ほぼ受からない?総合型選抜(旧AO入試)の合格率や対策を解説

大学入試には、一般選抜、学校推薦型選抜(旧推薦入試)、総合型選抜(旧AO入試)があります。中でも総合型選抜は、多くの大学が積極的に募集枠を広げており、志願者数も増えているということで、今注目を集めている選抜方式です。

本記事では、総合型選抜の特徴や平均倍率、選ばれる基準、総合型選抜に向いている人、受かる人の特徴、受かるための対策方法について解説した上で、主要大学における総合型選抜の合格率を紹介します。

総合型選抜の特徴

総合型選抜は、人物像にフォーカスした特殊な選抜方式です。一般選抜と比べると、学力試験の成績は重視されません。また学校推薦型選抜と比べると、高校の学業成績は大きく影響せず、出身高校の校長の推薦も必要ありません。基本的には専願制であることも総合型選抜の特色の1つに数えられます。

総合型選抜の選考方法は大学によってさまざまです。多くの大学は書類審査のほか、面接、小論文などを課します。模擬講義やセミナーへの参加後、筆記試験やグループディスカッションなどを課す大学もあります。体育系や芸術系の学部では、実技試験を課せられることが一般的です。

なお文部科学省の調査によると、2020年度に総合型選抜の前身であるAO入試で大学に入学した人の割合は、全体の10.4%となっています。

総合型選抜の平均倍率

旺文社の調査によると、2020年度のAO入試の平均倍率は、国立大学では3.4倍、公立大学では3.2倍、私立大学では2.4倍となっています(国公立大学はセンター試験免除)。

同年度の一般選抜の平均倍率が、国立大学では4倍、公立大学では4.6倍、私立大学では3.8倍であることと比べると、AO入試の平均倍率は低いと言えます。

また、同社が2021年5月に発表した調査によると、総合型選抜の元年に当たる2021年度の大学入試の共通テストを課さない総合型選抜の平均倍率は、国立大学では3倍、公立大学では3.1倍となっています。私立大学における総合型選抜と学校選抜型(公募制)を合わせた倍率は2.8倍となっています。

同年度の一般選抜の平均倍率が、国立大学では3.8倍、公立大学では4.4倍、私立大学では3.1倍であることと比べると、やはり総合型選抜の平均倍率は低いと言えるでしょう。

総合型選抜で選ばれる基準は?

ほとんどの大学・学部は、総合型選抜の基準としてアドミッション・ポリシーを掲げています。

アドミッション・ポリシーとは、各大学・学部が入学者の受入れ方針を記したものです。アドミッション・ポリシーを読むことで、大学が学生に求める資質や能力を知ることができます。

アドミッション・ポリシーを読む限り、総合型選抜では大抵の大学において、学力に限らず、課外活動や資格、人間性などを含め、多面的に評価されます。とはいえ、相応の学力のある人物を求めていることは忘れてはいけません。

総合型選抜に向いているのはどんな人?

総合型選抜に向いているのは、大学・学部が掲げるアドミッション・ポリシーに深い理解があり、かつマッチしている人です。

ボランティアなどの課外活動や資格の取得、研究活動の実績がある人、「これだけは誰にも負けない」と思える個性がある人、将来の明確なビジョンがある人などは、総合型選抜の対策もスムーズに進められるでしょう。

もちろん、大学・学部が設けた学力基準に達している必要もあります。

総合型選抜対策としてすべきことは?

総合型選抜を突破するための対策としてまず行うべきことは、自己分析です。アドミッション・ポリシーをよく読み、大学で学びたいことや志望理由などを明確にしておきましょう。

課外活動に積極的に参加したり、資格を取得したりするなど、大学が求める人物像に近づくための努力も必要です。また、どの教科のどの授業もないがしろにせず、テストも高得点を目指すなどし、なるべく良い成績を収めることも大切です。

総合型選抜の二次試験で課される面接や小論文などの対策も、早いうちから取り組んでおくことをおすすめします。高校や予備校に相談し、協力してもらいましょう。

主要大学における総合型選抜の合格率

総合型選抜の合格率は、大学・学部によって異なります。当然ながら、人気の高い難関大学・学部の合格率は低めです。しかし、一般選抜の合格率と比べると、総合型選抜の合格率の方が高い大学・学部もあります。

ここでは、主要大学における総合型選抜の合格率を一般選抜の合格率とともに紹介します。

国公立

文部科学省の資料によると、国公立大学では、総合型選抜を採用する大学が増えており、募集人員も年々増加しています。そのため、総合型選抜を選ぶことで合格により近づける大学も増えてきています。

以下より、国公立大学で総合型選抜を採用している大学から、北海道大学・東北大学・東京工業大学・東京医科歯科大学・京都大学を取りあげ、それぞれ2つ学部について、2021年度の総合型選抜の合格率を紹介します。

北海道大学


総合型選抜の合格率一般選抜の合格率
理学部5%
(合格者数:1/受験者数:20)
38.5%
(合格者数:89/受験者数:231)
医学部24.3%
(合格者数:9/受験者数:37)
41%
(合格者数:275/受験者数:670)

東北大学


総合型選抜の合格率一般選抜の合格率
薬学部43.6%
(合格者数:24/受験者数:55)
33.7%
(合格者数:61/受験者数:181)
工学部32.2%
(合格者数:228 / 受験者数:709)
40.5%
(合格者数:590 / 受験者数:1,457)

東京工業大学


総合型選抜の合格率一般選抜の合格率
工学院18.3%
(合格者数:35 / 受験者数:191)
27.2%
(合格者数:320 / 受験者数:1,175)
情報理工学院23.1%
(合格者数:6 / 受験者数:26)
12.1%
(合格者数:89 / 受験者数:734)

東京医科歯科大学


総合型選抜の合格率一般選抜の合格率
医学部20%
(合格者数:2 / 受験者数:10)
35.9%
(合格者数:171 / 受験者数:476)
歯学部0%
(合格者数:0 / 受験者数:2)
44.7%
(合格者数:85 / 受験者数:190)

京都大学


総合型選抜の合格率一般選抜の合格率
総合人間学部10.2%
(合格者数:5 / 受験者数:49)
29.6%
(合格者数:118 / 受験者数:399)
文学部16.7%
(合格者数:11 / 受験者数:66)
33.4%
(合格者数:213 / 受験者数:638)

私立

私立大学においても、学校推薦型選抜を総合型選抜に変更するなど、総合型選抜の拡大が続いています。そのため、私立大学を受験する場合には、総合型選抜での受験も視野に入れておいた方が得策でしょう。

ここでは、総合型選抜を採用している私立大学から、慶應義塾大学・早稲田大学・法政大学・順天堂大学・立命館大学を取りあげ、それぞれ2つの学部について、2021年度の総合型選抜の合格率を紹介します。

慶應義塾大学


総合型選抜の合格率一般選抜の合格率
総合政策学部9%
(合格者数:120 / 受験者数:1,332)
14%
(合格者数:404 / 受験者数:2,885)
環境情報学部10.2%
(合格者数:124 / 受験者数:1,216)
13%
(合格者数:336 / 受験者数:2,586)

早稲田大学


総合型選抜の合格率一般選抜の合格率
商学部3.8%
(合格者数:2 / 受験者数:53)
11.3%
(合格者数:1,166 / 受験者数:1万339)
社会科学部17.3%
(合格者数:87 / 受験者数:503)
11.3%
(合格者数:1160 / 受験者数:1万258)

法政大学


総合型選抜の合格率一般選抜の合格率
国際文化学部32.3%
(合格者数:61 / 受験者数:189)
16.7%
(合格者数:538 / 受験者数:3219)
キャリアデザイン学部34.8%
(合格者数:32 / 受験者数:92)
13.0%
(合格者数:670 / 受験者数:5154)

順天堂大学


総合型選抜の合格率一般選抜の合格率
医学部55.6%
(合格者数:10 / 受験者数:18)
8.3%
(合格者数:295 / 受験者数:3550)
保健医療学部16.1%
( 合格者数:50 / 受験者数:310)
23.2%
(合格者数:305 / 受験者数:1315)

立命館大学


総合型選抜の合格率一般選抜の合格率
映像学部16.5%
(合格者数:18 / 受験者数:109)
17.6%
(合格者数:330 / 受験者数:1880)
総合心理学部25.7%
(合格者数:26 / 受験者数:101)
28.4%
(合格者数:694 / 受験者数:2445)