【科目別】世界史の成績を伸ばせる塾・予備校はどこ? 大学受験生のための選び方を紹介!

社会の科目は地歴公民(地理・歴史・公民)に分かれています。このうち、文系学部の中でも地理・公民で受験できる学部は少ないので、多くの方にとって大学入試の突破に「歴史」はほぼ必須です。

歴史は世界史か日本史から選べますが、どちらにするかで迷う人は多いでしょう。同じ歴史科目でも、世界史と日本史では勉強の流れが全く異なるので、それぞれの科目に特化した対策を取らなければなりません。

そう考えると、世界史や日本史の成績をしっかりと伸ばすためには、塾や予備校に通ってそれぞれの科目のプロ講師に教わるのが肝要だと言えるでしょう。

そこで本記事では、プロ講師から世界史を習うメリットや、世界史の力を付けられる塾・予備校の選び方をお伝えします。

世界史を塾や予備校で習う意味って?

「世界史は独学で勉強するから塾や予備校はいらない」という人もおられるでしょう。ですが、世界史を初めて学ぶ現役生は、塾や予備校に通ってプロ講師から教わる方が効果的に学習できます。その理由を解説します。

歴史の流れをしっかり理解できる

世界史は暗記科目というイメージが強い科目です。実際、世界史で覚えなければならない語句は5000語とも言われており、暗記科目であることは確かです。

しかし、語句や年号だけを覚えれば点数が取れるというわけではありません。日本史にも言えることですが、歴史の勉強で重要なのは「流れを理解すること」です。歴史をストーリーとして理解することが、世界史の成績を上げるポイントとなります。

ところが、歴史を苦手と感じている人の多くは、歴史の流れを理解しておらず用語や年号の暗記に頼っています。また、学校の授業はカリキュラムに余裕がなく、しっかりと歴史の流れを解説してくれないことも多いでしょう。一方、塾や予備校に通うと、世界史のプロが歴史の流れをじっくりと教えてくれます。

世界史特有の「ヨコのつながり」の感覚をつかめる

世界史が日本史と異なるのは、世界中の地域の「ヨコのつながり」を意識しなければならないことです。

日本史は日本国内で起こったことだけをたどっていくので、「タテのつながり」だけを追っていけばいいでしょう。しかし、世界史は世界のさまざまな場所で起こった出来事を並行して学んでいきます。

例えば、以下は全て同時代に起こったことです。

  • 女真族のヌルハチが後金を建国(中国・1616年)
  • ベーメン(ボヘミア)の反乱が起き、三十年戦争の発端となる(ヨーロッパ・1618年)
  • イギリスの清教徒を乗せたメイフラワー号がアメリカのプリスマに上陸(1620年)

世界史の授業は、地域ごとに単元が分かれます。同時代に起こった出来事でも国が異なると、授業で習う時期に差ができてしまうでしょう。そのため、「ヌルハチ」や「ベーメンの反乱」といった用語だけを覚えていても、時代の流れの感覚をつかめず、ヨコのつながりを理解できていない人が多いのです。

どの出来事がヨコでつながっているのかは、参考書を読むだけではなかなか気付けません。しかし、塾や予備校の講師は「ココとココがつながっているから覚えておきましょう」と、要所要所でポイントを教えてくれます。

地図や絵、写真を使って分かりやすく解説してくれる

世界史は、地図や絵を見て視覚的に学習していくのが効果的です。さまざまな地域のことをバラバラに学んでいくので、どの地域の話をしているのかを理解するのに地図は不可欠です。また、戦争の勢力図を絵で描いたり、実際の写真を見たりすることで覚えやすくなります。

受験生の中には、世界史の教科書や参考書を読んで、つまり文字だけを通して分かったつもりになっている人も少なくありません。一方、予備校に通えば、世界史のプロ講師が地図や写真を使って分かりやすく解説してくれるので、教科書や参考書を読むだけよりも理解が深まります。これを活用しない手はありません。

世界史の成績を伸ばせる塾・予備校を探すには?

以上で示したように、塾や予備校に通うことが世界史の成績を向上させる一番の近道です。ここからは、世界史の成績を伸ばせる塾や予備校の探し方についてご紹介します。

ストーリーとして面白く教えてくれる講師を探す

塾や予備校を選ぶ上で、講師との相性はとても重要です。世界史の講師を選ぶ時は、歴史の流れをしっかり説明してくれる講師を選びましょう。良い世界史の講師は、歴史上の出来事を物語のように面白く話してくれます。エピソード記憶という言葉がありますが、ストーリーとして覚えることで、ただ暗記するより記憶が定着するのです。

志望校対策ができるところを選ぶ

早慶上智などの難関私立大学や難関国公立大学では、教科書に載っていない用語が出題されることもあり、マニアックな知識が必要とされます。これらの大学を受験する場合は、基礎レベルの授業では不十分なので、志望校対策ができる講座を取りましょう。

また、論述問題を解く時は自分がどこを間違っているのかが分かりにくいものです。論述対策ができる講座を取り、必ず第三者に添削してもらってください。志望する大学の対策講座があるかどうか、ホームページなどでチェックしましょう。

大手予備校の世界史講座の特徴とは? 実際に通った先輩の口コミもチェック!

予備校の中には、数万人規模の受験生が通う「大手」と呼ばれるところが存在します。東進ハイスクールや河合塾、駿台予備校といった大手予備校には、どんな世界史の講座があるのでしょうか。実際に講座を受けた先輩たちの口コミもご紹介します。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

東進ハイスクール・東進衛星予備校は、映像授業で学習を進めていくスタイルで、さまざまなレベルの授業から自分に合ったものを選べます。

世界史は「ベーシック」「スタンダード」「ハイレベル」から選べるだけでなく、それぞれのレベルが「中国史」や「現代史」など単元ごとに細かく分かれています。そのため、苦手な部分だけを集中的に対策することも可能です。

志望校対策としては「東大対策世界史」「難関私大世界史演習」といった講座があります。

こちらの荒巻先生は圧倒的に上級者向けである。私大受験向けではなく、国立志望者向けと言える。論述力の強化にはうってつけの先生である。

荒巻先生の著書には、世界史の見取り図があるが、是非とも使っていただきたい参考書である。この先生の1番の凄みは、世界史のみにとらわれない授業である。大袈裟な表現に聞こえるかもしれないが、日々の生活に対する考え方自体が大きく変わる。受験のみに囚われない、大きな人間教育を目指しているのであろう。本人もそうおっしゃっていた。

世界史はもともと得意で80~90点はとれていましたが、記述問題や論述問題に難がありました。その弱点克服にかなうようなコースを受講しました。特に志望校の二次試験は、論述問題が多かったという理由もあります。

講座では基本用語のおさらいと共に、時間軸で説明してくれるため助かりました。論述の添削や部分採点は、独学では出来ないので受講してよかったと思います。

平均点こそあまりかわりませんでしたが、マーク式での得点固めになり、かつ論述に強くなれてよかったと思います。

良かった点:

映像授業だったので、自分のペースで受講することができた。自分のペースで受講したことによって、受講前の偏差値は50未満だったが、半年ほどで60を超えるようになった。

受講していた講座については、テキストの構成が良く、基礎的な知識を取り扱いつつも、アフリカ史や東南アジアなど、独学では難しい分野も取り扱ってくれて、センター試験(現在は大学入学共通テスト)、私立大学一般入試ともに得点源となった。学校の授業だと進むスペースが遅く、完全な独学では手をつけるのが難しい分野があったので、世界史をどこから手につければいいのかわからない人におすすめ。

悪かった点:

東進は映像授業であり、自分のペースで勉強を進めることになるので、自己管理ができない人には難しいと思う。加えて、記述の対策も映像授業主体となるので、その点も対策が難しくなってくると思う。したがって、最初から予備校頼りで成績を上げようとすると、受け身な姿勢になってしまい、世界史に限らずだが、全体の成績を伸ばすのは難しくなってくるといえる。

河合塾

河合塾の世界史講座は、難関大対策に重点をおいています。高3生・関東の講座を調べてみると、種類は六つと少ないですが、「東大世界史」や「早慶大世界史」がありました。

その他に「世界史論述」という講座があり、添削指導によってしっかりと論述対策ができます。「添削が丁寧だった」という口コミもいくつかありますので、論述に力を入れたい人におすすめです。

河合塾の東大世界史をとっていました。学校の授業では扱わないような詳細な知識や背景を知ることができたり、変なエピソードもたくさん聞けて、覚えやすくなったのはもちろん、世界史に対する興味が沸きました。

論述問題の添削をたくさんしていただいたが、生徒が多く返却には3週間以上かかることがほとんどで、直前期になると提出も増えるので1ヶ月以上かかることもあったのが惜しいポイントかなと思います。

教科書のように説明していくのとは別に、その時代の概観を図にしたり、各国との関連性を図式化したものなどの資料・板書がわかりやすかった。

特製の穴埋めプリントも視覚的にわかりやすい構成になっていて、このプリントのために受講するのもありなのではないかとさえ思うほどです。

国立大志望で、世界史の論述問題は苦手科目ではなかったですが、併願で私立文系のマニアックな内容までは理解していなかったため、特別に一問一答の時間を作って対応いただきました。普段の論述問題の対策授業でも、予備校のテキストを基に、出てくる一つ一つの歴史用語を丁寧に解説いただきました。

どうしても勉強時間は、現役時代は英数国に偏ってしまい、世界史は教科書一本で行ってしまったので、その教科書に出てこない、もしくは太字でなく見落としがちな単語を、予備校のテキストを読み直すことで、穴埋めできると感じました。

世界史の体系的な知識が欠けていたので、全体を通して基礎からしっかりと学びなおしたいと思い、入塾しました。

平尾雅規先生の授業をとっていました。流れを理解しながら細かい知識を得られるような分かりやすい授業でした。

マナビスは映像授業なので、好きな時間に授業を受けられるというのがとてもよかったです。

予備校に通うことで、ライバルもでき、受験の悩みなどはチューターさんに聞けるというメリットがありました。

また、私は家で勉強することができなかったのでうまく切り替えができたと思います。

家で勉強するのが苦手な人、ライバルがいた方が燃える人は予備校に行くと良いと思います。

もともと世界史は好きな方でしたが、時代や地域により波があり、強い分野にはとことん強く、弱い分野は全く勉強する気がおきませんでした。

先生の知識の豊富さと話し方やペースが合う・合わないというのはあると思いますが、私は先生との相性が良く、とても面白い授業だったので無理なく自然に学べた感じがします。

また、授業外で参考になる新聞やテレビ番組、YouTubeやポッドキャストなども教えてもらい、聞き流す中で自然に身に付いた部分も大きかったです。先生を選べるのであれば、体験授業などでいろいろ出てみて、自分に合う先生の授業を受けることをお勧めします。

駿台予備校

駿台の高3生・首都圏の講座を見ると、通常の「スーパーα世界史」「スーパー世界史」に加え、早慶大に特化した「スーパー早慶大世界史」があります。また、全3回の短期講座として「東大世界史演習プラス」「一橋大世界史演習プラス」がありますので、これらの大学を受ける人におすすめです。

駿台は講師の質も高く、「世界史を面白く感じた」という口コミが多く見られます。世界史の苦手意識を克服したい人は、このような講師を探してみましょう。

テキストごとに世界情勢のつながりがはっきりしているチャートが掲載されていたので、比較的早い段階にて世界史の全体像がつかめました。

長年のノウハウがある予備校は、こうした関連付けのテクニックを持ち合わせているため、独学で完全な理解が暗記に頼りがちな歴史関連は特に学び意味が見られます。

また中国史は漢字を多く含む用語が登場することから、書く訓練まで徹底して行う必要があると改めて講義を受けながら感じました。

学校の世界史の進度が遅く、高校3年生になっても近現代史をまったく勉強できていなかったので、近現代史を一通り触れる講座を受講しました。

先生がかなり特徴的で、ゴスロリの格好をした背の高いお兄さんと言った感じの先生でした。予備校でも名物講師だったようです。見た目は奇抜でしたが、激しいジェスチャーを交えて、各国の関係性などをわかりやすく表現してくれたので、授業後に復習をする際にイメージがわき、記憶が非常に定着しやすかったです。

今はこの講師が予備校で教えているのかわからないのですが、授業を受けているのに息抜きにも感じる講座だったのでお勧めです。

コースが詳細に分けられており、特に短期の講習では、自分の不得意な範囲(分野)にフォーカスを当てて集中的に学ぶことができて良かった。

また受験のためのポイント等が踏まえられていることが多かったので、試験で高得点を取るのにはもちろん良いが、学ぶことが楽しいとはあまり感じなかった。

個人的には、受験のための勉強方法があまり合わなかったため、受験時は世界史には大変苦労したが、単なる暗記ではなく、物語のように面白く授業を行っていた講師もいたので、そのような授業だと多くインプットできた。

世界史を集中的に学べる「世界史専門塾も視野に入れよう

塾・予備校の中には、世界史だけに特化して教えている「世界史専門塾」というものもあります。このような専門塾では受験対策はもちろん、大学に入ってからも活かせる知識と教養を身に付けることができます。世界史を克服したい人や、大学で世界史に関連する学問を学びたい人は、世界史専門塾をチェックしてみてください。

ゆげ塾

ゆげ塾は、東京都・池袋に校舎を持つ世界史専門塾です。Zoomを活用したオンライン授業も行っているので、全国どこからでも受講できます。

ゆげ塾の大きな特徴は、柔軟にカリキュラムを組めることです。対面の場合は3000円、オンラインの場合は無料で、苦手な範囲の授業をリピートして受けるのもOK。このように徹底的に苦手分野を対策できることから、塾生の9割がセンター試験9割を得点し、半数以上が国立大・早慶上智に進学しているという実績があります。

YouTubeで講義動画をアップしているほか、オリジナルの書籍を出版しているので、まずは動画や書籍をチェックしてみるとよいでしょう。

近精塾

近精塾は、東京都・市ヶ谷にて2017年に開校しました。週1回の対面授業のほか、オンラインのみでの受講も可能です。

夏休みまでに通史の学習を終え1年間で2周するカリキュラムと、毎回の授業でのテストにより、知識がしっかり定着します。まだ新しい塾ですが、開校以来3年連続で東大合格者を輩出した実績があります。YouTubeで講義動画を公開しているので、まずはこちらを見て講義の雰囲気を確認してみましょう。

史塾

史塾は、東京都・西新宿に校舎を構える世界史専門塾です。東大・京大をはじめとした難関大学受験に照準を合わせてレベルの高い授業を行い、論述の授業ではディベートも取り入れながら思考力を養います。目標の高い受験生が集まるため、刺激を受けながらモチベーションを高めることができるでしょう。

生徒は高2生を対象として9月から11月に募集されるため、通常の塾とは募集時期が異なります。また、一部の高校を除き、入塾は紹介制となっているので注意してください。

その他、主要な予備校の世界史講座に対する口コミは?

早稲田塾

私は早稲田塾の世界史講座にとても満足しています。世界史の知識は全て学校ではなく予備校で手に入れたと言っても過言ではありません。それほど内容の濃いものでした。

私は難関大学を志望していましたので世界史を広く深く学ぶ必要があり、偏差値を70以上にあげることを目標として講座を受けていました。講師の説明は時代背景、歴史にしっかり基づいていおり、ただ時系列に覚えさせるものではありませんでした。

講師はとてもフレンドリーで授業が進むにつれて受講者一人一人をしっかり覚えてくれる方でした。この人なら信頼できると思わせてくれる講師で質問もしやすかったです。

学力向上に役立ったと思うのは講師の授業をiPodに入れて塾以外の場所でも毎日聞いていたことだと思います。また、同じ講座を受けているクラスメート同士仲が良かったので一緒に勉強することも多く、切磋琢磨できる環境により勉強する楽しさに気づくことができました。

私はこの予備校の講座を一人では勉強できない人に勧めたいです。私は一人で勉強しているとどうしても集中力を切らしてしまう傾向にありました。しかし、この予備校では応援してくれる講師、仲間と出会えますし、何より講座の内容が細部にわたり、レベルの高いものでした。自分に自信をつけられる講座でした。

Y-SAPIX

通年の講座では通史を、夏期講習などで文化史を集中的に扱っていました。

講師の方は非常に分かりやすい授業を提供してくれました。特に地図や絵を頻繁に用い、生徒に情景を想像させることで知識を定着させるというスタイルでした。

また、優しく丁寧な指導をしてくれたため、モチベーションも上がり、常に世界史に対する興味を持つことができました。

予備校のテキストは補助的に利用しており、主に講師が独自に用意したノート(実際に見たことはないが、それを黒板に書いていたと思われる)に沿った授業でした。

野田塾

私立大学の世界史対策のために、志望大学の受験対策コースを受講しました。

野田塾高校部では、校舎で代ゼミの映像授業を見るような学習形態ですが、その分他の予備校に比べると授業料がかなり安いです。映像視聴後も校舎に残り自習ができます。

テキストには、赤本には掲載されていない過去の問題やその年の予想問題が掲載されており、十分に対策できました。また、大学の試験の傾向が知れたので、どのように学習すればよいかが理解できました。

ITTO個別指導学院

私は高校時代にこの予備校で世界史を学んでいました。世界史の成績はそこまで悪くはなかったのですが、もう少し世界史につて詳しく学びたいと思い、世界史の授業も学び始めました。

もともと社会関係の科目や歴史関係の科目は得意な方でしたが、世界史の中でも海外の歴史について非常に興味があり学んだところ、70点くらいの点数が100点まで上がりました。

長所をより伸ばすとさらに伸びるのだとよくわかりましたね。講師の先生が、非常にわかりやすく面白おかしく教えてくれたのが良かったのだと思います。