【北九州市立大学】選抜方法、難易度、学部別の受験対策、おすすめ塾の予備校まで徹底解説!

北九州市立大学(以下、北九大)は、福岡県北九州市に本部を置く公立大学です。1946年に創設された「小倉外事専門学校」を前身とし、特にグローバル人材の育成に力を注いでいます。

北九大は、全部で6つの学部・学群を設置しています。県庁所在地ではない都市にある公立大学として最大規模で、学部によってはかなりの高倍率です。北九大合格のためには、念入りな対策が必要になるでしょう。

この記事では、北九大の入試の仕組みから難易度、出題傾向、学部別の対策方法まで徹底解説。最後には北九大を目指す受験生におすすめの塾・予備校を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

北九州市立大学(北九大)の入試制度、難易度、偏差値について

まずは入試制度や難易度など、北九大の基本情報を確認しておきましょう。

北九州市立大学の一般選抜(前期)の特徴

北九大の一般選抜には前期・後期があります。公立大学のため、すべての学部・学群において大学入学共通テスト(以下、共通テスト)が必須です。そして共通テストのあと、2次試験である個別学力検査を受験します。

2025年度入試における、各学部の共通テストの科目、利用配点は次のとおりです。

学部・学科 大学入学共通テスト
指定する教科・科目
【前期】
利用配点
【後期】
利用配点
外国語学部
英米学科
国語 200 100
地歴・公民、数学、理科、情報から1科目 100 100
英語 300
(R150、L150)
300 (R150、L150)
外国語学部
中国学科
国語 200 200
地歴・公民、数学、理科、情報から1科目 100 100
英語 300
(R200、L100)
200
(R160、L40)
外国語学部
国際関係学科
国語 200 200
地歴・公民、数学、理科、情報から1科目 200 200
英語 200
(R160、L40)
400
(R320、L80)
経済学部 国語 200
地歴・公民、理科から1科目 100 100
数学、情報から1科目 200 200
外国語から1科目 200 200
文学部
比較文化学科
国語 200 100
地歴・公民、数学、理科、情報から1科目 100 100
外国語から1科目 200 300
文学部
人間関係学科
国語 200 200
地歴・公民、数学、理科、情報から1科目 100 100
外国語から1科目 200 200
法学部
法律学科・
政策科学科
国語 200 200
地歴・公民、数学、理科、情報から1科目 200 200
外国語から1科目 200 200
地域創生学群 国語 100
地歴・公民、数学、理科、情報、外国語から1科目 100
国際環境工学部
環境化学工学科
(前期A方式)
国語 100
地歴・公民から1科目 50
数学(数Ⅰ、数A) 100 100
数学(数Ⅱ、数B、数C) 100 100
理科(物理) 100
理科(物理・生物から1科目) 100
理科(化学) 100 100
外国語から1科目 200 200
情報(情報Ⅰ) 25 25
国際環境工学部
環境化学工学科
(前期B方式)
数学(数Ⅰ、数A) 25 100
数学(数Ⅱ、数B、数C) 25 100
理科(化学) 50 100
理科(物理・生物より1科目) 100
外国語から1科目 100 200
情報(情報Ⅰ) 25
国際環境工学部
機械システム工学科・情報システム工学科・建築デザイン学科
国語 100
地歴・公民から1科目 50
数学(数Ⅰ、数A) 100 100
数学(数Ⅱ、数B、数C) 100 100
理科(物理) 100 100
理科(化学) 100 100
外国語から1科目 200 200
情報(情報Ⅰ) 25 25
国際環境工学部
生命工学科
国語 100
地歴・公民から1科目 50
数学(数Ⅰ、数A) 100 100
数学(数Ⅱ、数B、数C) 100 100
理科(物理、化学、生物から2科目) 200
理科(物理、化学、生物から1科目) 200
外国語から1科目 200 200
情報(情報Ⅰ) 25 25

出典:2025(令和7)年度 入学者選抜要項|国立大学法人北九州市立大学

北九州市立大学の学校推薦型選抜の特徴

学校推薦型選抜とは、学校長の推薦者から選抜する方法です。

北九大では、外国語学部中国学科を除き、全学部・全学科で実施しています。学校推薦選抜は一般選抜と異なり、共通テストは受験せず、調査書や推薦書、小論文や面接などで合否を判断するのが特徴です。

学校推薦型選抜を受けるには、規定の「推薦要件」を満たさなければなりません。高校での成績や資格などの基礎要件、学習意欲などの適性要件、調査書の評定で判断する成績要件があります。

なお、学校推薦型選抜を受ける場合は「入学を確約」できる必要があります。

北九州市立大学の総合型選抜の特徴

総合型選抜とは、学力だけではなく、意欲のある学生を選抜する方法です。

北九大では、外国語学部・英語学科、国際関係学科、および地域創生学群で総合型選抜を実施しています。模擬授業と筆記試験、集団討論、面接や小論文、推薦書など、総合的に合否を判定するのが特徴です。

ディスカッションを取り入れているため、英語会話が得意な方、コミュニケーション力がある方は有利といえるでしょう。

北九州市立大学の難易度・偏差値は?

東進のデータによると、北九大のほとんどの学部は偏差値60前後で、倍率も2~2.5倍ほどです。しかし、地域創生学群は断トツで人気を集めており、偏差値63、倍率4倍ほどとなっています。

また、いずれの学部・学群でも、共通テスト得点率は60~70%ほど必要です。北九大は学部を問わず共通テストの配点が大きく、全体的に倍率は決して低くない人気大学です。共通テスト対策を中心に学習を進め、しっかりと準備することをおすすめします。

【学部別】北九州市立大学の2次試験の特徴と必要な対策とは?

続いて、北九大の2次試験の出題傾向と対策方法を解説します。

北九大では、2次試験の教科数が他大学と比べてとても少ないことも特徴です。それぞれの学部における、前期2次試験の実施教科と配点は以下のとおりです。

学部・学科 【前期】
科目
【前期】
配点
【後期】
科目
【後期】
配点
外国語学部
英米学科
英語 400 小論文 200
外国語学部
中国学科
英語 400 面接 200
外国語学部
国際関係学科
英語 400 面接 200
経済学部 英語(選択) 200 小論文 200
数学(選択) 200
文学部
比較文化学科
総合問題 200 小論文 200
文学部
人間関係学科
小論文 200 集団討論 200
法学部
法律学科
小論文 300 面接 200
法学部
政策科学科
小論文 300 面接 200
地域創生学群 課題論文 100 ※後期試験なし
集団討論 200
活動・資格等実績申告書 100
国際環境工学部
環境化学工学科
【前期A方式】
数学
200 理科 300
理科 200
国際環境工学部
機械システム工学科
数学 200 数学 200
理科 200 理科 200
国際環境工学部
情報システム工学科
数学 200 数学、物理から1科目選択 300
理科 200
国際環境工学部
建築デザイン学科
数学 200 面接 200
理科 200
国際環境工学部
生命工学科
数学 200 数学、物理、化学、生物から1科目選択 300
理科 200

出典:2025(令和7)年度 入学者選抜要項|国立大学法人北九州市立大学

このように、北九大のほとんどの学部の2次試験は1教科のみです。2次試験対策は軽めにし、共通テスト対策を入念に行なうのが吉といえるでしょう。

上記のとおり、北九大の一般選抜入試では、全学部・学群において共通テストの配点が高めです。例えば、経済学部の前期試験では、大学共通テストの配点が「700点」のところ、2次試験は「200点」と、3倍以上もの差があります。

そのため、北九大受験では共通テスト対策がとても重要です。2次試験対策はもちろん、予備校で共通テスト対策講座や共通テスト模試を受けるとよいでしょう。

次に、学部別における、2次試験の傾向、受験対策について解説します。

【外国語学部】2次試験の対策

英語が必要になるのは、外国語学部と経済学部(選択)です。いずれも前半が長文読解、後半は英作文という構成になっています。和文英訳と英作文の割合が大きいため、演習を行ない重点的に対策しましょう。

長文読解の難易度は標準~やや応用レベルで、容易とはいえません。出題される英文自体も、やや長い傾向があります。単語力と記述力を鍛えつつ、過去問を解いて問題形式に慣れてください。

外国語学部の2次試験では、外国語科目のうち「英語」のみ出題されます。長文読解、要約、和文英訳、自由英作文で構成されています。

問題の難易度が高いだけではなく、要約と英作文に時間を取られるのが重要なポイントです。過去問を解く際は時間配分に気を配りつつ、自分なりの解き方を考えることが大切です。

【経済学部】2次試験の対策

経済学部の2次試験では、英語または数学のいずれかを選択します。

経済学部の英語は長文読解と英作文で構成され、記述問題が多く難易度が高い傾向があります。英語は点数差が生じやすく、経済学部の合格を左右する重要な科目です。

入試で英語を選択する場合は、英語の読解力を養うため、演習問題に取り組むことが大切です。また、過去問を数多く解くことで、問題の形式に慣れておくとよいでしょう。

経済学部の数学では、数列や場合の数・確率、図形、微分・積分など、各領域を含んだ総合問題が出題されます。基本レベルの問題が中心となるため、定理や公式をしっかり定着させ、基礎を固めることを意識しましょう。

【文学部】2次試験の対策

文学部の比較文化学科では、2次試験の前期に総合問題、後期は小論文が出題されます。

文学部 比較文化学科の総合問題では「現代文と英語の理解力、表現力、語彙力を問う」と公表されています。内容としては、大問1は英語の長文読解、大問2は和文英訳、大問3は現代文の長文読解(論説文)、そして大問4は漢字や慣用句など国語の基礎問題です。つまり、英語と現代文の2教科の対策が必要になります。

英語の難易度はそれほど高くないため、単語力を高めつつ、基礎的な文法や構文をすぐに理解できるよう演習を重ねましょう。英作文に関しては、予備校の講師などの第三者に添削してもらうのが望ましいです。

大問3の論説文の読解は、問題文・設問ともにそれほどクセはありませんが、「150字以内で記述しなさい」など長文を書かせる問題もあります。時間内に適切な記述ができるよう、時間を計りながら過去問や演習をすることがカギになるでしょう。

一方の人間関係学科では、前期に小論文、後期は集団討論と内容が異なります。小論文は比較文化学科と同様に、英文の和訳や要約、意見論述の問題が出題されます。

集団討論とは、与えられたテーマをもとに、自分自身の見解を複数の受験生で討論する試験です。自分の意見を論理的、独創的に伝える力、意見調整ができるコミュニケーション力、集団におけるリーダーシップ力などが評価されます。

普段から多様な視点で物事を見る、生活や社会から課題点を見出す、自分の意見を言葉にするなど、日頃から意識することが試験対策に有効です。

なお、公式ホームページの「過去の入試問題」において、集団討論の「出題の意図」が公開されているため確認しておきましょう。

出典:「出題の意図」2023 年度 (選抜区分:一般後期)文学部人間関係学科

【法学部】2次試験の対策

法学部の2次試験では、前期・後期ともに小論文と面接を実施します。

法学部の小論文は、ほかの学部と同様に、要約問題と意見論述で構成されます。しかし、法学部は法的・政策的な思考力を持つ学生を育成する学部です。

文章を正しく読む・要約する能力に加え、一定の語彙力があるか、論点を提示したうえで自説を展開できるか、考えや意見を筋道立てて主張できるか、などのポイントが問われます。

過去問や問題集を活用し、文章の要約問題、意見論述の演習をくり返して解き方を身に付けましょう。

また、面接試験では、志望動機と入学後に学びたいこと、社会的問題、関心のある社会的事件や出来事について出題されます。面接での回答をもとに、コミュニケーション力、プレゼンテーション力、論理的思考力などを評価します。

出典:法学部の入試について|北九州市立大学 法学部

【国際環境工学部】2次試験の対策

国際環境工学部の数学も、基本~標準レベルです。大問1と2は小問集合、大問3と4は微分法・積分法、ベクトル、行列など、数ⅡB・ⅢCの範囲から出題される傾向があります。小問を落とさないように問題集でトレーニングしつつ、数ⅢCまでしっかりカバーしてください。

数学以外では、理科科目の物理、化学の大問が3題出題されます。

物理は図や実験をベースにした問題で、計算問題や式の作成問題、重要用語が問われます。各公式をきちんと理解するだけではなく、使いこなせるまで演習をくり返しましょう。

化学は基礎化学、有機化学、無機化学の分野から、化学反応式や構造式などの問題が出題されます。記述式の問題が多いため、計算の過程などを記述する習慣を身に付けるのがおすすめです。

【地域創生学群】2次試験の対策

地域創生学群では、課題論文、集団討論、活動・資格等実績申告書で総合的に合否を判断します。

集団討論を実施する目的は、地域活動においてコミュニケーション力が不可欠と考えるためです。自分の意見を言語化して周りに伝え、周りを見ながら判断する能力を身に付けます。

また、地域創生学群はほかの学部と異なり、1次試験は200点、2次試験は400点と2次試験を重視する傾向です。

テストの点数だけではなく、部活動やボランティア、社会活動などの取り組みも大きく評価されます。部活動を例にすると、大会での成績や実績を点数化して合否を判断する仕組みです。

地域創生学群の学生は、1年次から地域の問題を住民と一緒に解決します。そのため、学力だけでは知り得ない、学生の「素養」を入試で見極めるのです。

北九州市立大学を目指す受験生におすすめの塾・予備校

最後に、北九大志望の方におすすめの塾・予備校をご紹介します。人気大学である北九大合格のために、予備校選びはとても重要です。ぜひ、自分にぴったりの予備校を見つけてください。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)は、北九大受験に強い予備校です。2025年度は100人が現役合格しました(講習生含まず)。

東進では、日本全国から各教科のエースが集結し、最新のデバイスを活用して優れた授業を提供しています。その映像授業を視聴し、自分のペースで学習を進めることが可能です。基礎から応用までさまざまなレベルの講座があり、共通テスト対策も充実しています。

また、共通テスト対策が欠かせない北九大受験には「共通テスト本番レベル模試」も役立ちます。共通テスト本番とほぼ同じ環境で受験できることがポイントです。北九大志望の方は、これらの講座や模試で共通テスト対策を完璧にしましょう。

AIによる個別対応プログラム「志望校別単元ジャンル演習講座」で、演習を重ねるのも効果的です。志望校に合格するために自分に足りないところなどを、優先順位をつけて提示してくれます。

外国語学部・経済学部・国際環境工学部の2次試験対策として、プロによる過去問の採点・添削指導が受けられる「過去問演習講座」も開講されています。

北九州予備校

北九州予備校は、九州地方と山口県でナンバーワンの生徒数を誇る予備校です。九州の大学の受験対策に強く、難関の九州大などにも多数の合格者を輩出しています。

現役生のコースは「キタヨビハイスクール」と呼ばれ、基礎から応用までさまざまな講座を開催しています。「ハイブリッドVコース」では、自宅でも校舎でも、全国トップレベルのプロ講師によるオンライン講座を受講可能です。

ほかにも、2種類の教室タイプから選べる「自習室会員」や、AIを活用して苦手を克服できる「atama+」など、幅広いコース・プログラムがあります。

基礎固めが重要となる北九大受験に向けて、苦手分野を徹底的に復習しましょう。

代々木ゼミナール

大手予備校の代々木ゼミナールは、九州なら福岡校があります。教科ごとに共通テスト対策講座がしっかり用意されており、ほぼすべての教科で映像授業を選択可能。部活などで忙しい人でも、十分に北九大対策ができるでしょう。

また、サポート体制が整っていることも代々木ゼミナールの特徴です。予備校生であれば、高校生専用の自習室を毎日利用できます。また、講師たちが控えている講師室は自由に出入りでき、気軽に質問が可能です。つまずいた部分はすぐに解消して、基礎をしっかり固めましょう。

武田塾

武田塾は、自主学習をメインとし、「授業をしない」ことを特徴とする大学受験専門塾です。自分のレベルに合った参考書を完璧に解くことで、予備校の授業よりも速いスピードで勉強を進められます。

武田塾の小倉校では、北九大に特化した受験対策を実施。2025年度入試からスタートした「新課程」、新科目の「情報」など、最新の入試にも対応しています。

武田塾では完全オーダーメイドのカリキュラムで勉強をするため、大手予備校などの集団授業が向かないタイプにおすすめです。

いつでもクイック指導

いつでもクイック指導は、北九大の受験対策を提供するオンライン家庭教師です。

現時点のレベルから最短で北九大に合格できるよう、必要なものだけを学べるオーダーメイドカリキュラムを提供しています。学部ごとの出題傾向と入試配点を踏まえており、より具体的かつ実践的な問題を演習することが可能です。

専門のスタッフが学習スケジュールを管理するため、勉強のモチベーション低下を防げます。また、オンラインで24時間365日、いつでも質問できる環境を完備。わからない問題をそのままにすることがないため、着実に学力がアップするでしょう。

まとめ

北九大は倍率が高いうえに、共通テストの配点が高いのが特徴です。多くの学部の2次試験では、英作文や要約など英語力が試されます。また、小論文や面接試験、集団討論など、学力以外の素養が問われる学部もあります。自主学習や予備校などで、学部ごとに合った2次試験対策に取り組みましょう。