熊本県立大学は、2027年4月に半導体学部(仮称)を新設する構想を発表した。
熊本県は、世界的半導体メーカーである台湾のTSMCが日本工場を初めて建設した土地でもある。第二工場の建設が予定されるなか、不足する半導体人材を育成することが、同学部新設のおもな狙いだ。
同学部の入学定員は60名で、既存の総合管理学部の定員を280名から220名へ削減するかたちで大学全体の入学定員は維持する。月出キャンパス内に学部棟を新設する予定で、開設から2年間は既存施設を活用し、3年目から新施設に全学年が移行する予定だ。
カリキュラムはAI・先端情報、マイクロエレクトロニクス、スマートマテリアルの3モデルで構成し、半導体応用、デバイス工学、材料・製造工程などに深い知見を持つ実践的人材を育成する。半導体の専門知識に加え、半導体に関わる分野を横断的に習得することが可能だ。なお、授与する学位は、「学士(半導体学)」を予定している。
熊本県は「くまもとサイエンスパーク」構想を推進しており、半導体関連企業集積や産学官連携拠点整備を柱に、地域全体の成長を図る方針だ。新学部はその中核施策の一つとして位置付けられ、県内産業の発展と次世代の半導体人材育成を担う拠点となることが期待されている。