予備校が遠い場合、通い続けるのが面倒になる可能性があります。

特に、現役高校生の場合、夕方から夜にかけて予備校で勉強します。帰宅時間が遅くならないよう、自宅から30分以内で通えるか、保護者の送迎がしやすい予備校を選びましょう。

まとめ

予備校や塾にはさまざまなタイプがあり、自分に合った環境で学ぶことが大切です。有名講師の講義を受けたい場合は大手予備校、苦手科目の克服や自分のペースを大事にしたい場合は個別指導など、目的に合った予備校を選びましょう。