成蹊大学は、成城大学・明治学院大学と並び「成成明学」と称されています。GMARCHと日東駒専の中間くらいに位置する、標準~難関レベルの私大です。
学部は経済・経営・法・文・理工の5学部で、成成明学の中で唯一理系学部があります。キャンパス内のケヤキ並木はドラマや映画のロケ地としても有名で、この景観に惹かれて成蹊大学を選んだ学生も少なくありません。
同レベルの大学の中でも成蹊大学は人気が高いため、狙っている受験生はしっかりと対策をする必要があります。この記事では、入試の仕組みから偏差値、出題傾向、おすすめ塾・予備校まで、成蹊大学の対策法をお伝えします。
成蹊大学の入試の仕組みや難易度は?
まずは入試方式や難易度など、成蹊大学の入試の基本情報を見ていきましょう。
成蹊大学の入試の仕組みとは?
成蹊大学では多くの人が受験しやすいよう、さまざまな入試方式を用意しています。一般選抜を大きく分けると「独自入試」「共通テスト利用入試」「共通テスト・独自併用入試」の3種類があり、それぞれがさらに細かく分かれています。
独自入試は、成蹊大学の入試問題によって合否が決まる方式です。「3教科型学部個別入試(A方式)」「2教科型全学部統一入試(E方式)」は全学部に対応しており、「2教科型グローバル教育プログラム統一入試(G方式)」は理工学部以外の4学部に対応しています。
共通テスト利用入試は、共通テストのみで合否が決まります。全学部で実施されるのは「3教科型入試(C方式)」です。
共通テスト・独自併用入試は、共通テスト5科目と独自試験(E方式と共通)1科目の得点を加算し、合否が決まる方式です。「5科目型国公立併願アシスト入試(P方式)」の1種のみで、理工学部以外の4学部に対応しています。共通テスト受験後に出願可能で、国公立大学と併願したい人におすすめの方式です。
また、E・G・P方式の3つは、東京の本部以外に全国5会場で受験できます。成蹊大学は国公立大学志望者や地方の受験生などに幅広く門戸を開いており、他校との併願でもおすすめの大学です。
成蹊大学では一般選抜の他に、総合型選抜(AOマルデス入試)や学校推薦型選抜など、さまざまな入試を行っています。成蹊大学が第一志望の人はこれらにチャレンジしてみてもよいでしょう。
成蹊大学の偏差値・難易度はどれくらい?
大手予備校である東進のデータを参照すると、成蹊大学の偏差値は60~63程度となっています。学部ごとの差はほとんどなく粒ぞろいで、全体的にレベルが高い大学と言えるでしょう。
また、成蹊大学が公表しているデータで倍率を調べてみると、学科や方式による差が大きいことが分かります。全体的に、2~3教科で受験できるA・E・G方式、共通テストのみのC方式は人気で、倍率も高くなります。
一方で、国公立大学志望者向けのP方式はぐっと倍率が下がる傾向にあります。2023年のデータだと、法学部や文学部のP方式は、1.1~1.2倍という低倍率でした。国公立大学と併願する人にとって、成蹊大学は穴場の大学と言えます。
成蹊大学の出題傾向と必要な対策は?
ここでは、成蹊大学の全学部統一入試(E方式)の出題傾向と、それに合わせた対策法をお伝えします。
英語は速読力・基礎力がカギに
E方式の英語は90分で、全問マーク式です。年度によってやや差がありますが、2023年度は以下のような問題構成でした。
大問1:空欄補充(長文読解)
大問2:空欄補充(会話文)
大問3・4・5:長文読解
大問1・2は空欄補充の形式ですが、文章量は多く、長文読解と同程度のボリュームがあります。さらに大問3・4・5では、内容理解などを問われる長文読解が3問連続しています。全体的に速読力が必要と言えるでしょう。早いうちから過去問に取り組み、時間配分に注意して慣れておいてください。
速く読むだけでなく、熟語や文法をとらえ、1文ごとの内容を正確に理解して正しい選択肢を選ぶ必要があります。しかし出題のレベルは標準的です。そのため、教科書レベルの基本的な知識を押さえておけば、十分得点できるでしょう。共通テスト~入試標準レベルの文法、語法、単語、熟語をしっかり定着させてください。
国語はやや癖のある出題に慣れておこう
E方式の国語は75分で、全問マーク式です。出題範囲は現代文のみですが、年度によって出題形式がやや異なります。
2023年度は大問1・2が評論文、大問3が小説(近代)となっていました。しかし2022年度の大問3は、「明治時代の新聞の社説が提示され、データを処理する」という一癖ある問題でした。また、文学史が出題される年もあるようです。どんな問題が出されても動揺しないよう、過去問を5年分ほど解いておきましょう。
解答時間のわりに文章量・問題量が多いため、素早く情報をとらえて解答しなければなりません。これも時間を計りながら過去問や問題集を解き、慣れておきましょう。
漢字やことわざ・慣用句、対義語・同義語などの国語常識問題も、読解の中で出題されます。また成蹊大学の国語では全体的に、高い語彙力が求められます。授業や演習の中、テレビを観ている時や街中などで分からない言葉が出てきたら、興味を持って調べるようにしましょう。
数学は標準レベルでマーク・記述式が混在
E方式の数学は75分で、出題範囲は数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列、ベクトル)です。大問1・2が小問集合でマーク式、大問3が記述式となっています。大問3では「図形と方程式」「微分積分」などの単元が頻出です。
難易度は教科書レベルのため、記述式だからといって尻込みする必要はありません。標準レベルの問題集で全問正解できるようにしましょう。またマーク式解答については、共通テストの過去問や問題集で対策できます。
成蹊大学を目指す受験生におすすめの塾・予備校3選
ここでは成蹊大学に強い予備校を3校厳選しました。ぜひ塾・予備校選びの参考にしてください。
東進ハイスクール・東進衛星予備校
東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)は日本一の現役合格実績を持つ予備校です。東大・京大をはじめ、GMARCHや全国の国公立大学など幅広い大学に強く、2023年には成蹊大学に725人が合格しています(現役生のみ、講習生含まず)。
東進では映像授業を中心にさまざまな講座を組み合わせ、一人ひとりにぴったりの志望校対策が可能です。「志望校別単元ジャンル演習講座」ではAIを活用し、最適な演習問題セットを作成してくれます。「過去問演習講座」は受験のプロによる採点や添削、解説授業が受けられる講座です。成蹊大学は採点のみですが、経済・経営・法・文学部に対応しています。
また、東進は模試のクオリティーが高く、試験後のサポートも手厚いためおすすめです。成蹊大学志望の人は「全国有名国公私大模試」を積極的に受験しましょう。
河合塾
河合塾は全国トップレベルの実績を持つ大手予備校です。2023年度は1479人を成蹊大学合格に導くなど、桁違いの合格実績を挙げています(河合塾グループ関連法人の在籍者および講習受講生の集計)。
現役生向けの「高校グリーンコース」では、学力や志望校に合わせた「レベル講座」や、特定のテーマや分野を選んで学べる「セレクト講座」などの講座を自在に組み合わせ、自分にぴったりのカリキュラムを組むことができます。
さらに、毎年の入試問題を分析して進化するテキストや、丁寧な採点・添削なども河合塾の特徴です。苦手分野を克服し、得意分野をさらに伸ばせる仕組みがあるため、着実に学力が身に付きます。
駿台予備学校
駿台予備学校(以下、駿台)は、オリジナルテキストや講師の質の高さに定評のある予備校です。毎年難関大学に多くの合格者を出しており、2023年度は成蹊大学に311人が合格しました(駿台グループ関連法人の在籍者および講習受講生の集計)。
駿台の受講スタイルは、通学型とオンライン型の2種類に分かれています。通学型は対面で集団授業を受け、周りの受験生たちと切磋琢磨できる環境です。オンライン型は映像講座を見て学習するスタイルです。駿台は校舎が少ないことが難点ですが、オンライン型なら全国どこからでも学習できます。
駿台の講座は「選抜・難関・標準・基礎」の4つのレベルに分かれており、成蹊大学志望なら基礎~標準レベルがおすすめです。分からないことは講師に気軽に質問でき、苦手分野はAI教材「atama+」でカバーできるなど、きめ細かなサポートを受けながら成蹊大学合格を目指せます。