総合型選抜(旧AO入試・AO受験)とは?推薦入試との違い・試験対策・おすすめ予備校を紹介

高校1~2年生の皆さんも、先輩方の大学受験の合否結果を耳にすることがあるのではないでしょうか。

志望校に受かって涙する人も落ちて涙する人もいるわけですが、そのような先輩方の話を聞いていると、「いよいよ自分も大学受験について真剣に考えないとな」と、将来を憂う気持ちを感じ始めることでしょう。

なかには先輩から話を聞いたり、大学受験の仕組みについて調べたりしているうちに、総合型選抜(旧AO入試)の存在を知り、受けてみようかと思い立つ人もいるはずです。

そこで今回は、総合型選抜に挑戦したい方に向けて、試験の特徴や日程・スケジュール、おもな実施大学などの情報を紹介します。総合型選抜の対策やおすすめの専門塾についてもまとめていますので、総合型選抜に興味を持っている人は、ぜひ参考にしてください。

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)とは?

総合型選抜は、かつてはAO入試と呼ばれていました。AO入試とは、各大学、ひいては各学部が提示する入学者受け入れの方針、いわゆる「アドミッション・ポリシー」にマッチする人物を求めるAdmissions Office(アドミッションズ・オフィス)入試のことです。

AO入試において、アドミッション・ポリシーにマッチする人物であるかどうかは、基本的には高校での学業成績ではなく、おもに書類審査と面談・面接、小論文などによって測られていました。

その後2021年度から、AO入試に代わる入試制度として、総合型選抜が導入されました。総合型選抜では、アドミッション・ポリシーとのマッチ度に加え、学力の3要素が新たに求められるようになったのです。

【学力の3要素】

  • 知識・技能の確実な習得
  • 知識・技能をもとにした思考力、判断力、表現力
  • 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)と学校推薦型選抜・一般選抜との違い

ここでは、総合型選抜(旧AO入試・AO受験)とそのほかの選抜方法の違いについて確認していきましょう。

学校推薦型選抜(旧推薦入試)との違い

学校推薦型選抜(旧推薦入試)では、総合型選抜とは異なり、学校長の推薦が必須となります。また、学校推薦型の場合は、評定平均値が出願条件として定められているケースが一般的です。公募制や指定校制があり、一定の要件を満たすことで出願可能となります。

学校推薦型選抜は、9~12月頃に実施されます。ただし、共通テストを利用する場合は、2月に選考されることもあるため、各学校の出願時期の確認が必要です。

一般選抜(旧一般入試)との違い

一般選抜(旧一般入試)の場合、おもに大学指定の学科試験によって合否が判定されます。総合型選抜の場合、小論文や面接などの出願要件が定められているケースが多いですが、一般選抜では大学入学資格があれば基本的に受験可能です。

一般選抜は、通常1~3月頃に実施されます。

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)の出願要件・日程・選考方法

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)は、一般選抜をはじめとする、ほかの入試制度とは異なる日程・スケジュールで進行します。あらかじめ日程・スケジュールを把握しておかなければ、総合型選抜に挑戦するチャンスを逃してしまう可能性があるため、注意が必要です。

以下より、国公立大学と私立大学のそれぞれの総合型選抜(旧AO入試・AO受験)の出願要件や日程・スケジュールを紹介します。

出願要件

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)に出願する際は、大学・学部ごとの出願要件を確認しなければなりません。大学入学資格を持っているだけでは受験できない場合もあるからです。学生の学習意欲や適性を評価するために、さまざまな出願要件が設定されます。

出願要件においてよく見られる例は、以下のとおりです。

  • 一定以上の評定を満たすこと
  • 合格した場合の入学を確約すること
  • オープンキャンパスや指定の面談、講義に参加すること
  • コンテスト受賞など、指定の活動実績や経歴があること

上記に加えて、大学入学共通テストの受験が出願要件となる場合があります。

日程・スケジュール

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)の一般的な日程・スケジュールは以下のとおりです。
(※大学・学部によって日程・スケジュールは異なります)

9月出願
9~10月第1次選考(書類審査)
10月~11月第2次選考
11~12月合格発表

大学入学共通テストの結果を活用する場合は上記に加え、テストの成績を提出後、2月に合格発表が行なわれます。もしくは、「12~1月に出願→2月に第1次・第2次選考→合格発表」という流れで進むパターンもあります。

なお、出願前のエントリー、オープンキャンパスへの参加を必須とする大学もあるので、注意が必要です。出願大学・学部ごとに日程・スケジュールが異なるため、詳細については大学の公式Webサイトやパンフレットで確認しましょう。

選考方法

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)の選考方法は、大学や学部、専攻によってさまざまです。書類審査のほか、小論文や面談・面接、口頭試問、学力試験などを課す大学・学部もあります。

学力試験についても同様に、大学独自の学科試験を実施するケース、大学入学共通テストの成績を提出するケースなど、大学・学部ごとで異なります。ほかにも、講義後に筆記試験やグループディスカッションを実施したり、レポートを課したりするなど、さまざまな選考方法があります。

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)の実施状況

ここからは、総合型選抜(旧AO入試・AO受験)について、令和7年度の実施状況を見ていきましょう。

国公立大学

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)は、国立75大学381学部、公立79大学175学部(※令和7年度)で実施されました。導入割合は増加傾向にあり、以下のようにさまざまな形で入試が行なわれています。

【国公立大学の総合型選抜(旧AO入試・AO受験)の例】

  • 京都大学(特色入試)
  • 大阪大学(総合型選抜・総合型選抜研究奨励型・総合型選抜挑戦型)
  • 筑波大学(アドミッションセンター入試・研究型人材入試・国際科学オリンピック特別入試)

国公立大学の場合、合格後の入学を確約する「専願制」となるのが基本です。また、大学入学共通テストの受験が必要なケースが多いでしょう。

私立大学

私立大学の場合、574大学1,920学部(※令和7年度)が総合型選抜(旧AO入試・AO受験)を実施しています。導入している大学は95%を超えており、以下のような実施大学・入試があります。

  • 早稲田大学:総合型選抜(日本語による学位取得プログラム)
    (地域探究・貢献入試、社会科学部 全国自己推薦入試、創造理工学部 早稲田建築AO入試、先進理工学部 特別選抜入試、人間科学部 FACT選抜入試、スポーツ科学部 総合型選抜Ⅰ~Ⅲ群など)
  • 早稲田大学:総合型選抜(英語による学位取得プログラム)
  • 慶應義塾大学(自主応募制による推薦入学者選考、FIT入試、分野志向型入試、AO入試)
  • 明治大学(自己推薦特別入学試験、公募制特別入学試験 (大学入学共通テスト利用・全国商業高等学校長協会 会員校対象)、地域農業振興特別入学試験、グローバル型特別入学試験、海外就学者特別入学試験など)
  • 立教大学(自由選抜入試)

私立大学の場合、専願だけでなく公募制推薦などの併願可能な選択肢も見られます。そのため、専願となる多くの国公立大学と比べると、受験の選択肢を広げやすいでしょう。

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)に向いている人は?

ここでは、総合型選抜(旧AO入試・AO受験)に向いている人の特徴を解説します。

大学で学びたいことが明確な人

総合型選抜は、学ぶ意欲や目的意識などを総合的に判定する入試方法です。そのため、大学で学びたいことが明確な人ほど、選考の際に評価されやすいでしょう。

大学が掲げるアドミッション・ポリシーと合致している人なら、さらに向いているといえます。総合型選抜での大学入学を希望する方は、その大学のアドミッション・ポリシーを読み込み、自分の考え方や目標に合っているかをよく確認しておきましょう。

学力以外の強みがある人

総合型選抜の場合、課外活動や資格取得など学科試験以外でアピールできる人、ほかの学生との差別化ができる人が評価されやすいでしょう。

例えば、コンテストへの出場、海外での留学経験、ボランティア活動などが、実績として評価されることがあります。活動で得た経験や意欲、その人の考え方や適性も含めて、総合型選抜では評価の対象です。

主体的に行動できる人

総合型選抜では、自分で考えた経験、主体的に動いた経験が注目されます。自分の考えを自分の言葉で伝えること、自分で学習して行動すること、課題を解決しようとすることが、総合型選抜では重要です。

受け身で過ごしがちな方や指示を待つほうが楽な方だと、総合型選抜においては、自ら学ぶ力がないと判断されやすいでしょう。大学に入る前の姿だけでなく、入学後にどれだけ学び、成長していくのかといった点も、選考の際に見られています。

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)の5つの対策

先に紹介したとおり、総合型選抜(旧AO入試・AO受験)は独特の選抜方法で実施されるため、それに特化した対策を行なう必要があります。

ここでは、総合型選抜(旧AO入試・AO受験)に挑戦するのであれば必ず押さえておきたい対策を5つ紹介します。

大学で研究したいことを明確にする

総合型選抜では学力の3要素が測られるとはいえ、やはり旧来のAO入試と同様、大学・学部とのマッチ度が重視されます。そのため、「なんとなくこの大学のこの学部に入りたい」という気持ちで臨んでは、合格をつかむことはできません。

大学といえば漠然と「将来の夢を叶えるために専門的な勉強をするところ」と考えている人が多いかもしれませんが、大学はあくまで研究機関ですから、どの大学も意欲的に研究に取り組もうとする人を求めています。そのため、総合型選抜(旧AO入試・AO受験)に挑戦しようと思い立ったら、まず「自分は大学で何を研究したいのか」をはっきりさせることが大切です。

受験したい大学・学部を決めてから研究したいことを決めるという攻略法ももちろんありますが、大学生活を実り多いものにしたいのであれば、その研究に心から興味を持って取り組めそうかよく吟味してください。

研究したいことができる学部がある大学を探す

自分が大学で何を研究したいかが明確になったら、いよいよ大学選びです。インターネットを活用すれば、自分が研究したいことができそうな大学・学部をすぐに探し出せるでしょう。

しかし、自分が研究したいことができそうな大学・学部を見つけたとしても、そこに在籍している教授が門外漢である可能性があります。そのため、自分の研究したいことができる大学を探すときには、教授の専門分野についてもしっかりと調べ上げることが大切です。

なお、自分が研究したいことができるかがインターネット上の情報だけではよくわからない場合には、オープンキャンパスに参加するなどして実際に足を運んで確かめてみることをおすすめします。

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)を突破できる確率を最大限に高めたいのであれば、自身の研究したいことと学部・教授とのマッチ度がより高い大学を選ぶように心がけましょう。

研究したいテーマについての知識・経験を磨く

大学を選び終えたら、大学が提示している総合型選抜(旧AO入試・AO受験)の募集要項をチェックし、合格するための具体的な対策を進めていきます。なかでも、できるだけ早く、可能なら高校1~2年生のうちから取り組んでおきたいのが、研究したいテーマについての知識・経験の研鑽です。

研究したいテーマについての深い知識を身に付けておけば、志望理由書や学修計画書を書く際にはもちろん、小論文や面接にも自信を持って臨めるようになります。また、研究したいテーマにまつわる経験を積んでおけば、より魅力的な活動報告書や小論文を書けるようになったり、面接で一目置かれる自己アピールができるようになったりします。

学業に苦手意識を持っているとしても、研究したいテーマについての知識・経験では、高校生ナンバーワンを目指しましょう。

学業を疎かにしない

学校推薦型選抜ほどではありませんが、総合型選抜(旧AO入試・AO受験)においても学業成績が合否の判断材料とされます。そのため、総合型選抜(旧AO入試・AO受験)で確実に合格をつかみ取りたいのであれば、研究したいテーマについての知識や経験を増やしつつ、学業成績を高める努力をすることが大切です。

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)でチェックされるのは、高校3年生の1学期までの評定平均です。そのため、評定平均を高めたいのであれば、できれば1年生のうちから、遅くとも2年生のうちから定期テストで良い成績を収めたり、積極的に授業に参加したりするなどの努力を重ねる必要があります。

また、資格・検定試験の成績も合否の判断材料とする大学を受験する場合には、やはり早いうちから資格・検定試験の対策を練らなければなりません。

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)に挑戦したいと考えている人は、試験本番までの計画を綿密に練り、コツコツと無駄なく無理なく努力を積み重ねていってください。

面接の実践練習をする

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)で課される課題や試験のなかで、面接試験に強い苦手意識を持っている人は少なくないでしょう。

面接試験対策は、ズバリ、実践あるのみです。どのような質問をされるかを予想し、その質問に対する答えをじっくり考えることも大切ですが、やはり場数を踏まなければ、本番でうまく話すことはできません。

面接試験対策の練習は、通っている高校の先生に頼めば快く付き合ってくれるでしょう。しかし、本番に向けてより本格的な練習をしたいと考えるのであれば、総合型選抜(旧AO入試・AO受験)の対策を得意としている塾や予備校に通うことをおすすめします。

なお面接試験では、コミュニケーション能力や知識の専門性、見識の豊かさのみならず、一般常識を持ち合わせているかもチェックされます。そのため、本番はもちろん、練習中も服装やマナーに気を配るように心がけてください。

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)対策におすすめの予備校

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)に挑戦してみたいと考えてはいるものの、自分一人で対策を進めていくのは心もとないという人もいるはずです。そのような人はぜひ、総合型選抜(旧AO入試・AO受験)の対策を専門としている塾・予備校の門戸を叩いてみてください。

以下より、総合型選抜(旧AO入試・AO受験)を受けるのであれば通いたい専門校を4校紹介します。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

東進ハイスクール・東進衛星予備校は、総合型選抜から一般選抜まで幅広く対応可能な大手予備校です。映像授業を中心に、大学受験対策を扱っています。直営の東進ハイスクールは7都県に96校舎、フランチャイズの東進衛星予備校は約1,000校舎を全国的に展開しています。

総合型選抜で問われる現代文・小論文については、文章力・表現力を鍛える講座を単科で受講できます。「推薦・総合型選抜コース」では、小論文や面接、英語資格試験など、志望校の選抜方式に合わせた対策が可能です。

早稲田塾

早稲田塾は、東京に7棟、神奈川に3棟、千葉に2棟の校舎を構えている総合型選抜対策専門の塾です。総合型選抜に力を入れており、対策講座のオンライン説明会や1日無料体験などを実施しています。

2026年度には、早慶と上智、国際基督教大学(ICU)といった難関大学に302名の合格者を輩出しました。内訳を見ると、84名を慶應義塾大学SFC(総合政策学部・環境情報学部)AO入試(夏AO・秋AO)、39名を慶應義塾大学法学部FIT入試、17名を慶應義塾大文学部自主応募制による推薦入学者選考、48名を早稲田大学の現役合格に導いています。
※2026年度の入試情報

早稲田塾がこれほど多くの難関大学総合型選抜現役合格者を輩出できる秘訣は、多彩で独特なカリキュラムにあります。

早稲田塾では、受験生同士のディスカッションを通じて表現力を培う「総合型・学校推薦型選抜(AO・推薦入試)特別指導」、専門講師の講評と受講生同士の講評を通じて論文の質を高めていく「論文系講座」、一般選抜への備えも万全にできる「東進講座」、英語4技能を鍛える「英語特訓道場」、英語の資格・検定試験対策を行なう「英語4技能資格試験系講座」、プロフェッショナルによるワークショップを通じて表現力を伸ばす「表現力開発講座」、大学教授や有識者を招いてフィールドワークを行なう「未来発見プログラム」を提供しています。

「教え教えられる」ことを重視したこれらの7つのカリキュラムを通じて、生徒の総合型選抜を突破する力を養います。

Loohcs志塾

2013年創業のLoohcs志塾は、全国に30校以上の校舎を構え、さらにネット・在宅受講コースを設けている総合型選抜専門の大学受験予備校です。

2026年度には、64名を慶應義塾大学法学部FIT入試、46名を慶應義塾大学SFC AO入試の合格に導いています。
※2026年度の入試情報

Loohcs志塾の強みは、AO入試に詳しい専門家たちが組んだカリキュラムにあります。

Loohcs志塾のカリキュラム策定にかかわっているのは、大学教授・弁護士・プログラマー・起業家など、Loohcs志塾を卒業した人を中心としたそうそうたる面々です。

分野に応じた専門家によって考案された質の高いカリキュラムと15年にわたって積み重ねられてきたノウハウにより、生徒を志望大学合格に導きます。

AOI

2016年設立のAOIは、関東・近畿・中部・九州に12の校舎を構え、さらにオンライン校を開設している総合型選抜専門塾です。

2026年度入試においては全体合格率93.5%を達成し、関関同立に累計で600名以上、早慶上智GMARCHに300名以上の合格者を輩出しています。
※2026年9月10日時点の公開情報

AOIの大きな特徴は、「人づくり」をベースとした濃密なカリキュラムにあります。

AOIでは、高校1年生に対しては、課外活動、自由研究活動、プレゼンテーション、読書、英語資格勉強を通じて好奇心を育成します。

高校2年生になると、自己分析、ロジカルシンキング、クリティカルシンキング、学問研究、社会問題学習を通じての自己の強みの発見と研究活動、社会課題分析、解決策の構想、学問研究、大学研究を通じての自走力の鍛錬を行ないます。

高校3年生になって初めて、志望校を選定し、大学別提出書類作成、推薦書の準備、面接練習などの大学別対策を提供します。

生徒の偏差値や成績だけで受験する大学を制限することはせず、生徒の個性や素養が認められる大学を探すところから、合格戦略の立案・学習サポートまでを徹底的に行なうのが特徴です。

まとめ

総合型選抜(旧AO入試・AO受験)は、学校推薦型選抜や一般選抜との違いが数多くあります。評定や活動実績など出願要件が大学ごとに定められているため、出願を目指す場合には早めの確認が必要です。

大学で学びたいことがある人、主体的に学ぶ意欲がある人には、総合型選抜での受験が向いています。一般選抜などほかの選抜を検討中の方も、自分に総合型選抜が向いているかどうか、今一度考えてみてはいかがでしょうか。