横浜国立大学におすすめの塾・予備校は?難易度や出題傾向、対策方法についても解説

横浜国立大学(横国)は、1876年に創立された横浜師範学校などを前身とする歴史ある大学です。学部は全部で5つと少なく、学生数(学部生)も約7000人とさほど多くありません。

しかし、横浜国立大学には中規模大学ならではの柔軟性と機動力という魅力があります。内容の濃い実践的な学習ができるとあって、受験生からの人気も高い難関国立大です。

横浜国立大学に合格するためには、受験する学部や学科の出題傾向を調べ、適切な対策を講じる必要があります。塾や予備校を選ぶ際も、比較すべきポイントを押さえておくと役に立つでしょう。

この記事では、横浜国立大学の入試の概要や難易度、出題傾向、対策のコツなどについて解説します。おすすめの塾・予備校も紹介していますので、横浜国立大学志望の方はぜひ参考にしてください。

横浜国立大学の入試制度や難易度を確認

まずは横国入試の基本情報を知っておきましょう。やや特殊な点もあるので、必ずチェックしておいてください。

横浜国立大学の入試制度

横浜国立大学の入試制度について紹介します。

横国の一般選抜では「自己推薦書・調査書」が必須!

横国の一般選抜で特徴的なのは、出願時に「自己推薦書」と「調査書」の提出が必須なことです。

  • 自己推薦書
    志望学部・学科のアドミッション・ポリシーを踏まえた大学入学後の目標と、その目標を達成するために努力したいことを、300字以上400字以内(教育学部志望者は700字以上800字以内)で記入して提出。学びに対する姿勢と学習意欲を確認する。
  • 調査書等
    卒業見込みの(卒業した)高等学校などの学校長が作成し、厳封した調査書を提出する。

これらの書類は推薦入試などで求められることが多いものですが、横国では一般選抜でも提出しなければなりません。

作成に慣れていない人も多いと思いますので、学校の先生や予備校の講師・チューターなどに指導してもらいながら準備することをおすすめします。

横国は共通テストの配点が高め

横国の学部は教育学部・経済学部・経営学部・理工学部・都市科学部の5つです。他大学と比べて学部が限られるので、まず横国に学びたい学部があるかどうかを確認しましょう。

横国では大学入学共通テストの受験が必須となり、その後、前期日程と後期日程にて個別試験が実施されます。「2025年度入学者選抜要項」に掲載されている学部ごとの配点(前期日程)は以下のとおりです。全体的に共通テストの配点が高めなので、慎重に対策してください。

  • 教育学部
共通テスト1000点
個別試験(面接・小論文または実技)400点(面接200点・小論文または実技200点)
合計1400点
  • 経済学部
共通テスト1000点
個別学力試験800点

※共通テストの合計点と個別学力試験の合計点をそれぞれ偏差値に換算し、1対1の比率で合計。なお、共通テストの偏差値は、個別学力試験の受験者全体のものが利用される。

  • 経営学部
共通テスト900点
個別学力試験450点

※共通テストの合計点と個別学力試験の合計点をそれぞれ偏差値に換算し、2対1の比率で合計。共通テストの偏差値は、個別学力試験の受験者全体のものが利用される。

  • 理工学部・都市科学部(建築学科・都市基盤学科)
共通テスト1000点
個別学力試験1200点
合計2200点
  • 都市科学部(都市社会共生学科)
共通テスト900点
個別試験(小論文)500点
合計1400点
  • 都市科学部(環境リスク共生学科)
共通テスト1450点
個別試験(小論文)750点
合計2200点

一部学部では英語で独自の点数換算があるなど、注意が必要な点もあるので、募集要項をよく確認してください。

なお、2025年度は、教育学部では後期日程の募集がありませんでした。また、前期日程とは配点などが異なる学部もあるので、気を付けましょう。

横浜国立大学の偏差値・難易度

横浜国立大学は人気国立大だけあって難易度は高めです。東進のデータによると、横浜国立大学全体では偏差値59~67となっています。教育学部のみやや低めで偏差値59~63、ほかの学部が偏差値64~67という形です。

2025年度の各学部の平均倍率は、教育学部が2.4倍、経済学部が4.4倍、経営学部が3.7倍、理工学部が3.0倍、都市科学部が4.6倍でした。

また横国では、共通テスト得点率も重要となります。70%でも足りない学部も多いので、最低でも75%以上を目指したいところです。後期日程はさらに難易度が上がり、共通テスト得点率が80%近く必要になる学部もあります。

なお、横国では総合型選抜や学校推薦型選抜などさまざまな方法の入試も行なっています。利用できる方法は学部によって異なるので、募集要項をチェックしてみてください。

横浜国立大学の出題傾向と必要な対策

先ほどお伝えしたように、横国では共通テストの得点も重要です。個別試験対策はもちろん、共通テスト対策もしっかりと行ないましょう。

個別試験に関しても基礎力が重視されます。少しのケアレスミスが命取りになってしまう可能性もあるので、油断せず基礎レベルの内容を復習しましょう。

英語は和訳と自由英作文のトレーニングを

英語は大問4つが出題され、内訳は長文2題・会話文1題・自由英作文1題です。長文の難易度は高めで、特に和訳に重点が置かれます。文章を正確に和訳できるよう、演習を積み重ねてください。

自由英作文は、近年はメールに返信する内容を考えて、75~100語で記述するものが出題されています。「内容を早めに決定して簡潔にまとめる」「文章を論理的な順番に並べる」「75~100語に収める」といった練習が必要です。

問題自体の難易度は易しめですが、時間配分がカギになるので過去問で慣れておきましょう。

文系数学は記述力、理系数学は応用力を付けよう

文系数学の難易度は標準レベルで、共通テストレベルが身に付いていれば問題ありません。ただし、設問の多くが記述式なので、記述式の解答に慣れておく必要があります。また、微分・積分は頻出なので重点的に演習しておきましょう。

理系数学は標準~やや応用レベルで、計算量も多いので時間配分がものを言います。計算を効率化するなど、問題ごとに柔軟に対応する必要があるでしょう。

微分・積分、ベクトル、確率が頻出で、各単元を融合したやや特殊な問題も出されます。そのため、過去問はもちろん、応用レベルの問題集も活用してください。

理科は科目ごとの対策方法を押さえておこう

横浜国立大学の入試の理科には、「物理」「化学」「生物」「地学」の4科目があります。学部や学科によって選べる科目は異なりますが、試験では2科目を150分の制限時間で受けることになります。

1科目当たり75分と短い時間で解答する必要があるので、それぞれの科目の傾向と対策をつかんでおくことが大切です。

ここでは、横浜国立大学の理科における各科目の傾向と対策について解説します。

物理

横浜国立大学の物理は計算問題が中心で、問題の量が多いので早く正確に解くことが求められます。標準レベルの穴埋め式の問題で、結論まで丁寧に誘導してくれることが特徴です。

基本的な知識で解ける問題が多いので、基礎をしっかりと固めて計算速度を早くすることが肝要です。おもに大問3つで構成されており、力学と電磁気の分野から多く出題される傾向があります。

教科書で紹介されている物理現象を一とおり押さえ、問題集や過去問で基礎知識を確実に身に付けるとよいでしょう。

化学

化学も標準レベルの知識を問う出題が多い傾向です。正誤問題や空所補充問題、計算問題などのバリエーションがあります。計算問題では小数点以下の計算などでミスを誘ってくるので、焦らず丁寧に回答する姿勢が肝要です。

穴埋め式の問題だけではなく、化学式を書く記述式の問題も出題されます。また、計算問題では途中式を書く癖をつけて計算ミスを防ぐのがおすすめです。難易度はそれほど高くないので、教科書で学べる知識はしっかりと身に付けておきましょう。

生物

生物は教科書問題が多く、基礎的な知識では周囲と差を付けにくいのが特徴です。5~6題ほど出される論述問題でしっかりと点が取れるように対策しておきましょう。

論述問題の対策ポイントは、簡潔かつ論理的な文章を心がけることです。設定されている文字数に応じてわかりやすく回答できるよう、過去問の演習を重ねて論述に慣れることが大切です。

論述の練習をしたときは、第三者に添削してもらうことで自分の強みや弱みを把握しやすくなります。

地学

地学では選択や記述、計算、描図といったバリエーションの問題が出されます。いずれも教科書レベルの問題が多いので、基礎固めが重要です。教科書の内容をよく読み込み、基本の問題を取りこぼさないように対策しておきましょう。

地学でも論述問題が出題される傾向があるので、こちらも対策しておく必要があります。

横浜国立大学対策で塾・予備校に通うメリット

受験生は塾や予備校に通うことで、モチベーションの維持や最新データの活用といったメリットを得られます。ここからは、横浜国立大学の合格を目指す生徒が塾・予備校に通う4つのメリットを紹介します。

モチベーションを保てる

塾や予備校に通うと、大学合格に向けて努力する仲間たちと一緒に勉強することになります。自室にこもって勉強していると気持ちが下がることもありますが、同じ大学を目指す生徒と教室で切磋琢磨することで、受験のモチベーションを保ちやすくなるでしょう。

また、模試の結果などから塾や全国での自分の位置づけがわかることも良い刺激になります。

受験データを活用できる

大手の塾や予備校では、受験に関する膨大なデータを収集しています。各大学の入試の特徴や出題傾向なども綿密に分析しているので、志望校に合わせた入試対策が可能です。

横浜国立大学などの国公立大学では、二次試験の成績が合否を左右します。大学ごとに二次試験の対策方法は変わってくるので、リソースの豊富な大手の塾や予備校を利用するのがおすすめです。

効率的に成績を伸ばせる

塾や予備校では優秀な講師陣の指導を受けられるので、効率的に成績を伸ばすことが可能です。受験に必要な知識を優先的に教えてもらえることで、最短距離での志望校合格を実現しやすくなります。

自分一人では難しい苦手分野の把握や克服も、受験のプロが手伝ってくれるので心強いでしょう。

また、用意されたカリキュラムに沿って効率的に学習を進められることも塾や予備校の魅力です。自宅で勉強する際も、カリキュラムがあるので学習すべき内容に迷うことがありません。

勉強に集中できる

塾や予備校には自習スペースなどの設備があり、集中して勉強に取り組めます。「自分の部屋は誘惑が多くて集中できない」と感じている方にとって、静かな自習スペースは強力な味方になってくれるでしょう。

また、塾や予備校は授業の時間が決まっており、宿題などもあるので学習習慣が身に付きやすいのもメリットです。継続的に勉強できるようになることで、合格に向けて着実に学力を高めていけます。

横浜国立大学合格に向けた塾・予備校の選び方

塾や予備校には幅広い選択肢があるため、自分に合った指導・環境を提供しているところを選ぶことが重要です。ここでは、横浜国立大学の入試を受けるときの、塾や予備校を選ぶ3つのポイントを紹介します。

自分に合った形態を見極める

塾・予備校の指導形態は「集団指導」「個別指導」「オンライン」の3つに大別できます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分が塾や予備校に求めるポイントと比較し、ニーズに合ったタイプを選ぶとよいでしょう。

集団指導のメリットは、多くの生徒と同時に授業を受けるのでモチベーションを維持しやすいことです。ただし、一律で授業を進めることから、学習効率が悪い点には注意が必要です。

個別指導は料金が高いものの、自分専用のカリキュラムで効率的に学習を進められます。最短距離での志望校合格を目指す場合は、個別指導が有力な候補となるでしょう。

オンライン指導は教室までの移動などに時間がかからず、ほかのタイプに比べて料金も安いのが魅力です。ただし、一人で学習を進めるので、モチベーションの維持が難しいでしょう。

学力を効率的に高めたいなら個別指導、周囲と切磋琢磨したいなら集団指導といったように、塾や予備校選びでは自分に合った形態を見極めることが大切です。

講師の質を比較する

塾や予備校の講師には、社会人のプロ講師や学生アルバイトなどの種類があります。プロの講師は料金が高いものの、受験対策の専門家として有意義な学習法を指導してくれるでしょう。学生アルバイトの場合、志望校の話題でモチベーションが上がる可能性があります。しかし、プロ講師に比べて受験の知識や指導技術に乏しいのが難点です。

塾や予備校選びに迷ったときは、横浜国立大学の合格実績から講師の質を見極めるのもおすすめの方法です。

横浜国立大学に特化しているか確かめる

横浜国立大学に特化した対策を提供している塾・予備校であれば、受験までの限られた時間を有効に活用できます。なかでも、生徒一人ひとりの性格や学習スタイルに合わせて指導してくれる塾を選ぶのがおすすめです。

受験勉強に使える時間には制約があるからこそ、効率を重視して塾や予備校を選べるかどうかが大切なポイントとなります。

横浜国立大学を目指す受験生におすすめの塾・予備校を5つ紹介

続いて横国を目指す人におすすめの塾・予備校を5つご紹介します。それぞれの特徴を比較検討し、自分に合う塾や予備校を見つけてください。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

東進は、毎年合格実績を伸ばしている注目の予備校です。2025年度は354人が横国に合格しています(現役生のみ、講習生は含まず)。その特徴は、多角的なサポートで学力を伸ばしていける点です。

「志望校別単元ジャンル演習講座」では、AIを活用し、受験生一人ひとりに合わせて最適な演習ができる「必勝必達セット」を提案してくれます。学部を問わず共通テストでの高得点が求められる横国の受験対策には、ぴったりの講座です。

また、効率良く二次試験対策ができる「過去問演習講座」も必見。過去問演習講座は全767大学が対象で、横浜国立大学に合わせた試験対策が実現します。

プロによる過去問の採点・添削・解説授業が受けられ、小論文対策も可能です。横国なら、経済学部・経営学部・理工学部・都市科学部の4学部に対応しています。

定期的に開催されている、さまざまな模試も要チェック。横国レベルに対応しているのは「早慶上理・難関国公立大模試」で、年5回実施されます。何度も受けて、横国の受験対策を万全にしましょう。

河合塾

予備校業界大手の河合塾は、2024年度に460人の横国合格者を輩出しています(河合塾グループ関連法人の在籍者および講習受講生の集計、現役・浪人の両者含む)。河合塾の講座は、基礎から発展まで豊富なレベルから選べるのが特徴。英語や文系数学を受ける人は基礎をしっかり固め、理系数学の場合は発展レベルの講座まで取っておきましょう。

もちろん、共通テスト対策も充実しています。特に「共通テスト対策英語」ではリスニング対策も可能なので、リスニングが苦手な人は必見です。

そのほか、夏期講習・冬期講習には「横国大英語」があり、横国の英語を集中的にカバーできます。自由英作文にも対応しているため、講師に添削してもらいながら進めましょう。

早稲田塾

早稲田塾は、総合型選抜や学校推薦型選抜対策に特化した塾です。出願書類の作成や、面接・小論文対策の講座が充実しています。横国志望者なら、小論文や面接、さらには横国の出願時に必要となる「自己推薦書」の対策ができます。

2025年度は総合型選抜および学校推薦型選抜で、横国を含む国公立大学に57人が現役合格。その他難関大にも数百人の合格者を輩出していることから、実績は確かなものだといえます。

専門講師からの講評などをもらえる「論文作法(さっぽう)」や、「国公立・早稲田小論文」といった講座で小論文対策をしましょう。また、早稲田塾生になると東進の講座も受けられるので、ほかの予備校に通うことなく共通テスト対策も可能です。

四谷学院

四谷学院の特徴は「科目別能力別授業」と「段階個別指導」のダブル教育です。集団指導で基礎的な学力を高めつつ、個別指導で実践力を鍛えられる体制で、横浜国立大学の入試に向けて実力を伸ばしてくれます。

科目別能力別授業では科目および能力でクラスを分けるため、すべての科目で自分の実力に合った授業を受けられます。苦手科目で基礎を固めながら、得意科目の成績を向上させることができるのです。

段階個別指導では、55段階のレベルで構成されるマンツーマンの指導で実践的な解答力を鍛えます。

四谷学院のダブル教育を利用すれば、丁寧に問題を解く力を伸ばし、横浜国立大学合格へ向けて着実に前進できるはずです。

代々木ゼミナール

三大予備校の一つである代々木ゼミナールは、充実した設備やサポートが特徴です。

集団授業や個別指導、オンライン授業にも対応可能で、自分に合った指導スタイルを選択できます。また、一人ひとりに合わせたカリキュラムを用意してくれるので、横浜国立大学合格に向けて効率的に学習を進められます。

そのほか、代々木ゼミナールに通う生徒が利用できる寮やスカラシップ制度などを用意している点も独自の魅力です。

まとめ

横浜国立大学の入試は共通テストの配点が高めで、個別試験でも基礎知識を問う問題が多く出題されます。まずは教科書の知識をしっかりと身に付け、過去問の演習を繰り返して解答のスピードを速めていく対策が効果的です。

横浜国立大学の入試対策で塾や予備校を利用する際は、個別指導に対応しているか、講師の質は高いかといった点を確認することが大切です。効率的に学力を伸ばせそうな塾や予備校を選び、横浜国立大学の入試に備えることをおすすめします。