サマリー
- 大学受験生の8割以上が第1志望を決定(9月時点)
- 志望大学を決めたタイミング、自粛中の高3春が最多
- 第1志望の大学、3割上が国公立
- 最も人気が高い学部は文系「経済学」、理系「理工」
- 約半数が地元志向、地元以外の都市部への進学は3割未満
調査概要
休校による授業の遅れや夏季休暇の減少など、新型コロナウイルス感染症の拡大は受験生に大きな影響を与えています。加えて、大学入試センター試験の後継として今回初めて大学入学共通テストが実施されます。
先の見通しが立ちにくい2021年度大学入試に対し、受験生はどのような選択をしているのでしょうか? 塾・予備校比較ナビでは、大学受験を控える高校3年生に調査を実施。志望する学部など、21年度大学入試に臨む受験生の「選択」に迫りました。
調査結果
大学受験生の8割以上が第1志望を決定(9月時点)
新型コロナウイルス感染症は、受験生の大学選びにどのような影響を与えたのでしょうか? 受験生に志望校を決めたかどうかを聞くと、85.1%がすでに志望校を決めていることが分かりました(9月の調査実施時点)。
一方、14.9%の受験生はまだ志望校を決めあぐねています。オープンキャンパスが相次いで中止になるなど、新型コロナウイルスは受験生の情報収集にも影響を与えています。自らの将来像と向き合いながら、各大学の対応状況やコロナの影響などを慎重に見定めているのかもしれません。
Q1.あなたはすでに、第一志望の大学を決めましたか?(n=464)
志望大学を決めたタイミング、自粛中の高3春が最多
21年度入試に臨む受験生が志望大学を決めたタイミングはいつだったのでしょうか。調査では高校3年の春(4月~6月)が34.2%と最も多く、高3の夏(7月~9月)が26.3%と続きました。4月~6月といえば緊急事態宣言が発令された期間です。またインターハイの中止が発表された時期でもあります。
春に志望校を決めた割合が多くなっているのは、新型コロナウイルスが部活動へ与えた影響も少なからずあるのかもしれません。
Q2.あなたが第一志望の大学を決めたタイミングについて、あてはまるものをお選びください。(n=395)
第1志望の大学、3割超が国公立
さらに志望する大学のタイプについて調べたところ、「私立」が63.8%、「国公立」が36.2%でした。
20年度入試では大学による定員の厳格化などの影響を受け、中期受験が可能な公立大学の人気も高まりました。例年に比べ見通しが立てにくい21年度入試でも、その傾向が強まる可能性はありそうです。
Q3.あなたの第一志望の大学のタイプについて、あてはまるものをお選びください。(n=395)
最も人気が高い学部は文系「経済学」、理系「理工」
社会情勢の影響を受けやすいといわれている学部の志望状況はどうなっているのでしょうか?
最も人気が高かった志望学部は理系が「理工」で11.8%、文系は「経済学」で9.8%でした。他には「教育」(8.1%)、「経営学」(5.4%)、「情報・メディア」(5.4%)、「文・人文」(5.3%)が人気となっています。
Q4.あなたの第一志望の大学の学部系統について、あてはまるものをお選びください。(n=263)
約半数が地元志向、地元以外の都市部への進学は3割未満
志望する大学の地域を聞いてみると、49.4%と約半数が「地元」と答えました。「地元以外の地方」は22.4%、「地元以外の都市部」は28.1%となっています。
新型コロナウイルスによって受験の密集リスクも懸念されています。そうした観点から移動や”密”を避けるため、地元の大学を志望する学生も一定数いると考えられます。
Q5.あなたの第一志望の大学の所在地について、あてはまるものをお選びください。(n=263)
調査手法
- 調査期間:2020年9月8日~15日
- 調査対象:2021年度に大学受験をする高校3年生
- 調査方法:インターネット調査
まとめ
今回は21年度大学入試を控える受験生の現状を調査しました。調査結果からは志望する学部や地域など、コロナ禍の受験動向を知ることができました。新型コロナウイルスが受験生に与えた影響は少なからずありそうです。
大学入試本番まで、残された日数はそう多くありません。大変な状況下ではありますが、1人でも多くの受験生が、自分の望む大学への入学を勝ち取れるように祈っております。